2回
2018/07 訪問
2018年7月半ばに初めての訪問。
仕事でしばらく福島に居りますが、県内の寿司屋は初めてとなります。
同僚から「1度は行ったほうが良い」とおススメされて後輩と訪れたのがこちら、小判寿司さん。事前にカウンターでの予約を取ってから伺いました。
こういうのもなんですが、お店があるのはなかなかの田舎町です。海からも離れており、この町で美味しいお寿司なんて食べられるんだろうかと少し不安を感じておりましたが、見事なまでに払拭されました。
付き出しからのつまみ数種、そしてテンポ良く握られる寿司。どれも手間を惜しまず、大将の腕が輝く逸品にどれも唸らざるを得ませんでした。
個人的に印象に残ったのが鰹の握り。藁の炎を纏わせるかのように表面だけ炙って・・・ではなく、藁の火が消えたあと、その煙で鰹を燻し、氷水でしめたりせず、そのまま握りのサイズに切って供されます。
ほのかに温かみの残る鰹を口にいれると、燻蒸された香りが頭中に広がります。煙による渋みなど一切なく、鰹に新しい価値観を見出すことのできた一品でした。
もっともっとご紹介したい品があるのですが、超長文になりそうなので割愛。
雰囲気よく、また行きたいと思わせてくれる素晴らしいお店でした。
次回は、初秋にでも伺わせて頂こうと思います。
ご馳走でした。
2018/07/20 更新
前回の訪問から約1年、行きたい行きたいと思っても中々スケジュールが合わず、欲求不満に駆られる一年でした。
はい、満を持して再訪しました。またまた夏の訪問ですね。
入ると先にお楽しみのカップル2組、いい感じに盛り上がってます。
本当に申し訳ないのですが、小判寿司さんに来るといちいち写真をとるのを忘れてしまいます。
ただ凝りに凝ったツマミと、至極の握りを楽しむことに神経がかたむいてしまい、うまくリポートできないんです。
しかしその中でも印象に残ったもの(かろうじて覚えている)をご紹介します。
殻付きウニとイカ・・・見ての通りです。岩手のムラサキウニですが、個人的にはバフンウニより香りがスッキリしていて好きです。甘い、うまい。真ん中のウニ和えのイカがたまらなく「日本酒だよ、日本酒だよ」と誘ってきます
タコの桜煮と甘海老の昆布締め・・・うめぇ。甘海老は甘いだけでなく旨味たっぷり。トロリと口内を撫でる食感にほぇ〜っとなっているところを日本酒で流す。そして柔らかさを極めたタコ。香りが素晴らしい・・・。
蒸し鮑とシャリの鮑キモ和え・・・うめぇ。柔らかい。味がやばい。4時間75℃で蒸して作るって変態ですか?旨味溢れてるし磯の香りも立っていて、かつ何も消えていない。酒飲むのを忘れる。早く次を出してくれ。
カマスの塩焼き・・・皮目がうまい。旬を外しているんじゃ、と思いきや素人の心配など吹き飛ばしてくれるほどの芳醇かつ淡い旨さ。あぁーカマスってやっぱうめえええ。
はい、ここから握り。ごめんなさい、もうたいして撮ってません。
ツマミより更にピックアップさせて頂きます。
新子・・・嬉しい驚き。去年の夏は出なかったのでテンション上がりまくり。身が小さい!でも、一尾一尾しっかり仕事をして、最高の握りに仕立て上げています。塩味、酢加減、絶妙です。うますぎて腰が砕けそう。その後の小肌も見事な仕事でした。
ニュージーランドの南マグロ・・・画像は大トロだけですが、赤身も出して頂きました。赤身は夏のマグロらしくサッパリと、しかし微かな酸味と旨味はしっかり。大トロはやはりうまいですね。歯ごたえを少し残しながらスッとシャリと共に消えていきます。
どこぞの車海老(酔ってます)・・・ほんのり温かい、人が甘みを感じやすい温度に仕上げた車海老を握って供されます。甘い・・・うまい・・・。なんだこれ。
天草の釣りアジ・・・旬のアジ。脂が乗っているのですが、夏らしくサッパリ、クドくない仕上がり。うまい。マジでうまい。4カンくらい立て続けに出して欲しい。
アナゴ・・・ここではツメと塩両方で頂けます。何も言うことはない。これが江戸前寿司のシメであると。丼でいただけませんか?
上述した他にもツマミや握りはあります。ご紹介したのはおそらく半分くらいでしょう。
この値段で言うのならば、小判寿司さんより旨い魚を出してくれるお店を私は知りません。
豊洲から近い訳でもなく、海が近い訳でも、魚介がウリの土地でもない。
なぜこの田舎町でこれ程質の高い仕事ができるのか、恍惚ながらに疑問に思いました。
そう、こちらの大将さんは
旨さを極める変態
だったのです。
また伺わせて頂きます。
ごちそうさまでした。