4回
2018/06 訪問
シャープな煮干中華は港の香り。
【3度目の訪問】
保土ヶ谷で横須賀線を無理やり途中下車。
櫻井さんに行くためです。
午後1時半近く、先客わずか1名と空いてます。
6月12日から煮干スタートという心躍る告知。
これで醤油、塩、煮干の3本柱となりました。
今回は醤油と決めてきたが、やられたわぁ…
「特製中華そば・煮干」(990円)にします♫
5分程度ですっと登場。美しいビジュアル。
スープを飲んでみると、どひゃあ~♫♫
煮干の酸味、エグミとビターさギリギリの金属味、
シャープで爽やかな味が駆け抜ける。
鰹節等の和風ダシの旨みで強く下支えされていて、
海の匂いが強く香り、何とも風情豊かな味わい。
軽やかなのに実に旨みが深く、重層的な味。
こりゃ、凄すぎでしょ♫ ダイナミック。
これまでの醤油、塩にはない味の鋭さがあります。
能書きを見ると、2種の煮干スープに、
いりこ・鯵煮干・鶏・節系スープを合わせたらしい。
醤油タレに混じるイワシ魚醤もポイントになってる。
麺はウェーブの強い手打ち風中太麺。
いつもスープを飲み麺を引き上げた時意外に感じる。
これ、ピロピロとスープが絡んで来て実にうまい♫
やや透明感のある麺は口当りがとても優しい。
加水率の高さがスープの煮干の感じにドンビシャ。
麺まで海の香りがしてきます。
特製は、味玉とチャーシュー2枚増のよう。
990円という価格にしては豪華には見えないかなぁ…
チャーシューは2種計4枚。
肩ロースはほんのりピンク色の低温調理風。
品の良いあっさり味だが、やや筋張ってます。
バラ肉は小ぶりでやや厚切り。
脂身部分のジューシーな肉の旨みがたまらない♫
寿雀卵の味玉は半身にカットされてます。
これね、黄身より白身の方が美味しいんです♫
ほんのり甘くてメレンゲのよう。
メンマはすっきりした味わい。彩りはカイワレ。
シャープな煮干中華は港の香り。
ストレートに水面を駆け抜けていく漁船のよう。
柔らかい味を想定していたが、立体感のある味です。
やや荒削りで、旨みを思い切り立てた爽快感。
実に印象深い一杯です。
若干、煮立った節系の雑味が気になる感はあるけど、
それでも上質に寄るより疾走感を大事にしてほしい。
そんな、櫻井さんの新たな一面を見た一杯でした。
しかし、ここ、まさしく行列のない名店。
帰る頃には店内、誰もいません。
このクオリティは間違いなく首都圏百名店レベル。
応援の意味も込め、☆0.5アップです。
まあ、並ばずにこの凄い一杯を食べられるのが、
とってもありがたいんですけどね…
次は一巡して醤油を食べたい!
横須賀線を無理やり降りる機会があればですが…
がんばって下さいね。
2018/06/14 更新
2018/04 訪問
比類なき淡麗塩味中華そば。
【再訪です】
春疾風の保土ヶ谷。良店の櫻井さんを再訪です。
午後1時、並ぶどころか店内半数の入りと空いてます。
食券販売機を見ると、新たに塩系統がラインナップ。
なので「味玉中華そば・塩」(890円)を購入です。
ご主人の丁寧な仕事ぶり、5分ちょっとで登場。
黄金色のスープに鶏油がキラキラ輝く美しい眺め。
スープを一口、ひゃあ、うまいわぁ♫
上質で柔らかな風合いの鶏出汁。品の良い旨みです。
塩ダレから優しい海の香りが漂います。
出汁の旨みとタレのミネラル感が見事に融合。
やや多めの鶏油からはほのかな香ばしさ。
少しづつ体に染み込んでくうまみの幸福感。
うわぁ、もう、ヤバイでしょ♫ 美味しすぎです。
麺は意外性のあるウェーブのかかった中太麺。
加水率高め、つややかで少し透明感のある表情。
これがね、メチャうまいんです♫
何というか、コシがあるのに柔らかい(笑)
つるつる啜れて、噛み心地よく、小麦の味わいよく、
スープと鶏油に混じって口溶けて、旨みを残す。
こんな素晴らしい麺、めったに出会えない。
日暮里の羽鳥さんの麺がこんな感じだったような…
具材、チャーシュー2種。
肩ロース風はローストポークのよう。やや筋がある。
バラ肉風は脂身から溢れるうまみがたまらない。
で、味玉。寿雀卵という伊勢原の人気卵です。
半身にカットされ、黄身が赤っぽい。
ふわり柔らかい白身にコクのある黄身の味わい。
いゃあ、すんごくうまい♫ 外せないトッピングです。
メンマはあっさりとした品のある味付け。
薬味のネギのエキスが鮮度抜群。スープに合います。
こういうところに手抜きのないのが好きです。
比類なき淡麗塩味中華そば。
全くもって素晴らしい仕上りの一杯。
ホントに美味しすぎます。
醤油であれだけの驚きを与えて、満を持して塩!
店主の日々研鑽の姿勢が伝わって来ます。
しかし、こんなハイレベルのお店に行列がないとは。
全くもって驚きです。有難いんですけど(笑)
横浜はやっぱり豚骨じゃないとウケにくいのかな…
いやこれ、醤油か塩か迷うわあ…
いきなり高得点にしたい衝動を何とか抑えました。
並ばないうちに、横須賀線強制下車して伺いますね。
2018/04/06 更新
2017/11 訪問
抑制されたトーンの上質な淡麗鶏出汁
冷たし保土ヶ谷の町。
淡麗系期待の新店、櫻井さんを訪問です。
駅南側、東海道沿いに並び立つ古い路面店。
ひときわ新しく白い大型店名サインが目立つ。
先には名店中華堂さんがあるけど、今回はこちら。
午後1時過ぎで意外にも店頭並びなし。
店内も半数の入りと空いてます。
入って左手に食券販売機。基本は中華そば1系統。
「味玉中華そば」(890円)を購入です。
右手奥に厨房とカウンター、左手にテーブル席。
入口すぐ右手は製麺室のようになってます。
天井が高くモノトーン、濃い木調のカウンター。
固定されたハイチェア、若干座りにくい感じ。
一段高い厨房には若い店主と奥様らしき女性。
新しく落ち着いた雰囲気です。
5分程度で登場。
琥珀色のスープに鶏油がキラキラ。
飲んでみると、うわぁ♫ これ美味しいなぁ…
口にした瞬間溢れ出す鶏出汁の旨み。
生あげ醤油タレの枯れた香りが素朴。
きちんと酸味があって醤油そのものの味わい。
浮いてるやや多めの鶏油もクセがない。
うーん、とっても美味しい♫
一見華やかな鶏出汁、実は抑制されたトーン。
今風の淡麗動物系かと思いきや、大人な仕立て。
地味に感じるも知れないが、クオリティ高し。
工夫された非常にバランスの良い味わいです。
麺は意外にもウェーブの強い手打ち風中太麺。
つややかながら生麺感の強いライブな食感。
ひゃぁ~ この麺、美味しいなぁ♫
すずっとすするとスープを良く持ち上げ、
小麦の旨さがスープの醤油の旨みに溶け込む。
何とも上質感のある味わいです。
チャーシューはバラと肩ロースらしき2種。
どちらも味付けは薄めで肉の旨みを活かしてます。
やや繊維質が強めなのが残念かな…
味玉は半身にカットされていて食べやすい。
濃厚な黄身も良いが、白身がふわり淡白で美味♫
こんなうまい白身、初めてです。
メンマはあっさりで小ぶり、食感良し。
少しの青ネギがエッセンスになってます。
抑制されたトーンの上質な淡麗鶏出汁。
いやぁ… これは驚きのクオリティです。
地味な保土ヶ谷駅周辺に彗星のごとく現れた良店。
今や濃密な鶏出汁の醤油味は都内多数あるけど、
ここで、このレベルの一杯が頂けるのは貴重。
しかも都内著名店のように濃く若々しすぎず、
醤油の酸味を活かしバランス良い仕立てが秀逸。
店主の緻密な工夫がうかがえる一杯です。
ただ、個人的にはやや塩分感が強かったかな…
あと、ワンタンとかバリエーションがあると嬉しい。
しかし、全く混んでないのがホントに不思議。
まあ、1年も経てば著名店になるでしょう。
そうならないうちに、またお伺いしますね♫
2017/11/20 更新
【4度目の訪問】
梅雨晴れで軽やかな保土ヶ谷の街。
櫻井さん、気付かないうちに何と3.9点台⁉
飯田商店さんについで神奈川県2位! びっくり。
なのに、午後1時到着、店内には2人待ち程度。
飯田商店さんは整理券配ってるというのになぁ…
メニューは醤油、塩、煮干の3系統で定着したよう。
食券販売機で「中華そば 醤油」(770円)を購入。
待っている間に食券を引き上げていきます。
ボーカルジャズの流れる店内は落ち着いた空間。
お客さんは老若男女さまざまな方がいらっしゃる。
地元の方が中心らしく、遠方からには見えない。
高得点店舗なのになぜマニアの方が来ないのかしら?
店主とサブの男性、フロア女性の3名で切り盛り。
黙々と、しかしテキパキと調理をされる店主。
10分程度で着席。すっと数分で着丼。
シンプルな白い丼ぶりに琥珀色の美しいスープ。
飲んでみると、うわぁぁ!
もう! いやー なにこれ~ めちゃ美味いやん♫
口に含んだ瞬間ふわぁっと拡がる鶏の旨み。
そこへしっとりと流れる枯れた醤油の香り。
雑味なくクリアな鶏出汁ながら、尖らない味わい。
醤油のほのかな渋さ、トーンを抑えた大人の仕立て。
多めに浮く鶏油がまろやかさを加えてくれる。
これは実に完成度の高い醤油スープです。
麺がピロピロとウェーブの強い中太麺。
表面はつややかながら、手打ち風の優しいコシ。
ふわり口当たり良いけど、しっとりと小麦の旨み。
うまいなぁ♫ これ、やっぱりすごい麺だなぁ…
鶏油とスープをまとって口で混じり合い実に美味♫
噛めば噛むほど旨みと香ばしさが広がる。
見事に麺とスープが融合しています。
薬味の青ねぎが何気にいい仕事をしてます。
微細にツンと来るエキスにほのかな清涼感が漂う。
具材は小ぶりなチャーシューが2種各1枚。
肩ロース風のものはカルビのように脂身が甘い。
バラ風のものはほのかな酸味が洒落た味わい。
どちらも肉の旨みが凝縮されていておいしい♫
メンマは酸味があってアクセントになってます。
枯れた醤油の香りに上質な鶏出汁。
手打ち風の麺は素朴な優しさと質感が両立。
食べてる間、ずっと幸せに包まれるうまさ。
まったくもって素晴らしい一杯です。
コマーシャルで流行りの華やかさではなく、
かといって、懐かしくて温かいだけでもない。
なんというか、うーん、大人の味です(笑)
これが一杯770円って、申し訳なく感じるCP。
お店を出る頃には並んでません。
それでも満席なだけ、以前よりは増えたかな…
オペレーションが上手というのもあるけど、
なぜに長蛇の列にならないのか全くもって不思議。
3.9点台で最も待たずに食べられるお店なのでは?
というわけで、次回は塩か煮干を食べたいです。
次も待たずに入れることを信じて伺いますね。