4回
2023/03 訪問
伝統的かつ洗練3
都内には中華の名店がいくつもありますが、いまはこちらの広東料理が気に入っています。お料理もさることながら、眺望やホテルらしい洗練されたサービスなどトータルとしてのパッケージレベルが高いところがいいですね。玉にきずは、あまりメニューがかわらないところ。今回は中身も少し変わったので楽しみにしておりました。
窓際に着席しまずビールを。眺望もしばらく見ると飽きますが、最初は宝石が散りばめられたような都内のビル群の眩い光景に圧倒されます。
今回いただいたメニューはこちら。
◆ 薔薇の香りの棒棒鶏
バラの香りとあるが、やわらかなチキンをややスパイシーな胡麻ソースで楽しむ
◆ 車エビのフリット
ガーリックと中華醤油であっさりとした味付け、頭からすべていただく
◆ プラチナポークの叉焼
ポークの滋味深い旨味・甘味がしっかりと引き出された一品
◆ 青海苔の白湯ソースの茶わん蒸し
やさしい味だが、それほど印象には残らず
◆ 銀鱈のソテー
こごみ、うるい、そらまめ、アスパラなどの春野菜が配され目にも美しいが、くどすぎない身のしまった銀鱈
◆ スペアリブ ブラックビーン煮込み
しょうがの効いたブラックビーンソースでスペアリブのやわらかさ、きれいな脂、甘味を楽しむ
◆ 葱と鴨ローストの細切り入り香港細麺
八角などの香りよくやさしい出汁のスープが細麺によく絡む
中華は紹興酒でいただくことが多いのですが、この日はワイン3点セット。白はナパでしたが、ナパらしいオークの深みとバニラの香りがよく、これはワングラス追加。赤はボルドー、しっかりと力強い重厚なボルドーはスペアリブの魅力をよく引き出してくれました。
お料理は伝統的な広東料理らしく八角・桂皮・陳皮などの香辛料をやさしく使用し、素材のもつ本来の味がひき出されており心身が癒されるのをかんじます。
食事のあいまにふと見ると、ハッとするような美しさの夜景のパノラマが目を楽しませてくれ、ちょっとした高揚感も料理を味を一段ひきあげてくれます。スタッフのきびきびとした動きも小気味よく、そうしたリズムも小生の感性に合っているのでしょうね、たいへん心地の良い時間を過ごせました。
2023/04/01 更新
2022/03 訪問
伝統的かつ洗練2
前回は初めての訪問で、伝統的かつ洗練された広東料理に感銘を受けましたが、約1年ぶりです。中華料理はごくたまにしか行きませんので、フュージョンではないほうが合っているのかもしれません。
こちらのレストランは、地下鉄直結のマンダリンの高層階にありますので、アクセスも便利ですし、窓辺の席からの眺望はすばらしくハレを感じますね。こうした別世界の体験はまれだからこそ、強い印象が残ります。
前回の禁酒令下でしたのでプーアル茶でしたが、まずはビールからスタート(その後は紹興酒)。Agateのコースとしました(こちらのレストランはコース名はJade, Crystalなど宝石名となっています)。
◇ 海月の頭と甘海老の紹興酒漬け
コリコリとした食感にほんのりとした
海月の香り
◇ 香港焼き物盛り合わせ
炭火仕上げの叉焼・皮付き豚バラ肉の焼肉・
仔豚の釜焼き
焼き豚は八角の香りで滋味深さが増幅
子豚の皮はパリパリ、蒸しパンと共に
豚バラは脂っこいかと危惧するもさにあらず、
柔らかくしまった味
◇ アオリイカの馬来盞炒め
ピリ辛の中にアオリイカの甘味、旨味
◇ 甘鯛の香り焼き XO 醤ソース
本邦の食材を中華に昇華、パリっと揚げた
皮目にほんのり香るXO醤が染み込む
山菜は、菜の花 タラの芽 うるい
白アスパラ 独活
◇ 乾燥茸と広東ドライフルーツのベジタブル佛跳牆
黄茸 楡茸 衣笠茸 茶樹茸と椎茸の蒸しスープ
滋味深い薬草のスープ、珍しいキノコの
香りと食感が楽しい
◇ 国産活鮑のオイスターソース煮込み 髪菜添え
信じられないほどの柔らかさ、磯香りも
ほんのり
◇ 京鴨胸肉のテンメンジャンとプラムソース二種
京鴨の北京ダックの盛り合わせ
北京ダックはごく軽いソースで素材が際立つ
モモ肉は皮 脂 正肉のバランスが秀逸
テンメンジャンの方が好き
◇ ずわい蟹の卵白炒飯 干し貝柱と脆米のアクセント
貝柱と蟹の風味が染み込んだパラパラの炊飯
◇ デザート
こちらでは一品一品は洗練され、プレゼンテーションにもセンスを感じますが、さりとて奇をてらったものではありません。味も同様に、洗練されつつも、広東料理という軸は外していないところが、旧いタイプの小生にはあっているように感じています。
高層からの眺望も味の一つかとも感じますし、スタッフの方々スマートな所作もレストランとしてのレベルの高さを感じます。優雅な時間を過ごすことができました。
追伸 : 席がやたら暗かったのでピンボケ気味です、夜景は空気が澄んできれいでしたが。
2022/03/05 更新
2021/05 訪問
伝統的かつ洗練
マンダリンのバーにはなんどか来ていますが、食事は初めて。マイレビ様の投稿に触発され訪問、お店はバーの横にありますが、いままで気づきませんでした。
時節柄お客さんは多くはないですが、それでもテーブルの半分程度は埋まっていたでしょうか。
意外と多いなという印象です。
今回いただいたのはAgateというコース。禁酒法ですので、プーアール茶。
○ 子豚の窯焼き(スペインの乳飲み子豚、パリパリの食感)
○ 炭火仕上げのプラチナポーク(上質なポーク甘さが際立つ焼き豚)
○ 酔っ払い車エビ(紹興酒漬けされた車エビの香り・食感・甘さを楽しむ)
○ 平貝(軽く火を入れた平貝の甘さを万願寺唐辛子とガーリックとともに)
○ スープ(中国の様々なキノコのスープ、素材そのものが出汁ですが芳香)
○ 活アワビのオイスターソース煮込み(ほんのりとした磯の香)
○ 京鴨肉のロースト(脂分の抑えられた鴨の旨味を引き出しています)
○ 蒸し飯(ジャスミンライスのパラパラした食感、キンメダイと一緒にいただきます)
○ デザート(マンゴースープ)
広東料理は乾物を高い技術で戻しあっさりとした淡泊な料理が特徴かなと思いますが、こちらのレストランは様々な出汁で素材の良さを引き出したとても上品な料理の品々でした。とくに印象に残ったのは、京鴨でしょうか、最近メジャーになったようですが、臭みはまったくなく、またすっきりとした脂分で素材の滋味深さを心ゆくまで堪能しました。
想像していた以上に上品かつ繊細な広東料理でとても満足しましたが、次回はお酒とともにいただきたいですね。
2022/03/05 更新
今年は開花が遅かったせいか日本橋界隈もまだ桜をみることができます、名残り桜をながめながら勤務先から15分程度でしょうか、散策がてらあるきます。室町界隈は創業数百年にもなる老舗が多く、歴史と伝統が息づいていますね。
前回から1年ですが、非日常を味わえる中華レストランとして気に入っているお店。眼前に広がる夜景は息をのむほどですが、まずはビールをいただきます。
さて、本日のお食事ですが、いつものアガットのコース。今回のメニューですが、
◆ 京鴨と芽葱のダックロール
北京ダックスタイル、テンメンジャンソースが鴨の滋味を引き立ててくれる
◆ 二十四節季春巻き
シラスと大葉の春巻き、プラムソースをつけていただけば輪郭のあるうまみがひろがる
◆ アオリイカの紫蘇炒め
すこし辛味のあるソース、ウニと絡めていただけばアオリイカの濃厚な甘味と歯切れのよい食感をひきたててくれる
◆ 尾長鯛のオリエンタルライムソース
九条葱と甘酢ソースで淡白な白身が深みのある味わい、身は弾力があり、しっかり火入れされた皮目もよい
◆ 烏骨鶏、何首鳥、干し貝柱のスープ
やさしく丸味のある薬膳スープ、具材のうまみが溶けだしており、いただいていて飽きない
◆ 蝦夷鮑・乾貨のオイスターソース煮込み
どこまでもやわらかく煮込まれた鮑、磯の香りをオイスターソースが受けとめてくれる
◆ スペアリブのブラックビーン煮込み
八角の香りをかんじるブラックビーンソース、なめらかな柔らかさをかんじるスペアリブは濃厚な味わい、ココナッツとタロイモのソースをからめていただけばさらに味に深みが増す
◆ アサリ炒飯
◆ デコポンのプディング
ドリングはお得なワインのペアリングセット(シャンパン、ナパの白、ボルドー)、途中でボディーのある白が欲しくなりオーダーしましたが、キスヴィンという山梨のシャルドネをおすすめいただきました。滑らかで果実の香りはいいものの、日本の土壌のせいかミネラル分が不足しており、これは好みとは異なりました。
こちらのレストランはなんといっても非日常感、眼前に広がる大都会のパノラマをみながらいただく広東料理は至福の時間。今回のメニューはこれまでとすこし傾向が異なる印象ですが、シェフは同じ方とのこと。八角、桂皮、陳皮などの効いたソースや味付けはしっかりしつつも素材を生かし、いつもながら洗練された料理の品々。京鴨、尾長鯛、アオリイカなど日本の食材のうまみを極限までひきあげてくれる技量はさすがでたいへん満足しました。
とても気に入った中華レストラン、たっぷりの非日常を味わい帰路につきました。