これらの口コミは、こだまひろしさんの主観的なご意見・ご感想です。あくまでも一つの参考としてご活用ください。
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わが国の昭和高度経済成長期を支えた商店街/文芸の没落ぶりは目を覆うものがあり、その「対策」として生き残りをかけた「観光地化/一世代前なら絶対に行わなかったであろうあからさまな演出」が進んでいる。
個人的にはさびしい限りだが、背に腹は変えられぬということだろうか。休日の谷中商店街なんて地図を手にした観光客だらけ、それに加えて媒体の紹介記事をベタベタ店頭に掲げる最近進出してきた新興飲食店が拍車をかける。おまけに最近「めぐりん」まで商店街の中(一部だが)を走る始末。後十年も経てばどうなってしまうのだろう、少しばかり心配だ。
東京の北の外れ十条の商店街は「まだ観光客に比較的荒らされていない」方だと思うが、名店の誉れ高い斎藤酒場にしても、わずかではあるものの、「観光地化」の匂いがする。(無論、私にしたところで地元民ではなく、「観光客」の一人である。)
毎度前置きが長くて申し訳ないが、東京のあらゆる場所で観光地化が進む(それは近代の宿命だと思う)中、王子は「遅れた観光地」「かつては名園/飛鳥山公園を控えた観光地だったものの今では忘れ去られた一等地」であり、ここはむしろ、王子の大衆酒場の代表格である当店を紹介し、ゆるやかな再観光地化と引替であったとしても「若い世代」への引継ぎの一助にでもなれば、と思う。
「若い世代」への引継ぎなどと大仰なことを記したが、当店の顧客層は見た目ほとんど還暦をはるかに越えており、私は最も若い部類に入るだろう。この感覚は、かつて私が競輪場通いをしていた頃とほぼ同一である。またまた話が脇道に逸れて申し訳ないが、競輪場にはかつての鉄火場の熱さは今はなく、今や年金生活の爺さん達の社交場と化していて、聞くところによれば売上は最盛期の10分の1程度という説もある。当店もまた爺さん達の社交場であることに変りはない。
さて、ようやく当店のレビューであるが、おつまみ・酒の価格設定は「良心的」を通り越して「驚異的」だと私は思う。
・チーズ(大ぶり2切れ)¥160
・まぐろぶつ¥260
・半熟玉子(蕎麦つき)¥230
・子持ちししゃも唐揚げ(やや大きめ3匹)¥230
・ほうれん草おひたし(味噌和え)¥160
・鯨ベーコン¥300
・ハムカツ(ハム2枚分、半月型4切)¥150
・麒麟麦酒クラシックラガー中瓶¥450
・久保田千寿90CC¥220
・焼酎+林檎ジュース(¥250+¥130)
を注文したが、外れは全くない。
この値段のおつまみに千寿を合わせるのはどうか?とも思ったが、まぐろぶつ・ほうれん草おひたしは思いのほか良質で、少なくとも千寿に負けていなかったと思う。揚げ物の油の処理も上々で、この価格帯では最高ではなかろうか。
北の名店斎藤酒場と比較して(比較すること自体、無粋/野暮だとは思うが)、価格面で頭一つ、味の面で頭二つか三つ抜けていると感じた。
品書きで記憶に残る(多少違っているかもしれない)所を列挙すると、
・生卵¥60
・納豆¥100
・オニオンマヨネーズ和え¥120
・めざし¥130
・いもサラダ¥230
・コロッケ¥150
・湯豆腐¥160
その他色々¥230~¥260中心
・黒麦酒(たぶん小瓶)キリン¥310、エビス¥330
・八海山1本(たぶん360CC)¥750
で、私の知る限り、都内屈指の価格設定である。
普通に酒2杯(又は麦酒中瓶1本)+おつまみ3種を楽しむことができ、1000円でお釣が来る「本当の意味で地域に密着した優良店」(事実、私の前にお勘定された方が3名ほどいたが、いずれも800円代であった)だと、私は思う。