2回
2024/01 訪問
「食という字は、人を良くする。人が良くなる。と読み書きする。@ 鮨 三心」
"鮨好き冥利に尽きる名店へ、念願の訪問"
(※)実は行った日の2日後に食べログにアップしようとした矢先、何と!いきなり、食べログbronze→GOLD選出となった為、タイミング的に微妙ながら、行った時の気持ちで書いた物に加筆しアップします。
↓↓↓
日本各地の中から、未訪問でどうしても行きたかった1店がこちら、大阪「三心」でした。
ある意味、ラスボス的鮨であります。
(※)食べログでは大阪の全ジャンルで第3位(鮨部門では1位)、ミシュラン星付きであります。
夜営業をやめて、ランチ営業のみの2回転という、なかなか他で見聞きしない営業スタイルにも、大将ならではの考えや思いを感じたりもします。
谷町の公園前、風情ある佇まいの民家を改装した店舗は、温故知新をもって生まれ変わった味わい深さを感じさせ、なかなか一般的店舗では感じ得ない異彩を放っており実に印象的です。
少し早めに着きますと、隣接するギャラリー&ウェイティングスペース「刻家」に通していただき、気持ちが1つ高揚するかのような静寂な空気感が実に心地良く期待感が増します。2階もあり雰囲気もバッチリ。外で待たなくていいのは快適で、アドバンテージ+1ですね。
時間になり、準備が整い、お店の方へご案内いただきますと…… Lの字カウンター8席のみの店内で、早くも大将が逆算したタイミングで的確に烏賊を切りつけています。
鮨屋にしては窓が珍しい透明ガラスで外から光が差し込みます。
お弟子さんが4人、別に女性2人もいらっしゃいます。ハキハキした声と機敏な動きから、程良い緊張感と心地よい空気感が充満しています。
【三心*本日のお任せコース内容】
↓↓↓ツマミ。
◉天草の天然カワハギ。
◉アコウの茶碗蒸し。
↓↓↓握り。
◉白甘鯛(天草)。
大将の故郷から至宝のような味わいが炸裂。
白魚は西が良いのは変わらずですが、それでもこれは素晴らしい、ノックアウト物。悶絶級。
◉剣先イカ(島根)。
丁寧な切り付けで筋目に。ねっとりした初めてかのような食感と旨味が絶品。
◉※松葉蟹(柴山)と雲丹(大村湾の紫雲丹)。
雲丹酢で蟹を食べているような新鮮な感覚。
◉※明石の蛸(旨煮)。
蛸の食感を敢えて残した上で、穏やかな甘みが乗っている。
◉※焼き穴子(白焼き)。
一夜干しで水分飛ばして旨みを存分に感じられる。
◉梶谷農園ハーブ野菜巻き。
これは三心アイコンのセンス炸裂な逸品。メリハリやアクセント、リセットにピシャリと効きます。
◉鱒ノ介(北海道)。
実に滑らかで独特の旨味が余韻を引く。
◉トロ(粗塩で)。
マグロは本編これ1カンで完結できる説得力充分。
◉※太良の白子すりおろし(温)。
塩水で裏漉しし臭みを抜いて、上品な優しき味わい。
◉小肌(天草)。
これも文句なし。ただし私的にはもう少し締まった方が好みではあります。次郎一門の強力な小肌が脳裏に焼き付いていて、、、
◉煮蛤。
ツメとの相性も良く、雑味や臭さもなく上々。
◉※ゆりめ(北海道)
氷温熟成で塩をふってじっくり焼きながら、途中に脂を塗っている。絶品。
◉車海老。
やや温かい温度ながら観音開きで。今だに東京でもあまり見かけないだけに視覚的から楽しめます。
◉鰯(岩手)。
1口サイズながら、具材の味わいが口の中で一気に広がる。
◉白子(冷製)。
珍しい冷製で、海藻から取った藻塩は昆布締めのような風味が生きてる。
◉赤貝。
生臭さもなく食感もよく爽やかな味わい。
◉せこうガニ。
これはカニだけでも贅沢なツマミにもなりそうな味わいに唸る。
◉槍イカ(印籠詰め)。
シャリ、新子、椎茸らが入っている。古くから伝わるイカ飯でもある。伝統に新風を吹き込んだ技が素晴らしい。
◉※赤出し。
◉いなり。
赤飯入りのスペシャリテな逸品。
↓↓↓追加
◉白甘鯛。
◉干瓢。
◉とろたく。
◉※玉子(塩をふっている)。
◉※デザート2種から(リンゴのアイスとぜんざいから)。飲み物は2種から(煎茶と和紅茶)。
リンゴのアイスと和紅茶で。隣の刻家に移っていただきます。
全27品(うち握り18カン)。約2時間30分。
いゃ-- 凄かった。
何がって、他とは明らかに一線をきたす"次のステージ"かのような鮨群です。
古き良き伝統や先人の仕事に敬意を払いつつ、革新をもって昇華させるかのような三心の鮨群。
高下駄を穿いた大将の醸す凛とした人間力から繰り出される、人生もふせて味わうかのように1カン1カンが物語かのような華があります。
握りは1カン目の、白甘鯛で1発ノックアウト。
久々に白魚でアンコールしました、、、
例えは何ですが、銀座「すきやばし次郎」で初めて、1カン目に平目を食べた時の衝撃とは違う衝撃くらいの旨味です。
ツマミ2品から握りに入る流れでしたので、そのまま続くかなぁ、と思いましたら、途中にツマミを挟む構成はお酒を飲まない私からしても絶妙なラインでした。
そしてサプライズ的な、"イカの印籠詰め"というクラシックな物にも、三心らしさが見事に迎合。
シャリは、大将自らが田んぼから入り……種類や洗米、浸水、酢、釜、炊き方などありとあらゆる試行錯誤しながら今の最高を追求し続ける様がこの極上の味わいの柱、基盤となっているようです。
鮨屋の花形であるマグロに関しては大将が、争奪戦の大戦争にはうんざりのようでして?、、、本編ではトロのみですが、これが物足りなさや寂しさを全く感じないほど、他の握りの衝撃で軽々と凌駕します。言ってしまえば、マグロをメインや主役に置いてないわけです。これはこれで凄い事で、強みでもあります。
※それでも赤身は追加すればよかった……と後悔してますがwww
※余談ですが、同じ1カンは1カンでも、東京「ます田」ではあの価格で、たまたま?マグロが1カン(大トロ)しか出てこなかった時とは真逆のテンションですw
しかし逆に三心で、赤身→中トロ→大トロなんていう一般的なセオリーのラインナップが組み込まれていたら、それはそれでどんだけ強力なんだろう?って思ったりもしました。
玉子も唯一無二。塩まで乗った、デザートではなく、あくまで"握り"としての変革をもたらした逸品。じっくり半焼きで仕上げた無双の賜物。
結論、三心は噂や評価に違わぬ、、、食べログの評価はbronzeですが、間違いなくsilver以上ですね。
私もbronze店、silver店らにはそれなりに行かせていただいていますが、少なくとも食べログbronzeやミシュラン1つ星としてのカテゴリーなら頭1つ2つ抜けてるレベルです。
それでもって、こんな予約殺到(困難)店になっても毎月まだ席を開放し、新規客を受け入れようとする姿勢も素晴らしい。全ては石渕大将の人間性たる懐刀あっての物でしょう。
私がここ1年で新訪した鮨屋の中では「宮川」(札幌)、「西崎」(東京)、「三心」(大阪)は素晴らしいです。この3店には大将の、味以前に人間力の豊かさからの凄みも滲み出ています。
もし江戸前ならぬ〜"大阪前(関西前)"なる鮨を呼称するなれば、それは"三心前"ならぬ、三心に他ならないでしょう。
「三心」は東京でも指折りTOP10入りくらいの評価が出来ます。断言します。
少なくとも予約は100%埋め尽くせますね。
今日、大将に
"東京には出られないんですか?"
と聞くと即答で、
"そんな野心がなくてですねぇ、、、"
とうっすらと歯に噛みながら笑われました。
絶対に大阪より東京が似合うと思いますが。笑。
でも食べログGOLD受賞した事により、海外や東京から様々な魔の手のオファーwが来たりするんでしょうね。
三心の鮨はまだまだ来年、再来年、更には数年後にはとてつもなくもっと美味しい鮨になるはずです。一体これから先どうなるんだろう!?って。
そう思わせる大将ならではの美学、哲学が感じられます。
食事後のデザート&ティータイムには再び、刻家で過ごせます。
三心での食事の前後をこちらで過ごすというのも粋な計らいです。
前は期待のウェイティング。
後はデザートとお飲み物をいただきながら余韻を楽しみながら終宴。
お土産までいただけるという、これまた何とも素晴しく、至れり尽せりで感服。
いなりと、"握り"としての玉子、更にガリまで入っています。
しかもお持ち帰り用は、本営業とは仕込み(アレンジ)を変えているそうです。塩もふっていません。何たる事でしょう。。。
計り知れないエネルギーをひしひしと感じます。
そう考えると、、、トータルマストで非の打ちようがない凄まじいコスパ高でもあります。
立派な紙袋と木箱入り、包装のこのお土産だけで、最低5000円以上の価値はあります。
結果、酒なしで2万台なんて、、、イスから転げ落ちそうになりましたwww
日本最高最上コスパじゃないですか!?
"コスパ"という陳腐なワードはあまり使いたくないんですがw、札幌「宮川」、新潟「兄弟寿司」、東京「西崎」、大阪「原正」(※ランチ)らと同様の感覚になりました。
三心は、大阪、いや鮨シーンの至宝ですね。
別格でした。
また必ず再訪します。というか、再訪するしかないと誓いました-
ご馳走様でした!
◾️追記:
(1)三心の追加の手描きメニューも凄まじいバリエーションで恐れ入りました。。。
(2)トイレには、食中と食後2種のハンドソープが置かれており、こちらも感心しました。
(3)最近、訪問させていただいたお店で、「三心」と他に、「なんば」「かさ原」も食べログAWARD'2024・GOLD受賞となりました。おめでとうございます!
ただ、これでまた各店予約困難化に拍車がかかるのは必至で、嬉し悲しだったりもします。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
いいね!、フォローとお店の保存を頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
2024/02/19 更新
"関西 革新鮨へ再び"
前回のあの素晴らしき感動から3ヶ月、、、
再訪のチャンスが巡ってきました。
三心なら、東京にいても、札幌にいても、福岡にいても、沖縄にいても、いきなりキャンセル枠が取れたりして、時間の都合がつくなら、飛行機でも新幹線でも乗って飛んでいきますよ-
という事で、楽しみすぎる再訪です。
入店時、今日も石渕大将が一心不乱に烏賊に包丁を入れ続けています。
私好みの鮨屋は、総じて烏賊の手当や食感に独創性があったりします。
【三心*本日のお任せコース内容】
[ツマミ]
↓↓↓
◉いさき。皮目は炭火焼きで"パリッ"ではなく、"バリっ"と言われる大将。これを聞くだけで美味しさが一段アップ(^^)
◉明石の蛸(旨煮)。上品な甘みの旨汁から素晴らしい。
◉鰯(千葉・銚子産)の磯部巻き。
◉太刀魚(東京湾)。水分を閉じ込めるように一気に炭火焼きにしている。
◉ハーブ野菜(昆布締め)。お馴染み〜お口直し?な梶谷農園の物。センスとオリジナリティ溢れる逸品。
[握り]
↓↓↓
◉白甘鯛。
始まりを告げる上品な甘み旨味から文句なし。
◉剣先。
丁寧かつ繊細な隠し包丁から活きた旨味が見事。
◉紫雲丹(天草)。
雑味のないクリアーでマイルドさ。
◉※蛤のお吸い物。
ほっこり一息な滋味のような味わい。
◉鰹(天草)。
これはビジュアルから艶やかで余韻も良い。
◉生の鱧(はも)。
塩で締めて骨ぎりからを施しています。挟んだ紫蘇の追い味が絶妙。
◉※鱧の皮。
◉トロ(高知の塩で)。
唯一のマグロながら、塩が引き立てる存在感が際立ちます。
◉小肌(天草)。4日目。
私好みの締まり方の基準値を満たす仕上がりに唸る。大将も緩めより強き締めを重視しています。
◉煮蛤(ツメ)。九十九里。
◉海老(観音開き)。
海老味噌をたっぷり合わせて、煮込んだ殻の風味までを微かに纏っている。まさに、海老の旨味をあます事なく味わえる。海老のステージを1つ上げた格好の例。
◉※あん肝(シャリのお焦げと合わせて)。
これも独創的なおつまみとして流れの合間に良きアクセント。
◉北寄貝。
握りに合わせ、1カンづつ炙っている。何と、ある伝家の宝刀的な秘器で焼き付けている。肉でいうミディアムレアのような仕上がり。外はパリバリッと焼いて中はレア感なのが大将の理想。
◉鯵(天草)
これまた大将の郷里から何とも良き出来色か(^^)
◉穴子。
クドさなく優しいツメが相性よく柔らかな仕上がり感で終盤にバッチリ。
◉玉子。
やはり今回も、塩で仕上げた画竜点睛的なエンディングの薄切りの玉子に再び衝撃が走りました。玉子という素材と表現のステージを1つ上げたかのようで脱帽です。
[追加]
↓↓↓
◉白甘鯛。
◉金目鯛。
◉槍烏賊の印籠詰め。
伝統と革新たる仕事と味わいが炸裂。
◉干瓢巻き。
◉鉄火巻き。
巻物も海苔からして抜かりなしの完成度。
[刻家にて]
↓↓↓
◉※梶谷農園のハーブを使ったハーブティー。
◉※羊羹。
[お土産]
↓↓↓
いなり。
全28品(うち握り19カン)。約2時間。
石渕大将の創造するお鮨は、一般的な、シャリがネタに、ネタがシャリに寄り添うという塩梅らというより、米や魚、野菜、薬味らが産まれた根源の自然に寄り添う、自然の尊さを感じる終わりなきドラマのような錯覚を覚えます。心まで存分に満たされます。
私が過去からに今において、人生の半分くらい全国で鮨を食べてきて、美味しいという鮨屋は沢山ありますが、、、美味しいを超えた"凄い"や"凄さ"を感じるお鮨にはそうは出会えなくなりました。
独自の仕事、手当にとことんこだわる大将は間違いなく、まさにその境地、レベルであります。
前回も言いましたが、鮨屋の花形であるはずのマグロは清く1カンのみ。
ネタ全般、豊洲仕入れではないルートでの仕入れ。
それでもまた今回も、唸る1カン1カンの完成度と創意工夫は恐るべし。
どれも主役級のスペシャリティなインパクトをもつ鮨群であります。
シャリ(米)、薬味(ワサビや5種類の塩ら)、包丁などなど、聞けば1つ1つ、それはそれは気の遠くなるような凄まじい試行錯誤の過程工程における鮨道を歩んできた様が容易に想像できます。
更に大将は、書道家や画家のような絵や書を直筆で器用かつ達筆に書いたりまでしていますが、まさに芸術性までを感じるアーティスト級です。
従業員の事も考えられ、昼営業だけの1日ほぼ2回転しかしない営業スタイルも美学、哲学なり。
お弟子さん達も、大将のDNAを継ぐ以心伝心そのもかのような立ち振る舞いで頼もしくなり続けています。
食べログGOLDにして、人間性もGOLDに偽りなし。
元来、九州男児でもある大将の生き様を目の当たりにしてると感慨深いものがこみ上げてくるほどです。。。天晴れ-
三心の仕事やレベルは別格別次元。
改めて東京でも10傑に数えられますね。
鮨ラヴァーな方で、まだ三心に行かれてない方は一刻も早く、誰かの枠を伝ってでも行きましょう。
三心を知らずに鮨ラヴァーとは言えない。
また年内にあと1〜2回は予約をゲットして行かせてもらいます。
ご馳走様でした-
◾️追記:
残すところ、次はテイクアウトの"ばらちらし"をぜひゲットし、味わいたいと思います(^^)
最後までお読み頂き、ありがとうございます。
いいね!、フォローとお店の保存を頂けましたら幸いです。よろしくお願いいたします。