7回
2021/06 訪問
初個室
ご無沙汰していた間に、入口近くに小さな個室が出来ていました。
今回は週末でカウンターの予約が取れなかったため、初の個室利用です。
トップバッターは余市のばふんうにをのせたとうもろこしのプリン。
ひんやりとした口当たりで、品の良い甘さ。
シンプルですが宮川さんらしい、絶妙な塩梅の逸品でした。
続いてあかはたの昆布締め。
薄切りにされた身は軽く脱水されたような感じで、柔らかくもプリッと弾力あり。
しっとりと程良く脂がまわり、旨味も香りもしっかり。
これもめちゃくちゃ美味しかったです。
太刀魚は漬け焼きで。
肉厚でほろっと柔らかく繊細な身質。
薬味は山わさびに柚子を混ぜたものと木の芽。
相変わらず宮川さんの薬味使いは素晴らしいですね。
いつもの煮鮑はいつものごとく、食後シャリを投入。
極上のマヨネーズご飯って感じで、これがまた美味しいんですよね。
続いては甘鯛の唐揚げ。
当然のごとく、鱗パリッパリで身はホクホク。
昆布主導の鰹昆布だし餡と、大葉よりも香りの優しいペリーラでいただきました。
にしんは水茄子と一緒に味噌和えに。
脂の乗ったにしんに、瑞々しくフルーティーな水茄子と茗荷の独特な清涼感がベストマッチ。
味噌味の塩梅も濃過ぎず薄過ぎず、このあたりのさじ加減が素晴らしい、というか私好みでした。
握りは相変わらず一体感があって、ネタとシャリも私好みのバランス。
それにシャリが絶品ですね。
固めの炊き加減で、塩や酢のパンチを感じさせながら角はなく、宮川さんらしい優しい味わい。
久しぶりに宮川さんのシャリの美味しさを堪能させていただきました。
今回も美味しい料理と大将の優しい笑顔に癒されました。
また近いうちに再訪したいのですが、さすがに年内は厳しいかなあ。
ともあれ、どうもご馳走さまでした。
2021/07/07 更新
2019/11 訪問
今宵も堪能いたしました。
5月に続いて、今年は2回もお邪魔できて嬉しい限り。
1品目の金目鯛とたちの蕪蒸しから悶絶。
抑制の効いた典雅なだし餡に、蕪の鄙びた風味の取り合わせがたまりません。
旭川の某店も良かったですが、やはり格が違うと言わざるを得ませんね。
皮目を湯引きした真鯛の刺身の熟味と柔らかさと、適切な厚みに瞠目。
そして、漬けにして藁で燻したはがつおの濃厚な旨味で、完全に宮川ワールドへ持って行かれました。
お初のぶり大根は単体ですと「うん、まあ、美味しいですけど」という感じなのですが、柚子皮をしのばせた山わさびといただくとビックリ。
わさびや辛子じゃダメ、これしかないという味の締まり方で、本当宮川さんの味覚センスには脱帽です。
定番のあわびのソースは過去の写真と見比べると明らかですが、初期と比べるとだいぶさらりとしたものになりましたね。
過去はもっと肝の緑色がかったどろりとしたタイプでしたが、個人的にはそっちの方が好みですかね。
香箱蟹もこの季節だと定番ですかね。
外子が入った黒酢ソースと身や内子をしっかり混ぜていただくと、これが美味しいのなんの。
目の前に置かれる際すっと沈み込むような動きを見せる端正な握りは、丁寧な仕事が施されネタとシャリの一体感が抜群。
赤むつ、赤身漬け、中とろ柵漬け、こはだあたりでガツンガツンとやられ、酢と塩で締めてから寝かせて仕上げに皮目を藁で炙ったさわらでさらにガツン。
舌と上顎で簡単に崩れそうなぐらい柔らかく、皮目の香ばしさ、しっとりと柔らかい身の旨味の底深さに、ただただ驚嘆するほかありませんでした。
思いのほか薄味でだしの香りがやや悪目立ちするいくらや、あまり香りが感じられない車海老で少し失速。
しかし、追加でいただいた大助の上質なスモークサーモン感で持ち直しました。
次回は来年の夏くらいに来られると嬉しいですね。
どうもご馳走様でした。
2019/12/11 更新
2019/05 訪問
いつまでも通い続けたいお店です。
年1回はお邪魔しているお気に入りのお店です。
この日のつまみはしゃことアスパラガス、じゅんさいに酢橘のジュレをかけたものでスタート。
初夏らしい爽やかな美味しさで、この後の料理への期待が高まります。
続いて静岡の花鯛のポン酢がけ。
花鯛は地方名だと思いましたが、やはり稚鯛の別名でした。
しっかり寝かせたような柔らかさと旨味がたまりませんね。
ただ、特にクセがあるわけでもないので、たっぷりのせられたねぎは蛇足のような気も。
ほっき貝と山うどの酢味噌和えもいいですね。
食感の対比も酢味噌の塩梅も当然素晴らしいのですが、上に散らされた焦がし松の実がグッジョブ過ぎ。
この香ばしさとほろ苦さが、いわゆるぬた的な惣菜風味を一段も二段も深みのあるものにしていました。
なんでこんな取り合わせを思いつくんだろうと感心しきりです。
いつものあわびはもちろん美味しいですし、久しぶりのしゃり玉追加も満喫。
肝ソースの卵黄とシャリの酢が合わさって、卑近な例えですが極上のマヨネーズご飯といった雰囲気で面白いです。
やっぱり宮川さんとこのシャリは美味しいなあと、ここで再確認。
にしんを梅肉やかいわれ、しその芽?などで和えたものも美味。
脂ののったにしんがさっぱりといただけました。
最後のつまみはこの季節にまさかの香箱がに。
噴火湾産でしたっけ?
以前秋にいただいた時と同じく、黒酢のジュレに外子を混ぜたものをかけてありました。
さすがに外子は小さく内子の量も少ないですが、間違いのない美味しさ。
酒のアテにちびりちびり楽しませていただきました。
にぎりは端折り気味に。
以前よりもシャリの酢や塩が強くなって、さらにパンチが出たような。
とても美味しいシャリですが、ネタによっては1貫の握りとしてちょっと味が濃かったり、バランスを欠いた感があったような。
一番グッと来たのはかつおですかね。
炭火で炙った皮目はパリッパリ、身はねっとりの対比が素晴らしく、実にわかりやすい美味しさでした。
赤身は柵の状態から角が丸くなっていて色味も深く、いかにも脱水して凝縮されたような風合い。
どこのまぐろか聞きませんでしたが、この季節にこんな美味しい赤身がいただけるとは思いませんでした。
金目鯛も程良く脂がのって、しっかりとした食感と旨味。
これもメチャウマでしたね。
その他薬味としてしょうがを使ったあおりいか、身厚のとり貝、あじ、とろあたりも美味しかったです。
一方穴子は旨味が物足りず、ばふんうには苦味が少し気になりました。
この日はランチを食べ過ぎて腹具合が万全ではなかったため追加注文できず。
皆さん色々追加されていてうらやましかったです。
今年はもう1回ぐらいお邪魔したいですね。
どうもご馳走さまでした。
2019/05/28 更新
2018/06 訪問
今宵も堪能しました。
こよなく愛するすし宮川さんに、久しぶりにお邪魔することができました。
つまみはいつもながら見た目も味も素晴らしいの一言でした。
ずわいがにや野菜の酢橘ジュレがけは見た目通り涼やかな一品。
赤はたの薄造りはしゃっきりと歯応え良く、上品な旨味でとても美味しいです。
太刀魚の南蛮漬けは辛味の強い大根おろしでさっぱりと。
にしんはしめさばなんかでよくやられていた腹側を藁で燻して、皮目を炭火で炙ったやつです。
皮目はパリッと香ばしく脂ののったにしんに、繊細な細切りのねぎやきゅうり、みょうが(でしたっけ?)がどんぴしゃりでした。
蒸しあわびはいつもの肝ソースですね。
最後のあんきもはふわっと軽くムースのような口溶けでこれまた美味。
酢橘の皮や多めのわさびのおかげで特有の風味(好きな人は好きな)が抑えられ、あん肝のエッセンスのみが味わえました。
握りは相変わらず赤酢ブレンドのシャリが美味しいですね。
固めの炊き加減で塩や酢も良い塩梅でコクがあります。
握り加減はネタの食感に合わせて微妙に調整されているように見受けられました。
柔らかめのネタは優しくふんわりと、咀嚼を要するようなネタはしっかりめに握られているような気がします。
おかげでどの握りもネタとシャリがバランス良く絡み、一体感も抜群です。
いただいたのは以下の通り。
金目鯛
まぐろ赤身漬け
いさき
中とろ柵漬け
こはだ
あじ
とりがい
ときしらず
むらさきうに
穴子
玉子焼き
どれも美味しかったですが、この日は旬のいさきがピカイチ。
旨味が予想外にもの凄かったです。
間違いなく今までいただいたいさきの中でナンバーワンでした。
ときしらずもすごく良かったですね。
塩と酢で締めて寝かせてから藁で燻してあって、早い話がスモークサーモン的な味わいなんですけど、恥ずかしながら(?)これがとても美味しかったです。
身にしっとり脂がまわっていますが決してクドくはなく、実にわかりやすいパンチがあって最高でした。
その他金目鯛や沖縄のまぐろ、あじなんかもとても良かったですね。
シメの玉子焼きも、贅沢な味わいかつきめ細やかな口溶けで美味しかったです。
お酒は夏酒が多かった印象ですね。
この日は6月だというのに結構寒かったので燗酒ばかりいただいたのですが、燗上がりする酒が少なくてちょっと残念でした。
ともあれ、今宵もつまみから握りまで、心の底から堪能させていだきました。
大将の味の組み立てのセンスやバランス感覚はやはり天才的ですね。ブラボー。
宮川さんの寿司をいただくために、また札幌に遊びに行きます。
どうもご馳走さまでした。
2018/06/19 更新
2017/07 訪問
ずっと通い続けたいお店です。
三つ星おめでとうございます。
「フランスのタイヤ屋の星なんて・・・」などと嘯くこともありますが、いざ自分の好きな店が星を獲るとなると嬉しいものですね(笑)。
今回も素晴らしい料理の数々、しかと堪能させていただきました。
つまみは夏らしく見た目も味も涼やかな物や、いつものあわびや金目鯛、焼いた赤茄子にうにと味噌をのせたものなどをいただきました。
当然のごとく全て美味しいのですが、中でも温かな赤茄子とひんやりとした口溶けのうに(しかもばふんうにとむらさきうにの2種)の取り合わせが素晴らしく、とても気に入りました。
金目鯛を昆布締めにして軽く漬けにしてから炭火で炙ったものも、皮目の香ばしさと身のねっとりとした旨味が最高ですね。
このアテで飲む日本酒の旨いこと、旨いこと。
握りは美しい流線型で、どのネタとも一体感抜群。
ネタはもちろんのこと、シャリの美味しさが特筆ものです。
炊き加減は固めで粒感が感じられて、しっかり酢や塩が効いていますがカドはなく、コクがあって実に美味しいシャリです。
赤むつやくえといった白身はしっかり旨味を引き出しながら、フレッシュな歯応えも同居。
艶っぽい色合いのまぐろは特にシャリとどんぴしゃで、美味しいのなんの。
シャリに細かく刻んだたくわん、紫蘇、茗荷、ゴマを混ぜ込んだいかの印籠詰めも、実に手が込んでいて香り良し。
その他どの握りも全て美味しく、ひとつひとつ挙げるとキリがないので、このへんで割愛させていただきます(笑)。
また時間を見つけてお邪魔したいと思いますが、次回は来年になっちゃいますかね・・・。
どうもご馳走様でした。
2017/07/24 更新
2016/10 訪問
良質な芸術作品のような、素晴らしい料理が堪能できます
久しぶりにお邪魔しました。
やっぱり宮川さんの寿司は美味しいですね。
接客や雰囲気も含め、全てがパーフェクトでした。
************************
2015年1月
ちょびっと写真を追加。
やっぱり抜群に美味しいです。おすすめ。
************************
2014年12月
先日札幌へ遊びに行った際、お邪魔してみました。
先行レビュアー様の口コミを拝見してかなり期待しておりましたが、その期待をなんなく跳び越えるような素晴らしい店でした。
あれこれ趣向を凝らしたつまみも面白かったですし、熟成や仕事によって素材の旨味と香りを徹底的に引き出した握りは感動モノです。
時に凝り過ぎて、やり過ぎ感を感じることもないではないですが、どの料理も間違いなく美味しかったです。
久しぶりに食事をして感動し、良い芸術作品に触れた後のような素晴らしい余韻を感じることができました。
こちらのお店は、道産に拘らず日本全国津々浦々から良い素材を集めてらっしゃいます。
しかも、かなり仕事が入っていますので、フレッシュでダイレクトな素材感を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。
ですので、札幌へ来て新鮮な地の魚介類を楽しみたいという向きには全くオススメいたしません。
北海道という土地は関係なく、「とにかく美味しい寿司が食べたい!」という方だけに、強く推薦したいお店です。
以下、食べたモノについて
★たちの茶わん蒸し
炭火で炙った白子が香ばしいです。
寒い屋外から来ると、暖かい一品は嬉しいですね。
★真鯛の刺身
1週間寝かせた真鯛はねっとり柔らかく美味。
醤油は鯛の骨のダシ入りと凝ってます。
それは良いのですが、甘味が強いのが気になります。
正直通常の上質な醤油、もしくは塩でも良いのでは・・・と思いました。
★たこの柔らか煮
美味しいです。ツメも甘すぎなくて良いです。
★蒸しあわび
それだけでも十分美味しい蒸しあわびを、あわびの肝で作ったソースでいただきます。
肝ソースは想像していたよりもかなり粘度が高め。
美味しいことは美味しいのですが、個人的にはもっと粘度を下げた方が良いのではないかと思いました。
残ったソースにシャリを入れてくれるのですが、シャリが抜群に美味しいです。
固めの炊き加減でしっかりとしたコクと酸のキレがありました。
★しめ鯖炙り。
皮目に針で穴を空けてから、炭火で炙ってあります。
皮のパリパリ感が尋常じゃなく、とても美味しいです。
締めた後に藁で燻してあるらしく、ひと手間もふた手間もかかった一品です。
★香箱がに
金沢でいただいたものよりもはるかに美味しいです(笑)。
そのままでは美味しくもなんともない外子を使ったジュレのぷちぷち感も心地良いです。
以下握りです。
肝ソースと一緒にいただいたシャリが、そのまま食べてもウマイんじゃないかと思える程明確なウマさだったので、逆に握りになるとどうなのか心配でしたが杞憂でした(笑)。
★赤むつ
昆布〆にしてある上にかなり熟成されているようで、素材の旨味と香りが半端なく引き出されています。
抜群に美味しいシャリと十分渡り合っている上に、ねっとりと柔らかく一体感もあります。
魚の旨味と香り、シャリのコクと酸味、そしてわさびの爽やかさが口の中で混然一体となる瞬間は至福。
一発目から唸らざるを得ません。
★まぐろ漬け
大間のまぐろの赤身を数分漬けたもの。
まだ1週間とやや熟成が足りない感じはありましたが、とても美味しかったです。
★中とろ湯霜漬け
湯霜にして6時間ヅケにしたもの。
さっきの赤むつもそうでしたが、旨味は濃厚ですが良い意味で脂っ気を感じずさっぱりといただけます。ウマイです。
★こはだ
えびのおぼろをかませて。良い〆具合。これも美味。
★かますの棒寿司
すみません、印象に残ってません(笑)。
★しゃこ
ようやく北海道らしいものが(笑)。
肉厚で美味しいです。
★ぶり
軽く〆てあります。
これもしっかり旨味と香りが引き出されています。
★うに
うにを混ぜた酢飯の上に焼き海苔を散らし、さらにうにを乗っけてあります。
美味しいに決まってます(笑)。
罰当たりな一品です。
★いくら
軽やかで臭味なし。美味しかったです。
★穴子
究極の柔らかさ。ツメも甘すぎず美味しかったです。
★鰆
〆て、藁で燻して、2週間以上熟成させたらしいです。
大将曰くちょっとハムみたいですとのこと。
練れた味わいで美味しかったです。
★玉子
スフレのようなキメの細かい食感。
甘いモノが苦手な私でも、問題なくいただけました。
2016/11/12 更新
予約争奪戦が厳しいですが、久しぶりにお邪魔できました。
つまみはまず優しい味付けの煮はまぐりとあずきなで静かな立ち上がり。
昆布締めにして熟成させた赤むつは脂ノリノリですが、しっとりと身に脂がまわっていて嫌味はなし。
たっぷりの薬味とぽん酢のおかげで、さっぱりといただけました。
甘鯛は皮目を炭火で炙っていますが、中はほぼ生。
マイルドなそら豆のソースと山わさびでいただきました。
定番の鮑はぷりんぷりんのムッチリ。
鮑の塩味とソースの塩梅も絶妙でした。
ほわほわの太刀魚は軽く醤油漬けにして炭火で焼いたもの。
緑と白のアスパラガスは酢漬けにしてあって(白だけでしたっけ?)、スッと味を切ってくれました。
つまみの最後は毛蟹とばふんうにのタワーにすだちのジュレをかけたもの。
ちびちびつまみながら、いくらでも飲めちゃいそうなやつでした。
ここから握りになりましたが、完成度の高さが半端なかったです。
ネタとシャリのバランスや一体感がさらにとんでもない域に達していました。
ネタは基本シャリに絡みつくような柔らかい物が多いのですが、柔らかさの中にも無論ネタごとに食感の違いあり。
そんなネタに合わせてシャリの量や握り方を変えられているので、ネタとシャリのどちらかが勝つことがなく、ほぼ同時に口内からスッと消える感じ。
1貫目のかすごの柔らかさとはんなりとした深い旨味にいきなりやられ、シャクシャクと柔らかくジューシーなほっきに悶絶させられました。
ちなみに、この日の握りではほっきが一番ふんわりと柔らかく握られていましたね。
その後もまはた、赤身漬け、金目鯛とホームランを連発。
こはだの香りに癒され、また中とろの柵漬けでガツン。
そのまま、軽くスモークした桜鱒、ミディアムレアな火入れの車海老、穴子棒寿司でフィニッシュまで持って行かれました。
酒も結構いただいて最後にとろたくを追加して、勘定は3万円ちょっと。
今回も満腹満足いたしました。
どうもご馳走さまです。