レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2011/01訪問 2011/01/15
魚が旨い魚が旨いと散々聞いてお伺いしたら。存外に料理が良かったのに驚かされた。
魚はすべて愛媛からの直送とのこと。ご主人いわく築地だとこの値段では出来ねえと。
2階も含めてすべて3名で賄うってのは、結構、大変そう。
今日は5千円のコースにてお願いする。
ビールを飲みながら待っていると。鰻(蒸しなし?焼きたて。香ばしく)にトロロをかけたもの、下に揚げナスが敷いてあり。揚げ出汁風になっているのだが、この出汁が旨い。てっきり、刺盛りとか焼き魚、煮魚くらいは。と思っていたのが。
刺身は、めじ、さわらとか脂が強いもの3品。醤油にレモン汁を垂らしたものが添えてあり。刺身のうえに一味唐辛子がふりかけてあるのが目新しく。さっぱりと。
定番らしき。ハマグリのウシオ汁。自家製らしき玉子豆腐がふんわりと。
メイン・イベント。塩釜焼き。ひとりでも塩釜にしてくれる。
中の半生感が堪らなく。なんとか鯛の切り身をカツラ剥きした大根にくるみ。
塩で固めて焼く。松山でよく食したもの。旨味の凝縮感が、酒にベストマッチ。
イサキとハタの唐揚。添えられたキュウリの酢の物、揚げのさっくり感が。相当の分量を食してきたものを。食感を軽く。
タコとイサキのシラコ。トマト、ベビーコーンとか野菜たっぷりの煮物。なかなか、ヘルシーかつ旨あな一品。
焼きおにぎりの出汁かけ。自家製の漬物と。
デザートも。メロンのシャーベットをお茶風味の牛乳寒天に。
酒は、天山、豊国、水楽草と三種。燗ももらったので、計4杯。
水楽草は香りが強烈。ボディもばっちり。豊国がいちばん好みかもしれぬ。
以上、1年半前、新橋の旧店にお伺いした際のレビュー。
こちらの新橋の店が麻布十番に移って、店名を変えたとか。いろいろと経緯があるようだが。現時点にて。新橋の店と同じ電話番号の濱壹が本濱のそばで営業されている。再開店は、2010年11月とのよし。
前の新橋の店がバラック風だったのに比して、なんかオシャレ風な造り。カウンター席に通されたが、奥に個室だか、テーブル席があったみたい。
6千円台と8千円台のコースの2プライス制。6千円台のコースをお願いした。
香箱蟹がまず。ウチコとソトコがたっぷり。いやあ、こんなものが食えるとは思ってなかった。
先付の盛り合わせのようなプレートにて3点盛り。鰆の寿司、ツブ貝、子持ちコンブとふわふわトロロ、なかなか繊細な出来栄え。
ソラマメがシンジョウのなかに入ってた澄まし汁。大根の薄切りがふわっとかけてあるのもオシャレ。
刺身盛り。アマダイは炙り、フエフキダイ、イカにアンコウの肝を載せたもの、アジ。
クエと菜の花を取り合わせたもの。
やはりというか、タイの塩釜。〆は、フグの雑炊。
デザートは、抹茶の牛乳寒とミカンのジェリー。
全般的に、食材が派手に、かつオシャレに。もっと素朴な雰囲気があった昔が懐かしくもあり。
一杯目の生ビールのあと、天山の熱燗、そして枯山水。そのあと、寿の四合瓶をふたりで空ける始末に。
〆てひとりあたり1万円ちょいの仕上がり。
ひとり若い女性の方の客あしらいは、相応のものだったが。店をオシャレ風をした分だけ、やや回ってない感もあり。
その観点からも、昔のバラック風の新橋の店が懐かしく。
3位
1回
2009/05訪問 2009/05/10
元なだ万という文句は小生的には惹き句となるか否か微妙。と思ったが、この店自体は堅実かつ良心的な佳店かと。
店構えは、割烹らしくない。無国籍というかカフェというか。わざわざ、こう設えたのはなぜなのか?少々、不思議な気がしないでもない。
コースにて5千円以下という設定は良心的。しかも、単品でもオーダー可とのこと。
今回、一番安いコースの価格設定を念頭に置きつつ、アラカルトにて適宜。お通し。ホタルイカ・酢味噌にて。マコガレイの薄造り。タケノコの木の芽焼き。かつをのタタキ。テビラハタの酒蒸し。その後、ポテトサラダと、大根の揚げ出汁を追加。
ホタルイカはまるまるしてて、最高のツマミにしてスターター。薄造りはさすがの出来映え。かつをのタタキは量はたっぷりめだったが。タケノコの焼き物も堅実な出来栄え。テビラハタの酒蒸しには感動。もう少し料理主体の組立てにすべきだったと、ちょっと反省。料理的にこれだけしっかりしたものをポツポツ頼めるのはとても有難い。
酒をいくつか、というかそれなりに飲むが、もう少しお勧めというかストーリーというか、料理との相性も含めて取り合わせが面白さを、小生のような未熟ものにも満喫できるようなお勧めがいただけると、さらに楽しげなのであるが。小生のオーダーの仕方の問題もあろうが。残念。カウンター席に座るとそのあたりのケアもあるのやもしれぬが。
当日予約にてお伺いしたのだが。さすがというか、満席御礼。人気の店であることを実感しつつ。
酒を飲めればよいという、小生のような人間にとっては、勿体無い店だったのやもしれぬ。
4位
1回
2009/10訪問 2009/10/05
社長みずから板場に立ち、調理の差配から客あしらいからコナサレル。
向上心が旺盛な方のようで、高知で店を始めて3年で神戸に、そして3年で、ここ銀座。次は、海外とおっしゃっていたのだが、さあ如何。
店内ちょっとしゃれたダイニング風にはなっていたが。周囲の照度を落としていらっしゃることもあり、さして普請にカネをかけた感もなく。
刺身、エビ、ノドグロ、〆のご飯等、高知の素材をそこかしこで使った、創作っぽい割烹料理。土佐の郷土料理を予想してお伺いすると、ややぎょっとするかもしれぬとも。
まず最初に、フォアグラを椎茸にのせて供したりとか。牛のタタキにウニをのせたものを青ネギと合わせて食したりとか。「強制的に」旨いっていう品々もいくつか。実は、小生自身、基本、この路線はちょっと苦手かも。しかし、コース1万円にて一生懸命な姿勢、ご主人のなんというかキャラ等々と相俟って、なんというか楽しめた。
ご自慢のカツオ。確かに旨い。目の前にて藁でタタキにするのも、なかなかのご見物。
ニンニクとワサビを添えて、ちょっちょっと塩で食べさせようとするのも好感が持てる(カツオのタタキというと、親の敵のようにポン酢がかけられていることも、多々あり。そんなときには辟易しているもので)。
サワラ、ヒラアジも良質。言うことなし。
椀はハマグリの潮汁。
八寸が力いっぱい。キノコの白和え、むかご等、季節の品に。春巻きにカキフライとか揚げ物も。に、鶏皮、鴨。これだけで、酒が飲めそうな雰囲気。サンマの炙り寿司が旨かった。温かく供するものは、その場にて設えられる。
メインのアカザエビ。これも、高知産とのこと。いままで食したアカザエビの印象がまるっきり変わるくらいのインパクト。
もともと、どういう経歴の方かは存じ上げないが。料理の組み立て等から想像するに、和食本流の経験は?そんな印象も持ちつつ。コース終盤にて供されたノドグロに蕪の摺り流しは、良いお味だった。
最後のご飯も、ややプレゼンが仰々しい感じがしないでもないが、言うだけのことはあろうか。
土佐ジローのタマゴかけご飯ともども、たしかに旨かった。
マージンを抑え目にてがんばりつつ。インパクトはあるし。かなりファンがついていらっしゃるようではあるが。
やや、それぞれの料理が煩い。もう少し、だらっとして旨い。ないしは、一瞬、普通に受け取れるような。そんな感じにはならないものか。それぞれの素材が、どうやっても旨いものを使っているだけに。ここまで、だめ押しされなくても良かろうに、と。でも、まあ、この店のコンセプトからはずれてくるのであろう。
日本酒のお勧めぶりには感心させられた。相当、酒好きとお見受けする。
最初に「文佳人の原酒」。魚には、「久礼」、八寸に「しらぎく 斬」。
純米吟醸焼酎なる仙頭。高知にて飲み歩いたときにも、見かけた試しがない。相当、旨い。かなり、気に入った。
しかし。なんにせよ。社長がいらっしゃらないときに飲み食いしたとしたら、店の魅力は半減するのではなかろうか?高知と神戸の売上が落ちたと笑っておっしゃっていたが。今後のことを考えると、他人事ながら、心配になる。なんにせよ、応援したい気持ちにはなった。不思議な店。
5位
1回
2009/07訪問 2009/07/18
築地にて評判の高い居酒屋らしき。カウンターに席を予約してお伺いしてみた。
まずは、生ビールに刺盛り。たこ、ホッキ、ぷりぷりのアジ、白身は石がれいだっけか。
カツオのタタキはほかほかの藁焼き。塩でさっぱりと(カツオのタタキというと、親の仇のようにポン酢だかをかけてあるのを苦々しく思ってた小生にとっては。とても有難し)。
魚のクォリティは、パナイ。
これだけの魚を供しているのだからと、焼魚に煮魚に。と、魚でまとめても良かったのだが。
しかし一方、そこは、自由な居酒屋フォーマット。
ウニ・ピザがいけてたり。カリカリ豚の水菜のサラダも。
で、胃が重かったからということもあり。軽くまとめつつ。
キャベツの酢漬けというか、ザワークラフトというか。ケッパーがアクセントになってよい。
鶏の炭火焼も。串ではなく。いくつかの部位の盛合わせ。非常に丁寧。
最後。店員にお勧めされた釜炊きご飯。これも必食メニュー。
酒も興味深く。酔右衛門が何種類あったか。和だけでなく。材料と素材の自由な組み合わせ。気取らずに。カジュアルな雰囲気も良い。
6位
1回
2009/05訪問 2009/05/18
駅前の路地に飲み屋が集結。そんな一角にオレンジ色の看板。横に小さい窓から、なかの様子を窺いつつ。どうやら、立ち飲みバーのよう。入り口の看板にて、店名、メニュー等も確認できる。へー、つまみも、結構、あるのか。
まずはビールを。マグロのハム?突き出しが供される。
ビールを飲みつつ、白のグラスも。チュニジア。アレクサンドラ・マスカットなる葡萄種。甘い香り。でも、シャープな飲み口。
タパス3品盛り、たしか1200円だったか。自家製のソーセージ、トリッパ、キャベツ。へー。結構、ボリュームもあって。なかなか旨い。メニューを見ると、コンフィとかも。おひとりで、全てやられているので、なかなか大変そうだが。さすがはプロフェッショナル。
んで。赤のグラス。マルベック種だったか。結構、良かったので、2杯いただいて。切り上げる。
お客さんの雰囲気も良く。酒を楽しんでいる風がよく分かる。良店の予感。
7位
1回
2009/04訪問 2009/04/12
毛利さんの後、ガスライトの店長を勤められていた酒向氏が独立して出した店とのこと。
さるブログで拝見した開店パーティーには錚々たる顔ぶれが。
銀座のハズレとも言える、ひっそりとしたロケーションにて。店内も広々としており。スタッフも氏を入れて3-4名いらしたような。カウンター以外にボックス席がいくつかあって。全部入るとキャパは相当のもの。
ひさしぶりのバーホッピングということもあり。かなり酩酊してお伺いしたのだが(失礼しました)。
一見の客にも、しっかりとマスターが応対していただいたのには、ちょっと感動。
偵察がてら、カクテルとウィスキーのハイボールを。
カクテルはステアということでお願いした。これが感動的。デュボネの風味が絶妙。カクテルは、ステアに如かず、と。先日の某ホテル閉店の際にY氏のステアに感動したことを思い出させるような。日本のカクテルの素晴らしい歴史に沈思する。
明日は早い時間から、所要があるというのに。もう12時過ぎ。早々に退散せねば。
8位
1回
2009/06訪問 2009/06/25
シックな雰囲気のバーながら、6時に開店してまもなくなのに賑わっていた。カウンターはほぼ満席。奥のテーブル席にて。
一杯目は生ビール。そして。ひさしぶりに焼酎。「からいもさんありがとう」なる薩摩白波の蔵がつくる焼酎が、なんともいえない深いあじわい。2杯目の「虎の穴」。飲み口がさらっと洗練されていながら、これも深い。
もつ煮、ジャーマンポテト等、つまみもいける。お手製の水餃子、絶品と言ってよいレベル。忘れてはいけないのは。豆酩(とうべい)、豆腐の味噌漬け。ちょこっと柚子胡椒を合わせながら、箸先でちょっとつまみつつ。こりゃあ、酒が進む。楽しい店をありがとう。
9位
1回
2009/04訪問 2009/05/08
短い滞在時間だったが。相当旨い酒・濃厚な時間を過ごせたように思う。
3杯で1合というお試しセットみたいのがあったということもあり、いろいろ試せたのはよかった。獺祭とかもあったか。小生が飲んだのは。山形の酒、三重の酒、あと、なんだったか(名前をすべて失念してもうた)。
いちじくの漬物みたいなのが3点盛りにて突き出し。さわらの卵を、からすみみたいにした珍味系が鮮烈な味わい。かますの開きの焼き物が、これまた繊細な焼き加減。ひたすら、敬服。こりゃあ凄い。
先日、いただいた酒が見当たらない。もうラインナップの入れ替えとのこと。今回のお試しは広島の本州一、富山の羽根屋、兵庫の龍力。ここまでは記録するが。以下、2名で3-4種類片口をあけたが。青鬼なる青森の酒も飲んだ記憶がある。
今日いただいた焼きものは、鯖の灰干し。これは、まさしくネ申。近所の良心的な和食屋にて食事したのだが。その記憶がゼロクリアするくらいのインパクト。素晴らしい。
10位
1回
2009/08訪問 2009/08/25
ひとり客を、カウンターでなく、なにも言わずに窓際の2人席に案内するのは立派。効率を考えると、カウンターでと言われてもやむを得ないとも思うし。席間も広く、他の席が気にならず、ゆったりと過ごせる。
フレンチ粗挽きが750円。濃い目と指定できるのは、興味深く。濃さを指定できる店というと、表参道のOとかのことが思い出されるが。こっちのほうが、上等なのでは?
へー。札幌か。オシャレが上滑りにならずに。地道な着実な店という印象。「チェーン店としては」という限定はするべきかもしれぬが。
値段がやや気になるということもあるが。銀座に近いというロケーションを考えると、まあ許容範囲。
この近傍にては、お気に入りの店になる予感。今度は、マンデリンとか、試してみたい。
太田和彦氏のご紹介を拝見しつつ。大阪出張の夜に。
なかなか、場所が見つけ辛く。一角が同じ地番。地番だけだと相当に戸惑う。結局、お店に電話してどこの路地を入ったら宜しいのか確認させていただく。
居酒屋というか。大阪らしい割烹料理を供する店。まだ、若いといってもよい溌剌とした雰囲気のご主人に奥様らしき女性の方が給仕など、もろもろサポート。
つまみを4品、3500円か4000円ちょい、か。一応、セットをお願いして。追加にて、いろいろお願いするスタイル。
当日、いただいたものをうろ覚えながら。
・小松菜ときのこの白和えとなますの突き出し。
・刺身。マグロ、タイ、つぶ貝。マグロがすげえうまかった。
・鱧と松茸の小鍋仕立。季節終わりの鱧とハシリの松茸の組み合わせ。シミジミといただく。出汁のひき方が。昆布の使い方なのか、かつを出汁の香りか、醤油の違いか。どこがどうなのかは、よく分からないが、大阪だなあと。
・つまみの盛り合わせのような。酒が進む。
鴨と金山寺味噌。この取り合わせは初めて。れんこんとウニ。いくらおろし。ぎんなん。いずれも手堅い。
・最後の煮あわび。このラストの堂々たる風格。
店名からも分かるとおり、酒には、力を入れられている。興味深いのが。吟醸系の華やかなエーテルがたつ酒を冷たくして供するだけでなく。常温もしくは燗にて、酒本来の香りというか風味を楽しむ酒も重視するというお考え。
当日、頂戴したのは。最初は奥播磨。次に東洋美人の燗。お次の成政の魂を醸す特別純米なる酒を燗つけ。最後に綿屋。
酒もまだまだ。面白いし。〆の一品も。しかし。東京に帰らなければいけないので。程ほどに。
料理に酒に。もっともっと引き出しがありそう。これだけ、つまみというか供される食物に、渾身の力が篭っている「飲み屋」は初めて。さすがは、大阪。