阪川(京料理、懐石料理/東山)

 
どこへ行こうと中華はボイコット。 
Tオカ (40代前半・男性・京都)
標準点 2.5
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阪川
阪川 (10)
(京料理、懐石料理 / 東山)

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祇園の奥まったところにあるカウンター割烹の阪川さん、
このお店は京都の割烹ではなく祇園の割烹と呼びたい。
心地よい狭さの店内、カウンターのこちら側は小綺麗で整然としているが
あちら側では生きた鮎がピチピチと跳ね貝がカチャカチャと開かれザクッザクッと鱧が骨切りされ、キラキラツヤツヤとライブ感たっぷり。
これがカウンター割烹の醍醐味やな、板場は海や山とつながっていてカウンターの境界線を越える瞬間に野生がハレの料理に変わる。

やはり鱧、いま鱧を食べんで何時食べんねん?である。
梅雨時に「つ」の字の形になるくらいの丁度エエ大きさに育った鱧を「つ鱧」または「つの字の鱧」と呼ぶ、
味自体は秋の落ち鱧も美味しいのだが皮の厚みや骨の歯触は今がベスト。
そんな鱧が最も美味しい時期に行われるのが祇園祭、別名「鱧祭」とも呼ばれるらしいが実際誰かが祇園祭を「鱧祭」と呼んでるのを聞いたコトは無いなぁ・・・。
ナゼ鱧なのか?
鱧という魚は非常に生命力が強く水から上げ大阪から京都まで運んでもピンピンしている、つまり昔は京都の人が食べられる唯一の新鮮な海魚だったそうな。

焼き霜は大将がザッザッと骨切りした鱧を自ら炙り氷塊にジュッとのせて冷ました後切り分ける、別の氷塊を包丁で削りその上に盛りつけ。
生命力あふれる鱧が繊細なガラス細工のように透明感たっぷりに生まれ変わる、
山葵と御醤油で・・・なんという脆い歯触り、そして淡い味わい。
誰がしてもこうなるわけではない、京都の人だからこその加減である。
他には賀茂茄子の揚げ出し、油目のつけ焼き、鰻とうふ、生順才(!)、どこより美味しい鴨ロース、舞鶴のごっつい鳥貝の炙り・・・
一品づつでも注文できるあたりに大将の懐の深さを感じる。
鮎の塩焼き・・・祇園では小さい鮎が好まれる、さっきまでピチピチ跳ねていたのを頭からガブリとやると華やかな香気が拡がる。
そして締めに?鱧と早松茸のしゃぶしゃぶ、
ここでも大将の骨切りは鮮やか!
ザッ、ザッという音に期待が膨らむ。
「つ」の鱧と柔らこい松茸・・・至福の瞬間
旨味を吸った湯葉も美味、最後は微細な旨味が交差する御雑炊でお腹いっぱい。
全てが遺伝子にビビビッであった。

大将は誉められても決して驕らずどんな無理でも快く聞いてくれる、
果てしなくアルチザン、そして果てしなく人が好い、
料理は超一級、京料理の凄味さえ感じる、
ごちょごちょ難しいことを言わないでも素晴らしい料理は作れるのだ。
この場所、佇まい、狭さ、座り心地、聞こえる音、そして味・・・全てが等身大で心地よし。
10人中10人に美味しいと言ってもらいたいわけではない、8.5人が美味しいと言ってくれればそれでいい、そんなもんですワ、と大将は言っていた。
ほどほどでエエ、ということなのだろうか?

近頃関西のお客さんより関東から来たお客さんのほうが目立つお店が増える中で、ここはいつも京都のお客さんでぎっしりいっぱい、
祇園で強烈に愛されている・・・というコトだけは間違いない。
(雰囲気が満点に0.5足らないのは祇園のうるいさ方がたまに騒いでらっしゃるから・・・こういうあたりも奥座敷?)

店名 阪川さかがわ
最寄駅 東山
ジャンル 京料理、懐石料理
住所 京都市東山区祇園町南側570-199 (地図を見る
TEL 075-532-2801
営業時間 17:00~22:00
'07/07/05 ('07/07訪問)
  • ¥10,000 ~¥14,999
  •  

コメント(4件)

'07/07/06
鱧がおいしそうです。
東京で安くて美味しい鱧食べさせてくれるお店はあるのでしょうか?

'07/07/06
みゅーぱぱ 様

コメントありがとう御座います。

>安くて美味しい鱧

・・・「美味い」はそこそこなんとかなっても「安い」が難しいですね。

銀座の貴船では昔から鱧ずくしを出してますし赤坂の鈴よし菊乃井でも出すのでしょうが値段が・・・
結局荒木町の八平が丁度、という気がします。
決して気取った店ではないので女将さんに予算を伝えて「鱧は入れてね」と言って任せるのがベストじゃないでしょうか。
最近は東京でも鱧を出す店が増えましたし築地の場内でも鱧をよく見かけるようになりました。
(10年前は全く見かけませんでしたが・・・)
ただ勝手な思いこみかもしれませんが関西で修行した人とそうでない人では骨切りの加減が随分違うと思います。
八平の大将は祇園の人なのでさすがに上手です、
機会があれば、ぜひ。

'07/07/07
Tオカ様

す、す、素晴らしいレビューです!!

なぜ京都でなくてはいけないのか?なぜこのお店なのか?
なぜ、京料理なのか?そしてなぜ、今なのか?
読み進むうちに、しっかりとそして臨場感たっぷりにその理由(答え)が伝わってきます。

まさに
京の魅力尽くし。

Tオカ様が愛してやまない京都の本質 — 美しい四季折々の風景
その壮大で雅なドラマに演出はいらず。
その瞬間に立ち会えば、すべてわかると言う・・・。

レビューを読むだけで、
私もそこのお店にいるような錯覚をおぼえました。
日本人ですね、私も。

京に会いにゆこう!

'07/07/07
7 Seas さま

勝手なことを書いただけなのに恐縮です。
やはり下層階級の人間なので料亭よりもカウンター割烹なんかのほうが
シックリくるんですよ。
東京の鰹、大阪の鯛などと同様に京都人は鱧に対しては強い執着があります。
当然美味い不味いがあって、美味しいのを食べたときにはホッとしますね。
尚、決して京都じゃなきゃダメというワケではありません、
大阪には大阪の鱧の味が神戸には神戸の鱧の味があります。
「捉え方」にそれぞれの個性があるように思います。

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