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'07/07/11 ('07/07訪問)
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- :料理・味、
- :サービス、
- :雰囲気、
- :使った金額(夜)/1人
- :使った金額(昼)/1人
- :おすすめシチュエーション










旧い民家の玄関に打ち水。一歩店内へ入ると隅々まで完璧に掃き清められた通路と和室。かすかに優雅に漂う残り香。床の間の備前の器に飾られた草花が爽やかに季節の彩りを添えています。まるで京都の老舗料亭の離れか茶室に案内されたかの趣です。
静寂かつ緊張感の中、煎茶を頂きます。良質で美味しい。この店は一切手抜きをしていないという期待感が沸くのです。さすが茅ヶ崎いや湘南を代表する和食の名店だと改めて思います。(この店で使用される器や塗り物はどれも素晴らしい)
相模湾で獲れた最上の旬の魚介、これを確保する為にこの地に店を構えました。素材の一つ一つにこだわりを持ち野菜、茶、醤油に至るまですべて無農薬で最良のものを近隣などから調達。さらにそれらの素材を手間隙惜しまず丁寧で細かい仕事を施し、その上で主人の卓越した調理技術と夫人のもてなしの心、気配りが柚の木の料理を最上の作品に仕上げるのです。
久しぶりの訪問となりました。昼の食事です。鳥海山の山ウドの辛子酢味噌和え、腰越の〆鯖には糸三つ葉や二十日大根が添えられて。 相模湾で採れた鯛の真子には生麩とスナップピー が。天ぷらの盛り合わせは海老、穴子、茄子、人参など。カラっと揚げたてだけど油が爽やかで衣が決して引き立て役に徹しているだけではなくて風味すら醸し出しています。最後はご飯、香の物、赤だし 白玉汁粉です。
魚は相変わらず包丁の切れ味の鋭さ、そして残り香の微かに漂う清楚な店内には季節の移ろいに溶け込むように親しむ余裕すら感じます。丁寧な調理の数々にひたすら満足感で満たされます。
2004.12.27のレビュー
柚の花は初夏の頃小花を開き香気を放つ。柚子は秋から冬にかけて旬となりその実は香りや酸味を賞味する。 更に冬至には柚子の実をお風呂に入れて柚子湯(ゆずゆ)とする。これは湯治(とうじ)と融通(ゆづ)をかけている。
この店は季節感に満ちた自然な食材を使用し情緒たっぷりに楽しませてくれるが名の通りその柚子の使い方は芸術的。今回頂いたのは昼の5000円のコースで内容は下記の通り。いずれも主人の卓越した技の冴えと夫人の心温まる接客により十二分に堪能した。
栗の渋皮煮、ウスバハギのお造り、炊き合わせ(里芋、生麩、春菊、柚子の香り)、甘鯛の活け〆のお吸い物、天ぷら(海老、しいたけ、蓮根、穴子、南瓜、結び三つ葉、ニンジン)、ご飯、味噌汁、香の物、デザートは白玉あずき。
和室の床の間には「花色の紅を冬の力にたくわえる」という寒椿が一輪ほど梅の小枝とともに活けてある。その凛とした緊張感とも思える姿はこの店の姿勢を表しているようにも思える。しかし何時の季節も完璧とも言うべき料理の数々と接客は時空を超えている。
2003.7.30のレビュー --------
今回、ある梅雨の一夜「若竹」(10000円)の献立をお願いした。銘を「浜木綿」という。前菜(煮梅、とこぶし旨煮、越瓜雷干し)、お吸い物(南瓜擂り流し、振り柚)、お造り(相模湾におまかせ)、炊き合わせ(豚角煮、辛子、おくら旨煮)、揚げ物(万願寺唐辛子の海老いこみ、振り塩)これに御食事、香の物、お菓子、薄茶と続く。それぞれがひたすら感心する出来栄えである。
特にお造り、これには「相模湾におまかせ」という特別な思いが込められている。相模湾は漁場としては日本で最高の場の一つであり季節の最高の幸を提供してくれる。今日は「さわら」であった。運ばれてきたさわらのお造りを見て、ただならぬ包丁さばきを感じる。見事な切り方である。さわらもほどほどの脂の乗り具合で舌に心地良い。良質の醤油と相まって極上の相模湾の味覚を堪能する。さわらは春の魚であるが目利きが良いとこの時期でも素晴らしい。
一品一品、どれも見事に調理されているが全体の調和にも細かく気を配られている。それぞれ素材の活かし方が素晴らしく見事な味付けで個性が良く表現され季節の食感を余すことなく味わう。
個々の料理が時に主役になり又献立全体の為に名脇役にもなり素晴らしいハーモニーを奏でる。
名料理人とそれを支える夫人の二人の志の高さ、それを実現する強い意思力、高度の調理技術、室隅まで気を配るもてなしの心、そして季節を優美に表現する高い感性、柚の木の食事はまさに二人の芸術作品である。私はこの店で食べた献立表を保存する。焼き物に銘があり眺める毎に作者の想像力により優美な世界に導かれる様に、柚の木の料理も銘があり献立表を眺める度に感動の記憶と夫婦による時節毎の新たなる創造への期待に胸が膨らみ優雅な悦楽に浸るのである。