2回
2021/05 訪問
目でも舌でも楽しめる!食のエンターテイメント
記念日のディナーで訪問。
カジュアルで飾らない雰囲気だけど、料理・演出のクオリティが最高です。ぜひ再訪したいフレンチ名店の一つとなりました。
いただいたお料理は以下。政府の要請でワインがいただけないので、ノンアルのロゼスパークリングで乾杯。
ガメイとピノノワールを使った贅沢なワインでノンアルとは思えないくらい美味。
最初の1品をいただいた後、お皿をさげていただいたら、メニューが現れるという最初から何ともおもしろい演出。
▼前菜 はぶん雲丹と赤海老 トマトのムース
石井シェフ自らサーブしてくれます。
白いムースだけど、トマトの味がしっかりと感じられる。すりおろして裏ごしているのだとか。
普段は苦手で食べない雲丹だけど、全く臭みがなく、おいしい。
▼アミューズ
以下の6種類が小皿でそれぞれ提供されます。ほどよい塩味でお酒が進みます。
・尻丸海老の黒米揚げ →あげたことにより海老の甘さがひきたっていて、お米もいいアクセント!
・稚鮎のフリット →スパイスの利いた一品
・イサキとオリーブのトースト →トーストの間には茄子のペーストが挟まっています。食べて楽しい料理。
・ケールとパースニップ(セリ) →見た目が竹のようでムースのようにやわらかい一品。野菜だけですが生クリームを使っているのかしっかり濃厚。
・ビーツと馬肉のタルト →馬肉の味よりもビーツの味が濃く感じる。ビーツ好きとしてはうれしい一品。
・金柑とフォアグラのキャンディ →口に入れた瞬間にフォアグラのうまみと甘味が”ずどん!”と来る一品。金柑の果実も入っていて、いい仕事してる。アミューズのなかではこれが一番おいしかった&感動しました。
▼例前菜 桜鱒とキャビアのムース
キャビアは動物愛護に配慮したサステナブルなものを使っているのだとか。見た目はきれいな一品でしたが、正直他のお料理に比べるとインパクトは控えめかも。桜鱒の味がもう少し感じられるとよかったと思います。
▼付け合わせ ブリオッシュ
もっちもち。もともとバターたっぷりのブリオッシュはあまり好きではなかったのですが、これはしっとりとおいしくて感動。
追加でいただいた天然酵母のバゲットももちもちで小麦の味が全面に感じられ、とてもおいしくて、パン屋も経営されたらいいのではないかと思うほどのクオリティ。
▼温前菜 北寄貝のカプチーノ 山菜や筍を合わせて
なかに北寄貝の身がごろごろ入っていて、トッピングにはこごみとこしあぶらの素揚げ。
春の名残を感じさせる山菜の素揚げが山菜好きとしてはとてもうれしい。塩味も絶妙で野菜のあまさが引きたちます。
エスプーマの上に素揚げの野菜なんて初めて見たけど、これがものすごく合う!連れとともに感動した料理の一つ。
▼お魚料理 鱸のパイ包み
名物のパイ包み。中のお魚は季節によって変わるのだとか。
今回は旬の鱸(すずき)。見た目はインパクトがありますが、食べてみるとやさしい味。
クリームは2種類提供されますが、タルタルのマヨが結構きいていたので、私はプレートの上のあっさりめソースのみでいただきました。
▼お肉料理 北海道なかやま牛の炭火焼
ほどよい脂身で重たくなく、咀嚼力が弱い私でも無理なく食べられました。
付け合わせのアスパラ・アスパラソバージュの素揚げ・玉ねぎのフリットも、またほどよい塩味で、えもいわれぬおいしさ。
▼〆のストウブごはん
かなり小さめのココットで提供されるので、ここまででかなりの品数をいただいていますが難なく食べられます。
なかやま牛のいちぼタルタル実山椒、愛媛猪炭焼きサマートリュフを連れとシェア。
タルタルの上にはうずらの卵黄がのっていてそれをくずして、全体を混ぜていただく。とても美味。
猪はお肉少なめで、トリュフより胡椒が利きすぎてしまっている印象を受けました。もう少しトリュフが感じられるといいかも。
▼デザート1品目 アスパラと黄金柑のムース
アスパラの味がとても濃い!薄いスライスもいい仕事してる。
アスパラのムースは素材本来の味のみで砂糖が入っていないので、金柑の果肉とゼリーがほどよい甘さを加えてくれます。
▼デザート2品目 あまおうと蓬のデセール
フロマージュの上にスライスして凍らせたあまおうイチゴ。あとから液体窒素で粒状にした蓬のパウダーをかけてくれます。
蓬は冷たくてもしっかりと風味が感じられて、いちご・チーズとも相性抜群。和菓子のような見ても食べてもおいしい洋菓子でした。
▼茶菓子
石と木のオブジェの中に隠された状態で提供されます。
演出自体は見たことあるけど、茶菓子だからと侮ることなかれ、とてもおいしい…!最後まで本当に抜かりがない。
隠れている3つの菓子はどれも塩味が聞いていて、甘いデザートを食べた後の口にはとてもうれしい。
(茶菓子って甘いものが多いから、気持ちはうれしいけど、これ以上甘いのはいらないよ、と思うことが多いのです)
石に見立てた味噌を練りこんだ生チョコ、木の実に見立てたほうじ茶とアーモンドのシュークリーム、同じく木の実に見立てたカシューナッツショコラ。生チョコは特に感動でした。
いっしょにいただいたのはフレッシュハーブティー。
▼手土産
名物ブリオッシュ、食べきれなかったバケット&お店で焼いて余ったバケット、アマゾンカカオのフィナンシェをお土産にいただきました。あまったパンを丸々一つくれるなんてなんとも太っ腹!
環境に配慮した魚・旬の素材をふんだんに利用して、素材本来のうまみが感じられるだけでなく、演出でも最初から最後まで飽きずに楽しませてくれるとても素敵なお店。
特に野菜はお塩を上手に使って、甘さや素材本来のうまみを引き出していると感じました。
コロナ禍でアルコールの注文が入らないうえに、お客さんが少なく心配ですが、がんばってほしいです。
今後また記念日などで必ず利用します。
ごちそうさまでした。
2022/01/26 更新
再訪でも変わらぬ感動。
前回もほとんど同じ時期にきたのだが、材料はほぼ同じでも料理が全然異なり新しいサプライズを届けてくれる。
一年に1-2回定期的に必ず訪れたい、本当に素敵なレストランです。