野良パンダムさんが投稿したロオジエ(東京/銀座)の口コミ詳細

人の味覚は十人十色

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この口コミは、野良パンダムさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

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ロオジエ銀座、新橋、内幸町/フレンチ

9

  • 夜の点数:5.0

    • ¥60,000~¥79,999 / 1人
      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
  • 昼の点数:5.0

      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
9回目

2022/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

料理は人。店も人。

再訪。
2022年ミシュランガイド東京で三つ星獲得かつ食べログアワードゴールドという超高評価店を私の誕生日祝い………
の前祝い(笑)というワケわからん口実で利用。いやぁロオジエさんは大好きな店でわあるけれど、支払額もけっこうイク店なんで何かしらの口実が無いと私みたいな庶民だと行きづらいんよ(苦笑)


待望の訪問日、私の野暮用が手間取ってしまい予約時間より遅い到着(もちろん連絡はした)になるも、いつもと変わらぬ柔らかな笑顔で対応してくれるドアマンさんに感謝。

ドアマンが開いた扉の先では二人のスタッフさんがお出迎え。って、支配人さんですやん!
遅刻ぶちかました客にもこの高待遇。
ロオジエのこゆトコがたまらなく好き。
一斉スタート店では絶対にありえない光景がココにある。良い店での体験ってのはこゆトコから始まってるんだよね。


螺旋階段をおりて地下にあるメインダイニングへ。白とゴールドを基調とした明るく華美なホールは何度見ても素晴らしい。徹底的なまでのゴージャスさで魅せるロブションのホールも大好きだが、華美ではあれど派手ではないロオジエのホールも大好きですわ。


まずは食前酒のシャンパンカクテルとアミューズグールを楽しみつつメニューブックを見る。当たり前だが、女性用メニューには価格が記載されていないので女性は(同行男性に)気兼ねなく食べたいお料理をオーダーできます。
お料理は三種類のコースからのチョイス。真ん中の価格のコースのメインが大好きな鴨肉だったので即決。しかも私が食べた事のない 国産ブランド鴨なのだから食べるしかないわな。

お酒は料理に合わせたペアリングコースが用意されていたのでソレをお願いしました。
洋梨とシャンパンのカクテル(2500円)
MENU DÉGUSTATION (35500円 少し高くなってるのはデザートでスフレ頼んだから)
アルコールペアリング(19000円)
ミネラルウォーター(900円)
別途サービス料。


MENU DÉGUSTATION
『アミューズ-ブーシュ』
栗のスープです。上の泡泡はカルダモンで香りをつけたスープで本体は泡の下。洋栗を用いたスープはドッシリ濃厚な風味なんですが、中に入ってる梨のみずみずしさやカルダモンの爽やかな香りがあるので濃厚でありながらも後味はすっきり。良いスタートです。

『パン&オリーブオイル』
パンは自家製焼き立てライ麦パンにメゾンカイザー謹製パン数種。美味しくてついつい食べてしまうのですが、食べるとドンドンお代わり持ってきてしまうので自重するのが大変です。しかしココで自重しとかないと後で自分が大変なので心を強く持って自重しましょう。
あっ、胃袋に自信ある方はガンガン食べましょう。
以前のロオジエさんでわパンにはボルディエバターを添えてましたが、今秋からはボルディエバターは廃止してオリーブオイルになっています。樹齢千年超の木からのみ収穫された実で作ったオリーブオイルは爽やかな香りとスパイシーな後味でパンの旨さを引き立てます。ちな、このオリーブオイルはお土産として購入する事もできます。


『北海道産毛ガニとキャビア・オシェトラ
甲殻類のエマルジョン・ライムのアクセント 青リンゴのジュレ・ヴェルヴェンヌ風味 シトロンオイル香るサラダ菜のクーリ』
メニュー名が凄く長いのもロオジエの特徴ですね。ベルギー産オシェトラキャヴィアを毛蟹の上にたっぷり乗せてあります。やっぱキャヴィアはこんぐらいたっぷり食うほが絶対に旨いよね♪
甲殻類✕キャヴィアはド鉄板の組み合わせでわありますが、一つ一つのクオリティを高めてゆくと これほどまでに美味しくなるのか…と驚かされます。几帳面なまでに細かな盛り付けもロオジエさんらしいなぁ。
わりとハッキリとハーブを香らせるのもオリビエシェフのお料理の特徴ですね。


『コンソメ “ルージュ”
フォワグラのフラン 野菜のペタルと秋トリュフ マダガスカル産黒胡椒を効かせて』
スープです。スープ自体は牛コンソメなのですが、お皿にビーツでお絵描きしてありましてソコへ客前でコンソメ注ぐ事で琥珀色のコンソメが茜に染まるという趣向です。
まずは香りが素晴らしい。コンソメ自体も良い香りなのですが、皿のフチに散らした黒胡椒とトップの秋トリュフにだんだんと熱が入る事で香りがどんどん拡がってゆきます。
香りの時点で予想はしましたが、やはりコンソメが素晴らしいお味。雑味は一切無い純粋な旨味だけを抽出した珠玉の液体。
途中からはフォアグラのフランを崩しながら頂いていくと、あたかも和食の碗物のよにだんだんと味変化してゆくのがまた楽しい。凄く美味しいけど……これ完全に碗物だwww
さてはオリビエシェフ、和食屋さんの碗に影響されたな?


『のどぐろのヴァプール
貝類の取り合わせパルマンティエ仕立て 生雲丹のブイヨン』
魚料理は脂のたっぷり乗ったノドグロ。
ノドグロの蒸し加減が神っててめちゃめちゃ美味しいです。
ソースは雲丹の風味を加えたバターソースを泡立てて軽い口当たりにしてあります。このソースがまたノドグロや付け合せの貝類(赤貝 ミル貝 北寄貝)と呆れるぐらい良く合います。こうしたソースの完成度の高さはロオジエならでわですね。
そしてこのソースを気前よく追いソースしてくれる支配人さんも素敵だわぁ。
というか私がソースの出来を褒めていたら、そのソースをティーカップに入れて飲ましてくれるというスペシャルサービスまでwww
やっぱロオジエ(というかU支配人さん)の接客はすんごいわぁ。


『青森県産«銀の鴨»のロティ パスタで巻いたもも肉のミトネ
オレンジ風味の蕪 カルダモン香る林檎
エピスの効かせたソース』
メインは鴨肉。今まではシャラン鴨を使っていたロオジエさんですが、仏国の鳥インフルエンザの影響で仏産鴨が入手困難なため日本産鴨肉にシフトしています。
ですが、この青森県産鴨は代用品なんてレベルでわありません。極上の旨味を携えた特級品の鴨肉でした。
皮部分の脂身の旨さだけなら確かにビュルゴーの鴨には劣ります。ですが、赤身部分の濃密なまでの肉の旨味はビュルゴーを凌駕しているよに思います。家禽の鴨なんですが、まるで野禽の鴨のよな濃く力強い胸肉の味わい。
あまりに旨い鴨でしたので聞いてみたら、だうやら飼育方法&飼育環境に秘密があるようです。
なんとこの「銀の鴨」は平飼いの鴨なんですと。また鴨が飲む水が良い水でないと美味しい鴨肉にはならないから、飼育場所は良い水のあるトコを探してその結果 青森県での飼育になったんだとか。とはいえ、ブランド鴨として売れるよになるまでには台風での2度の壊滅的被害、ガチョウパルボウイルスで2度の全滅、東日本大震災の長期停電による操業停止など、度重なる危機に見舞われたようです。
それでも、創業者の畑中さんは諦めずに美味しい鴨肉を創るチャレンジを続け、2017年に理想的な飼育環境のある新郷村に農場を移転。静寂、清らかな水、山間の緑豊かで農薬が飛来しない安心安全の空気がある環境が鴨にとって最適という判断だからです。
畑中さんのソノ判断が正しかった事は銀の鴨の美味しさが証明しています。

皮目は香ばしく、中はしっとりロゼに火入れされた胸肉にスパイス効かせたソースをたっぷり絡めて頂けば、フランス料理において何故こうも鴨が重宝されるのか?が瞬時に理解できます。

モモ肉は煮込んでからほぐしてホウレン草を練り込んだパスタで巻いてあります。このモモ肉も素晴らしい旨さ。というか、これだけでメインとして成立するぐらいの完成度の高さです。
またしても追いソース貰いつつ(笑)じっくりと銀の鴨の旨さを楽しみます。この鴨は今後も継続してロオジエさんで扱って欲しいですね。


『フランス産フロマージュ』
チーズ好き人間なら大歓喜のチーズワゴン。白カビ 青カビ ハードタイプ ウォッシュタイプと色々揃っています。
が、私は臭いチーズ苦手(小声)なのでココは控えめに。でも36ヶ月熟成コンテは美味かったなぁ。蜂蜜やドライフルーツ添えてくれるのも好き。蜂蜜が美味しいと呟いた途端に蜂蜜お代わりくれる接客も好き。


『お口直し&ミニャルディーズ』
口直しはフランボワーズソルベに抹茶を合わせた品。キレのある酸味が別腹を作ってくれます。ミニャルディーズはどれも作り立て。のでシュークリームの生地や葡萄ゼリーを挟んだメレンゲなんかの食感がイキイキしています。このレベルのミニャルディーズ出してる店なぞ滅多にないぞ。


『長野県産クルミのスフレ
ウイスキー響21年のアイスクリーム』
デザートはデザートメニューの中から好きな品を選びます。普段なら大いに悩むトコですがこの日は気になっていたスフレで即決。
運ばれてきたスフレですが………
いや香り!!!!!!
何ですか、この素晴らしい香りは!
スフレ本体からも甘い香りとナッツ香が入り混じった良い匂いがするのですが、別皿で提供されるアイスクリームからさ濃密なまでに官能的な香りが♡⁠(⁠Ӧ⁠v⁠Ӧ⁠。⁠)
ウィスキーの香り付与した……なんてレベルではありません。
モロにウィスキーwww
これは凄いな。実際の味の印象もアイスクリームではなく完全にウィスキー。こうした品は どれだけ良い酒をどれぐらい気前良く使うか?で味が決まる部分がありますが、この響21年アイスクリームはやり過ぎなぐらいはっちゃけてますわ。こーゆーのはグランメゾンのデザートならではですね。素晴らしい!

クルミの風味しっかり漂う焼き立てスフレの真ん中にスプーンで穴を開けてアイスクリーム投入してから頂くと、お口の中が香りの洪水。更に口から鼻へウィスキーとクルミが合わさったアロマが抜けていきます。
こりゃ美味しいや(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠♡
これだけやれば旨いのは当然なんだけど、ここまで思い切ってやってしまうソノ姿勢に拍手喝采です。


『フリヤンディーズのワゴン&カフェ』
食事のフィナーレは有名な小菓子ワゴン。このワゴンを見るだけでテンション↑↑
どれも美味しさうなんで「全部ください」と言いたいトコですが、既にお腹パンパンなんで控えめオーダー。アルマニャック薫るショコラが特に美味しくて珈琲との相性もバッチリでした。
気がつくと珈琲カップにお代わりが注がれてる接客もさすがです。


食後は支配人さんと少しお話。デザートの事とか銀の鴨の事とか楽しい話をたくさんしてくださいました。最後はこの支配人さんの伝統芸で見送られつつ店を出ます。
今回も素晴らしい食事の時間を過ごせました。
シェフ就任直後は思い切った香辛料使いを批判される事もあったオリビアシェフですが、自分のスタイルを突き詰める事で三つ星獲得したのですから見事と言う他ありません。
接客面もU支配人という凄腕サービスマンが指揮している限りは盤石でしょう。
立派なハコや豪華食材使ったお料理に目がいってしまいがちですが、それを活かすも殺すも結局は人次第。良いシェフと良いサービスマンに恵まれたロオジエさんならば、これかも三つ星として輝き続ける事でしょう。

評価ですが 空間 お料理 接客どれもが一番好きなお店ですので、当然のよに評価は5点とさせてもらいます。

  • 店中央部のフラワーアート。10月という事で紅葉のよな色彩に。南瓜も飾ってあるのでハロウィンぽくもある。

  • アミューズグール。これでシャンパンカクテル飲みながらメニューを決めます。この時間こそグランメゾンならではの楽しみよね。

  • 洋梨とシャンパンのカクテル。

  • アミューズの栗のスープ。

  • 毛蟹とキャヴィア。たっぷりのオシェトラキャビアに思わず笑顔になります。キャビアの質も良いですね。

  • 毛蟹キャビアに添えるパン。カリカリにトーストしてあるので砕いてクルトン的に使います。

  • コンソメルージュに合わせて新政酒造の陽乃鳥(ひのとり)を。濃く甘い日本酒がフォアグラフランに良く合います。

  • コンソメルージュ。秋トリュフが良い香り。

  • ノドグロのヴァプール。このドンピシャの蒸し加減♪

  • 魚料理に合わせてエルミタージュの白。

  • 青森県産銀の鴨。胸肉のローストとモモ肉の煮込み。ソースはスパイス効かせた鴨出汁のソース。

  • 鴨肉に合わせてブルゴーニュはモレ・サン・ドニの赤を。これは素晴らしいワインでしたね。

  • チーズワゴンからブリ・ド・モー と36ヶ月熟成コンテを。蜂蜜とドライフルーツが嬉しい。

  • チーズに合わせてバローロを。

  • アヴァンデセール

  • 出来たてミニャルディーズ達。ショコラシュークリームが特に良かったです。

  • 焼き立てクルミのスフレ

  • クルミスフレに添える響21年のアイスクリーム(驚)。むしろコッチが本体という説もwww

  • 珈琲。アビランドの特注品の茶器が美しい。これ欲しいなぁ…

  • 小菓子ワゴンより。キャラメル二種、栗のケーキ、ショコラ4種。

  • ショープレート。これまたアビランドの特注品。高いんだろなぁ。

  • 店内。イメージカラーは白とシャンパンゴールド。美術品(ダリやコクトーのオリジナル!)はあえて小さな品を。あくまでも主役は客と料理……という事でしょう。

  • 中央部のシャンデリア。中央部は吹き抜けになっていてこのシャンデリアはずっと上のフロアから吊り下げてあります。

  • オマケ。男性客にはお土産無い事をボヤいたらまさかのヌガー貰ってしまいましたwww 

2022/11/03 更新

8回目

2021/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

記念日こそロオジエへ

再訪。
銀座 並木通りで圧倒的存在感を放つ高級フランス料理店。経営しているのは 化粧品メーカーの資生堂。高級フランス料理店というと どこの店も女性をお姫様のよに もてなすのが特徴だが、ロオジエの場合は母体が資生堂のためか より一層その傾向が強い。
2021年食べログアワードゴールド
2022年ミシュランガイド東京3つ星
という超高評価店。と、同時に私が最も愛するレストランでもある。

今回は知人の誕生日祝いで利用。
が……知人の誕生日、12月なのよ。これが難関。
というのも、ロオジエは毎月1日に電話で3ヶ月後の月末までの予約を受け付けるワケなんだが、12月分の予約だと恐怖のクリスマス枠も含まれてるワケで。受付開始日の9月1日に店へ電話かけたのだが、これがもう笑っちゃうぐらい繋がらない‼️ 予想はしていたが、これほど厳しいとは………

二時間ぐらいリダイアルしまくって ようやく電話が繋がる。でも まだ安心できない。希望日の席が埋まっていたら それで終わりだからだ。おそるおそる希望日を伝えると、どうにかセーフ。ホッとしたわぁ。

予約するだけでアホみたく疲れたけど、結果から言えば 頑張って電話して良かった。お料理が美味しかったのはもちろんなんだけども、なんと言っても相手が凄く喜んでくれたのが嬉しかった。ラストで誕生日ケーキが出て来た時は メチャクチャはしゃいでいたもんな。8000円もするケーキだったけど、あれだけ喜んで貰えるなら安いもんだ。

どこの店も記念日用のケーキは用意してあるけども、ロオジエは ちょっとぶっ飛んでました。
記念日ケーキが七種類もあるんですってwww
記念日利用するお客さんが多いとはいえ、七種類も用意するとは………それでこそロオジエだわ。
私がオーダーしたのは 苺とバターのケーキ。要するにフレジエ。やっぱ12月なら苺でしょ?って事でチョイスした。決して、私がフレジエを食べたかったからでわない(多分)
メッセージプレートの脇には 幸せを運ぶと言われるてんとう虫が♪ こゆの粋で良いですね。トップを飾る果物は苺だけでなくブルーベリーとフランボワーズも乗ってます。
ナパージュでお化粧されたスポンジの下にはムースリーヌ(カスタード+バター)。側面には 苺が綺麗に整列してます。苺の向きや大きさがビシッと揃っているトコなんかは、お料理の盛り付けが几帳面なぐらい繊細なロオジエさんらしいなぁ。

ケーキはその場で食べる事もできますが、お腹の余裕が無かったので店では記念撮影だけに。後で お裾分けで食べさせてもらいました。スポンジ部分にはビシッとキルシュを効かせてあるのと、ムースリーヌがコクがありながらも 後味が綺麗で かなり私好みのフレジエでした。これ、かなり良いバターを惜し気もなく使ってるよですね。
でも……てんとう虫は食べさせて貰えませんでした&苺も少ししか貰えなかった(>_<)


お料理はコースでお願いしました。当初はアラカルト注文で考えてたのですが、アラカルトメニューが無かったので。不安になったので聞いてみたら、来年ぐらいからアラカルトも復活する予定だそうで 一安心。

コースは三種類ありましたが、一番高いコースはオール白トリュフなんでパス。下のコースと真ん中のコースは どちらも食べたい料理が入っていて悩みましたが、冬という事で鹿肉をメインにした真ん中のコースで決定。毎度の事ですが、食前酒を飲みながら こうして料理を決める時間が楽しいんですよね。おまかせコース一本も悪くはないが、やはりレストランに来たからには 悩むのも楽しみのひとつね。


MENU DÉGUSTATION ¥29,000
シャンパンカクテル¥2500
ワインペアリング¥19000
ガス無しミネラルウォーター¥900
誕生日ケーキ¥8800
別途サービス料12%
知人の喜んだ顔 プライスレス


AMUSE-BOUCHEアミューズ-ブーシュ


キャビア・オシェトラメイクイーンのボンボンと三陸産帆立貝のラメル 宮崎産フィンガーライムサフラン風味のソースシャンパーニュ


オレンジ香るフランス産オマール・ブルー 
クリーミーなスペルト小麦とラディッキオ
ヴァンジョーヌ風味のビスクソース


のどぐろのヴァプール ラディッシュと黒トリュフ 蕪のロワイヤル 野菜のブイヨン


蝦夷鹿のロティとソーセージ ペンジャ産レッドペッパーを効かせて
赤キャベツのマルムラードとカボチャのムースリーヌ シトロンコンフィ
ソースポワブラード


フランス産フロマージュ


アラカルトよりお好みのデセールを


フリヤンディーズのワゴン

カフェ

緊急事態宣言中の訪問では酒を飲めなかったので、今回はペアリングでしっかり飲ませてもらいました。酒無しでも素晴らしいお料理なんだけど、やっぱフランス料理を食べる時には酒が欲しいよな。

また緊急事態宣言中には休止していたチーズワゴンやクレープシュゼットも復活していました。うんうん、そうでなくっちゃ。あとはアラカルトが復活すれば 完全復活ですね。


お料理の味は今回も素晴らしかった(о´∀`о)
一品目のキャビアは ジャガイモ+キャビアという王道の組み合わせなんだが、ジャガイモのフォンダンが温かい事にビックリ。でも確かに温かいほが芋のほっこりした甘さをくっきり感じるし、そうするとキャビアの味もより引き立つので温かい芋のが良いですね。さういやちょっと前に行ったnaoto.kも 温かい芋とキャビアだったな。 シャンパーニュを使ったバターソースも また素晴らしい。なんて呟きながら食べてると、気前よく追いソースかけてくれる支配人さんも素晴らしい(笑)


パンは自家製焼きたてライ麦パンとメゾンカイザー謹製パン数種類。どれも旨そうで食べたくなるが、飛ばし過ぎると後半泣くので注意が必要。パンに添えるのはボルティエバター。


二品目のオマールは当然のよにオマールブルー。なんだが、オマールの身よりも ビスクソースとソースを吸ったスペルト小麦のリゾットにフォーリンラブ(人´ з`*)♪ てか、ビスクソースの味の凝縮感が半端ぢゃないんだが?で、そのソースを気前よく追いソースしてくれる支配人さん以下略(笑)


お魚はノドグロ。ノドグロ+トリュフは以前もやっていた組み合わせだが、仕立ては以前とはまるで違ってました。ブイヨンで炊いた蕪の上に 蒸したノドグロ。そこに野菜のスープをかけて頂きます。ん?和食の椀??
構成的には和食ですが、ブイヨンが洋の味なので 味のイメージはしっかり洋に寄ってますね。ノドグロの蒸し加減も抜群ですが、ノドグロの脂を吸った蕪が天晴れ過ぎる。


お肉は蝦夷鹿。ロース肉のローストにソースポワブラートという古典的スタイルなんですが、これが激ウマ《*≧∀≦》
鹿肉の均一な食感と火入れに驚かされます。なんでもロース肉の周りの脂を切り落として、芯の柔らかいトコだけ使ってるんだとか。いや、理屈はわかるが……なんちゅう贅沢な‼️ さういや、以前にここで食べた赤牛ヒレ肉も 同じ手法でしたね。これはグランメゾンでしか やれない料理法だなぁ。
ソースは あたかも鏡面のよに艶々と輝いて 見るからに旨そう。
いや、見た目から想像する以上に美味しいソースでした。なんですかね、このソースの味の深さ&味のクリアさは? これだけ徹底的に煮詰めて味を凝縮してあるのに、雑味が一切無いのです。アラジンやエスキスで食べた鹿肉も旨かったけど、今日のが一番かもしれん。そのぐらい肉の旨味もソースの完成度もずば抜けてました。そして そのソースを惜し気もなく追いソースしてくれる以下略(笑)


メインの後がボリュームあるのもロオジエの特徴。
チーズ好きな方はチーズワゴンで歓声を上げてますね。私はチーズあまり好きぢゃない(小声)のでチーズは控えめに。

お口直しのソルベは毎回美味しい&お口直しと同時に出てくるミニャルディーズも 出来たてのため、香りや食感が活きてます。みかんジュレを挟んだマカロン生地や、チーズスフレの食感なんかは コチラならでは。


デザートはデザートメニューの中から お好きな品を。今回は 復活したクレープシュゼットでお願いしました。いや、クレープシュゼットにレミーマルタンって反則やろ❗️ いいぞ、もっとやれ。 やり過ぎなぐらいやるのがグランメゾンの良さよね。美味しいクレープシュゼットでした。

最後のお茶菓子はワゴンからお好きなモノをお好きなだけ。
毎回毎回 来るたびに「今回は全制覇してやる」と意気込むのですが、メインのあたりで腹パンになってしまい 全制覇不可能になるのも毎回の事。

食後の飲み物は色々と用意されてますが、なにやら新メニューがあるようなのでソチラを。
フランスのお茶屋さんと ロオジエのオリビエシェフがコラボしたお茶です。四種類ありますが、私は樽で寝かせた紅茶を頂きました。樽熟成させる事でバニラのよな甘い香りが付いた紅茶です。ホントに甘い香りするんですね。まあ ぶっちゃけると好みでわなかったけど(苦笑)

食後には オリビエシェフ直筆サインが入った本日のメニューを頂きました。これは良い記念になりますね。こうした細かい気配りもロオジエの良さ。

最後は支配人の伝統芸で見送っていただき店を後にします。ふと時計を見ると 入店から四時間近く経過していて 自分でも驚きました。楽しい時間というのは短く感じる…といいますが本当にそうですね。
色々な制限が解除となり、ソムリエさんを筆頭にお店の人達が本当にいきいきとされていたので ついつい会話が弾んでしまいました。でも それこそが良いレストランに必要なもの。良く言われる言葉ですが、レストランというのは料理だけで成り立つものでわありません。そして、その言葉の意味を 最も体感できるレストランこそがロオジエ。
だからこそ、記念日を祝うのにふさわしい場所なのです。


帰路にて。
知人「来年も期待していいよね?」
えっ( ; ゜Д゜)
あのリダイアル地獄は マジ勘弁なんだが……

  • 入口。クリスマスシーズンという事でイルミネーションに彩られており普段以上に素敵。

  • 吹き抜け部分のフラワーアートはクリスマスツリーのイメージに。

  • ロオジエを象徴するアビランドのショープレート。これ欲しいなぁ。

  • 乾杯は シャンパンと洋梨のカクテルで

  • アミューズグール。これをつまみながらお料理を決めます。

  • アミューズ。カボチャのブルーテ。上のアワアワはアールグレイで香り付けしてあります。

  • 自家製焼きたてライ麦パンとボルティエバター。シルバーは基本的にはピュイフォルカで統一。

  • キャビアに合わせて 日本酒とシャンパンのダブルペアリング。日本酒はドン・ペリニヨンで醸造長をやっていたフランス人が作った酒だとか。

  • 一品目。温かいジャガイモフォンダンにホタテスライスとオシェトラキャビア。キャビアの質の良さにも注目。

  • オマールに合わせて

  • 二品目。ビスクソースを吸ったリゾットが旨すぎる。

  • ノドグロに合わせて

  • ノドグロのヴァプール、ブイヨンで炊いた蕪、野菜のスープ。ノドグロの蒸し加減が絶妙です。

  • 鹿肉に合わせて(#^.^#)

  • チョコケーキのよに艶々と輝くソースを纏った蝦夷鹿。激ウマです。

  • ワインペアリングはメインまでかと思いきや、チーズでも出てきた(^_^)

  • ロオジエのフレジエ。 側面の苺が綺麗に揃っているのに注目。

  • 口直しのソルベ

  • ミニャルディーズは出来たて。これもロオジエならでは。

  • クレープシュゼット。

  • クレープシュゼット。レミーマルタンのアイスクリーム、栗のシャンティ、バニラのシャンティ、マロングラッセ、金柑のコンポート。ソースはオレンジ。

  • 悪魔の誘惑 小菓子ワゴン。ここから好きなモノを好きなだけ。食べれるならば、全部オーダーも可。

  • 腹パンだったので ヘタレオーダー。チョコ美味しい♪とか呟くと、お代わり持って来ちゃうので気をつけろ(笑)

  • 新商品とやらがあったので 食後の飲み物はそれで。

  • この樽で熟成させて香りを付けた紅茶です。

  • ロオジエのフレジエのお裾分け。リョーコのフレジエのが旨かったというのは、ここだけの話(苦笑)

  • 記念日利用だとお土産にその日のメニューが渡されます。

  • 中にはエグゼクティブシェフのオリビエさんの直筆サイン。ちな、知人(主賓)のは文章が違ったさうです。

  • この日のメニュー

2021/12/11 更新

7回目

2021/05 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥30,000~¥39,999
    / 1人

禁酒法下のグランメゾン

再訪。
資生堂本社ビルの地下にある、資生堂が経営するフレンチレストランであり、私が最も愛するレストランでもある。
2021年ミシュランガイド東京3つ星。
2021年食べログアワードゴールド。

最も愛する…と言いつつ、実は初夏に訪問した事はなかった(トリュフシーズンに行ってしまうから)ので 今年はトリュフはパスして 初夏の料理を楽しみに3ヶ月前に予約した。

が、訪問日を前にして都内飲食店に禁酒法発令&20時までの時短営業要請。
まあお上としてもコロナ対策に必死なのはわかるんだが、全ての飲食店を一律で規制するのは正直疑問。
密空間で酒飲んで騒ぐのが問題アリと言うのであれば、テーブル間隔たっぷり取ってある上に 騒ぐ客なぞ見た事無いよなグランメゾンなら 規制対象外でも問題無いのでわ?
ましてやロオジエさんの場合、酒を提供する事を生業とする「ソムリエ」が五人もいらっしゃる。そんな店に対し1ヶ月余り(予定)もの期間で禁酒法適用するだなんて アタオカと言う他ない。
ましてやロオジエのシェフソムリエさんは 現代の名工として表彰されたほどの人。更に2012年には 東京都優秀技能者知事賞まで受賞されている。東京都 自らが表彰したソムリエさんの仕事を、東京都が奪う……って、ずいぶんと笑えないジョークですね。

そんな状況なので、禁酒法下のロオジエでは普段の営業とは異なる点がいくつもあった。

①酒類提供無し:禁酒法にしっかり従ってました。こっそり提供…なんてズルは資生堂の看板背負ってる以上は やるワケにはいかないんでしょう。

②アラカルトメニュー休止:これはチョイと痛かった。というのも、今回はアラカルトで好きな物を頼もうと決めて予約していたから。だが、僅か三時間のディナー営業で 三種のコースに加え アラカルトまで対応していたら厨房の負担が大き過ぎる事を思えば 致し方ない。

③フロマージュワゴン休止:ロオジエ名物のひとつでもあるフロマージュワゴンだが、短いディナー営業時間できっちり終了させるためには 休止するしかなかったんだとか。ただしフロマージュの提供自体が無くなったワケではないので、メインの後の楽しみはちゃんと存在する。提供するフロマージュは客の好みを聞いて 厨房がセレクトしてくれます。

④クレープシュゼット提供休止:休止理由はフロマージュワゴンと同様。ワゴンが一台しかないため 短いディナータイムだと どうしても複数テーブルで提供時間が重なってしまう。結果、ワゴン待ちとなり 料理提供テンポが遅くなってしまうので休止にしたそうです。

上記の点を予約確認時に店から伝えられる。考えていたアラカルト注文が不可なのは確かに残念でわあるが、そうした状況ならば より円滑にディナーを楽しむために我々としても出来る事はしておく。
開始時刻を予定より一時間早めて、更に 当日食べるコースもあらかじめ店へ伝えておく。不幸中の幸いとでも言おうか、ホームページに記載されたコースの中に 私の大好物食材「子羊」の名があったので 迷う事なく そのコースで決定した。あとは訪問日を待つのみ…だ。


迎えた訪問当日、17時という早めのスタートに備えて 昼飯を抜いて 朝飯も軽く済ませて胃袋のコンディションを整える。
禁酒法下のグランメゾンで 満足のゆくディナータイムを過ごせるのだらうか?そんな不安を胸に抱えつつ店へ向かう。

が、そんな不安は店に到着した瞬間に霧散した。
人懐っこい笑顔で我々を迎えてくれるドアマン。
ドアマンが開けた扉の先では サービスの女性がお辞儀をして にこやかに待ち構えてくれている。
笑顔というのは これほどまでに人の心を穏やかにしてくれるものなのか。

歩を進めれば そこはシャンパンゴールドを基調とした 華美な空間。中央の吹き抜けを見下ろせば 豪華なシァンデリアと、淑やかな紫陽花の花が見える。。 そして階下から微かに漏れ聴こえるホールの さんざめき。
嗚呼、ロオジエだ。
まごうことなき普段通りのロオジエだ。メインホールへ降りる前に解る。ロオジエは禁酒法下でも 輝きを失ってなぞいない……と。

嬉しさのあまり自らの頬が緩みそうになるのを抑え込みながら、螺旋階段を一歩一歩降りてゆく。駄目だ、抑えきれない。 再びロオジエの活きたホールへ来れた悦びを抑える事なぞ、出来はしない。

楽しもう。せっかく店側が ここまでお膳立てしてくれてるのだから、我々が暗い顔したってしょうがない。確かに先行き不安かもしれないが、ロオジエのホールにいる間は 全身全霊でロオジエを楽しもう。そのためにロオジエに来たのだから。

頂いたのは
ムニュ セゾン(23000円)
ノンアルコールペアリング(7000 円)
ミネラルウォーター(900円)
別途サービス料。

酒類提供禁止で飲み物をどうするか悩んでいたのだが、これまた悩む必要なぞなかった。
というのも、禁酒法以前には提供していなかったノンアルコールペアリングなる物がドリンクリストにあったから。私も同行者も即決でノンアルコールペアリングをオーダーした。
まあ正直な話、内容的には同じ3つ星フレンチであるレフェルヴェソンスで提供されているノンアルコールペアリングには劣るという印象だった。だが、ノンアルコールペアリングを開始したばかりのロオジエが 何年も前からノンアルコールペアリングを提供し続けているレフェルヴェソンスに見劣りするなんて当たり前の話。そんな中でも 前菜用カクテルやフロマージュ用甘酒カクテル等の光る品が存在したのだから 我々としても充分納得。むしろ 次回以降に期待してしまう内容とも言える。


パンは自家製焼きたてライ麦パンに加えて メゾンカイザー謹製という数種のパン。全種制覇したくなるが、食べ過ぎると後半きつくなるので控えめに。と言っても「このパン美味しい♪」と呟いた途端に お代わりを勧められてしまうので どうしても食べ過ぎてしまう(笑)

カトラリーは純度の高い銀で作られたピュイフォルカ。ずっしり重いので使い勝手だけで言えば クチポールのが上だが、この重量感と輝きは やはり格別。手に伝わる重みからも、ロオジエに来たんだという感覚が沸き上がってくる。


お料理はアミューズからメインまで どれも非常に素晴らしかった。美味しいのは当たり前だが、そのビジュアルの美しさや 細部までの異常なまでの作り込み具合もロオジエの料理の特徴だ。 付け合わせの野菜ひとつとっても 一切の妥協が無いと理解できる。

かなりモダンなルックスの料理だが、合わせるソースは かなりクラシカルかつ はっきりとした味わいなのも私にとって たまらないポイント。モダンな調理や調味と 伝統的フレンチの融合。それがオリヴィエ シェニョンシェフの持ち味。

特に メインのロゼール産子羊は極上の美味でした。肉の旨さも相当なものでしたが、それに加えて 香り。もともと私は 仏産子羊の香りが大好きなんだが、この日 食べた子羊は 今まで食べた子羊のどれよりも魅力的な香りを放っていた。一体 どのような魔法を子羊にかけたのだらう? その魔法の効果は、私に「これが人生最高の子羊料理だ」と呟かせるものだった。


素晴らしいメインを食べて 半ば放心状態だが、ロオジエのコースは ここから更にもう一山ある。


メインの後にはフロマージュ。蜂蜜 ドライフルーツ パンオフリュイを添えてくれるのが また嬉しいでわないか。

そして ここからは甘味の波状攻撃。
お口直し。
ミニャルディーズ。
デセール。
小菓子ワゴン。
しかもデセールは アラカルトメニューの中から好きな品を選べる(スペシャルコースだとデセール固定になります)という甘味好きには なんとも悩ましいシステム。

チョイスしたミルフィーユのバニラの香りに酔いしれ、小菓子のショコラで頬が緩み、最後に珈琲を飲んで 満足げに息を吐き出す。
連れや サービスの方と この日 どれほど我々が満たされたか等と会話してると いつの間にか珈琲カップが再び珈琲で満たされたている。

名残惜しいが そろそろ現実に戻る時。挨拶に出てきたU支配人が絶妙のトークを披露してくれるものだから 後ろ髪ひかれそになるが、店が時短営業要請に従おうとしているのを我々が足を引っ張るワケにはいかない。
入店の時と変わらぬ 人懐っこい笑顔のドアマンと U支配人に見送られながら店を出る。
やはりロオジエでのディナーは素晴らしかった。

ピエール イブ ロションがデザインした空間。
オリヴィエシェフのお料理。
U支配人が率いるサービス陣。
これらが揃っている限り、ロオジエは私の人生最高レストランとして輝き続ける。

この素晴らしきレストランが禁酒法なぞで倒れる事が無いよう切に願う。

  • 中央部は吹き抜けになっていて そこに立派なシャンデリア。 シャンデリアの下のフラワーアートは毎月変わります。5月は紫陽花。

  • アビランドのショープレート。

  • D.ポルトー社製のナプキン(もちろん特注品)。クロスもD.ポルトー社製。 カトラリーは 純度の高い銀で作られたピュイフォルカ。

  • ノンアルコールスパークリングで乾杯

  • アミューズグール。普段であれば これをつまみながらメニューを眺めるのだけど……

  • 焼きたて自家製ライ麦パン。バターはボルティエバター。パティスリーパロラのカヌレとかに使われてるバターね。

  • アミューズ:ブロッコリーのブルーテにビーツのアイスクリーム。中には野菜出汁のジュレや角切りビーツと野菜だけで構築されてるのだが、各素材自体の風味や食感が活きていて とても美味しい。温度も絶妙。

  • パッションフルーツとグレープフルーツのノンアルコールカクテル。前菜に合わせて。

  • 前菜:ズッキーニで包んだ手長海老。蒸してあるそうだが 火入れがドンピシャなのか海老の甘さ旨味が最大限に活性化している。それを かなり爽やかなトマトソースで更に引き立てていて極上の美味。見た目も完璧。

  • 魚料理:青海苔を纏わせオリーブオイルでコンフィしたハタ。ゆっくり火入れされたハタの身はしっとりしたテクスチャに仕上げてあり すこぶる美味。雲丹を用いたバターソースと合わせるとまさに至福。

  • 肉用ナイフ。これだけはピュイフォルカでわない。まあ純銀ナイフぢゃあ切れないからね。

  • ローズマリーを塗ってローストしたキャレダニョー。ソースはタイムを用いたジュ。子羊はロゼール産。春巻きみたいなのはブレゼにしたエポールをパートドフィロで巻いた物。 人生最高の子羊料理に出逢えました。

  • 肉に合わせて ノンアルコール葡萄ジュースと中国茶。

  • フロマージュ。最中みたいなのはフルムダンベールと山葵を用いた最中。この最中は かなり美味しかった。レギュラー化してほしい。

  • アヴァンデセール:杏のソルベ。下には杏コンポートに生姜のジュレ。甘さはしっかりあるのだが杏ソルベの香りと生姜の辛さが 良い具合に口をさっぱりさせてくれます。美味しい。

  • ミニャルディーズ。出来たてです。フルーツのジュレを挟んだマカロンが特に美味。ジュレのギリギリの緩さや メレンゲのサクサク食感は出来たてでしか楽しません。賞味期限は10分と無いでしょう。

  • デセール:バニラのミルフィーユ。パイ生地はかなりエアリーでサクサク軽く食べれます。クリーム&アイスクリームは希少なタヒチ産バニラを贅沢に用いてあり 陶酔するほどの良い香り。旨すぎます。

  • 同行者のデセール。ショコラとミントだとか。見た目は私のミルフィーユよりコチラのが上ですね。

  • 美味しい珈琲。飲み干すと コチラから催促せずともお代わりを持ってきてくれます。 ロオジエのロゴが入ったアビランドのソーサーが素敵過ぎます。

  • 小菓子ワゴンから好きな品を。私は金柑コンポート オランジェット ライスクリスピーショコラ コニャックショコラ アマレットショコラ カヌレ 抹茶風味ガレットブルドンヌを。

2021/05/11 更新

6回目

2020/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

派手にいこうぜ

再訪。
私が最も好きなレストラン、それがロオジエ。とはいえ、お値段がお値段なので定期的に訪問ってわけにはいかないが 記念日やお祝い等で派手にいきたい時には 迷わずロオジエ!!
この日は私の誕生日祝い(という口実)で利用。去年はモタモタしていたら第一希望日の予約を取れなかったので、今年は3ヶ月前にに気合いの電話しましたよ(笑)

生憎の空模様の中、店に到着すると ドアマンの方が自然な笑顔で迎えてくれる。ドアの内側で出迎えてくれたサービスの方が、ごく自然に傘を預かってくれ ごく自然にタオルを差し出してくれ 特に予約名を言うまでもなく ごく自然に支配人がホールまで案内してくれる。あまりに自然な流れなので、これが普通なのかと勘違いしそうになるのがロオジエの接客の真骨頂。 真のもてなしというのは 客にそれと気付かせないものなのだ。この最上級のサービスがあるからこそ、記念日を祝うのに最もふさわしいレストランと言えるのだ。

フカフカの絨毯を踏み締めつつ 一歩一歩螺旋階段を降りる度に自らの気持ちが高揚していくのがハッキリとわかる。
やはり良い。
良いモノは何度見ても良い。
素敵な設えのレストランは何軒もあるが、それでもロオジエのホールの素晴しさは別格だ。
地下にありながら吹き抜けを利用して圧迫感を感じさせないホール設計。
円型ホール中央部の超豪華なシャンデリア&フラワーアート。
ゴールドを基調としながらも決して華美過ぎず それでいてモダンさを感じるインテリア。
あくまでさりげなく飾られたダリの彫刻やコクトーの花器(当然 オリジナル)
ここ以上に素晴らしいホールを有したレストランが他にあるのだらうか? あるなら教えて欲しいぐらいだ。

テーブルセッティングも豪華極まりない。
まず目をひくのがロオジエのロゴが入ったショープレート。アビランドの特注品だ。
カトラリーは純度の高い銀で作られたピュイフォルカでほぼ統一(肉用ナイフのみアビランド)
クロスやナプキン等のリネンは D.ポルトー社製(エリゼ宮でも使われてるメーカー) の これまた特注品。 ちなみにトイレのハンドタオルもD.ポルトー社製の特注品。
これだけ豪華なテーブルセッティングを拝める店もそうはないだらう。記念日等で派手にいきたい時こそ、ロオジエの豪華なホールとテーブルセッティングが相応しい。

そしてレストランで最も大切な要素である「料理」だが、これに関してもロオジエは素晴らしい品を提供してくれる。
味のベースはかなりクラシック寄りなのだが、香辛料やハーブのアクセントを巧みに組み込んだり 近代になってから使われるようになった食材をガルニに組み合わせてみたりしてあるため クラシックでありながらどこかモダンさを感じるテイストに仕上げてあるのはシェフの才能であらう。
また 以前にも増して和食材の扱いが上手になってきたかのようにも思える。いや実際、今日 頂いた甘鯛鱗焼きは コチラで以前に頂いた甘鯛より明らかに旨くなっていた。メインの子牛のソースに巧みに使っていた国産檸檬からも それは明らかだ。

メイン後は48か月熟成のコンテの味に驚愕し、デセールに用いられた竹鶴のアイスクリームに酔いしれ、とどめは小菓子ワゴンのショコラの香りに魅了された。いや失敬した、珈琲の旨さも忘れてはならないな。

ごく自然に注がれる珈琲のお代わりを頂きながら 支配人にお礼と賛美と再訪の約束を伝え 素晴らしい会食は幕を降ろす。誕生日祝いをコチラで行って本当に良かった。心の底からそう思える店ですので、評価は当然のように全項目で満点とさせてもらいます。ただし、コスパに関しては そういう事を言う次元の店ではない(改装費二桁億円の店ですから)のでコスパのみ評価無しです。


ムニュデギュスタシオン(29000円)
シャンパンとポワールのカクテル(2500円)
ワインペアリング(20000円)
ミネラルウォーター(900円)
別途 消費税&サービス料

コースのオマールを甘鯛に差し換えて頂きました。嫌な顔ひとつせず快諾してくれたU支配人、いつもありがとうございます!この方の接客を見るためだけでもロオジエに行く価値があります。そのぐらい ずば抜けたサービスマンです。
水は以前と変わり、日本酒の仕込み水に。確かに食事中に飲むには このほうが良いですね。
ワインはペアリングで。魚と肉の時のワインは凄かった。14代も凄かったがそれが霞むレベル。

大好きな店だからこそ、ほんの少しの嫌いなトコ。今日の甘鯛にピュイフォルカのナイフでは歯が立たない…もとい刃が立たないので、鱗焼きのよな仕立ての時は 藤次郎みたいな良く切れるナイフにして頂けたら嬉しいです。

  • 見事なショープレート

  • ナプキンはD.ポルトー社製。

  • シャンパンと洋梨のカクテル。スゲー旨い♪

  • アミューズのプレゼン

  • アミューズの栗のブルーテ。上の泡にはカルダモンの風味。中にはカリカリ食感の栗、ほっこり食感の銀杏、しゃきしゃき食感の和梨と 味だけでなく食感でも魅せてくれます。

  • 前菜のサーモン&キャヴィアに合わせて二種類を。ちな、サーモン&キャヴィアは写真撮り忘れ。

  • 前菜。フォアグラのロティとスペルト小麦のリゾット。フォアグラの焼き方、リゾットや野菜の食感の残し方(なんと絹サヤは生!)は見事過ぎます。マッシュルームソースの香りも素晴らしい!

  • フォアグラリゾットに合わせて

  • 甘鯛鱗焼き。ソースはハーブを効かせた赤ワインソース。甘鯛の焼き方は明らかに以前より上手になってます。ソースの素晴しさは以前同様。付け合わせの貝3種が どれもめちゃ旨なんですが?

  • 甘鯛に合わせて……ってオイ❗️

  • 仔牛のココット焼き。均一な焼き色の肉はナイフが不要なぐらい柔らかく、かつジューシーで驚愕の旨さ。しっかりフォンを感じるソースは深みを感じながらも混ぜこんだ檸檬の酸味のため爽やかさを口に残してくれます。

  • 仔牛に合わせて

  • ロオジエ名物のチーズワゴン。何種類でもお好きな品をどうぞ……と 言われても 臭いチーズ苦手な私はコンテやミモレットぐらいしか(>_<)

  • チーズに合わせて

  • アヴァンデセール。パイナポーのソルベにホワイトチョコのムース

  • ここでミニャルディーズがロオジエ流。ミニャルディーズは出来たてなので、メレンゲの食感とかが活きてます。

  • デセール。メレンゲのトゲトゲに下はマロンクリーム。メレンゲの中には竹鶴(!)のアイスクリーム。 やり過ぎ……いや旨いけどねwww やり過ぎってぐらいやるのがロオジエ。こうでなくっちゃ♪

  • このカップ&ソーサー、大好きです(*´∀`)

  • 悪魔の誘惑、小菓子ワゴン。ここで一句「男なら 一度は言いたい 全部くれ」 私?ショコラとキャラメルだけでギブアップ(>_<)

2021/04/16 更新

5回目

2020/02 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

ト、ト、トリュフの大爆笑♪

タイトル猛烈に滑ったスマン。

再訪。
珍しくコチラのドアマンの方がマスクしてたけど…まあ必要な事なんで仕方ないかな。せっかくの素敵な笑顔が見れないのは残念だけど。
例によって二人がかりでのお出迎えでテンション↑↑つつ歩を進めれば、私が都内一番と思っている空間が姿を現す。ホント、何度来ても うっとりするぐらい素敵な空間。男の私がコレなんだから、感受性豊かな女性がコチラに来たらどれだけ感動するのやら。
都内のフレンチで「オススメは?」と聞かれたら何軒か名前が出るけれど、その中で最も行ってみて欲しい店は間違いなく「ロオジエ」だ。マジな話、ランチで充分だからロオジエの空間 接客 料理を肌で感じてみて欲しい。確かに勘定はそれなりの金額になるけど、全てにおいて最高峰のレストランとは どういったトコか体験しておく事は人生において必ずやプラスになるはずだから。

挨拶に出てきてくれた支配人に三つ星キープの祝いの言葉を告げると、例によってロオジエに関わる様々な話で我々を楽しませてくれます。この方の話術もロオジエに来る楽しみのひとつですね。

さて お料理だが、今回は思いきって季節限定のトリュフコースにしてみた。まあ、昨年 一昨年とコチラに真冬に訪問してトリュフ使った料理の旨さは理解していたつもりなんだが、トリュフコースは予想以上にぶっ飛んでましたわ。もちろん良い意味で。

訪問前では「コース途中でトリュフの香りに飽きるのでは?」なんて不安もあったが、いざ食べてみれば最初から最後までトリュフの香りに酔いしれている私がいた。
使われているトリュフはペリゴール産。最初にトリュフの匂いを嗅がせる伝統芸から始まり、あとは前菜からデセールまで ひたすらトリュフ尽くし!ちょっと やり過ぎな気がしないでもないが、こうした事は中途半端が一番良くないんでこれでOK。
冗談抜きに、食べ終わった私と連れは お互いからトリュフの香りwww 今シーズンは もうトリュフ食べたくないや…なんて二人して言い出す有様。そう考えると、このトリュフコース ある意味コスパ抜群と言えるかも知れない。なんせ、他の店でトリュフ料理を食べずにすんでしまうのだから。

ワインはペアリングで。今回は珍しく ブルゴーニュばかりでしたが、トリュフを用いた料理との相性は良し。ワインの香りから、かなりの勘定を覚悟したのですが、会計は予想額より下で逆にびっくり。飲み物で稼ごうとはしないあたりもロオジエって良い店だなぁ…って思わされます。連れが食中に紅茶を頼んだら、ひたすらお茶のお代りを注いでくれる様にも感服しました。

接客も相変わらず抜群。コチラに一切 圧をかけない…が、しっかり見ている。コチラが「これ何だろう?」なんて呟いた時のフォローの速さ、女性が席につこうとした時の素早い対応、既に書いたお茶のお代り、お手洗いから戻ってくると交換されているナプキン等々。他にも接客の良いレストランはありますが、それでも最高峰はロオジエであると断言してしまいます。

素晴らしい食事の時間も終わり、店を後にする時には再び支配人がお見送りに出て来てくれます。ここでもまた、ロオジエに関わる話や この日の料理に関する様々な話を巧みな話術で披露してくれます。あまりに話が楽しくて名残惜しくはありますが、すでにかなり長時間の滞在になってしまってますので 次回の訪問を約束し帰路につきます。まあ、お値段がお値段ですので頻繁には来れませんが 節目節目には必ず訪問したい…そんな素晴らしいレストランです。当然、私の誕生日にはまた利用させてもらいます。
ちょっと予約が取りづらくなってきたのが気がかりでありますが。

黒トリュフコース(45000円 税サ別)
料理名は写真参照。

前菜:コチラにしては珍しく一品目が温前菜。コンテを入れたオムレツにトリュフソース。それだけでも旨いの確定ですが、更にシャンピニオンのソースと追いトリュフ(笑)で香りの洪水。トリュフに隠れがちですが、オムレツの焼き加減が また素晴らしい。

前菜:オマールのサラダ仕立て。皿に敷いてあるのはカリフラワーのムース。そこにオマール ブルー 各種野菜 オマールエキスのジュレ 黒トリュフスライスでサラダに。トリュフとバルサミコ酢のソースで頂きます。トリュフビネガーが素晴らしく良い香りで驚かされます。また敷いてあるカリフラワームースが濃厚でありながら口当たりはひたすら滑らかなのも素晴らしい!カリフラワームース&コンソメジュレをスペシャリテとしている某店より 明らかに旨いカリフラワームースです。こうした細部のクオリティの高さもロオジエの料理の特徴。

魚料理:蕪と黒トリュフで包んだノドグロのヴァプール。ノドグロの蒸し加減も見事なのですが、ノドグロとトリュフと蕪のマッチングが見事過ぎます! 白身魚とトリュフを合わせるのはコチラのシェフの得意技のようですが、今回はそこに更に蕪を合わせる事によりノドグロの脂の旨さを楽しみつつ 後味が より綺麗な仕上がりとなっていました。絶品です(*´∀`)♪ 下に敷いてある細切り野菜&トリュフは適度な食感を残してありグッド。また蕪に貝類を詰めて蒸した品が添えてありますが、これがむちゃくちゃ旨い。付け合わせのレベルではありません!

肉料理:ロッシーニ。ご存知ロッシーニですが……トリュフの量に笑ってしまいます。ここまで ひたすらトリュフで鼻もバカになってるかと思いましたが、これだけ乗ってれば そりゃ香りますわ(*´ω`*)
お肉は例によって赤牛ヒレ肉。これを驚くほど均一に火入れして、でっかいフォアグラ たっぷりのスライストリュフ 濃厚なトリュフソースで頂きます。もうね、馬鹿みたいに旨いですわ!素材も技術もかけている手間も全てが超一流。肉の旨さは知っていましたが、やはり赤身の肉と たっぷりのトリュフとの組み合わせは抜群です。付け合わせは 火入れしてから細切りにしたキャベツと細切りトリュフを混ぜた品で、これまた レベルの高い付け合わせです。そして決め手はトリュフソース。旨味 香りはどっしりしていながら、雑味や重さは感じない見事な出来ばえのソース。しかも このソースをソースパンごと置いていってくれる気前の良さ。もちろん追いソースさせていただきました。

アヴァンデセール&ミニャルディーズ:トリュフを入れたパンナコッタにパッションフルーツソルベ。乳製品とトリュフは相性良いので、当然ながらパンナコッタとも良い組み合わせですね。パッションフルーツでさっぱりさせてくれるのも嬉しい。ミニャルディーズは いつも通りに出来たて♪出来たてミニャルディーズを出す店ってのもロオジエぐらいしか知りません。

デセール:マスカルポーネとトリュフのアイスクリームを詰めたシュークル。まずは 本物トリュフとトリュフを模したシュークルが登場。シュークルを皿に取り、思いきって割ったトコにサービスの方が 本物トリュフのスライスをかけてくれます。更に、トリュフの下にあった物体をかけて完成。てっきり飾りと思ってましたが、キャラメルなんですって!トリュフの香りがついたアイスクリームにキャラメルの食感がアクセントとなり 美味しい♪ トリュフを模したビジュアルも楽しいですね。ただ、これの追いトリュフは無くても良かったかな。

小菓子:例によっての小菓子ワゴンです。来るたびに細かく変化しているので全種類制覇は到底無理そう…

カフェ:今回はエスプレッソ。ちなみにエスプレッソをダブルでオーダーする事も可能ですが、エスプレッソのお代りが何杯も出てきてしまうのでダブルの存在意義が解りません(笑)

マジで、当分はトリュフいらないわ(笑)

  • トリュフコースの内容。ちなみに オリビエシェフ直筆サイン入り。

  • 伝統芸その1:見せトリュフ。

  • 焼きたて パン ド カンパーニュ。コチラのパンの中ではこれが一番好き。なんて呟くと、新たに焼いて持って来てくれる支配人の気配りは もっと好き。

  • トリュフオムレツ。いわゆる鉄板。

  • オマールに合わせて

  • オマールのサラダ仕立て。美味しいけど、オマールぢゃあなくても成立するかも。

  • 黒トリュフと蕪で包んだノドグロのヴァプール。ソースはグリンピース。

  • 赤牛ヒレ肉のロッシーニ。赤い付け合わせは京ニンジン。焼き方 完璧、ソースばっちり、トリュフびんびんに香る、付け合わせも手抜き無し。

  • トリュフのパンナコッタにパッションフルーツのソルベ

  • 出来たてミニャルディーズ。左からグリオットのジュレを挟んだメレンゲ、バシュラン、ダージリンのムースを詰めたショコラタルト、マカロン。

  • デセール。トリュフを模したシュークルと本物トリュフ。敷いてあるのも飾りではありません。

  • パカっと割ったトコにトリュフスライスと、敷いてあったキャラメルをかけて完成です。

  • キャラメル二種、パート ド フリュイ、ショコラ五種、日向夏。これでも かなり頑張ったほう。

  • エスプレッソ。飲み干すと ソーサごと下げて新たなエスプレッソが出てくるのでダブルの存在意義がわからない

2021/04/16 更新

4回目

2019/10 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

進化する三つ星

再訪。

誕生日祝い、結婚記念日等…ドコの店でする?なんて迷う必要はありません。そうしたハレの日に最もふさわしい店、それがロオジエですから。

華美でありながら嫌みのない近代的な設え。
アビランド、ベルナルドといった最上級のプレート。
純度の高い銀で作られたピュイフォルカのカトラリー。
地下でありながら 吹き抜けを利用して圧迫感を感じさせない見事なホール設計。
ピェール イブ ロションの手によるインテリア。
U支配人を筆頭に総勢20人にもなる磐石のサービス陣。
最上級の素材を惜しげもなく使ったお料理。
三つ星獲得シェフが指揮&ジャック ボリー氏の頃からロオジエ一筋の料理長が守る格式ある厨房。

現在の東京において、空間 器 人 料理 と ここまで贅沢を尽くした店は他にないでしょう。もちろん 勘定はかなりの金額になります。ですが近頃はロオジエより高額な店も あまり珍しくなくなってきました。そんな中、ロオジエほどの店が現在の支払い額ですんでしまうのは奇跡みたいなものです。

接客に関しても ただ人数が多いだけではありません。どの方もサービスマンとして一流の方ばかり。そのような方々を あれだけの人数揃えるのがどれだけ大変な事か。また人数多くても サービスマン同士での連係は非常にスムーズ。このあたりの統率っぷりは おそらくU支配人によるものでしょう。素晴らしいサービスマンを揃えているロオジエですが、なかでもU支配人の力量はずば抜けています。この方の接客を見るためにロオジエに行く価値がある…と言っても過言ではありません。今回の我々も色々と配慮していただきました。おかげで素晴らしい誕生日祝いとなりました。

お料理も素晴らしい。三つ星獲得してもオリビエシェフは守りに入るつもりはないようです。これまでのスペシャリテ的な「八海山サーモンとオシェトラキャビア」の皿も色々と変化していました。
ディナーでは提供していなかった豚肉もアラカルトメニューに加わっていました。
かと思えば、非常にオーソドックスな料理である「鹿肉とフォアグラのテリーヌ」があったり。
シェフが自信を持って のびのびやっている事がメニューからも伺えます。事実、食後に挨拶に出てきたオリビエシェフは たいへん自信に満ちあふれた良い顔をされていました。

ドリンクにも変化が。ワインをペアリングで頼んだのですが、サーモンの皿に合わせてロゼ シャンパーニュと日本酒という2つの酒が同時に提供されました。どちらかといえば伝統を重んじるロオジエで、ダブルペアリング…しかも日本酒とは驚きましたが キャビアとの相性はバッチリだったあたりはさすがです。

レストランに大切な要素の全てにおいて、最高の品を揃えてあるにも関わらず 更に前へ前へと進もうとする姿勢。どうやら現体制である限り、ロオジエの三つ星は揺るぎないモノのようですね。

この日のディナー
今回はアラカルトメニューからのオーダー。

八海山サーモンとオシェトラキャビア。胡瓜のクリーム。ジャガイモのパンケーキ添え:ミキュイにしたニジマスとオシェトラキャビアを合わせたロオジエスペシャリテのひとつ。今まではポワローのクリームでしたが胡瓜のクリームに変化していました。魚卵と胡瓜は相性良いですもんね。サーモンミキュイは コチラ以上の品を食べた事がないほどの素晴らしい出来。キャビアも上質の品をたっぷりと♪ クリームがとことん滑らかであったり、パンケーキがたいへん美味しかったり…細部のクオリティが半端ないのがロオジエらしい。非常に几帳面な盛り付け(スライスした胡瓜一枚一枚にキャビアを一粒一粒乗せてあります)は 前作を踏襲。


鹿肉とフォアグラのテリーヌ:アラカルトなら前菜一皿 メイン一皿が適量とのアドバイスでしたが、どうしても食べたかったのでオーダー。U支配人が気を使ってハーフポーションにしてくれました。まずはフォアグラがたっぷりな事に驚きます。がフォアグラは上質で 口の中ですぅと蕩けてくれます。そのフォアグラの脂の旨味と鹿肉の旨味が合わさり たいへん重厚な食べ味のテリーヌになってます。重くなりすぎないよう ネズの実やマリネした野菜やフレッシュの柿でバランスを取ってあります。野菜によって酸味の度合いを変えてあるあたりは なんとも芸が細かい。しかしハーフでも なかなかのボリューム……フルポーションだったらヤバかったですわ。

イベリコ豚骨付きロースのロースト:ローストしたロース肉、ブレゼにした豚足、ブーダンノワールと豚尽くしの一皿。一時間かけて焼いたというロース肉は かなりの肉厚でありながら中心まで均一の火入れ。物凄い技術です。また肉質は非常に繊細で柔らか。驚いているとU支配人が種明かししてくれました。イベリコの子豚だとのこと。子豚ですが旨味は豊か かつ脂身も上質で素晴らしく美味しい。ちょっとこの豚肉の旨さは凄いですね。豚肉を最も美味しく食べる料理は「トンカツ」だと思っていたのですが、これを食べてしまうと その考えが揺らいでしまいます。
ソースはハーブを加えたジュ。ロオジエにしてはシンプルなソースですが、脂身がしっかりある豚肉ですので シンプルソースで正解ですね。ただ、ブーダンノワールは 近くの某店で頂くほうが好きかな。


リンゴソルベ:本来なら メインの後にはデセールを頂くつもりだったのですが……アラカルト三品は ちょいとやり過ぎ&イベリコ豚が かなりボリュームある皿だった…ので 不本意ながらデセールはあきらめます。なんて会話をしているところで 再びU支配人が気を使ってくれまして……口をさっぱりさせるソルベを出してもらいました。 ミニャルディーズまで出てきたのは予想外でしたが、ソルベでさっぱりした効果でしょうか? ミニャルディーズはすんなり腹に収まりました(苦笑)


カフェ&フリヤンディーズ:食後の飲み物を頼むと恒例の小菓子ワゴンも登場します。さりげなくワゴンが新しくなってます…なんて話を聞きながら 美味しいコーヒーを頂きます。空になったコーヒーカップに いつの間にかコーヒーが注がれているのは もはや伝統芸。連れは紅茶。ロオジエは紅茶の種類がいくつかあるのですが、複数ある理由についての話をU支配人から聞かせていただきながらの 食後のひとときは また格別です。

今回も素晴らしい食事の時間を過ごせました。食前、食中のみならず ラストのお見送りに至るまで 一切の隙なしの鉄壁ぶりは 流石の三つ星!ですが、決して堅苦しい接客ではなく 常にコチラの事を見て 終始リラックスさせてくれます。食事、空間、接客 全てが最高の店ですので 当然ながら評価も最高点となります。


唯一、文句があるとするならば 男性にもお土産あればなぁ…なんかトイレも男性と女性で格差が凄いらしいし。まあ経営母体が「資生堂」なので女性優遇はやむなしか?

  • 特注品のショープレート

  • サーモン&キャビアに合わせて ロゼシャンパーニュ

  • サーモン&キャビアに合わせて日本酒

  • 八海山サーモンとオシェトラキャビア。松ぼっくりみたいなやつはスライスした胡瓜。

  • サーモン&キャビアに添える ジャガイモパンケーキ。「たこ焼きスタイル」との事。当然ながら焼きたてです。

  • 鹿肉とフォアグラのテリーヌ(ハーフポーション)

  • テリーヌに合わせて

  • イベリコ豚骨付きロース肉のロースト 豚足のブレゼ リンゴを添えたブーダンノワール ハーブをきかせたジュのソース

  • イベリコ豚に合わせて

  • リンゴソルベ

  • アールグレイのマカロン、バシュラン、ショコラバナナタルト、メレンゲではさんだリンゴのコンポート

  • コーヒー。アビランドのカップ&ソーサーが素敵

  • レストラン利用客限定 ロオジエチョコレートボックス

  • 購入する場合は 事前にお願いする必要あり

2021/04/16 更新

3回目

2019/06 訪問

  • 昼の点数:5.0

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

マイベストレストラン

再訪。
今回はランチで。
あえてランチにしたのには理由がある。

以前、コチラの公式ページでランチメニューの内容を見てたら肉料理に子羊や豚があった。どちらもディナーで見た事がない&大好きな食材なのでソレ狙いでランチを予約したのだ。

問題は予約したのが訪問日の3ヶ月前という事。訪問日に目当ての食材があるかは ある意味ギャンブルだった。

訪問当日、例によって笑顔の素敵なドアマンに迎えられ 螺旋階段を踏みしめながら地下のホールへ向かう。

嗚呼、やはり素敵だ。
何度見てもロオジエのホールの優雅さには圧倒される。ホールの面積だけで言えば、たいして広くはないのだが 空間の使い方や調度品の配置が巧みで 見る者を惚れ惚れさせる。

食前酒をいただきながらメニューを見ると、コースメニューに子羊の文字。ギャンブルには勝ったようだ。では このコースを…と思ったのだが、違うコースのメインにシャラン鴨 の文字。おいおい、どーすんのこれ? 子羊もシャラン鴨も 私と連れの大好きな食材。また二つのコースは 前菜も違っていて またそれがどちらも魅力的。食べたい品が無かったら…なんて不安が一転、どちらも食べたくて困る事にならうとは。

さんざん悩んだ末に 14000円のコースに決定。前菜&魚料理&肉料理&デセール のコースだ。
内容は…

アミューズ:トマトのブルーテ
前菜:毛蟹のラビオリ
魚料理:ハタのヴァプール
肉料理:シャラン鴨胸肉のロティとモモ肉のコンフィ
デセール:タルトシトロン
カフェ

お料理はアミューズから見事な品の連発!
ただ美味しいだけでなく、見た目も華麗。
食材の質もたいへん上質なようで、毛蟹とか 素晴らしく美味しい蟹でした。
ソースも絶品。コチラのお料理、見た目はかなりモダンフレンチ寄りですが ソースはバリバリクラシック。そしてソースの味の深い事!シャラン鴨のソースはジュとの事ですが、他の店で出るようなさらっとした軽いソースではありません。話を聞いてみれば やはりジュを煮詰めているとの事。旨味は凝縮されながら雑味はきちんと除去してある素晴らしいソースでした。やはりシャラン鴨には こうした重厚ソースが合いますね。

またお料理の細部までの作り込み具合も異常なまでに凝ってます。
トマトブルーテの上にある白いムースは まさかのトマトムース。おそらくは いったんトマトコンソメを抽出してから それをムースに混ぜこんだのでしょうが、アミューズの付け合わせにそこまでやるか‼️

ハタの料理は 下に色とりどりの細切り野菜が敷いてありますが、これら野菜の絶妙な食感の残し方や見事に太さや長さが揃った切り方には見惚れてしまいます。

シャラン鴨はモモ肉はコンフィなのですが、なんとコンフィにしてからラケしてあります。火入り過ぎね?なんて不安もありましたが、コチラの厨房レベルでは そんなミスは起こらないのですね。美味しくて驚きました。付け合わせの グリオットを乗せた蕪がとんでもなく美味しいのにも驚かされました。

タルトシトロンも予想とは違う真っ白なルックスで驚きましたが、これまた構成するパーツの一つ一つのレベルが高い上に それを上手にまとめてあります。美味しいですね。これをタルトシトロンと呼んでいいのかは疑問ですが。

食後のコーヒーも美味しく、ワゴンで運ばれてくる小菓子達も また魅力的。まあ、今回も 腹一杯になってしまい小菓子は あまり食べれませんでしたが。

空間、料理だけでなく接客もロオジエさんは最高峰。コチラの動きや言葉を 見てないようでしっかり見ていて、フォローして欲しいとこでサッと現れるあたりは 本当に見事。

ワインも美味しい。今回は あまり飲むつもりはなかったのですが、ソムリエさんの出してくれるワインが美味しいせいで 結局フルペアリングになってしまいました。

設え、料理、接客、ワイン等 レストランにおいて大事な要素の全てが最高峰のレベルにあるレストランがロオジエだと思います。ここに来る事が楽しみで仕方ない……それが私にとってのロオジエです。次回の訪問が今から楽しみでなりません。

自分にとって最高の店ですので、当然ながら評価も最高点となります。

  • トマトブルーテ。白いのはトマトムース。中にはトマトソルベ

  • 毛蟹のラビオリ。サフランの香りのソース。茄子ムースに毛蟹とウイキョウ

  • サラダ菜で包んだハタのヴァプール。仔牛と甲殻類のソース

  • アヴァンデセール

  • ミニャルディーズ

  • 真っ白なタルトシトロン。ライムのソルベ

2021/04/16 更新

2回目

2019/02 訪問

  • 夜の点数:-

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

当然。

再訪。
三ツ星復帰後初訪問である。
コチラの三ツ星昇格ニュースを聞いた時は、驚きはなく「そりゃそうでしょ」と思ったものだ。御殿山に対し何も劣る事のないロオジエが三ツ星に昇格するのはいたって当然の出来事でしかない。
とはいえ、コチラのファンとしては嬉しい反面で 予約が難しくなるから二ツ星のままで良いとも考えたりするから人間とは勝手なものだ。
今回もドアマンの笑顔に迎えられ、久しぶりのきらびやかなダイニングに心が踊る。本当に素晴らしいダイニングだ。シャンデリアや内装、ソファーやプレートに至るまで同じデザイナーに依頼した事で統一感がある綺麗なダイニングに仕上がっているのだろう。
また今回は中央部のゆったりした席に案内されたため、シャンデリアをじっくり眺める事が出来たのは嬉しかった。今まで通されていた壁際席だと、男性はシャンデリアに背を向ける姿勢になるため せっかくの素晴らしいダイニングを眺める事ができなかったのだが、今日は存分に眺める事が出来る。テンション上がるわぁ。
今回の訪問目的は勿論 黒トリュフ。以前にコチラで真冬の黒トリュフを食べた時の衝撃が忘れられないからだ。この季節だと黒トリュフ料理だけで構成されたスペシャルコースもあるが、さすがに全て黒トリュフだと食べ疲れしそうなのでスペシャルコースはパスして アラカルトでメインにロッシーニを頂く事にした。

さてメインは決定してるが前菜をどうするか?グラスシャンパーニュや軽いアミューズをつまみながらメニューとにらめっこする時間も また楽しい。メニューを眺めている時にトリュフを持ってきて匂いを嗅がせる罠は伝統芸。こんなん嗅がされたらトリュフ使った料理頼んぢゃうよな(苦笑)。ちなみに最初のアミューズで既にトリュフを用いた品が出てくる。当然ながら素晴らしい香り。食べた後で、自分の胃袋から鼻に向けて薫りが抜けていく感覚が この時点で味わえてしまう。

オーダーは私も連れも同じ品。女性用メニューに値段は書かれてないのだが、ちゃっかり一番高い品を頼むあたりが女の恐ろしいとこだ。
挨拶しにきてくれた支配人にオーダーを伝え、三ツ星昇格のお祝いの言葉も伝えたところ 今回もロオジエにまつわる様々な話を聞かせていただきました。この方が支配人として睨みをきかせているうちは、ロオジエのサービス陣は万全でしょう。そのぐらい、この方はサービスマンとしてずば抜けています。

アミューズのカリフラワーのムースをいただいた後にお待ちかねの前菜登場です。
前菜:オシェトラキャヴィアと八海山サーモンのミキュイ
サーモンと言いますがいわゆるニジマスです。が、ニジマスとあなどってはいけません!綺麗な水で育てられたニジマスは脂は無いのに身質は滑らか。脂が無いため、身の旨さのみを純粋に味わえるのです。世間にはびこる 脂まみれのサーモンとはまるで次元の違う旨さです。このニジマスを低温でミキュイにし、キャヴィアと合わせてあります。敷いてあるクリームは ポロネギを使ったサワークリーム。サイコロ状のものは 茹で卵をカットしたもの。サイコロ卵に一粒づつキャヴィアを乗せてある気合いの入った盛り付けです。そば粉のパンケーキが添えてあります。サーモン&キャヴィア&サワークリームというとベタな組み合わせではありますが、味のレベルは段違いです。まずサーモンミキュイの出来からして違います。もともとの素材の良さは前述の通りですが、火の入れ方やスパイスでの香りの付けかたが絶妙を通り越し もはや神がかっています。単純にサーモンだけでも私が今まで食べた中で最も旨いサーモンなのですが、そこにこれまた質の良いキャヴィアが添えてあるんだから(*´∀`) しかもキャヴィアの量もたっぷり(*´∇`*) キャヴィアってさ、こんぐらいガッツリ食ったほうが絶対に旨いと思うんだ。またサワークリームも秀逸。仄かに良い香りのするクリームは どこまでも滑らかな口当たりのため、サーモンの食感を邪魔することはない。かつ、キャヴィアとサーモンの仲を更に親密にする役割も果たしてくれる。サーモン&キャヴィア&サワークリームをまとめて口に運んだ時の幸福感たるや!またそば粉のパンケーキもにくい。これに 卵やキャヴィアを乗せて食べれば……旨いに決まってるだろバカ野郎!味の素晴しさもさることながら、見た目もたいへん美しくて 素晴らしい前菜です。

前菜だけでテンション上がりまくってますが、まだメインが控えてますのでメインに合わせて赤ワインをグラスでお願いします。で、提供されたワインはワインに詳しくない私でも薫りを嗅いだだけで 悩殺されそうな見事なワイン。これ、絶対に高いヤツだよな(シャトー ピション・ラランド)

ワインの薫りを楽しんでいるとメイン登場です。当然ながらクロッシュは二人のサービスマンが同時に取ります。
メイン:熊本赤牛ヒレ肉のロッシーニ トリュフソース
これまた見事なビジュアルに目を奪われます。なんでも冬の庭園をイメージしているそうです。またクロッシュを取った瞬間からトリュフの良い薫りがしているのですが、仕上げに目の前でかけてくれるトリュフソースの薫りが素晴らしい!薫りだけでノックアウトされそうになります。やはりコチラで使っているトリュフ、質が相当高いようです。質が高いと言えば ヒレ肉もそう。サシは あまり入っていませんが、それゆえに純粋に赤身の旨味だけを味わえます。勿論、それには卓越した火入れが必須ではありますが 肉の断面を見ればコチラの火入れが抜群なのがわかります。外側は香ばしく焼かれていますが、中は優しく火が入ったレア。それも 恐ろしいほどに均一に火が入ったレア。牛肉の火入れとして これ以上のレベルは見る事ができないのでは?と思えるほど見事な火入れです。この肉だけでも滅茶苦茶旨いのですが、合わせるフォアグラがまた旨い。儚く蕩ける脂の甘味がヒレ肉と合わせると もう例えようのないほどの旨さとなります。が、それだけでは終わりません!ソースです。ソースがまた抜群なのです。しっかりとフォンの旨味を感じるマデラソースに たっぷりとトリュフを入れたトリュフソースは 重厚な旨味のロッシーニに薫りで彩りを添えてくれます。この肉には このソースがベストマッチ。素直に そう思えるぐらい良くできた組み合わせに感動するしかありません。間違いなく私が今まで食べた牛肉料理の中で最上の料理です。また付け合わせも手が込んでます。皿に敷いてあるのはグリーンピースのピューレ。赤い玉は 色付けしたオニオン。白い玉は蕪です。ロッシーニがかなり重厚なので たっぷりの野菜で重さを中和するのですが、単なる焼き野菜やサラダなんかではないあたりがロオジエらしいですね。

さてメインは食べ終わりましたが、ここで終了するようでは連れに殺されてしまいますし そもそも私も納得しません。甘いモノタイムに突入です。ちなみにアラカルト注文でも、デザートを頼めば自動的にアヴァンデセール&ミニャルディーズが出されますし、カフェを頼めば自動的にフリヤンディーズワゴンが出てきます。そう考えるとロオジエのデセールやカフェは格安とも言えますね。

まずは日向夏を使ったアヴァンデセールとミニャルディーズが提供されます。ミニャルディーズは勿論 できたてです。やはりコチラのマカロンは美味しいですね。それと黒すぐりのゼリーをサブレで挟んだ品なんかは できたてならではの品ですね。

さて今日のデセールは季節の果物をふんだんに使った品。
グランデセール:苺のバリエーション。
無農薬栽培の苺(銘柄失念)を フレッシュ コンフィ ソルベ ソース と様々なバリエーションで頂く苺づくしのデセールです。真っ赤な苺のソースを目の前でかけて仕上げてくれるパフォーマンスはお約束。苺そのものも たいへん美味しいのですが、苺だけだと単調になるのでタイムのソルベの爽やかさや フランボワーズの酸味に オレンジの香り等で上手にアクセントを加えています。上部に飾られたメレンゲも食感でアクセントを加えてくれてます。たいへん美味しいデセールですね。だてにパティシエ六人もいないね…等と話していたら「今はパティシエ7人います」と。増えるんかい!

カフェは私はコーヒー。連れはエスプレッソ。フリヤンディーズワゴンからは例によって好きな品を好きなだけ。とはいえ種類が多いので全種類制覇は厳しいですね。サービスの方と話をしながらコーヒーを頂いていると ちょいと驚く出来事が。のんびりエスプレッソを飲んでいた連れのカップを なんとソーサーごと下げて、新しいエスプレッソを新しいソーサーとカップで出してくれたのです。「温かいのと交換しますね」との事ですが、ここまでやってくれるとは!更にそのエスプレッソを連れが飲み干すと、何も言わずに新しいエスプレッソが出されます。勿論 新しいソーサー&カップで。連れは感激していましたが、見ていた私も感心しました。どこまでも顧客を大切にするサービスは本当に素晴らしい。食事中でも私達が会話の中で「この食材なんだろ?」とか「この皿、素敵だね」なんて口に出した時には すかさずサービスの方が語りかけてくれました。それ以外でも コチラが「来て欲しい」と思うタイミングで さっと現れるのはさすがと言うしかありません。先日訪問したアピシウスでは こうした部分が見られなかっただけにロオジエのサービスの素晴しさを再認識する事になりました。
決してアピシウスのサービスが悪かったわけではありません。たんにロオジエのサービスが素晴し過ぎるだけです。グランドメゾンというものは料理だけで成り立つものではない…と言われますが、その言葉を借りるならばロオジエほど 正しくグランドメゾンの在りかたを体現している店はないでしょう。

この素晴らしきグランドメゾンに敬意を表し 満点とさせていただきます。


  • 今回は ここの前の席で

  • ロオジエ特製マロングラッセ

2021/04/16 更新

1回目

2018/10 訪問

  • 夜の点数:-

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

満点に決まってる。

誕生日祝いに利用。こういった時こそロオジエに行くべきだ。確かに支払い額はそれなりに行ってしまうが ここほどハレの日にふさわしい店を私は知らない。並木通りを歩いて店の前で足を止め入口に向かうと、ドアマンの方が素敵な笑顔で迎えてくれる。この瞬間から素晴らしい非日常の時間が始まる。

ドアの向こうでは受付の女性が既に待機されている。些細な事だが こうした事でテンションはじわじわ上がっていく。
案内されて螺旋階段を一歩一歩降りて行くたびに自らの気分が高揚していくのがハッキリとわかる。ダイニングは地下ではあるが 天井が高く中央部が吹き抜きになっているため圧迫感はない。
ゴールドを基調としたインテリア、豪華なシャンデリア、あちこちに飾られた見事な美術品。全てが見事な統一感で素晴らしい空間を作り出している。この空間を見るだけでも価値があると言っていい。そのぐらい素晴らしいダイニングだ。中央部のフラワーアートは毎月変わるそう。今月はリニューアル五周年で特別に作っていただいた物だと支配人に教えていただきました。いいときに訪問したようです、

テーブルセッティングも見事。特にロオジエのロゴが入ったショープレートに目を奪われる。なんでもアビランドの特注品だとか。カトラリーもよそではまずお目にかからないピュイフォルカ。ナプキンやクロスはD ポルトー社のこれまた特注品。ここまでゴージャスなテーブルセッティングは他では見れないのでは?

まずは食前酒からですが、これまたロオジエはスケールが違います。グラスシャンパーニュを頼むとマグナムボトルが4本ぶっ刺さったワゴンが運ばれてきます。グラスシャンパーニュを四種類も用意してる店も他にはありません。しかもマグナムボトル……やり過ぎのようですが、素晴らしい非日常を演出するのにはやり過ぎという事はないのでしょう。

ボランジェを頂いていると軽いアミューズと共にメニューが渡されます。もちろん女性のメニューには値段の記載はありません。今宵はムニュ デギュスタシオンでメインの赤牛をピジョンに変更していただいて素晴らしい晩餐の開始です。

まずはパンが出されますが このパンが以前にはなかった焼きたてパン ド カンパーニュ。そしてアミューズですが、サービスの方の持っているトレーの上に無数のイガグリ。その上に乗って登場します、素敵です。

アミューズ:栗のヴルーテ。ヴルーテの下にはフラン。非常に滑らかなヴルーテに濃厚なフランは良くあいます。大きなトリュフも乗ってますが、これはなくてもいいかな。アミューズから全開です。また既にシャンパーニュが蒸発してしまったんですが、ソムリエの方が まさかのシャンパーニュお代わりを入れてくれます。しかも、わざわざグラスを替えて!相変わらず素晴らしいサービスです。

ここで支配人が挨拶に来てくれました。前回の訪問から半年以上たってるのに私達の事を覚えてくれていたのは嬉しいですね。こうした部分もさすがです。

ワインはソムリエに任せてのペアリングでお願いしました。ロオジエは料理も素晴らしいがワインも素晴らしいんですよね。ワインに詳しくない私でも、ロオジエで頂くワインが上質なのは理解できます。その割にそこまで高い値段ではないのも嬉しい。勿論、希望すればグラスで空けるには勿体ないようなワインも入れてくれます。連れは酒が駄目なのでミネラルウォーター。余談ですがロオジエはミネラルウォーターの値段が他より安いんです。勿論 ほんの数百円の差なんですが、こうした部分にロオジエという店の心意気を見る事ができます。

冷前菜:ホタテのタルタル。オシェトラキャヴィア添え。ホタテのタルタルを円型に盛り付け、その上にガッツリとキャヴィアが乗っています。サイドにはスライスしたホタテにホタテのムースとシトロンキャヴィアを乗せたものが。竹炭のチュイルが飾られてます。ソースはホタテの出汁にレッチェを混ぜた物。鮮やかな緑が映えます。ホタテとキャヴィアは鉄板の組み合わせで非常によくあるヤツですが、さすがはロオジエ。味の完成度が段違いです。具体的にはタルタルの細かさと その均一さ。細かいためホタテの甘味が口中に良く広がりますし、均一に切られているため食感が大変よろしい。おそらくはキャヴィアにサイズを合わせたのでしょうが、さぞかし厨房は大変だったでしょうね。ここまで細かいと粘り気が出がちなんですが そうはならないところもレベルの高さを感じます。キャヴィアも上質でホタテと合わさると至福の旨さです。

温前菜:フォアグラのソテー。セップのソース。
ナベノイズムやリューズのようにドーンとフォアグラがでるのかと思いきや、フォアグラは小さめにカットされています。フォアグラの横には生の無花果。フォアグラの下にはビーツが忍ばせてあります。彩りにコリンキーが乗り見た目も大変美しい皿となっています。仕上げに目の前で胡椒をかけて完成なのですが、この胡椒が爽やかな香りのする逸品でしてこの香りがあってこそのお料理でした。私はフォアグラは あまり好んで食べる事はないのですがこれは美味しかった。フォアグラの質なのか調理の技術なのかはわかりませんが 上質な脂の旨味が舌をとろけさせます。添えてある無花果の爽やかな甘さや胡椒の香りやビーツの酸味が脂の重さを見事に中和して素晴らしい皿へと仕上がっていました。セップの香りも素晴らしい。このソースの素晴らしさもロオジエならではですね。ソースがたっぷりなのも王道フレンチらしくて良いです。

魚料理:秋トリュフで巻いて海苔巻きに見立てたノドグロのロースト。
この皿だけは、あまり好みではなかったかな。ノドグロは大変上質でしたが 上質であるがゆえに脂もたっぷり乗ってまして……またソースがノドグロ出汁と甲殻類のエキスを合わせた濃厚な物。どちらも旨いのですが、両者を合わせると少々重いか。ましてや、その前がフォアグラでしたので。若い方には喜ばれそうですが 私みたいなオジサンにはイマイチでした。

肉料理:ラカン産ピジョンのロースト。
わざわざ変更していただいたメインですが大正解でした。窒息鳩の扱いでは店ごとに様々な流儀がありますが、ロオジエさんの流儀もまた素晴らしかった。胸肉にはオレンジとスパイスのパウダーを乗せて仕上げてあります。火入れは例によって驚くほど均一。オレンジとスパイスの香りで窒息鳩にしては やや爽やかな印象。連れは もっと血の香りがする方が良いとの事でしたが、私は大変美味しく頂きました。確かに血の香りはスパイスで中和されてますが身に含まれた野性味溢れる旨味はラカン産ならではの醍醐味。そして血の風味はサイドにあるブーダン ピジョンで存分に味わえます。ブーダンと言っても腸詰めにはされてなく、あくまで味のイメージとしてブーダンノワールと比較してのネーミングだと思われます。鳩のモツと血を合わせたパテみたいなモノですが、これまた大変に美味しい。コチラが野性味溢れまくる仕上がりなので、胸肉は上品に仕上げたのでしょう。更にモモ肉もありますが、コチラはコンフィです。胸肉とは異なるスパイスの香りをまとったモモ肉もまた大変に美味しい。骨付きなのも嬉しい。またソースが素晴らしい。鳩のジュとのことでしたが、他で頂くジュとは濃度が桁違いなんです。サルミとまではいきませんが かなり濃厚なソースが野性味ある鳩の旨味を更に昇華させています。なんでもジュをじっくりと煮詰めているとか。いやはや、お料理ひとつひとつの手のかけ具合が半端じゃないですね。付け合わせ一つとっても、恐ろしいほどに作り込まれています。よく「神は細部に宿る」なんて言われますが、ロオジエの料理ほど この言葉が似合うものはないでしょう。

チーズ:ワゴンから好きな品を好きなだけ。
ガッツリいきたいとこですが、ロオジエさんはデザートのボリュームが半端じゃないのでここは控えめで我慢します。ミモレット美味しかった。

アヴァンデセール&ミニャルディーズ:通常は最後に出されるミニャルディーズですがロオジエさんではこのタイミングで。そしてこのミニャルディーズ、なんと出来立てなんです!出来立てであるためにマカロンやタルトの生地がクリームの水分でヘタレる心配はありません。そのためマカロンのクリームなんかは他では見れないような滑らかさ。今回は出ませんでしたが シュークリームも皮が抜群に旨いのです。たかがミニャルディーズにここまでやるのがロオジエらしいですね。なんでもパティシエさんが六人もいらっしゃるとの事ですが、ちょっと他の店では真似できないでしょうね。
アヴァンデセールは杏仁豆腐っぽい風味がするクリームに柿を合わせた物。秋らしくて良いですね。器の底にはブラッドオレンジが忍ばせてあり口をさっぱりさせてくれます。細かいとこまで抜かり無し。

グランデセール:タルトタタン。
温かい 出来立てタルトタタンです。カルバドスのアイスクリームと林檎のソルベが添えられ、皿にはフランボワーズの粉末で林檎が描かれ、添えてある飴細工も林檎の形です。素敵。
これまた出来立てゆえにパイ生地の食感が損なわれることなく美味しくいただけます。林檎は薄くスライスしたものを何層にも重ねた非常に手の込んだもの。そのため口当たりが滑らかな仕上がりになっていてとても美味しい。ちなみに このタルトタタン、先先代のシェフのジャック ボリーさんの頃からの伝統あるスペシャリテだそうです。こうした話もお料理に彩りを添えてくれますね。

フリヤンディーズ&カフェ:コーヒーはレストランで飲んだコーヒーの中では間違いなく最高のもの。またロオジエのロゴが入った特注カップとソーサーが美しい。更に 何も言わなくともサッとお代わりを注いでくれるサービスも流石!ちなみに紅茶も美味しいそうです(連れが言ってた)紅茶もダージリンが春摘みと秋摘みがある気合いの入れよう。
お茶菓子はワゴンから好きな品を好きなだけ。ショコラ数種類 キャラメル数種類 パートドフリュイ数種類 ドライフルーツ数種類 ギモーブ数種類 ヌガー数種類 プレッツェル等々。
一度は「全種類お願い」と男らしいコールをしてみたいのですが、今回も既にお腹いっぱいのため ヘタレコールです、情けない。

お茶菓子を頂いていると支配人が来られたので色々と話を聞かせていただきました。この方の話術は非常に巧みで感心させられると同時にロオジエに関する色んな事も聞かせてくれるのでとても楽しいのです。お料理の話、人の話、調度品の話等々どれも興味のある話ばかり。既に書いた料理に関する話は この方から教えて頂いた事です。
人の懐にすうと入ってくる心地よい話術に 気が付けば周囲は無人となっていて あわてて時刻を見れば入店からゆうに四時間経過していました。それでも ゆったりと会話に付き合ってくれる支配人には本当に感謝です。長居して申し訳ありませんでした。

素晴らしい時間も終わりを告げます。支配人に見送ってもらいエレベーターで一階に上がると、そこで支配人が待ち受けている伝統芸はお約束。これまた お約束の小さなお土産(女性限定!)を受け取り店を出ます。
入店時に出迎えてくれたドアマンの方が再び素敵な笑顔で見送ってくれます。嗚呼、本当に素晴らしい店だなぁ。ここが最高のレストランで間違いありません。少なくとも私にとっては。ですので評価も満点とさせてもらいます。ただしコスパに関しては そういった事を言うような店ではないので点数無しです。


追記:ロオジエの接客は素晴らしいのだが、なかでも感動した話を……

連れがトイレに行きたくなったようで私にその旨を伝えてきた。その後、連れが立ち上がろうとした瞬間に二人のサービスが来て 1人がテーブルを引き、もう1人が「ご案内します」と。「どちらへ?」なんて野暮な事は聞かないトコが最高に格好いい。更に 私1人のテーブルに支配人が現れ連れのナプキンを新品と交換するではないか!ちなみに既にデセールを食べた後である。更にそのまま私の話し相手になってくれた。トイレから戻った連れはナプキンを見て驚いていたのを今でも思い出す。

最後のお茶菓子ワゴンで あまり頼まない私に支配人は色々勧めてくれたが既に満腹で入らない。本当はキャラメルが好きだから食べたいけど満腹だ…と伝えると 支配人は「キャラメルでしたら こうでよいじゃないですか」とポケットに手を入れるジェスチャー(キャラメルは個別包装) さすがに行儀が悪いと思い断ったのだが、その後コーヒーを飲んでいると支配人がキャラメル全種類が乗った小皿を我々のテーブルに無言でそっと置いていってくれた。粋すぎる。

2021/04/16 更新

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