まめぞうさんのマイ★ベストレストラン 2014

まめぞうのレストランガイド

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まめぞう (男性・東京都) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

今年もいい店にたくさん出会えた。

なんといっても
「幸っちゃん寿司」は大阪のリチャード1958さんが宴を催してくれた町のお寿司屋さんだがそのネタの美味さと大将の気合い、女将さんの優しさに感動!

いつものフレンチ・イタリアン以外に、
小料理「さかもと」の大盤振る舞い、
鰻「赤垣」の見事なコスパ、
蕎麦「旗幟」の美味しい天ぷらと蕎麦前、
スペイン「アルドアック」の独創性とホスピタリティ、
いずれも甲乙つけがたいお店たち。

「たか」
http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13008327/dtlrvwlst/4354086/
「オーペシェグルマン」
http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131808/13112703/dtlrvwlst/2160788/
「サンフォコン」
http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131807/13140057/dtlrvwlst/4190915/
「シラノ」
http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131807/13001051/dtlrvwlst/3701388/
「酒嚢飯袋」
http://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13151263/dtlrvwlst/4845072/
「ガラムマサラ」
http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131813/13013124/dtlrvwlst/3164983/
など苦渋の選択で番外に

マイ★ベストレストラン

1位

幸っちゃん寿司 (香里園 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2014/02訪問 2024/03/11

香里園:美味し過ぎてすびばせん♪

京阪電車に乗ったのは何十年ぶりであろうか?
大阪から京都に行く方法は、JR、阪急、そして京阪。

京阪だけが淀屋橋という大阪、梅田からは少し離れた駅から出るため、子供の頃は阪急に乗ることが多かったが、本当は京阪に乗りたかった。
なぜなら「テレビカー」があったからである。

今でこそ当たり前ではあるが、電車の中でテレビが見られるというのは画期的だった。
今日は「香里園」という大阪府寝屋川市にあるベッドタウンの駅で降りるのだが、実はその2つ先の「枚方公園」に寄るつもりでいた。

ひらかたパークで「超ひらパー兄さん」に会えると思ったからである。
https://www.youtube.com/watch?v=c4wPp4p6ug4

直前に調べたら、超ひらパー兄さんどころか、そのキャラクターグッズも本人を模したものは一切ないということでがっかりし断念。
まっすぐ香里園駅へ、淀屋橋からだと急行で20分ちょっと、東京新宿で比べると味スタのある飛田給駅までと同じくらいの感覚。

改札を出て、西口の階段を北側に降りる。
結構大きなロータリー、線路沿いに北に進む。スーパーLIFEを左にメガネの三城を右に見ながら、大阪ガスの看板があるところで左折。

しばらく行くと「香里新町げんき通り!!」の垂れ幕がある路地を右に入る。香里新町22の住居表示の電柱が目印。
クリーニング屋さんと肉の三幸舎の間に青い「すし・炭火焼 幸っちゃん」の看板、到着!

格子戸をあけると私が一番乗り、10席のカウンター席。
噂の寺尾大将と奥様の幸っちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
BGMには福山雅治。

カウンター席、どこでもどうぞ、お座りください、と言われる。
えっ?カウンター席?確か今日は8人の宴会だと聞いた。

おいおい普通8人やったら座敷やろ、ここには確か2階に座敷があったはず。
本日主催の方はオフ会の幹事が初めて。アホやなんも知らんのやと心の中で冷笑した。

私がオフ会の幹事をする場合は人数は6人までと考えている。
8人以上だとテーブルが2つ以上になり、テーブルごとの会話となってしまい、単なる飲み会、場合によっては〆もなく会社の宴会以下にもなってしまう。しかたなく8人以上になるときは、いくつか企画を考え、全員が注目できるようにする。

しばらくしたら、みなさんが暖簾をくぐって来られた。
全員初めてお会いする方々ばかり。

そして、主催者のウキワ星人ことリチャード1958氏が現れた。
知らない方のために少し説明すると、2009年くらいから食べログを始められていて200件ちょっとのレビュー数にもかかわらず、熱狂的なファンをお持ちのレビュアーさんである。

食べログ界の「やしきたかじん」みたいなおっさんなのである。
http://tabelog.com/rvwr/ukiwa1958/diarydtl/68934/

コメント数が打ち止めの100になるレビューもざら、確かお好み焼き「花」が最初のレビューだったはずだ。
http://tabelog.com/rvwr/ukiwa1958/rvwdtl/772687/

かくいう私も氏の大ファン、この日は氏のレビューにもよく登場する盟友糖尿病星人も参加ということでワクワクしていた。

しかし会ってみたウキワ星人、思ったほど大したことはないことがわかった。
・3m50cmほどの体躯、少し見上げるが思ったほどの大男ではない。
・岡田准一と在りし日のリチャードギアを足しで2で割ったような顔、思ったほどの美男子ではない。
・仕立物のシュッとしたストライプの50万円ほどのスーツ、イタリアもんとみてとれる10万円のグッチらしきネクタイに80万円の靴、思ったほどの高級品を身に着けてるわけではない。
・語り口はかつての上岡竜太郎、あるいはつい先日惜しまれて逝ったやしきたかじん程度の滑らかで、メリハリがあり、話のツボをしっかりおさえているというレベルの、思ったほどの弁士ではない。

さて、肝心のお店の話に戻らなければ。
ミシュランの星は3つあるのはご存じだろうが、それぞれの星の意味はご存じだろうか?

1つ星 - その分野で特に美味しい料理
2つ星 - 極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理
3つ星 - それを味わうために旅行する価値がある卓越した料理

結論から言うと、この店は3つ星である。
この日の料理は4千円、飲みものは持込み(持ち込み料取ります)したこともあり、ひとり千円。計5千円。

後で確認したが、これはやらせでもステマでもなく、寺尾大将の挑戦、努力の結果であるという。
ウキワ星人が8人のオフ会をこの値段で大将にお願いした時、即答はせず、3日3晩悩みぬいてから受けたそうである。

写真を撮り、メモを取り、鋭い眼光で眉間にしわを寄せながら食事する、面倒な客が6人も来るのである。
これ以上、店が有名になってますます常連さんが入れなくなるのも忍びない。
考え抜いた末、ウキワ星人の立場も考え、話を受ける、しかもその予算の範囲でできるようチャレンジしてみる。

つまり、私がこのカウンター席に座る前に準備はしっかり進んでいたのだ。

この日は
・つまみ1
・つまみ2
・刺身三種
・握り寿司11貫
・お椀
という構成。

似たような構成で1万円は取る寿司屋は東京にはよくある。しかも良心的と言われる店で。
驚きを通り越したコスパである。

まずは好きな飲み物を頼んで乾杯!
BGMはウルフルズ ガッツだぜ!!

最初に出されたのが、自家製イクラの醤油漬け
丁度いい漬かり具合、東京だと濃すぎてしょっぱいイクラ漬けによく出会うが、非常に塩梅のいい漬かり具合で魚卵本来の味がしてプリプリ。

続いてのれそれポン酢がけ、穴子の稚魚。
口に含むと弾力があって、ポン酢も強すぎず、いい酒のつまみである。

刺身はシマアジ、明石の鯛、生ホタルイカ
シマアジもタイも身が締まってコリコリ、ホタルイカがトロトロでなんという旨さ。

これから握り。
ヒラマサ
13キロもあった大物ヒラマサのトロ。コリコリしてさっぱり。

白子
鱈は鱈でも真鱈の白子、これを軍艦巻。ふわふわで噛むと甘みが広がる。

生ダコ
明石の蛸、ゴマ油でとのこと。タコがコリコリ、ゴマ油をつけると甘みが増す。

ノドグロ
塩を振ってありそのままいただく。トロトロの柔らかさ、ノドグロを食べられると幸せな気分になれる。

ホタルイカ
今度はホイル焼き、今度は香ばしさが出て旨い。

サワラ
柔らかく甘い。

太刀魚
炙ってある。皮が香ばしくパリッと。


コリコリ。関西自慢の明石の鯛。

マグロ
なんと大トロ。日頃マグロの生のトロはあまり好きではないのだが、これは口に入れたらとろけて甘い。

ウニ
海苔の磯臭さがウニの邪魔になるということで、なんと代わりに薄く切ったアオリイカをのせている。
塩でそのまま。アオリイカも好物なので幸せである♪

メネギ
最後にメネギでさっぱり。

糖尿病星人のリクエストに応じてサビ巻がサービスで出された。
和だけでなく洋ワサビも混ぜたという。食べてビックリ!あまりのツーンで涙が溢れた(笑)

ポーチドエッグの赤ダシが最後に。
関東の赤ダシとは違い優しい味付け。卵好きの私としては中が半熟のこのポーチドエッグは大変気に入った。

見事な料理であった。
そして、あえて8人カウンターにして、逆に正解であった。

最初に幹事のウキワ星人は寿司屋のライブ感を楽しむにはカウンターなんです♪
と言い切った!

その通り!
大将のパフォーマンスも奥様のホスピタリティも最高だった!

そしてウキワ星人は日本酒グラスを持って小まめに店内を動き回っていた。
メンバーそれぞれのところに行き、語りに語って笑わせ、時には板場に入り、演説をぶちかまし、時にはハイハイ皆さん♪ちゅうも~く、ハイハイ皆さんきり~つ♪

明石家さんまのように落ち着きなく動き回っていた。
やしきたかじんのように美声でみなに号令していた。
上岡竜太郎のように立て板に水で語っていた。

あっ!ライブ感?
そうかそうか、やっとわかった!今宵はウキワのマナイタショー、いや失礼♪ライブショーやったんや!

ご馳走さん、大将美味かった!奥さんありがとう!そのホスピタリティ!
大阪府の郊外にこんなお店があるのである。皆さん、機会があれば電話して予約して!絶対満足しますよ♪

  • ヒラマサ トロ
  • 真鱈白子軍艦巻
  • 明石生ダコ

もっと見る

2位

コム・ア・ラ・メゾン (赤坂、溜池山王、六本木一丁目 / ビストロ、フレンチ)

4回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2022/12訪問 2022/12/05

赤坂:4年の時を経ても

2018年12月に
”また今年も来れた”
とここのレビューをあげた。

が、コロナ禍のお陰で
その後ここに来ることが叶わなくなった。

最初にここに訪れたのは
2012年11月、
リスペクトする
グルマンまてぃす氏に教わってのこと。
https://tabelog.com/rvwr/000189106/rvwdtl/B112401919/

真冬でもお揃いの半袖黒Tシャツの
涌井勇二シェフと
その右腕、橋本しげる
に魅了され、それから通う事になる。

最初のレビューで、
ここは
キメルフレンチ”でなく、
カヨウフレンチ”だと紹介した。

この日も
店内満席、ほぼ常連さん。
だが、
一見さんも大歓迎で優しく接してくれる。

21年6月、
近くのTBSの上の丘にあるビルに
仕事で通っていたが、
ある日TBS脇からあがっていく坂が
妙に苦しくなり、
緊急入院することに。

12日間の入院で体重は7キロ痩せた。
7月に復帰し、
この赤坂での仕事もあと一週間となったので、
食べログ検索し、
焼イワシと焼穴子が有名な和食割烹、
會水庵」のランチに行ってみることに。
https://tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13002183/dtlrvwlst/B438979766/

行ってみてビックリ!
なんと「コムアラメゾン」の並びにお店があった。

イワシの親子丼を堪能して、
店を出たら、
コムアラメゾンのドアが開いていて、
キッチンの上の棚を拭いてる橋本君の背中が見えた。

声をかけた瞬間、
彼は振り向きざまにすぐ
まめぞうさんじゃないですか!!!
どうしたんですか、
随分痩せて、
しかも痩せ方がいい痩せ方じゃないです。

普通他人に
そんな事をストレートに云ったりはしないが、
橋本君は
私にすぐに病院にでも行け
と謂わんばかりの忠告のつもりだった。

で、私は
病に気付いてないのではなく、
病み上がりだと説明した。

でも、痩せこけ、マスクもしてる
私をすぐに認識できたのは何故か?

橋本君はとにかく記憶力が凄い。
前回頼んだもの、来ていた服、座り位置、
的確に記憶し、次のサービスに生かしている。
恐らく映像記憶であろう。

後で聞いたら、
私の声を記憶していたという。
映像+音声記憶であったか\(◎o◎)/!

それから半年ほど、
相変わらず
コロナ禍対策で夜は外に出かけない生活を続け、
コムアラメゾンにも足を運べなかった。

年明けに
白金高輪のメゾンカイザー本店
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13004473/dtlrvwlst/B115628014/
がビルの老朽化による閉店のニュースを聞き、
あぁ橋本君はバゲット
をどこで手に入れてるんだろうと心配した。

コムアラメゾンは
店用のバゲットを
メゾンカイザーに焼かせているのだが、
毎日橋本君が走って
本店まで取りに行ってたのだ。

2月に入り、
平日に休みが取れたので、
日中、前から懸案にしていた
涌井シェフのご両親がやってる
北府中の洋食屋
アポロ
https://tabelog.com/tokyo/A1326/A132602/13087294/dtlrvwlst/B446284918/
にようやく出かける事ができ、
涌井シェフのおかあさまと色々話をすることができた。
その時、話題の中心が
涌井シェフではなく橋本君だった。
彼の素晴らしい働きぶり、
誠意をおかあさまが褒めたたえていた。

その直後、コムアラメゾンに訪れた、
美女レビュアー
https://tabelog.com/rvwr/004093265/
さんから、衝撃のニュース!

なんと橋本君が交通事故に遭って、
肩を骨折したという。

そして12月、
ようやくその日が来た。
18時にコムアラメゾンのドアを開けると、
涌井さん以下スタッフ全員が
笑顔で我々を迎え入れてくれた。

ボルトを入れたが、
今は後遺症もなく大丈夫ですと、
右腕をぐるぐる回してくれた橋本君に
きめ細かいサーブをしてもらう。

バゲットは今は
メゾンカイザー東京ミッドタウン店
で作らせてるそうだ。
走って行くのも前より随分近くなった。
(因みにメゾンカイザー本店はすぐそばで22年12月2日から再開)
https://maisonkayser.jp/topics/2264/

久々にいただく
コムアラメゾンの料理、
なんと滋味深くこれほどにも旨いのだろう。

そして、
橋本君が合わせてくれたワインも
白はドライで赤は果実味と酸味、
素晴らしいマリアージュ。

御馳走さまと店を出ると、
涌井さんが出て来て、
色々と世間話をする。

そして、それではと別れると、
我々が角を曲がって見えなくなるまで、
涌井さんは見送ってくれる。

いつものルーティンも含めてのコムアラメゾン
を満喫させてもらった。

この日頼んだもの:
(まだ欧州鳥インフルの影響で鴨は仕入れられず関連3料理は提供無し)
ラタトゥイユ」(1,650円)
バスク風白身魚の赤ピーマン詰めトマトソース」(2,420円)
スープドガルビュール」(1,980円)
牛ホホ肉の赤ワイン煮込み」(4,180円)
ビール」(@880円x2)
プレイモン サンモン グラス」(@1,100円x2)
モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル」(8,800円)
エスプレッソ」(@550円x2)
二人で合計24,090円
今年も来ることができました。

この日口開けの客、
橋本さんが笑顔でドアを開けてくれ、
カウンターの向こうで涌井さんが目尻を下げる。

カウンター席に着くなり
ビール(@800円+)をお願いし乾杯。

赤ワインのボトルを所望、
3本出してくれる。

カオール(6,000円+)にして、
私はビールもう一本。

店に向かう道すがら、
メインを牛頬赤ワイン煮かトリップにするか、
スープドガルビュールは決定、
鴨のハツも外せない。

すると冷たい前菜だが、
橋本さんはフォアグラテリーヌを勧めるだろうが、
この日は脂は控えようと、
サラダかと。

メニューもみないで
すらすらと
山羊乳ロカマドゥールチーズサラダ」(1,800円+)
シャラン産鴨の心臓の串焼き」(2,000円+)
スープドガルビュール」(1,800円+)
ガスコーニュ風トリップ」(3,600円+)
をお願い。

いつものように、
橋本さんが本店まで走って買いに行く、
メゾンカイザーのバゲットが出される。

チーズサラダがいつもより濃い目に感じ、
フランス産に戻ったハツの塩が強めなところで、
橋本さんに確認すると、
えぇ、このところ涌井さんの感覚は少し強めなんです。

スープはシェアされて
それぞれガルビュールの
アニュアルスープディッシュで出される。

随分食べやすいので、
もしかしてこのカウンター台、奥に向かって下がってる?

スマホの傾斜計で調べたら、
果たして-4度であった。

道理でスプーンですくいやすかったわけだ。

トリップはきちんと内臓肉の匂いがし、
野菜もたっぷり。

案の定、お腹は満たされ、
気になっていたアルマニャック漬けのプルーンはパスする代わりに、

食後酒をお願い。
いつものカヌレが出される。

アルマニャック ボワニエル(2,000円+)
アルマニャック ラベルドリーヴ(1,500円+)

お代は2人で、22,788円。
満席でてんてこ舞いの中、
涌井さんが見送りに。

キメルフレンチでなくカヨウフレンチ
変わらないために変わり続けるお二人に大感謝、
ごちそうさま。
店の前は何度か通り、橋本さんと言葉を交わしたのだが、
店に訪れるのは実に2年3か月ぶり、随分不義理をしたもんだ。

約束した18時過ぎにドアを開けるとサービスマンが出迎えてくれ、
名乗ると窓際の2人席に。
キッチンの向うで、こちらを見つけた涌井さんと橋本さんが満面の笑み。
満面の笑みで出迎えられるとはこんなに嬉しいことなのか。

取るものもとりあえず
クローネンブルク小瓶(@800円+税)を2本頼み、メニュー検討。

残念なことに16年10月のヨーロッパの鳥インフルエンザにより、
鳥の輸入が出来ない状態がまだ続いているとのこと。
で、鴨の心臓焼きはお休み、フォアグラ、鴨のコンフィはカナダ産で代用とのこと。

田舎風パテ(1,800円+税)
山羊乳のチーズのサラダ(1,800円+税)
スープドガリュビュ(1,800円+税)
牛ホホ肉の赤ワイン煮(3,400円+税)

メインのホホ肉に合うワインをと云うと
橋本さんがゆうべから涌井さんと、まめぞうさんに出すワインを考えていた、
と3本出してくれる。

中からタナ100%のクロバステ マディラン2012(7,000円+税)でお願いする。
自然派のワイン、ミネラル感、タンニンを感じ酸味がある。これが徐々に華開いていく。

[田舎風パテ]
肉汁を逃さないよう時間をかけ丁寧に丁寧に作ったひと品。
2週間熟成だという。
確かに瑞々しい仕上がりで肉の旨みがギュッと凝縮されている。
添えてある胡瓜のピクルス、酸味が強くシャキシャキ。

[山羊乳のチーズのサラダ]
山羊のお乳のチーズ、ロカマドール、イメージでは臭みがあるかと思いきや、酸味も臭みも全くない。
たっぷりのグリーンに松の実を散らし、シェリービネガーとヘーゼルナッツオイルで和えてある。
メリハリがついた味で美味い。

[スープドガリュビュ]
一人前をシェアしてもらう。
バスクのオロロンサントマリーと云う場所で毎年開かれるガリュビュコンクール、
そこの記念プレートに入れて出してもらう。

頼んだボトルワインをメインのために残すこととし、
タナ80%のバステ ビゴール2014をグラス(@900円+税)でそれぞれもらう。

ガリュビュは相変わらず濃厚で滋味深い味である。

[牛ホホ肉の赤ワイン煮]
オレンジの鋳物ホーロー鍋が出てくる。
蓋を開けると中に型崩れしていない牛ホホ肉がインゲンとニンジンを従えている。
肉の旨みを口いっぱいに感じながらここにまた来た幸せを嚙みしめる。

食後にいつものように
カヌレをいただく。

定番のメニューに胡坐をかくことなく追求し続ける涌井シェフ、
サービスはオレに任せろと、時には朝までシェフと酒を酌み交わし、
ミッドタウンまでバゲットを買いに走る橋本メートルドテル。

飲食業界の人材不足が叫ばれる今、この二人のタッグは盤石である。

お代は2人で20,736円。
涌井さんにずっと見送られ、ご馳走様。

15年2月:
素晴らしい食事の後、いつものようにトレードマークの黒のTシャツ姿の涌井さんが見送ってくれる。
ドアを開けたら、外は予期せぬ雨、涌井さんが「しげるぅ!傘2本♪」と叫ぶ。

橋本さんがビニール傘を涌井さんに手渡す。
「うちは傘100本あるから気にしないでくださいよ♪(笑)」

「念願の鴨のコンフィ食べられて幸せです」
「実は今日のは仕上がりがもう一つなんです。仕入れの鴨の具合で全く違ってきます。ある意味面白いんで次も頼んでください」
「久々にスープドガルビュ食べられてよかった。偶然、今日昼間、まてぃす氏からメールが来て昼飲みの誘いがあったんです。涌井さんとこに行くと言ったら、スープドガルビュうらやましいと言われて」
「まてぃす氏とお知り合いでしたか(驚)。そういえばまめぞうさんが前回来られた時は騒がしくてすいませんでした」

相変わらず涌井さんと橋本さんの素晴らしい記録と記憶である。
確かに前回、不動産関係者とキャバ嬢っぽい団体の合コンの様な食事会と鉢合わせし、彼らは頻繁に外にタバコを吸いに行ったり、嬌声をあげたりしていた。

我々が頼んだものだけでなく、他に来た客の状況まで覚えているとは...

鴨のコンフィは事前予約しないと食べられない。
前回予約の時、うっかり忘れたので、今回はきっちり頼む。

店に来る道すがら、鴨の心臓とまてぃすに刺激されたスープドガルビュは頼むことにして、あと一品は店に行ってから橋本さんに聞くことにした。

店に着くと、店内は盛況でこの日はあらかじめ涌井さんに頼まれた通りカウンター席に。
食前酒を頼み、橋本さんに料理も頼む。鴨の心臓(1,500円)、スープドガルビュ(1,400円x2)、鴨のコンフィ(2,200円)、あと一品何がいい?

橋本さんが迷わず、「今日はフォアグラのテリーヌ(2,200円)がとってもいいです。出来立ての一切れ目を出します」
こちらはにこりと微笑みながら、「じゃぁ赤ワインは何がお勧め?」

橋本さん、迷わず「ガスコーニュ モナストゥ・ド・サンモン ルージュ2003で」(7,000円)
そして「実はまめぞうさんから鴨のコンフィの予約をいただいてから、合う赤ワインは何にするかずっと考えてたんです」

ありがたいことである。
タナ70%で黒胡椒などのスパイシーな香りで甘さは少なく引き締まったワインとのこと。
いただいてビックリ、スモーキーさを感じる赤、こういうのは初めて。時間が経つと花が開いて徐々に果実味が出てくるのもいい。

フォアグラのいい脂と旨味でスタートし、つるりと美味い鴨の心臓、文句のない滋味深いスープドガルビュ、そして鴨の脂で炒めたジャガイモがとびきり甘く、鴨肉もほろほろでジューシー。

今宵も大満足、お代は18,468円、ご馳走様!

14年6月:
久々なのに涌井さんも橋本さんも満面の笑顔で迎えてくれた。
世の中パソコン、ネットで便利になったおかげの引き換えに暗算ができなくなったり漢字が書けなくなったりする。

ここのアナログな二人はパソコン、ネットにそっぽを向いてる分、客の記憶が素晴らしい。
今回も前回頼んだものを覚えていた。

ビールで始め、
ビゴール豚の生ハム(2,000円)、ラタトゥイユ(1,000円)、バスク風白身魚のすり身の赤ピーマン詰めトマトソース(1,500円)、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み(2,500円)を橋本さんに注文。

ワインはまたカオールでというと、橋本さんはメインの牛ほほならマディラン・ヴィエイユ・ヴィーニュ2003(7,000円)のほうがコクがあって料理に合いますとアドバイス。素直に従う。

メインの皿が来る直前でボトルが空になることを計算し、カオール2010シャトーピネレをグラス(@900円)で先に頼むことにした。
生ハム、もちろん塩気はあるが、なんという旨味、ナッツの香りがする。

そして甘みと旨味の詰まったラタトゥイユ、やはり磐石。
マディランが注がれる。おぉ、重めで果実味がたっぷり、タナが70%。

鯛と鱈を使ったすり身を赤ピーマンに詰めたもの
ニンニクが効いているのだが、とってもお上品な味わいに仕上がっている。ピーマンがトロトロである。

牛ほほ、野菜もソースもバターがよく効いていてとろける、笑みがこぼれる。
毎日買いに行ってるというメゾンカイザーのバゲットとソースが合う。
橋本さんが言うようにこれにはマディランがぴったり。

デザートカヌレをいただいてご馳走さま。
お代は19,872円。

13年7月:
8ヶ月ぶりに訪れる。
涌井シェフもホール責任者の橋本君もPCを扱えないアナログ人間。

ドアを開けると三人が満面の笑みで出迎えてくれる。
橋本君が窓際の席に案内してくれる。ここの特別席。

予約を入れた時に電話を取ったのは新しく入った男性スタッフだった。
その時はカウンター席になるかもしれないという話だったが、それもまたいいかと思っていた。

橋本君が食前酒とワインのメニューを。
なんと前回頼んだ食前酒とワインを覚えていてくれた。

PCは使えないので、もちろんノートにつけてはいるのだが、予約名を聞いた時、8ヶ月前の私たちを思い出したという。
今回は二人ともクローネンブルグの小瓶(800円x2)

ワインは前回のしっかりしたカオールを考えると今回は花が開くこのカオールはどうですかとの橋本君の勧めに従い
カオール2007ラカペル・カバナック・プレステージ 6,000円(マルベック90%メルロー10%)

頼むものもあらかじめ考えてきていた。
生ハム、じゃがいもグラタン、ハツハーフ、鴨のコンフィ。

橋本君が「本日はフォアグラのテリーヌがほんとにお勧めなんです。」
もう橋本マジックに完全にひっかかっているのですぐさま生ハムをフォアグラに変更。

鴨のコンフィは前日までの予約が必要だということで、気が進まぬがトリップにする。
量的には少し少ないかもということなので、ハツをハーフからフルに変更。

ランド産鴨のフォアグラのテリーヌ アルマニャック風味2,200円
じゃがいものクリームグラタン800円
シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円
ガスコーニュ風トリップ2,500円

フォアグラのテリーヌにいきなり開始早々のダウン。
雑味が一切なく、旨味と甘味が凝縮凝縮凝縮。

これがメインです、と言われたらはぁそうですか、ほんとに美味しかったですと食べ終わったらそのまま席を立ってしまいそう。
橋本君が下処理を丁寧に丁寧に丁寧に行った成果でもある。

ビールからワインに替わる。
あらかじめ抜栓してくれてある。ひとくち飲んで、その果実味の素晴らしさに感動する。

じゃがいもグラタン、チーズの香りはするが実際食べると主張せず、熱々の存在感のしっかりしたじゃがいもが美味い。
素朴にして上品な味わい。芋好きなだけにこれはお酒のお供にしたい。

やっぱり、ハツは記憶通りの期待通りの味で安心できる。

そして、トリップ。
これがオーブンから出したお皿かと思ったら予想に反して鋳物ホーロー鍋で出てきた。

そして、蓋が開けられてまたびっくり。
イタリア料理のトリッパを想像したのでハチノスのトマト煮込みをイメージしていたら、食材そのものの色である。

取り分けてひと口、びっくりの美味い味!
今回二度目のダウン、9カウントでようやく立ち上がってファイティングポーズをとる。

内臓特有の臭み、雑味、クセは一切ない澄んだ味。
しょっぱくもなく濃くもなくでも滋味ある味。

橋本君がハチノスの他に上ミノ、豚足、牛スネ肉も使って6時間煮込んでますとの説明。
この汁をご飯にかけたら絶品だろうなぁ!

途中でワインは無くなり、カオール2008シャトーピネレ(@900円)をグラスでいただく。
涌井ワールドの奥深さを刷り込まれた。

デザートにとてもなめらかなチョコレートとアルマニャックのアイス900円
ハーブティ500円

そして名物カヌレである。
やっぱり最高、美味いと思ったカヌレはここのと久我山の「ル・カナール」だけ。

お代はサービス料なしの19,215円、ひとり一万円いかないこの素晴らしさ。
涌井シェフとしばし語らって店を辞す。

次は鴨のコンフィを食べに来ないとね。
角を曲がるところで、涌井シェフはまだ頭を深々と下げていた。

12年11月:
「キメルフレンチではなく、カヨウフレンチ」
このお店は付き合い始めの女子との仲を確実にするためのキメのフレンチではないことを最初にお伝えする。
むしろ、付き合って関係が安定してから、美味しいものをゆっくり食べたいという時に使うフレンチである。

なぜならお店自体とスタッフの素朴な雰囲気、訪れる客のあまりにカジュアルな雰囲気のために、付き合い始めのカップルの男性にとってつかみはOKとはならないからである。
シェフとホール、男性二人でまわしているため、十数席とは言え、時間はかかる。
しかも店も狭いため隣の席との距離が異様に近い。
当然調理も時間がかかるため、それを意識しているホールマスターが客のためにせわしなく動き回るのでやや落ち着かない。
また、BGMはバスクの古い音楽である打楽器音楽で付き合い始めのカップルにはムードがない。

繰り返すが、これからモノにしたい彼女をここに連れて来るのはかなりリスクがある(笑)

それ以外の客にとっては本当に最高のお店である。
結論から言うと、私の中では最高のフレンチのひとつ。

有名レビュアー諸氏のレビューを読んでここに興味を持っていたが、
このレビュー(筆者註:残念なことに陽だまりの中にいたような素晴らしいレビューは削除されてしまいました)を読んで、頭をガンと殴られたような気がして、気がついたら電話をとり、予約をしていた。

その時、ホールマスターに、楽しみにしていますと最後に伝えたら、本当にうれしそうな反応をしてくれた。
千代田線赤坂駅からは近いがわかりにくい。なぜなら道路に面していないから。

道路の向こう側のスギ薬局が目印。ここを通り過ぎると行き過ぎ。
マンションの脇の路地を左に入り、すぐ右手に「立ち呑み処なかや」が見え、奥左手にコインランドリーが見えたら正解。コインランドリーの手前に素朴に佇んでいる。

素朴な木のドアを開けて、名乗るとシェフとホールマスターが笑顔。
右に2人テーブルが3つ、左に3人テーブルと4人テーブル、奥に5人ほどのカウンター席でその向こうがキッチン。
実に狭い店で、暗めの照明。

コート、上着を預かってもらい、右手奥の二人テーブルに座る。
順に応対するため、こちらのテーブルに来るのを待つ。

飲み物のメニューが渡されるがすべてフランス語で書かれている。
なんとなくわかるので、私はアニスを使ったパスティスというリキュール(600円)、家内は瓶のクローネンブルグ1664(800円)を頼む。

サーブされるまでに時間がかかるのは判っているので赤ワインのボトル、カオールのLagrezette2005(6,000円)も頼んでおく。
料理のメニューも渡される。あらかじめ食べログで確認したメニューと全く同じであったので、すぐに決まる。

皆さんのレビューを読み、何を頼むか事前に決めていたからだ。
パテドカンパーニュ1,400円、ラタトゥイユ1,000円、シャラン産鴨の心臓の串焼き1,500円、スープドガルビュ1,400円、牛ほほ肉の赤ワイン煮込み2,500円。

心配なのは量が多過ぎないかということだったが、ホールマスターに相談したら、パンを控えデザートを食べなければ十分大丈夫とアドバイスをもらったのでこれで注文。

パスティスは原液で度数が高く淡いブランデーのような色をしているが、水をいれるとギリシャのウーゾー同様に白く変化する。
アニスの香りがかなり強いので(インド料理の後に食べるフェンネルの味に似ている)慣れない日本人は合わないことも多い。

田舎風パテ(パテドカンパーニュ)がバケットと一緒に出される。
大量のミニキュウリのピクルスが添えられている。辛子やピンクペッパーなど余分な香辛料は添えられない。

プリプリである。最初はやや塩気を感じるが食べるにつれまろやかで甘くなってくる。
レバーが少ないのでねっとり感が出ずパンは不要である。

途中でカオールを抜栓してもらう。
濃い赤紫でとてもいい香りがする。果実味もタンニンもあり、非常にまろやかで飲みやすい。

ラタトゥイユが届く。
食べてビックリ!冷たいタイプなのだが、野菜が煮崩れしていないのに味がとっても染みて自然な甘みが出ている。

今まで食べたラタトゥイユで一番おいしい。
聞くと赤ピーマンを中心とした野菜は最初強火で炒めて、中の水分を封じ込めて漬け込み、一番おいしい3日目のものを出すという。
それが煮崩れしないのに美味しい理由だとか。

赤ピーマンと青ピーマンに挟まれたシャラン鴨のハツの串焼きが熱々の銅の鍋で届く。
ハツ自体は非常にあっさりした出来上がりで切ると見事なピンク色が顔を覗かせる。

ピーマンには塩が効いていてハツと一緒に食べるといい塩梅。
くせもなくありそうでない味。

スープ・ド・ガルビュがあらかじめ二つに取り分けられた状態で届く。
白いどろっとした感じのスープの上に赤の点たち。唐辛子(乾燥赤ピーマン)の粉である。

ジャガイモと白インゲンが目立つが、生ハムの骨と脂から取ったスープに他にちりめんキャベツ、根セロリ、かぶも入っていてとろとろに煮込まれている。決して甘くはないスープであるがとっても滋味深い。辛い乾燥赤ピーマンがパンチを効かせる。

必要ならと七味のような赤ピーマンの粉が置かれるが、我々には十分。

ゆっくりのサーブなのでワインが無くなり、グラスを頼むと2009年のカオール(@900円)が出てきた。
そしてメインの牛ほほ肉の赤ワイン煮込み

ル・クルーゼに似た小さな鍋で出てくる。
牛ほほ、インゲン、ニンジンが赤葡萄の沼に浮かんでいる。

こちらも取り分けてビックリ。
牛ほほ肉は煮崩れしておらず、糊の効いたワイシャツのようにピッとしている。

ところが肉はナイフですっと切れ、インゲンもニンジンも肉もとってもソースの味が染みている。
ソースも甘くなくどちらかといえば辛めといってもいい。

聞くとバターを使わず、ソースを煮詰めて煮詰めて作ったからだという。
こんなほほ肉を食べるのも初めてのこと、驚きである。

本当に満足。
お代は17,850円。これだけ飲んで食べて一人一万円切るのは驚き。

驚いているとサービスのカヌレが出てきた。
外はカリカリ中は甘いカスタード。

ご馳走様とお店を出るとシェフとホールマスターが角を曲がって見えなくなるまで見送ってくれた。
ここは、ファンになって何度も通う店である。

  • スープドガルビュール1,980円
  • メゾンカイザー東京ミッドタウン特製バゲット
  • モナストゥリ・ド・サンモン・ルージュ ボトル8,800円

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3位

サラマンジェ ド イザシ ワキサカ (銀座、内幸町、日比谷 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥10,000~¥14,999

2022/10訪問 2022/12/20

銀座:人通りが戻って来た7丁目ブションに6年ぶり

間にコロナ禍があり、
周年記念以来実に6年ぶりの訪問。

ホールサポートの年配女性と、
入って1週間の若者を従える
脇坂尚シェフが最前線に出て客をもてなす。

虎ノ門時代、
入口脇に
等身大の写真が飾られていた頃を思うと
今年還暦を迎え、更に客にグッと近づく。

18時スタートでネット予約したが、
4組8人がほぼ同時スタート。

ドリンク注文、
メニュー説明、
注文取り、
慌ただしい時間が流れる。

コロナ禍で客足は減り、
プーチンのお陰で
食材高騰、燃料費高騰、円安トリプルパンチ、
フランス料理店はその中での
マネージがどこも大変。

少し量が減り、
少し高くなったグラスビールで乾杯、
いい浸かり具合の黒オリーブを齧りながら、
料理を待つ間、
ここでの体験を思い出す。

12年8月初めて訪れた時、
虎ノ門のその古いビルの電気系統がイカレ、
店の1/3の電気が使えず、
トイレは4階まで古い階段をあがる。
その時対応してくれたのが、
今小淵沢駅前で
「ビストロバガブー」
https://tabelog.com/yamanashi/A1902/A190201/19009254/dtlrvwlst/B204382180/
を経営してる
柴田広海氏。

当時はワキサカのスーシェフ兼ソムリエ、
ニコリともせず、
もてなしてくれた。

この日も隣のテーブルに
まだこういうフレンチには慣れてない
若いカップルが来ていたが、
ワキサカが銀座に移ってから
若いカップルも
ちょくちょく見かけるようになった。

ある時、
この日同様、
見るからに慣れてない若いカップル、
柴田君が注文を取りに行き、
客の男性が、
いきなりチーズを注文した。

チーズはフレンチでは通常、
食後にカルバドスやマールなどの
食後酒と一緒に楽しむものである。

柴田氏がどう応対するのか、
耳をそばだてていたら、
いつもの真面目な顔を全く変えず、
若い男子の最初にチーズの注文
をそのまま受け取って、
それに続く料理の組立てをアドバイスしながら
応対していた。

柴田氏が独立してから、
彼のお店で話す機会があり、
その時の事を聞いてみた。

あの時は
フレンチの基本の流れを
レクチャーするのかと思った
と伝えると、
柴田氏は、
食べ方は人それぞれ流儀がありますし、
何より、
折角奮発して来たあの場で
彼に恥をかかせるわけにはいかないです。

水を入れると白濁する
食前酒パスティスのグラスに
白いディップ(セルヴェルドカニュ)、
ガーリックトーストに
マーマレードをのせていただく。

クリームチーズはクセが無く、
エシャロットで少し辛めのアクセント。

やや酸味のある少し軽めのシラーと一緒に。

瀬戸物の深皿に、
たっぷりのグリーンの中に、
鶏レバ、ハツ、ベーコン、
ニシンマリネ、キャロットラペ
温かいサラダを
スプーンとフォークで深くかき混ぜ取り分ける。

魚料理に
白のグラスをお願い。

イトヨリとムール貝
マルセイユ風だからトマトと煮込んである。

伊豆の鹿、
骨と香味野菜で煮出し胡椒を加え、
スグリジャムを使ったソースに横たわる。
和栗ペーストが添えられる。

メイン料理も
国産食材やポーションを少し小さくして工夫している。

食後にシナモンティとサヴァラン。
以前食べたサヴァランより
少しさっぱりした仕上がりだと感じたが、
脇坂シェフはレシピは変えてないとのこと。
こちらの感じ方が変わって来たか。

久々の銀座の夜を満喫した。

この日頼んだもの:
セルヴェル ド カニュ800円
サラディエ リヨネ1,600円
イトヨリとムール貝のマルセイユ風3,600円
ニホンジカのグラン・ヴヌール4,400円
クヴェール(席料)@500円x2
ハイネケン770円
テキーラフレーバー入デスペラードス770円
ジュリアン ピロン ド ロートル リーヴ赤ボトル7,000円
シュヴェルニーブラン1,200円
コトー・デュ・リヨネブラン1,500円
サヴァラン1,100円
シナモンティ@500円x2
合計24,740円
16年8月:
ワキサカ10周年記念企画3として、弟子3人と師匠のコラボ。
「バガブー」の柴田シェフ、「シャルキュ」の町筋シェフ、「サンフォコン」の千葉シェフが参加。

破格の値段のコースとそれに合わせたワインコース。
それぞれのシェフの特徴がきちんと出ていて、ワキサカファンとしては感無量のランチであった。

シャルキュトリ盛り合わせ、パテカン by千葉、モルタデッラ by柴田、プレセ by町筋、サポデ by脇坂
ブーダン・ノワール、サンジェルマン by町筋、エキゾチック by千葉、冷製フラン ソーテルヌのジュレ by脇坂
オンブル・シュヴァリエのポシェ ザリガニのクネル ルーセットドサヴォワのソース by脇坂
レモンとカルヴァドスのグラニテ
仔羊のローストあさりのソース by千葉
イチジクのタルトタタン仕立て
小菓子とカフェ

15年5月:
スーシェフの柴田広海君が独立の為4月末で卒業。
http://goo.gl/8VGG0H
残念だが頑張ってね♪

アミューズはずっとオリーブだったが、サラミに変更。

サラダガストロノミック(2,300円)
燻製サラダ、鴨の生ハム・ホタテ・フォアグラ、クレソンにトリュフ。久々だが贅沢な味。

仏産ホワイトアスパラ オレンジ水のサバイヨン(@1,300円)
まだあったので迷わず頼む。太く立派。熱々でみずみずしく、酸味の効いたソースで。

ロニョンドコックのヴォロ・ヴァン(2,200円)
「雄鶏の腎臓と呼ばれているもの」パイケース詰め、焦がしバターでモンテしたマデラソース。
コラーゲンたっぷりのトサカも添えられる。腎臓らしき苦みを感じ、さすが!と思うも実はニワトリの精巣だった(笑)

乳飲み仔豚のポシェ 黒オリーブのソース(シェア後)(3,000円)
これはあらかじめシェアされて出てきた。パセリのソース。
本当に柔らかく滋味深い。

食前酒は生ビールとシェリー、ラングドックの赤ワインをいただき、仏版養命酒とマールでデザートをいただく。
お代は2人で23,700円♪

14年9月:
また随分間があいてしまった。
彼女はフレンチヴェルモット、私はハイネケンの生で乾杯。

この日はスーシェフのシバタ君は夏のバカンスで脇坂さん含め3人体制。
脇坂さんは髪型を変えイメチェンで若々しい。前髪の上にグラサンまで挿して、と思ったら後で別の店の元弟子に聞いたら老眼鏡だった(笑)

牛テールのアシ・パルマンティエとフォアグラのプレセ2,300円
トリップ アラモード カン1,800円
プロシェのクネル2,500円
シュークルート ガルニ2,400円

ワインはコート・ドゥ・ニュイ ビラージュ(7,000円)にしたが、酸味はありミネラル感はあるが果実味が足りず
この日はちょっと不満。

やはり料理は見事である。

牛テールのアシ・パルマンティエとフォアグラのプレセ
煮込んだ牛テールとジャガイモを合わせ、その間にフォアグラを入れたテリーヌ。
味付けは濃くはないのだがしっかり、おわかりになるだろうか。非常に繊細で上品な仕上がり。
テールの旨味がジャガイモにきちんと移り、ねっとりのフォアグラとのコラボが素晴らしい。

トリップ アラモード カン
牛の胃4種すべてを使った煮込み。
シードルとカルヴァドスで煮たという。トリッパといえばトマトソースで煮込むことが多いが、頼らない。
ニンニクにも頼らない。これも濃くはないのだがしっかり味、くせは全くない。
赤坂のコムアラメゾンのトリッパに匹敵。

プロシェのクネル
日本ではなかなか手に入らないパイクと言われるカワカマスをフランスから輸入してすり身に。
ザリガニクリームソースの海に泳いでいる。
目の前に置かれた瞬間、バターの甘い香り。すり身自体は淡白で上品な仕上がりで、ソースがコクがありながら優しい。

シュークルート ガルニ
発酵キャベツ、マンガリッツァ豚のバラ肉の塩漬け、自家製ソーセージの盛り合わせ。
もちろん塩気はあるのだが強すぎず、ザワークラウトも酢が強くない。

しっかりと優しさ、改めてその素晴らしさを感じなおした。
お代は18,300円、大満足でご馳走様!

13年11月:
行こう行こうと思ってずいぶん時間が経ってしまった。

・サボデ&キャロットラペ(豚の頭のソーセージとニンジンサラダ)800円
・エスカルゴ・カエルもも肉、ロックフォールチーズのココット2,400円
・ガトー・ド・フォア リ・ダニョのフリカセ添え(鶏レバーケーキ、仔羊胸腺を添えて)1,800円
・豚バラ肉のカルボナード(マンガリッツァ豚黒ビール煮込み)2,700円

水を入れると白く濁るパスティス(@600円)で乾杯。
まずはオリーブ漬け、ワインはマルサネ2010のボトル(6,500円)でお願い。

豚ソーセージとニンジンサラダが届く。
ソーセージは見るからに脂が多いがビネガーのせいもありさっぱりした味わい。ニンジンは特有の臭みは無く酸味少な目。
スーシェフに聞くと、ニンジンを千切りにはしないそぎ切りにするのが味のポイントだと言う。

メニューにはエスカルゴ・ザリガニのオーブン焼きとなっているが、今ザリガニを手に入れるのが難しく、蛙のもも肉に変更。

ニンニクパセリバターでオーブン焼きということだが、しょっぱさがなくさっぱりした仕上がりである。カエルもエスカルゴもあっさり。

ソースに旨味が凝縮され、思わずパンを浸して食べる。
スーシェフによるとエスカルゴバターを乳化させるのがポイントだとか。

鶏レバーのケーキ、非常にきめ細かく上品な味わいで、生臭さは一切ない。付け合せの胸腺はきちんとした歯ごたえを残している。トマトソースにコクがあり、こちらもパンを浸す。

豚バラ煮込み、キャベツが添えられ、サワークリームがのる。
もちろんトロトロの仕上がりで、甘めのソースが発酵した生クリームといいコラボ。

やはり、お見事な仕上がりである。
デザートにラムレーズンの効いたサヴァラン、ピスタチオアイスが添えられたチョコがしっかりのノワゼッティーヌ
苦めのコーヒーによく合う。

お代は二人で20,100円。
またまた大満足、ご馳走様!

13年1月:
虎ノ門でオヤヂのビストロとして名を馳せていたサラマンジェが銀座7丁目に移転。
あの年季の入った崩れそうなビルからいきなり銀座である。

虎ノ門のレビュー
http://tabelog.com/tokyo/A1308/A130802/13024884/dtlrvwlst/4390275/

外堀通りの一本北側の新しく建ったビルの地下である。
我々が行った時点ではテナントはまだこのサラマンジェだけであった。

前のように階段ではなく、立派なエレベータで降りる。
降りると、すぐにお店。

ギンガムチェックのテーブルクロスの上に白いクロス。
床もギンガムチェック。

壁には絵が飾られ、テーブル席がメイン。カウンターは3席に減った。
入って左手の二人テーブル席に。相変わらずBGMはなし。

虎ノ門時代のスーシェフの出迎え。スタッフも増えて全部で5人。
座ってすぐにハイネケン(600円)を注文。本当は近所のロックフィッシュでハイボールで口を湿らせて来ようと思ったが、銀座三越で手間取ったのであきらめ、急いで直行。それで喉が渇いていた。

スーシェフがアミューズのオリーブを持ってきて、今日のスペシャリテを説明してくれる。

まだまだサラマンジェ初心者なので色々楽しみたい。
これまでに頼んだのは
・サラディエ・リヨネ
・サラダガストロノミック
・ブーダンノワール
・セップ茸とトリュフのリゾット
・ジロール茸とヤリイカのソテー・
・日本ジカのグランヴヌール
・バヴェットのソテー エシャロットソース

ということで
・牡蠣の5分間スモーク トマト水のジュレ500円x2x2
・パテアンクルート(パテのパイ包み)1,800円
・グラ ドゥーブル リヨネーズ(トリッパのソテー リヨン風)1,800円
・ブフ・ブルギニョン(牛ほほ肉赤ワイン煮)2,800円
を注文。

赤ワインはスーシェフに相談したら、以前に頼んだ銘柄をきちんと覚えていて
コトーブルギニョン ルージュ5,500円を勧められる。

アミューズのオリーブが以前より味が優しく実も柔らかくなっているのでスーシェフに聞くと
昔の作り方に戻したんです、とのこと。こちらのほうが私は好み。

牡蠣が殻ごと粗い岩塩の上にのせられて出てきた。
スモークしてその味が凝縮された感じになり、その濃厚な味にトマトのジュレがさっぱりまとわりつく。
つけあわせのクレソンの爽やかさがまたいい。小さなスプーンですくって口に運ぶ。

赤ワイン、コトーブルギニョンが注がれる。
ほんの少しタンニンを感じながらの果実味、少し若い感じでやや軽すぎたか。

立派なパテ・アンクルートが届く。
パテのパイ包みだが、パイ生地の主張は少なく、パテの凄い存在感。
さぁ食ってみろと挑戦的な雰囲気をかもしだしている。

ナイフとフォークを持ったら、随分重い。
移転を機にカトラリーをライヨール(ラギオール)の重厚なものに入れ替えたようである。

さて、パテにナイフを入れ、ひとかけらを口に入れる。

内臓が得意なだけあり、予想通り、レバーと脂を目一杯感じる素晴らしい出来。
とってもねっとりしているのだが、脂が冷えて固まるようなことはなく、しつこくない仕上がりになっているのが不思議。
ハーブは強くなく、肉、レバー、脂をしっかり楽しめというシェフの笑顔が脳裏に浮かぶ。

グラ ドゥーブル リヨネーズのオーブンから出たばかり、熱々の皿が届く。
トリッパソテー、リヨン風というもの。

ハチノスが本当に柔らかく仕上げられ、イモとの相性も抜群。
ソースは酸味があり、もちろんパンにつけて味わう。

ワインボトルが空いたのでグラスをお願い。
ボーヌ デュ シャトープルミエクリュ(グラス1,500円)

果実味が強く、こちらのほうが断然美味い。

赤葡萄酒の海の真ん中にこんもり小島、ブフ・ブルギニョンが取り分けられてでてきた。
牛ほほ肉の赤ワイン煮である。

ナイフいらずのトロトロの仕上がり。
見た目の濃さとは違い、あっさりした仕上がりのお肉、ソースも酸味は強くない。

スタッフは増え、シェフを入れて5人体制。
スーシェフも自分のやりたいことに専念できるようになったようで笑顔も自然。

19,700円払ってご馳走様!
これから銀座マダムが大挙するんだろうなぁ。

  • サラディエ リヨネ1,600円
  • ジュリアン ピロン ド ロートル リーヴ赤ボトル7,000円
  • クヴェール(席料)@500円x2代わりの黒オリーブ

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4位

ル・ブルギニオン (六本木、麻布十番、広尾 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.4
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.3 ]
  • 昼の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥15,000~¥19,999

2024/03訪問 2024/05/02

六本木:フレッシュな気が流れ続ける24年

久々に訪れる。
今年で創業24年ということなのだが、
懐かしい庭と部屋でありながら、
古さは感じさせない。

きちんと客の名前を呼び、
元気のいい出迎え。

ソムリエとギャルソンにコートを預け、
席に案内。

入ってまだ2ヶ月のギャルソンヌが
この日の我々のテーブル担当。

5,500円+税サのプリフィックスランチ。
アミューズ+前菜(チョイス)+魚+肉(チョイス)+デザート&カフェ。

22年2月に始まるプーチンのウクライナ侵攻以来、
食材、燃料費、円安のトリプルパンチで
イタリアン、フレンチはどこも値上げせざるを得なくなり、
庶民には手が届き辛くなっている。

ここル・ブルギニオンでは
10年前同じコースが税サ込みで5,346円、
今回のが6,655円なので
10年間の平均上昇率が2.46%

一方総務省統計局のHPから
消費者物価指数が
2024年1月が106.9に対し
2014年が97.45だったので
平均上昇率が1.03%
(2020年100に対し2024年1月が106.9、2014年が99.2に対し2020年が101.8を換算)

確かにここでも世間一般よりは
値上がり率に影響が出ている。

ビール小瓶を2つお願いし、
グラスに注がれた状態でサーブされ、
早速乾杯♪

続けて
メニューの説明を受ける。

美女は
前菜を
スミイカとアヴォカドのレタス包み
メインを
ラムのパイ包み焼き

私は
前菜を
アンディーブのサラダとホタテのカルパッチョ クルミとゴルゴンゾーラ
メインを
牛ハツのロースト

ということで、
白ワインのボトル+赤ワイングラスにすることで
予算と好みを伝えると、
ソムリエが
これから出る
ホワイトアスパラ用に
準備して、
まだリストには載せてませんがと、
仏中西部ロワール地方トゥレーヌの
ソーヴィニヨンブランを用意してくれた。

少し果実味はあるが、
酸味が強めのドライ寄りな白。

温かいグジェールが置かれる。
旨みたっぷりの豚のリエットが
チーズが練り込まれたシューの中に。

続いて
前菜のホタテのカルパッチョ。

ホタテに竹炭のチップが立てかけられ、
真ん中にクルミがもろみ味噌の様に置かれる。
これにゴルゴンゾーラがあるので、
結構クセが強いものを想像したら、
全く違う。

メインのホタテを前面に活かしている。
クルミは見た目と違い、
非常にあっさりとした味のペースト状で、
ゴルゴンゾーラも風味付け程度で主張は少ない。
気持ちほろ苦いアンディーブのシャキシャキの食感と
甘みを感じるホタテがいいハーモニー。

この日の魚料理は
ヒラメのパリパリソテー コンソメスープ仕立て
チキンとキノコでとったコンソメスープに
パリパリに焼かれたヒラメが浮かぶ。

このスープが非常に上品な仕上がりで、
やはり主役のヒラメを邪魔しない出来上がりは素晴らしい。

バゲットが美味しいので聞いてみたら、
ビゴ東京から社名変更したコパン・ド・フジモリのバゲット、
こちらもあくまで料理が主役と云う仕上がり。

肉料理に合わせ、
果実味のあるグラスをとお願いしたら、
ブルゴーニュのピノノワールの
上等なのを出してくれた。

肉はハツをお願いした。
焼肉でもハツは好物なので、
これは嬉しい。

心臓のもつミネラル感を感じる
味わいが好きなのだが、
期待通りの仕上がりで美味しくいただく。

デザートは
美女は
苺とキンカンのサラダ練乳のソルベバジルのグラニテ
私は
赤ピーマンのプリンヴァニラアイス添え

カフェは私は
ミントティ
にする。

最後に
菊地シェフが登場し、
10年前と変わらぬ満面の笑みでテーブルを回る。

24年も経つのに、
スタッフは元気で勢いがある。
とてもいい新陳代謝を続けているのだろう。

大満足でご馳走さま。

この日頼んだもの:
ランチコース6,655円x2
スーパードライ小瓶968円x2
ギー・アリオン デュ・オー・ペロン ソーヴィニヨン ヴィエイユ・ヴィーニュボトル9,256円
モレ・サン・ドニ レ・クレ・ジヨン オドゥール・コカールグラス2,904円x2
合計30,310円
14年11月:
ランチで訪れる。
4,500円(税サ別以下同じ)
のアミューズ+前菜+魚or前菜+肉+デザート+ドリンクでお願いする。

サッポロ黒ラベル小瓶(800円)
をまずは頼んでゆっくりメニューを決める。

美女はズワイ蟹と数種の蕪のマリアージュ、
キノコのスープと王様シイタケのベーニエ帆立貝のムース添え、
ウズラのパイ包み焼き。

私は鴨と豚と白レバーのテリーヌ サラダ添え、
モンサンミッシェルのムール貝と鶏ササミのリゾット、
ウズラのパイ包み焼き。

ワインは
2009年のマルサネ(8,000円)でお願いする。

例によって豚のリエットのグジェールでスタート。
温かくいい塩加減だがしっかりした味付け。
シューのチーズ味が美味しい。

ワインは最初は酸味が立つが
次第に果実味が増してくる。

テリーヌは脂多めで
レバーの風味と肉の風味が丁度いい混ざり具合。
非常に上品な味の仕上がり。

美女のズワイガニはとっても美味しいらしいが
玉ネギが少し強かったようだ。

リゾットはお見事、
ほんの少し芯の残った米に
濃厚な味が染みこんでいる。
旨味が凝縮され貝と鶏のいいダシ。

美女のスープは椎茸が主張し、
いい味だそうだ。

パイ包み、
薄い生地のパイの中にウズラとポルチーニ。

バターのいい香り、
しっかりした味付けなのだが上品。
脂のねっとり感が生かされウズラから作られた肉汁ソースは美味。

デザートは美女はモンブラン、
私はアールグレイのクレームブリュレ。
甘さ控えめで美味しい。

ハーブティをいただきご馳走様。
税サ込で22,096円、大満足。

14年5月:
2000年に菊地シェフが始めた今や人気のお店。
シェフは笑顔のいい穏やかな雰囲気の方である。

新宿「ハヅキ」の私のレビューをきっかけに
友人と食事をすることになり、
予約の電話を入れたらラッキーなことに3人の席が取れた。

ディナーのプリフィックスコースは
5,500円、7,000円、10,000円の三種(これにサービス料10%と消費税が加算)。

お店はたしかに小さくこじんまりしている。
奥に4人の小部屋があるが、
メインダイニングは2人テーブルが8つ、ホールは男性2人。

サッポロ黒ラベルの小瓶(800円)を頼むとオリーブが出され、
グラスにビールが注がれる。
お連れ様はグラスシャンパン(1,300円)とビール、
乾杯してメニューの説明が口頭で始まる。

3つのプリフィックスそれぞれで
前菜、魚、肉料理の内容が違うのに驚く。

小さなお店であること、
昨今の食材高騰を考えた時に
それだけのバリエーションを準備できる余裕を感じた。

今回は初めてだったことと、
事前調査から5,500円のコースをお願いする。

前菜+魚+肉+デザート+コーヒー
という組み合わせだが、
魚を前菜に変更することも可能。

で、
私は前菜2+肉という構成でお願いすることにした。

鮎のリゾット、
ブーダンノワール、
牛ほほ肉マディラワイン煮。

ワインは2007ブルゴーニュ ピノノワール(7,000円)のボトル。
BGMは軽快なクラシック曲。

アミューズはグジェール
豚のリエットとクリームがはさんである。

シューは温かく、
脂少な目の豚のリエットは味わい深く、チーズは弱め。
これから出て来る料理の力強さを予感させる一品。

鮎のリゾット
十穀米の上にいかにもパリッと焼かれた鮎がのり、
その上にキュウリ。

スプーンでいただく。
パリパリの皮、
ふっくらとした身、
十穀米は芯が残る炊き方で、
よく噛んで味わうよう示唆されている。

よく咀嚼することで鮎の旨味を十二分に感じ、
米にダシが染みているのもよくわかる。

クレソンのほのかな苦みが、
鮎の肝の苦みを爽やかに代弁している。

そして食べ終わる最後に
本当の肝ソースがガツンと主張し、
今年も鮎の季節がやって来たことを
しっかりと記憶させてくれた。

ブーダンノワール
形態はソーセージタイプではなくテリーヌタイプ。
リンゴピューレが添えられている。

テリーヌというより、
チョコのスポンジケーキというビジュアル。

まずは何もつけずにほんのひと口。
予想通り、ガツンと濃厚な豚の血。

酸味よりも甘みが凝縮された
リンゴピューレ。
豚の血との見事なハーモニーで
素晴らしい味わい。

牛ほほ肉マディラワイン煮
グリーンアスパラと豆苗がそえられる。
ブーダンノワールでもそうだったが
ここの野菜は新鮮で濃い味。

牛ほほ肉は小ぶり。
ナイフを入れるとほろほろと切れる。

やはり、しっかりした味付けで
牛とコラーゲンの塊が喉を通り、
自分の身体がその滋味を感じる。
もうほんの少しいただきたいと思うところで
食べ終わる演出が心憎い。

しかし、気が付くと
量的にはこれで十分の腹具合。

これだけしっかりした味わいの料理には
ブルゴーニュ系の果実味溢れるワインが合うように思う。

パンは店が狭く窯を入れられないこともあり、
銀座プランタンの「ビゴの店」のパン。
期せずして今日同席した友人の一人は西宮出身、
私は神戸。
もうひとりは神戸のパンやケーキ好き、
なんだか懐かしいパンをいただいたような気がした。

デザートは
最近流行のルバーブを使ったババロア
更に濃厚な小菓子も出て
ハーブティと一緒にいただく。

お代は3人で32,551円。
是非また訪れたい名店、
次はもう一つ上をいただいてみたい。

ご馳走様!

  • 牛ハツのロースト
  • (説明なし)
  • スーパードライ小瓶968円

もっと見る

5位

レストランユニック (目黒、不動前 / フレンチ、ビストロ、ワインバー)

5回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2022/04訪問 2022/06/17

大鳥神社前:2年ぶりの訪問を満喫

前回訪れたのは20年2月下旬。
ご存じの通り
コロナ禍で外食は自粛していたからだ。

中井さんに連絡をし、
席を取ってもらう。

目黒川の見納めの桜を眺めてから、
大鳥神社交差点を越え、
緩やかな坂を登って行く。

口開けの客、
いつものテーブル席に案内。

相変わらずのワンオペ。

しばし、
中井さんとこの2年の事を語り合う。

感染症対策で、
手指消毒だけでなく
コートなどはセルフでハンガーにかけてもらい、
客や客のものに触れないよう注意。
また、
あらかじめ取り分けてサーブするようにしたので、
ここの名物の、
宝箱を開けるようなドキドキ感のある、
前菜盛り合わせ」は休止中との事。

昨今のウクライナ情勢の影響が大きく、
欧州便の減少、燃料費の高騰、円安
のトリプルパンチで、
食材やワインの輸入価格が
どんどん上がってきているという。

近々輸入する
ホワイトアスパラの価格上昇が
10%アップとかそんなものではないレベルなので、
果たしてお客さんに出せるのかどうか不安だ
と語っていた。

メインを子羊にし、
前菜は
コンソメジュレ手羽先のフリット
に決定。

中井さんは、
量的に少し多いので、
フリットはハーフにと勧めてくれた。

まずはキリンラガー小瓶2本、
コンソメジュレで白ワイングラス
他は赤のボトル
とお願いする。

紙おしぼりは
水分量の多い高級タイプ。

まずはビールで乾杯。

席料代わりの
豚のリエット自家製ライ麦パン
もあらかじめ2つに分けられて出される。

パンは以前より加水率が高くなったか。
お酒とパンが進む
旨みたっぷりのリエットは健在。

コンソメジュレが出てくる。
色んな店でコンソメジュレをいただくが、
ここのは図抜けている。

ウニズワイガニ
オマールと魚介のスープカリフラワームース
とってもクリアな味わいで、
旨みが深い。

当たり前のことだが、
蟹の身に軟骨が混ざるような事のない、
丁寧な下ごしらえ。

2種の白ワインのうち、
果実味の少ないロワールの白をチョイスしたが、
ミネラル感がしかりあり非常に美味しい。

2品目は
鶏手羽のフリット
1ピースずつサーブされる。
見た目はフリットという感じではなく
素揚げのような見た目。

イタリアピエモンテの赤ワイン
目の前で開けてくれる。

酸味があり、果実味がたっぷり。
ちゃんとこちらの好みを分かってらっしゃる。

スパイシーで旨みのある香りが漂う。
ブーダンノワールを先っぽからギュッと詰めたという。
ブーダンノワールの甘みと、
鶏の旨みがいいハーモニー。

子羊のロティ
鉄鍋に入って出てくる。
ひと皿だが、
2人で取り分けしやすいよう、
カットしてある。

腎臓も一緒に入っているので
熱いうちに
先にいただく、
ほろ苦さと旨みが混ざり合い、
とても柔らかい。

グリーンアスパラ空豆も一緒にオーブンされ、
柔らかく旨み十分。

子羊の骨の部分は
後半は指で挟んでしゃぶり尽くす。
あぁ美味い。

ほんの少しだけ
デザートが食べたいというわがままを聞いてくれ、
一口サイズのパイ菓子を出してくれた。

アルマニャックと合わせていただく。

少しずつ時間をずらしての
4組の客をサーブしていたが、
ワンオペでこなしきっている。

あぁ、大満足である。

この日頼んだもの:
カリフラワーのムース、ズワイガニ、ウニ、コンソメジュレ、クレームドオマール」2,420円
ブーダンノワールを詰めた鶏手羽先のフリット ハーフ」1,100円
ピレネーの乳飲み子羊の背肉のロティ」7,150円
ビール」660円x2
ロワール プイィ・フュメ グラス」1,430円x2
ピエモンテ ロッソ ラシーヌ トリンケーロ ボトル」6,600円
アルマニャック」1,320円x2
席料(豚のリエット・自家製ライ麦パン)」550円x2
合計25,190円
ここは
隣と余裕を持った距離にしてくれるので
何かと安心。

予約を入れて訪れると、
皆同じことを考えていたか、
若いカップルたちが3組も来て逆に大賑わい。

それでも一人で楽し気に
客と語りながら、
調理とサーブをする中井シェフ。

だいたい一皿が3千円、二人でシェアできるサイズ、
ボトルワインはビオを揃えていて6千円台が中心価格帯。
コペルト代わりの豚のリエットと自家製ライ麦パンが500円台。
この日は3品、ビール小瓶2本、ボトルワインで、
2人で19,250円。

だいたいそれくらいと思っておけば大満足。

ここの
前菜盛り合わせ
は満足度が高過ぎなので、
やっぱり頼む。

メインは、
牛テールの赤ワイン煮込み
と決めて、
もう一品何がいい?
と聞くと、

中井シェフは
メニューには載せてないのですがと
真牡蠣と白インゲンの赤ワイン煮
を提案。

話がまとまった。
赤ワインは南仏の果実味のあるものと頼むと、
ビオを2本、
カリニャンかシラー・グルナッシュ。

シラー・グルナッシュをチョイス。

目黒駅からテクテク15分、
ビールで喉を潤しながら、
豚のリエット自家製ライ麦パン

酸味は強くなく水分量の多いパンに、
豚のリエットを塗るのだが、
塩加減は控えめで旨みたっぷり、脂が絶妙で、
どんどん手が伸びてしまう罪作りなコペルト。

ルッコラが山盛りになった前菜盛り合わせ、
牛ハツ、豚タン、鴨、サーモン、
フォアグラ、パテカン、蕪ピクルスなど。

塩梅よく、やや脂が多めで食欲がどんどん増していく。
いずれも癖がなく旨みだけを引き出している。

真牡蠣と白インゲンの煮込み、
スープドガルビュに牡蠣と赤ワインの旨みが重なった感じ。
これは旨すぎて喰いすぎると
自分の肝臓がフォアグラになりそうw

自然な旨みを引き出したマッシュポテトと一緒に、
牛テールの塊。
ナイフで慎重に骨からこそぎ落としながらいただく。
甘みより旨み、
とろとろの肉を愉しむ。

あぁ、やっぱりここは図抜けてるわ。
大満足でお腹いっぱいご馳走さん。

あっという間に時は経つ。
前回から1年半ぶり。

口開けの客として入ると、
髭面の中井さんが笑顔で迎えてくれる。

見た目と違い、話好きな中井さん。
アシスタント無しのワンオペ。

夕方から急に蒸してきたので、
とにかくビールと、
ラガーの小瓶(@650円)を2本注文。

メニューを眺める。
ジビエが始まり魅力的な料理が並ぶが、
サルミソースが苦手な彼女、
子羊をメインにすることを宣言し、
中井さんと相談、
前菜盛り合わせと
メニューにはないアナゴに決定。

赤ワインは、
懐かしいシチリア島の
オキビンティSP68ロッソ 6,480円
でお願い。

チャージ(@540円x2)代わりの
豚のリエットと自家製パンが出てくる。

ビール小瓶をもう一本追加。
塩が少ないがしっかり味の豚のリエット、
通常はパンは食べないのだが、
美味しいのでついついw

いろいろ前菜の盛り合せ」( 2,970円)
豚タン、猪のハム、フォアグラ、サーモンなど6種のシャルキュ。
塩分控えめ、脂たっぷり。
ワイルドルッコラ(セルバチコ)が山盛り。
脂が悩ましいところだが、あまりに美味い。

燻製アナゴ赤ワインソース、ジャガイモ添え」( 3,240円)
和食でのアナゴの味付けを考えると
甘めの仕上がりかと思いきや、
大人の味の仕上がりでこれは美味い。
こちらも塩気が少なく、
下に敷いたジャガイモとの相性がバッチリ。

フランスロゼールの子羊のモモ肉の炭火焼き黒胡椒風味、子羊のジュ」( 3,780円)
大抵南半球の羊が出ることが多いが、
ここはフランス産。
ここまでのお皿から予想した通り、
塩分少な目でジューシーな仕上がり。
南半球産より旨みが多いような気がする。

結構お腹が膨れた。
で、デザートはパスし、食後酒。
アルマニャック(1,080円)
カルバドス (1,080円)

お代は2人で21,660円、
大満足でご馳走さん。

料理人の友人とユニックに訪れる。
18時オープンと同時に入店。

フォアグラと飴色玉葱のテリーヌ
白アスパラガス、イカ、パンチェッタのソテー
野うさぎのロワイヤル

デザート2つ、お酒をグラスで6杯、ガス入り水、ハーブティで2人で2万円ちょっと。

フォアグラの濃厚にして洗練された脂、カリッとさせた甘い飴色タマネギ、
瑞々しいホワイトアスパラ、まるで上品な醤油で食べてるかのような錯覚に陥る柔らかい烏賊、
濃厚にして甘みの少ない大人のソースがかかった、柔らかい柔らかい野うさぎ、


中井ワールドを堪能。
まだもう一軒行くつもりなので控えめにと思ったら結構食ってしまった(笑)

中井シェフは実はよく喋る。
ただ、我々客は自分がいる瞬間だけ切り取るので、
そのときのTPOで寡黙だと感じたり無愛想と感じたりすることがあるが、
その一回限りの感想をネットにあげてまるでそれで全てと思わせるようにしてしまうのは
我々客側の反省である。

以前いたキャスクルートの閉店の話、
個人料理店の規模の趨勢、
料理のこだわり、
くだらない世間話、

実はアンテナを高くしていて
実によく喋る。

今夜もご馳走様♪

過去の私のユニックのレビューは↓参照。
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131601/13163184/dtlrvwlst/B115627881/
16年10月:
予約をしたら中井シェフがテレビに出てきてビックリ♪
ベットラの落合務シェフと一緒にネスカフェレギュラーソリュブルコーヒーのCM。
https://nestle.jp/brand/rsc/chef_kanto.html

もちろん店で出してもらう(笑)
もちろん中井シェフ自らのサーブで。

この日は少し気温が上がったので着くなりビールをかけつけ2杯。
いつものように相談しながら決める。
フォアグラコンフィとホワイトマッシュルーム(1,890円)
塩漬けにした鮎のブランダードのタルティーヌ(1,260円)
フランス産キノコを詰めた山ウズラのロティ(4,860円)

以前飲んだコートデュローヌの新しい年のボトルをもらう。

この日の出色のひと皿:
コンフィしたフォアグラは脂が落ち、非常に上品な仕上がり。
ホワイトマッシュルームとフォアグラの間には飴色の玉ねぎがさりげなく挟まれ、後から甘みが広がって来る。
添えられたブリオッシュもバターではなくフォアグラの脂で作ったという、軽い仕上がりにこれも驚く。
皿にのった塩胡椒をチョイとつけるとまた味が締る。
やはりこの人は天才である。

お代は二人で20,580円、大満足。

15年10月:
2人体制に戻る。
頻繁に更新されるHPのメニューを見て
アワビのリゾット(1,890円)は是非食べたいとやって来た。

メインを中井さんと相談し、驢馬のロースト(3,240円)にチャレンジ!
前菜はフォアグラと里芋のテリーヌ(1,890円)にし、赤ワインは中井さんの3本のリコメンドから珍しいギリシャワイン(4,320円)に決める。
こっちが少し呑んできたのを見て取った中井さんは、キリンラガー小瓶(650円)一本で、グラス1杯ずつでどうですかと提案。

フォアグラコンフィと燻製里芋のテリーヌ
バルサミコ酢で煮た白インゲンが付け合わせ、硬めで深い味わい。フォアグラをコンフィしたことでの更なる滑らかさと里芋の元々の滑らかさがとっても面白い食感で、そのハーモニーが見事。

アワビのリゾット、トリュフソース
予想通りの濃厚で滋味深い味で素晴らしい♪
惜しむらくは誰かが風邪でもひいていたか塩気が強い。きちんとその旨、中井さんに伝える。

鴨の生ハムと胡瓜のジャガイモとハーブのムースがけ
つなぎで出してくれた。
鴨の生ハムが非常に強い味、胡瓜、ムースを絡めていただくと丁度いい。

驢馬のロースト
初めてのロバの肉、確かに馬肉のようなさっぱりした味だが、更にミネラル感が加わり美味い。
赤ワインはフルボディで果実味も十分、後半ミネラル感もやってくる。

栗の渋皮煮
サービスで1つずつ出してくれた。
優しい甘さで渋みは消えさっぱり。

13,070円と驚異のコスパ!来てよかった♪

14年11月:
62℃で火入れした和牛ハツのカルパッチョ、カラスミ風味1,760円
豚足とジャガイモのグラタン、トリュフ風味1.620円
ヤマウズラの稲藁焼き4,860円

アラン氏は去り、今は中井シェフ一人で回す。
ヱビス小瓶(650円)で乾杯。焼き立ての自家製ライ麦パンと豚のリエット。
湯気が見事に立ち上がる。

ハツのあっさり塩気が少ないのに素材の味はしっかり。カラスミをのせても塩辛くない。
味が濃いのが好きな人には物足りないかも。

ブルゴーニュの赤ワインボトル(6,480円)をいただく。
重くはないのだが果実味はしっかり。なかなか旨い。

グラタンには目一杯のグリーンがのる。
これも塩気が少な目、繊細な味である。ジャガイモも豚足もトロトロ!
豚足自体の表面はカリカリで全体的な味はしっかりしている。

ヤマウズラは、胸、モモ、ササミ。
こちらも塩加減は控えめだが鶏の味はしっかり。

ササミはふわふわ、胸もモモもとっても柔らかい。
アルマニャック(1,620円)とカルバドス(1,080円)を食後に頂く。

カルバドスの瓶の中にリンゴが入っているがどうやって入れたのか。
中井シェフに聞いてびっくりした。

お代は19,150円。ひとり9,600円弱。
大満足してご馳走様!

14年4月:
目黒西口権之助坂と行人坂の間にある「キャスクルート」は前菜+メイン+デザート+ドリンクというセットを平日ランチで1,500円で提供するフレンチ。

ここが凄いのは味とサービスがその提供する値段の倍はしてもおかしくはないのにその姿勢を変えないこと。
中井雅明氏は30代前半から数年ここでシェフを勤めた。

客層はOL、おばさまがメインで、社用、あと少数のおっさん。
レベルの高い「味とサービスと値段」がありとあらゆる客層を呼ぶ。

そこで何が起きるかというと、お喋りに余念がないおば様方4人組と、一人で来ているおっさんとでは食べるスピードが全然違うのだ。
私は数回ランチに一人で行ったが、いつもおば様方をメインで追い抜く。

料理人にとっては当たり前といえば当たり前だろうが、中井雅明氏は最初に客席を見渡し、その日の客構成を確認する。
後半気付いたのだが、その人たちそれぞれにいちばんいいタイミングで料理がサーブされるのだ。

お喋りに花が咲くおば様と一時間以内に職場に戻らなればならないおっさんとを区別し料理出しのタイミングを完璧に計算していた。
サービスを受ける方はそれが当たり前なのでなかなか気づかないが彼はきちんと計算していた。

味はもちろん保証付き、この日確認したのだが、絶品だと思った低温調理のローストポークはキャスクルートでは2回しか出したことがなかったそうだ。
11年9月に幸運にも私は味わうことができたのでそれがよくあるメニューだと思っていたがあの味とあのボリュームに魅せられた。

その中井シェフが13年12月独立し、大鳥神社の先に自分の店を出したと聞いたのはオープンして随分経ってから。
相変わらずアンテナが低い(笑)

で、満を持してディナーを予約。
ドアを開けるとメートルドテルのアラン氏が「お待ちしていました」と窓際の席に案内してくれる。

縦長の店内、窓際に小さな丸テーブル2つ、それぞれに木の椅子が3つずつ。
中央は左に長いソファーに2人テーブルとその向かいに木の椅子が並ぶ。
キッチンの前に3席ほどのカウンター席。BGMは洋楽ラップ。

この日はメニューには載ってはいないプレモル小瓶(650円)を2つ頼み、メニューブックを繰って料理を検討。
5,400円のコースもあるがデザートやソフトドリンクは頼まないタイプなのでアラカルトに。

野ウサギが気になるがやはりクセがあるとのこと。
蜂蜜とエピスでキャラメリゼしたヴァンデ産仔鴨の胸肉のロティ、ソースロックフォール」2,420円をメインに据え、

三重県浦村産角田牡蠣のリゾット」1,540円は評判高いことでこれも頼むことにしたら
アラン氏は「鴨のフォアグラのテリーヌとマンゴーチャツネ自家製ブリオッシュ添え」1,760円を強く勧めてくれたのでそれに。

赤ワインも一緒に頼む。いいビオがあるというので相談しているうちにアラン氏にうまく誘導され、
5千円を切る「VdFル・レザン・エ・ランジュ オマージュ マ・ド・ラ・ベギュート(コート・デュ・ローヌ)」に。

テーブルチャージ@540円代わりのリエットフォカッチャバゲットが出される。
このリエットが脂が少ないのに味わい深く美味い。これも油の少ないフォカッチャにもカリカリで甘いバゲットにもよく合う。自家製パンもとても美味い。

赤ワインは結構ボディがあるが時間と共に花開くタイプ。

フォアグラのテリーヌが届く。テーブルは手狭。
薄い自家製ブリオッシュの上に分厚いフォアグラ、その上にマンゴーソース。

いきなりガツンと来る。フォアグラは濃厚なのだがしつこさがない。
下の自家製ブリオッシュも油が少ない。マンゴーチャツネが自慢とか、キウイなど酵素的なソースがこのフォアグラに合うとシェフが説明。

豆色に近いリゾットが届く。見た瞬間、いわゆるビスク。よく裏ごしされている。
見た目にはどこにも牡蠣はいない。肝も含めすべてがスープになっている。

これを食べた客がみな驚いたように、その濃厚さに我々も驚く。
ここまででお腹は結構膨れる。

味は濃いがもしかして酒を飲まない人にはもう少しあっさりした仕上がりにするのかもしれない。

メインの仔鴨が届く。
いい色の鴨である。湘南野菜がゴロッと添えられている。

ロックフォールチーズの香りがなかなかいい。
結構ハーブが効いている。コリアンダー、クミンもある。中井さんは狙い通りというが私には少し強いかも(笑)

ウィスキーアルマニャックをそれぞれ食後酒に。
目黒名物焼き立てバナナパイ」を頼む。

完熟バナナを使っている。
バナナを完熟のタイミングで出すのは難しい。そこをきっちり出すのは素晴らしい。

お代は2人で16,460円。

この日は余裕があったので中井シェフとじっくり話をさせてもらった。
彼の頭には憂鬱と夢がないまぜになっている。

前の店では、定められた原価率の中でやりくりをしなければいけなかった。
ようやく自分の好きな材料を仕入れられる自由を手にした。
一方で立地がよくないこの場所で、日によって混む日、空いてる日のばらつきがまだまだある。
テーブルサイズが小さく、木の椅子は長時間は疲れる人もいる。
ビストロスタイルでワインも料理も値段は抑えてある。
ランチは5月以降、水~日、限定一組で客と相談しながら料理を組立てるスタイルにしていきたいとのこと。

中井シェフはとても朴訥な喋り口ながら論理的思考をする方で5年先を見据えて仕事をしている。
夢と現実の狭間にあって、キャスクルートの時の料理捌き・客捌き同様、上手に自分の店と人生を捌いていくのだろう。
まだ30半ばとお若い。憂鬱を夢に変えていく力がある。
そしてパートナーのアラン氏のホスピタリティとリスペクトは素晴らしい。強い味方もいる。

ご馳走様!

  • カリフラワーのムース、ズワイガニ、ウニ、コンソメジュレ、クレームドオマール2,420円
  • ブーダンノワールを詰めた鶏手羽先のフリットハーフ1,100円
  • ピレネーの乳飲み子羊の背肉のロティ7,150円

もっと見る

6位

さかもと (荻窪 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 3.8

    • [ 料理・味 3.7
    • | サービス 4.2
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 -

2016/04訪問 2017/01/29

荻窪:小空間で感動のもてなし

16年4月:
マグロ、サバ、イカ、ホタルイカの刺身ブリカマ焼き新竹の子煮
いつものように数々のお通し、瓶ビール2本、日本酒常温3合。

お代は2人で8千円。

15年8月:
スーパードライの瓶で始め、いつものようにお通しが次々。
枝豆ゴーヤチップスイカキュウリ酢の物シメジお浸し冬瓜煮物冷製柚子風味

ビールをもう一本もらい、刺身は少し締めたタコマコガレイとそのエンガワ
私は芋お湯割り、彼女はぬる燗に変更。

つなぎの塩辛バイ貝谷中生姜
イサキの塩焼き。何杯かお酒をおかわり。

ゲソ竜田揚げ、甲州赤ワインのグラス。
食べ過ぎず、飲み過ぎず、こんなところで。

お代は2人で8千円、今宵も大満足。

15年2月:
そら豆キノコお浸しセリクワイチップ
刺身4種(タコブリカレイアジ
イワシの梅煮ステーキの切れ端
焼き白子(塩)
カキフライ
つみれ汁
豚角煮
瓶ビール2本、日本酒3本、芋お湯割り2杯。

お代は1万円。

14年11月:
知り合いのレビュアーさんが何人もここを訪れ、なかなかいい店だという。
このところ洋食が多かったので、一週間前に電話予約してみたら、あっさり2席とれた。しかも電話番号は聞かれなかった。

JR中央線荻窪駅南口を出て道路を渡り、まっすぐ荻窪南口仲通り商店会に入っていく。
道幅はそれほど広くはない賑やかな商店街である。

4分ほどで左手に「割烹さかもと」の看板を発見。
暖簾をくぐって中に入ってあまりの狭さにビックリ。

カウンター席は6つだがかなりぎゅうぎゅう。
右手にテーブル席、ここで老夫婦が先に宴会。

坂本大将に真ん中の二席に座るよう促される。
温かいおしぼりが受け皿にのって出される。

ほどなく、二組の老夫婦がやってきてすぐに満席。
我々以外はおなじみさん、今日は狭いなぁと言いながら、着席するが嫌味な感じは全くない。

カウンター右手の壁に本日のメニューがかかっている。
値段は書かれてはいない。刺身、酢物、焼物、煮物、揚物、お食事、その他の順に魅力的な料理の名前が並んでいる。

とりビーを瓶でお願いすると坂本大将がキリン、アサヒ、サッポロどれにしましょう。
スーパードライをお願いして、小さなビアグラスに注いで乾杯。

すぐさま坂本大将、次々にお通しを出し始める。
ポテトチップ、枝豆キノコソテー厚揚げと鮪煮

ポテトチップをひと口、いやいやジャガイモではないもっと上品なあじわい。
坂本大将にお伺いすると、クワイだという。

枝豆も端っこが切ってあり、硬めのいい茹で具合で美味しい枝豆だ。
すぐにビールは空になり、もう一本お願いする。

キノコも厚揚げも濃過ぎず優しいいい味付けに仕上がっている。
ほんとに狭い台所で4組の料理を捌いていく。

左隣の常連ご夫婦が刺身と焼鳥を頼み始めた。
焼鳥?!ホワイトボードには載ってないこの常連さん用の裏メニューのようである。

お隣の刺身の注文に合わせて、こちらもホワイトボードを見ながら〆鯖白身イカをお願いする。
大将、ゆっくりでいいですからとひと言添える。

後、熱燗1合と芋焼酎お湯割りをお願い。

坂本大将が、刺身できるまでこれを食べてと豆鯵の南蛮漬けを出してくれる。
この豆鯵、まだ漬け始めというところで酢は強くなく、鯵は柔らかい。味付けも控えめで優しい。人によっては醤油を数滴垂らしてもよい。

刺身が出て来る。坂本大将が色が寂しいんでマグロサービスしときましたと4種盛りを出してくれる。
白身はヒラメの昆布〆、ヒラメの熟成具合がとてもよく、昆布〆が強すぎず優しいいい塩梅。

で、〆鯖もきっと優しいしめ具合だろうと予測したらまさにその通り。
生に近く美味しい鯖である。イカもほどよい弾力を感じながら甘み。マグロは彼女に差し上げたら美味しいとのこと。

焼き穴子カニ焼売をお願いする。
大将、ゆっくりでいいですからともちろんひと言添える。

これでおつなぎくださいと坂本大将、イカの塩辛を小皿に入れて出してくれる。
予想通り、塩は強くなく、まだ漬け始めの塩辛。

酒が進む。
穴子の白焼きが出される。弾力のある身、ワサビで美味しくいただく。

焼売あがるまでこれでおつなぎください、と坂本大将バイ貝の煮付け衣かつぎを出してくれる。
バイ貝、予測通り非常に薄味の仕上げである。

さっきの穴子のヒレを炙ってみました、と小皿を出される。
心憎い演出。

カニ焼売が届く、ポン酢か辛子醤油でどうぞと。
これはごく普通の味であった。

カレイの唐揚げをお願いする。
彼女は日本酒一本。

私は赤ワインのグラスをいただく。
軽く飲みやすい果実味のある赤。

素揚げしたナスと一緒にカレイ唐揚げが出て来る。
熱々ホクホク、カラリといい揚がり具合。

〆にお新香を頼むとこれが数種盛りでたっぷり。
浅漬けで塩も強くなく、バリバリいただく。

いやぁ大満足、坂本大将、これでしめてください。
瓶ビール2本、日本酒4合、焼酎お湯割り2杯、赤グラス2杯。

デザートにを出してくれ、続いて勘定書き。
見てビックリ、えっ?1万円?これだけ飲んでこれだけ食ってひとり5千円!!!

感動の2時間40分、この小空間でのもてなしに大満足。
席が取れたことに大感謝、この店の存在を教えてくれたレビュアーさん達に大感謝。

ご馳走様。

  • ビールとお通したち
  • マグロ、サバ、イカ、ホタルイカ
  • ブリカマ焼き、バイ貝、キヌカツギ

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7位

うなぎ赤垣 (初台、参宮橋、幡ケ谷 / うなぎ)

4回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥5,000~¥5,999 ¥4,000~¥4,999

2020/07訪問 2020/08/06

初台:あぁ久々♪

ずっとお店で鰻を食べたかった♪
緊急事態宣言が解除され、予約電話を入れる。

三日後の昼に席が出来るという事で
2人12時に予約。

あればうざく2つ、
鰻丼を12時半出しでお願い。

12時少し前に行くと表には本日予約で満席の案内。
後からテイクアウトを飛び込みで頼みに来た方もダメ。
その日の分はすべて予約済。

入ると既に先客3組、ひと組は帰り、
他の二組はお重を嬉しそうに食べている。

うざくは用意できるという事で
瓶ビール、板わさをお願い。
鰻丼のお新香を酒のアテにするから先に出してとお願い。

瓶ビールで乾杯、
無料のお通しのキュウリの酢の物と板わさ。
ここの板わさは分厚い。

あぁ幸せ。
瓶ビールをおかわり。

浦霞のお燗を頼むと、
うざくと鰻丼のお新香が出てきた。
いいタイミング。

知り合いの北沢二丁目さんが1月に来た時、
鰻肝のナンチャラというのを頼んでいたので、
若女将に写真を見せたら、
鰻肝の佃煮とのこと。
肝焼き同様提供が安定しないので裏メニューとか。
次回以降のお楽しみ♪

鰻丼と味噌汁が届く。
蓋を開けると美味そうなウナギ!!!

あぁフワフワ♪

久々に堪能出来て幸せ♪
お代は二人で9,768円
鰻屋でこの値段はびっくり、
ご馳走さん♪
夏場一週前予約のルールを忘れてて、
電話を入れたら、若旦那に注意される(^_^;)

改めて一週前予約電話。
今度は若い女子の声で少しホッと。
若旦那は面と向かっての応対は丁寧だけど、
電話だと少々無愛想に聞こえるんだよねw

うざく、あれば肝焼き2本、うな重松で、
といつものように予約を入れると、

「松」は無くなったんで「うな丼」でよろしいですか?
えっ?重じゃなくて丼?
ちょっとメニューを見直しまして、
前の松に相当するのがうな丼です、そう変わらないです。
ふーん、じゃそれで。

若旦那の代に完全に代替わりしたようだ。
4種の鰻重は変わらないが少しずつ値上げ、
それでも1,750円はお安い。
うな丼は四角いお重から丸いお重に変わっただけで、ちゃんと蓋付き。

ビールで乾杯♪
この日もぷりぷり肝焼きにありつけ幸せ。
うざくで盃が進む。

うな丼1,750円x2
肝焼き350円x2
うざく1,300円
上新香260円
たこ酢480円
瓶ビール540円x2
浦霞本醸造720円x2
芋お湯割り570円x2
消費税792円
計10,692円
夏場は客数が多く、
最近横行する無断ドタキャンを防ぐ意味でも
予約は一週間前受付となった。

予約電話で
うざく、あれば肝焼きうな重松をお願いしておく。
呑むのでうな重は店に着いてからの準備でオッケーと言葉を添えて。

うざく肝焼きは予約必須、
肝焼きは希少なので、その時あれば出てくる。

18時前に店に着くと
予想通り準備中の札。
予約で満席だからだ。

引き戸を開けて予約名を告げる。
既に2組、ご機嫌よく鰻を食している。

夜は17時オープンだが、出せるのが17時半なので、
通常は早くても17時半に来てくれと云われるが、
奥の4人組は常連さんのようで、
18時過ぎには次の予約客のために譲るという条件で早い時間にねじ込んだようだ。

どんどん予約客が来るので、
タイミングよく注文する。

サッポロ黒ラベル(540円+税)
をグラス2個、
高糖度トマト(360円+税)
たこ酢(480円+税)

無料のお通しのもろきゅうが出てくる。
すぐに瓶ビール追加。

たこ酢はタコが大きく、
酢が強過ぎず、甘さも控えめで
なかなか上機嫌な味わい。

ラッキーなことに
肝焼き(580円+税)
がそっと出された。

今日はありました♪

瓶ビール鶴齢吟醸(680円+税)
を追加。

肝焼き、肝がプリプリ!!!
肝の苦みと甘辛いタレ、
あぁ幸せ♪

うざく(1,200円+税)
が出てくる。

浦霞本醸造(640円+税)
黒糖赤垣水割り(570円+税)
をお願い。

たこ酢で味わった通りの
美味い漬かり具合、
ウナギはふわふわ♪

お新香が出てくる。
これがいよいような重が出ますよ、の合図。

ここは松<竹<梅<特上
肝焼きが人気なのでそれ用に取っておくのか、
肝吸いがデフォではなく、味噌汁がデフォ。

うな重松(1,650円+税)と味噌汁が届く。

しばし、お新香をつまみに残りの酒を楽しんだ後
いよいよお重の蓋を開ける。

あぁ、いい香り。
フワフワのウナギに、
優しい味わいのタレ。

あぁ大満足♪
お代は二人で10,184円、
他の有名鰻屋だと、うな重二つ分のお値段でこれだけの料理を楽しめた。
素晴らしいお店である。
16年10月:
夜予約して行くも、肝焼き、うざくは売切れ(涙)
たこわさいたわさピリ辛キュウリウニクラゲ瓶ビール2本、日本酒3合。

で〆る。
お代は2人で8千円ちょっと。

若旦那に聞くと、夜予約する時にあらかじめ肝焼き、うざくを頼んでおいてくれると出せることもあるとの返事。
なるほどね、とご馳走さん。

15年2月:
久々に休日の昼。
11時半に2人で入ると口開けの客だが、テーブルにはいくつも予約の札。入口手前の4人テーブルに座る。

瓶ビールを注文、「肝焼きはないよね?」とわかっていながら聞いてみる。
やはりない。

この日は「漬けまぐろ」「ほたるいか素干し」はないので「うざく」「くらげうに」「たこ酢」を注文。
いつも通り、うざくは時間がかかるので「くらげうに」から。

お通しのブロッコリーをビールで流し込んだ後、冷酒「爛漫生」を注文、味の濃いくらげうににぴったり。
続いて大きくカットされた「たこ酢」が出てくる。美味しくいただいていたら、思いのほか早く「うざく

鰻がフワフワでご満悦。酒を彼女は上喜元に、私は芋焼酎のお湯割りに変える。
どんどんどんどん客が入ってくる。予約を取っていても席は空かないので待たされる、相席もある。

ここは常連さんが多いのでそんなことはご存じのようで文句は出ない。
地下の座敷もフル稼働、ここが凄いのは一旦座った客は場所を移さない。
予約のない若い兄ちゃんがひとりで来て4人テーブルに案内、予約の3人のじいさんばあさんが来ても、後から来た方を待たせた。

混んできてオペレーションも大変なのでそろそろ上新香とうな重を頼もうかと思った矢先
お兄ちゃんがやってきて、「肝焼き出せます♪食べますか?」

願ってもない申し出、幻の肝焼きが食えるのだ、二つ返事でお願い、最初に口走っておいて本当によかった!!!
肝焼き」2本が届いた!そのタイミングで上喜元芋焼酎お湯割りうな重松2つ、上新香を注文。

早速いただく。
捌きたての肝!弾力があり新鮮!プリプリ、フワフワ、いい苦みもありこれは美味~い!!!!!

この日は大女将はいらっしゃらない。女将と若女将とお兄さんとお手伝いさん。
そのせいかお新香は前のがよかったかな。

うな重はほんとフワフワ、最高である。
お代はひとり5千円ほど、大満足して店を出た。

14年8月:
京王新線初台駅南口に人気の鰻屋さんがあるという。
多くのマイレビュアーさん達がここを絶賛している。

肝焼きが人気でなかなかありつけないということで昼前11時半に満を持して訪れる。
引き戸を開けるといかにも年季の入った雰囲気の内装。男性客がひとり、既に予約札も2ヶ所。

2人だと言うと、右手奥の4人席に案内される。
まずは女将さんに肝焼きを聞く。

無い。
えっ?

まだ捌き始めたばかりで10人前の鰻を捌いてからやっとできる。
昼時はまず無理だね。まぁ夜の早い時間、でもそれも運だね。

ガクッ!

気を取り直し、瓶ビール(500円+税)を注文。
うざく(1,200円+税)、ほたるいか素干(430円+税)上新香(230円+税)を頼む。

うざくはこれから捌くから時間かかるよ。
いいですいいです待ちます。もしかして待ってれば肝焼きも可能性ある?
無い!

無料のお通し、ワサビののった湯葉と瓶ビール
目の前で栓を抜いてくれる。

グラスに注いで乾杯!
少し炙った干したほたるいかが届く。これは予想したものと同じ。

噛んでいるとホタルイカの甘みが出て来る。
これは日本酒だろうと、上喜元(640円+税)を常温で一合。

女将が空の徳利、お猪口を持ってきて、その場で一升瓶から注いでくれる。
ほんとすり切り一杯入れてくれる、匠の技(笑)

お新香盛合せが届く。
これが実に美味い、ほどよい漬かり具合、そこに絶妙な量の醤油がかけられている。

これは酒が進む。鶴齢(680円+税)を常温で一合。

女将が空の徳利、お猪口を持ってきて、その場で一升瓶から注いでくれる。
ほんとすり切り一杯入れてくれる、また匠の技(笑)

20分ちょい待って、うざくが届いた。
見てビックリ!よく知るうざくの鰻は細かく刻んであるのだが、ここのは大ぶり。

まずは鰻だけ。
あぁふわふわ!これは旨い!タレも濃過ぎずいい塩梅。
酢漬けのキュウリがまたいい具合、酢は強すぎず、鰻と一緒に食べるとあぁいい具合の化学融合。

これは酒が進む。浦霞(640円+税)を常温で一合。

今度は大女将が空の徳利、お猪口を持ってきて、その場で一升瓶から注いでくれる。
ほんとすり切り一杯入れてくれる、みんな匠の技(笑)

至福の昼下がり。
うな重は頼んでから30分くらいかかるというのでこのタイミングで(1,650円+税)を2つお願い。

お客さんはどんどん来るが、予約客はあらかじめ頼んであるので、席について早いタイミングでうな重が出て来る。
だから予約なしで入って来たお客さんは後から来たお客さんに抜かれることになる。

こっちは昼呑みしてゆっくり過ごすつもりだったのでのんびりうな重を頼む。
まだまだうな重は来ないのをいいことに、浦霞(640円+税)をもう一度常温で一合。

今度は大女将がさっきの徳利に、その場で一升瓶から注いでくれる。
ほんとすり切り一杯入れてくれる、ほんと匠の技(笑)

板わさ(260円+税)を頼む。
これは上質の分厚い蒲鉾。

で、お重、お新香、味噌汁が届く。
ここの鰻は松、竹、梅、特と4種あるがウナギの量が違うだけ。

結構飲んでるので我々は松で十分。
お重の蓋を開けてびっくり!

えっ?この量のウナギで1,650円?!

食べてまたビックリ!
少し硬めに炊いたご飯の上にのったウナギはふわふわ。

うざくを食べたから予想はできたけどね(笑)
でも感動のひと品である。

大満足して、お代は9,200円。
ここは通いたい。そしていつか肝焼きを食したい!

ご馳走様!

  • 鰻丼
  • 瓶ビール
  • お通し、板わさ

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8位

蕎麦切り 旗幟 (上北沢、桜上水、八幡山 / そば)

6回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.4
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 ¥4,000~¥4,999

2023/02訪問 2023/04/13

上北沢:北風びゅーびゅーな日に熱燗と蕎麦で温まる

週末の17時半から19時過ぎまでは満席、
予約必須。

18時に2人で予約し、
運よく4人テーブル席をゲット。

例によって、
先に
瓶ビール(@680円)、グラス二つ
で乾杯し、
喉を潤しながら、
この日の作戦を立てる。

お通しの鳥わさが
すぐに出てくる。
柔らかく甘い。

この日は大将と、
沿線のM大生のバイト君、
このバイト君が、
あたりがよく、
よく動き、
話し好き、
客席が落ち着いた時間帯には、
大将と楽し気に話し込む。

聞くと、
店に食べに来てたら、
大将と女将にスカウト一本釣りされたそうだ。

飲食に向く、
貴重な存在である。

そのバイト君を呼び、
自家製しめ鯖(780円)
ふろふき大根(790円)
鴨塩焼き(1,630円)
をまず頼む。

この日は寒いので、
私も熱燗に付き合うこととし、
長野の辛口、
澤の花2合(@1,580円)
もお願いしておく。

ここのしめ鯖の〆具合が
弱めで生感も十分楽しめ、
結構好み。

寒い冬にピッタリな
ふろふき大根、
この味噌はピーナツ味噌か、
山椒の葉と蕎麦の実があしらわれる。
木べらですっと切れる。

酒が進み、
澤の花をおかわり。

この日の鴨は
少し塩が強めだが、
脂が乗り美味い。

天ぷらを何にするか少し迷う。
蕗の薹もいいが、今日は穴子と白身がいただきたい。

で、
穴子・白身2種・帆立・野菜1種の
江戸前盛合せ(2,260円)
にして、野菜天を1種プラスしてもらう。

お酒をおかわり。

外がカラリ、
中がジューシーに揚がった、
天ぷらで
どんどん酒が進む。

彼女は
肉きざみ蕎麦(1,100円)
私は
鴨つくねとじ蕎麦(1,370円)

肉きざみ蕎麦は
脂をよく切った豚バラの温蕎麦なのだが、
冬季限定となってる理由を聞くと、
どうしても旬の九条葱を合わせたいから
という大将のこだわり。

鴨つくねとじは、
卵とじ蕎麦に、
鴨つくね、白ネギ、刻み海苔、
贅沢な冬の温蕎麦。

調子に乗ってお酒を頼み過ぎたか、
お代は2人で15,760円、
クレカで払って御馳走さま。
18時に予約して出かけたが、
既に大盛況。

いつものテーブル席ではなく、
中央の大テーブル。

旗幟の夏休み明け、
若者が沢山。

とりあえず瓶ビール、グラス2個だけ頼み、
乾杯して喉を潤しながらこの日の作戦を練る。

2014年からお邪魔してるが、
今日初めて奥さまとお会いする。

電話で声は聴いていたが、
趣味のいい器を揃える奥さまとお会いでき感激。

各種支払を可能にするため、
入口脇の石臼を蕎麦打ち部屋に移し、
立派なレジを導入。

天ぷらはいつものように、
外はからリ、中は水分を残して。

初めていただいた金目煮つけはいい出来。

出汁巻きは今日は気持ち濃い目。

大分の小さな蔵の藤居醸造の麦焼酎、泰明が中々美味い。
水割りとお湯割りで楽しむ。

温かい蕎麦は相変わらずカツオ出汁の風味が強め。
細く切られた田舎蕎麦はしっかりしたいい出来、
ほんの少しの辛汁で美味しくいただく。

この日頼んだもの:
はも皮と胡瓜酢の物670円
稚鮎の天ぷら800円
金目の煮つけ1,050円
夏野菜の天ぷら980円
出汁巻き玉子700円
新銀杏680円
田舎蕎麦820円
かけ蕎麦820円
お通し@315円x2
瓶ビール@680円x2
日高見@950円x2
泰明水割り660円
泰明お湯割り660円
合計11,730円
個人的には
飲み代込みで
ひとり1万円以内で楽しめるのが理想。

フレンチ、イタリアン、中華に比べると
和食は高いという印象がある。

間違いない店で和食を楽しもうとすると、
平気で諭吉が何枚も飛んでいく。
なぜ和食は高いのかと
知り合いの料理人に聞いたことがあるが、
人件費だろうという答が返ってきた。

結局安くて旨い居酒屋を探すことになるのだが、
これも意外と探すのが大変。

そこで、
編み出したのが、
評判のいいお蕎麦屋さんに行くこと。

首都圏には蕎麦前という文化がある。

古川修というエンジニア出身の学者がいて、
その名著「蕎麦屋酒」に書かれているのだが、
”蕎麦屋は庶民が酒を飲みに行くところだった。
江戸は大阪のような住み込みの商人より
長屋で暮らす通いの独身の職人が多かったので
仕事場からの帰りに寄る蕎麦屋は
酒を手軽に楽しめる絶好の憩いの場となったわけである。
安いが値段相応の酒を
水で割って提供していた居酒屋が当時は多かった。
そのような居酒屋との違いを出すために
いい酒を安く提供するという戦略を蕎麦屋は策定した。
この戦略は大当たりして鰻屋なども真似ることになる。
蕎麦屋は種物で用いる食材を調理して酒肴としていたので、
シンプルながらバリエーションも楽しめる”


これが江戸で発達した
いわゆる蕎麦前。

蕎麦屋でならどれだけ飲んでも食べても
一人一万円を超えることはそうはあるまい。

刺身、焼き物、煮物、揚げ物
を楽しんで最後に蕎麦で〆る。

そういう意味では
うどん職人は美味しいうどんを打てれば食べていけるが、
蕎麦職人は美味しい蕎麦を打つだけでなく、
焼き物、煮物、揚げ物にも精通しなければならない。

これって、
下手な和食屋でいただくより、
蕎麦屋の方が
結構おいしい和食をいただけることにもつながる。

ここ旗幟が
定期的に利用させてもらっている
蕎麦屋のひとつ。

夜予約してでかけた。

いいダシで作られた煮凝り、
上品な〆具合のしめ鯖、
ふわふわの出汁巻き玉子、
ジューシーな鴨焼き、
酒がよく進んで幸せ。

この日頼んだもの:
せいろ蕎麦@820円x2
しめ鯖730円
出汁巻き700円
鴨塩焼き1,630円
5種野菜天ぷら盛り合わせ1,050円
キス天630円
メゴチ天630円
いかの丸干し焼き630円
瓶ビール@680円x2
澤の花熱燗@790円x3
旗幟芋お湯割り@660円x3
合計13,350円
ひとり7千円弱で楽しめた。
今回のコロナ禍で
お店の最新営業状況を掴むニーズが増えた。

ここ旗幟はHPはなく
SNSもやってないと思っていたら
FBを14年8月からやってた事を知る。
(店舗情報追加)

テイクアウト開始、昼のみイートイン
という体制で
うどんも始めていた。

5/27から夜もイートイン開始と確認し
電話予約して出かける。

大テーブルは
アクリル板を立て、
向かい合わせの2人席x3
となっていた。

入口でアルコールジェル洗浄をし、
右手前のテーブル席に。

すぐに
瓶ビール三種盛り〆鯖出汁巻き
を注文。

あぁ、一杯目のビールで気道確保♪
この日のお通しは鳥わさ
鶏の良い旨みでビールが進む。

三種盛り
河豚煮凝り浅利明太子
いずれも旨いが、特に浅利が旨みたっぷり、
貝汁まで飲み干す。

ビールをおかわり、
彼女は日高見に。
ビールが空いたら私も日本酒に付き合う。

自慢の〆鯖が届く。
あぁ上品な〆具合、
醤油はかけず、ワサビだけで十分。

そして出汁巻き
ふわふわの仕上がり、
醤油のかかった大根おろしとワサビ漬けが添えられる。
まずは何も付けずそのまま。
あぁこれこれ、気持ち濃い目だがいい出汁巻き。

この日の焼き物は鴨、軍鶏、穴子、
迷うが
軍鶏の塩焼きをチョイス。

日本酒を飛露喜に変える。
すっきりと飲みやすい。

軍鶏が届く。
表面の皮はカリッと、
中の肉はジューシー、
そのままでも十分、
焼き葱が甘い。
好みで柚子胡椒。

飛露喜をおかわりして、
穴子かメゴチか鱧で迷うが、
奮発して季節のハモで。

ハモは上手に骨切りされ、
フワフワの揚がり具合、
さすが天ぷら名人だけのことはある。

〆は彼女はせいろ
私は冷たい梅ほのか

せいろよりぶっかけの方が蕎麦を微妙に細く切っている。
梅、大葉、とろろ昆布、
海苔、胡麻、鰹節
夏らしくさっぱりと美味しくいただく。

最後に濃厚な蕎麦湯と冷たいお茶、
久々に来て思わずあれもこれも頼んだが、
変わらぬ旨さに大満足ご馳走様。

お通し」@310円x2
瓶ビール」@680円x2
酒あて三種もり」840円
自家製〆鯖」730円
出汁巻き玉子」700円
日高見」@950円x2
軍鶏塩焼き」1,370円
飛露喜」@1,100円x4
ハモの天ぷら」1,200円
せいろ」820円
梅ほのか(冷)」1,150円
計15,090円
気がつけばほぼ2年振り。
昼一番を予約してでかける。

丁度団体さんのサーブが始まったところで、
オペはバタバタ。
まだ慣れないイケメンのバイト君をおもんばかって
しばらくじっと待つ。

一段落したところで
他にも料理待ち客が何人もいることから
ヱビス中瓶(670円)
酒あて三種盛り(820円)
稚鮎の天ぷら(770円)
夏野菜の天ぷら(770円)
出汁巻き玉子(600円)
をまとめて頼む。

冷たい蕎麦茶、冷たい布おしぼり。

駅からほど近いがカンカン照りで
届いたビールを注ぎ合ってまずは乾杯♪
グビグビグビ。

無料のお通しは
小さな魚の味醂干し
やや濃い味なのでしばらくこれで時間はもつ。

三種盛りの登場。
枝豆トマトと出汁ジュレアサリ
瓶ビールをお代わり、
忙しそうなので、
日高見(930円)も頼んでおく。

三種盛りは味が強くないのがいい。
最初はあっさり味からスタートしたいところ。

稚鮎の天ぷらが届く。
カットレモン、塩。

やはりここの揚げは素晴らしい。
外はカラリ、中は水分たっぷり、
稚鮎のいい苦みがいい感じでとっても美味い。

夏野菜の天ぷら
こちらは天つゆ。
アスパラ、ズッキーニ、黄トマト、ヤングコーン。
こちらも野菜の水分をちゃんと閉じ込め美味しく揚がっている。

出汁巻き玉子が届く。
大根おろしとワサビ漬けが添えられる。
京都っぽい上品な仕上がり(大将は関東の人だけどw)
フワフワで美味い。

彼女は宝剣(930円)
私は黒ウーロン茶割り(650円)

にしんの棒煮(670円)
をお願い。

温かく、濃過ぎないのがいい。

黒ウーロン茶割りをおかわり。

仕上げに彼女は
花巻(880円)
私は
田舎蕎麦(800円)

花巻はかけそばにもみ海苔をトッピングして
桜の花びらをまき散らしたように見えることから花巻と呼ばれる。

田舎蕎麦は蕎麦の実の外殻の一部をひき込んだ色の黒いそば。

花巻は海苔の風味がいい味を出し、
つるつると美味い。
田舎は蕎麦の質実な感じが出て、
ずずずと美味い。

蕎麦湯は白濁のトロトロ。

お代は2人で9,810円、
大満足でご馳走さん。

芝浦工大教授古川修(ふるかわよしみ)氏が趣味で出した、
「蕎麦屋酒」という本は
蕎麦のことを知りたい人には参考になる本である。

そのことは
京王線代田橋の蕎麦屋「まるやま」の私のレビューでも触れた。
http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131808/13053742/dtlrvwlst/3685174/

その著書の中で当時できたばかりのお店として紹介されたのが
ここ「旗幟(きし)」
2010年3月に京王線上北沢駅南すぐにオープン。

古川氏の「蕎麦屋酒」でこの店は次のように紹介されている。
”同じ場所にこれで三代続けて蕎麦屋が続くことになった。
前の店はご主人の都合で閉めたようだ。
店主の佐藤さんは高校を卒業してから25年間機械打ちの蕎麦屋で働き、
やっと夫婦二人でやる自分たちの店が開業できたという。
(中略)
今回はせいろ蕎麦を選択。
蕎麦の甘みと香りも出ていてなかなか旨い蕎麦だ。
旗幟のこれからの成長が楽しみである”


16年9月:
相変わらずロイヤルコペンハーゲンの素敵な食器を
惜しみなく使っての品よい料理たち。

酒あて3種盛り(820円)
はも皮と胡瓜の酢の物(670円)
出汁巻き卵(600円)
天ぷら江戸前盛り合わせ(2,060円)
フグの唐揚げ(1,030円)
地ハマグリ焼き(700円)
せいろ
すだちそば(温)
瓶ビール2本、菊酔3合、明るい農村2杯で13,260円。

14年9月:
昼は開店一番のみ予約可(夜は普通に予約可)。
ヱビス瓶(670円)
〆さば(720円)
出羽桜桜花吟醸(980円)
にしんの棒煮(670円)
大あさりの酒蒸し(770円)
飛露喜特別純米(1,080円)
板わさ(620円)
奥播磨純米吟醸(1,080円)
天ぷら野菜7種(1,240円)
天ぷらめごち(620円)
田舎(800円)、せいろ(800円)
〆て10,050円、大満足。

14年2月:
念のために6時に予約して伺った。
扉を開いて中に入る。店内客席部分はそれほど広くはない。

入ってすぐ左手に機械式石臼、
中央に大きくはない8人掛けテーブル、
奥のガラス戸の向こうに蕎麦打ち部屋。
右手に4人テーブル席が2つ、奥右手が厨房。

2人だったが4人テーブルに案内される。
この日は厨房の主人とホールスタッフの若い女性によるオペレーション。

メニューブックを眺めると
その蕎麦前のつまみの豊富さに
ちょっと顔がほころぶと同時に迷う。
彼女はビール小生(500円)、
私は福島の寫楽純米(900円)

さっぱりした日本酒である。
BGMはピアノ、ムード音楽やジャズが流れる。

まずは
酒あて3種盛り(800円)
蕎麦味噌(450円)
出汁巻たまご(小)(550円)
を頼む。

この日の3種盛り
空豆天ぷら
牡蠣オイル漬け
鮪角煮

空豆がホクホクに揚がっていて甘い。
牡蠣は重いかと思ったら意外とあっさり。
マグロの角煮は脂もよくのっている。
これは期待が出来るスタートである♪

蕎麦味噌が少し焦げた小さなしゃもじにのって出てくる。
もちろん味噌なので味は濃いほうだが、
いわゆる蕎麦味噌としては優しい味。
白味噌も使っているからだろう。蕎麦の実の粒々、紫蘇の強い香り。

而今特別純米(1,050円)
最近よくお目にかかる三重の有名な酒、
こちらは間違いなくさっぱり。

出汁巻たまご
見るからにふわふわの仕上がり、
店の焼き印が押してある。

大根おろしとワサビ漬けが添えられている。
まずは何もつけずにいただく。

なんと優しい味。
自家製のような大ぶりのワサビ漬け、
大根おろしと一緒に玉子焼きをいただく。

この薬味は素晴らしい。
醤油など一切いらない、旨い玉子焼き。

彼女が天抜き(840円)を知らないというので
それと穴子天・野菜一種(950円)。
天抜き、鴨抜き、
昔の先輩はこれだけでちびちび日本酒を2合は飲んだそうである。

抜きとはアタマの抜きではなく蕎麦の抜き。
天抜きが届く。
予想外につゆが澄んでいる、
しかも器はロイヤルコペンハーゲン。

ロイヤルコペンハーゲンにこんな素敵などんぶり鉢があると知ってビックリ。
芝海老のかき揚げが透明なつゆに浮かんでいる。

少しずつつゆが海老の衣をふやかし、
汁を吸わせ、はがしていく。
だんだんと衣の味が濃くなっていく。海老はプリプリ。

穴子天は外がサクサク、中は水分たっぷり。
茄子天もジューシーで旨い。

衣のつけ方も揚げ方もお見事である。
この店に来たら、天ぷらは是非頼みたい。

鴨塩焼き(1,500円)と
喜久酔特別本醸造(750円)を燗で。
鴨を塩焼きで出すのは珍しい。
この日本酒は少し甘みを感じる。燗酒がうまい。

鴨はとっても柔らかい、脂たっぷり。
少し鴨の臭みは残っている。

彼女は芋焼酎明るい農村をお湯割り(630円)

せいろ大盛り(980円)を仕上げに注文。
大盛りでも量はそれほど多くない。

よく〆て水分もよく切られている。
茨城産の蕎麦で挽いて打ったもの。

辛汁は思ったほど濃くはない。
ちょいとつけてズルズルと思うが
ついつい蕎麦は汁に水没(笑)

可愛い南部鉄瓶に入った蕎麦湯、とっても濃厚である。
最後にそば茶をいただき、お代の10,080円をお支払。

主人が出てきて少し話をする。
全体的に味付けがあっさりで優しいので西の出身かと思ったら、
なんと東京出身であった。
近所の常連の年寄りたちから濃すぎると指摘され、
4年かけて優しい味にしていったそうだ。

ここは本当にお勧め、
各駅しか止まらないちょっと不便な駅だが、
わざわざ来る価値のあるお店である。
ミシュランに例えるなら☆2つということ。

ご馳走様!

  • 鴨つくねとじ蕎麦1,370円
  • 肉きざみ蕎麦1,100円
  • 江戸前盛合せ2,260円+野菜天1種

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9位

アルドアック (代々木八幡、代々木公園、代々木上原 / スペイン料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2014/07訪問 2016/09/20

代々木八幡:小さなスペイン料理店の心意気

つい最近、代々木八幡駅そばにカウンター8席の小さなスペイン料理屋があることを知った。
早速予約を入れる。21時以降はアラカルトが頼めるがそれまではおまかせコース。

オーナーシェフの酒井涼氏が全てのオペレーションをひとりでやるからである。
代々木八幡で降りたのは学生以来だから30年以上経つので駅界隈の様子がわからない。

下り線の改札(南口)から出る。
食べログの地図では山手通りの左下(南西)に店の位置が書かれていて山手通りから延びた道か山手通りの下を通る道かよくわからず

まぁ下だよなと思い歩いていく。
それで正解なのだが、店がなかなか見つからない。

少し迷ってから「うぶすな」という沖縄料理屋の二階であることがわかった。二階にあがっても看板はないので迷うが思い切ってドアをあけるとそこがお店。

先客が女性2人、一番奥に座って結構食事が進んでいる。
我々は一番手前の席に座る。きちんと時間差で予約を取っている。ひとりでやってるお店はそうするのがオペレーション上都合がいい。

ところが、我々のすぐ後にカップルが入ってきて、6時半の約束ですが早く着きましたと言って奥から三番目と四番目の席に座る。
シェフにとっては少し計算が狂うがそんなことはおくびにも出さず、笑顔で迎えている。

コースは5千円と7千5百円の2種類。
5千円はアミューズ、前菜1、前菜2、米料理、肉料理、デザート&カフェ or チーズ or 食後酒
7千5百円はアミューズ、前菜×3皿、米料理、魚料理、肉料理、チーズ、デザート&カフェ

5千円の方であらかじめお願いしてあった。
飲み物はそれぞれのコースに一杯ずつワインがつくデギュスタシオン(5,000円と6,400円)があったのでそれをお願いする。

最初はカヴァ(スペインのスパークリングワイン)で始まるのだが、最初はビールが飲みたいんだがと言うとシェフがカヴァをスペインビールに変更しましょうとの提案。

イネディット」というスペインビールをグラスに注いでくれ、乾杯!BGMは情熱の映画音楽。
ほのかに柑橘系の味と香りがすると言うと、シェフがやってきてオレンジピールとコリアンダーが使われてるんですと説明。

どうやら話好きのようだ。
この「イネディット」、エスプーマと言う調理法でも有名になった有名レストラン「エル・ブジ」とスペインのビール会社「エストレージャ・ダム」が共同開発したビールだそうだ。

アミューズは
トウモロコシのムースジャガイモのトルティージャオリーブイベリコ豚のサラミ
トウモロコシのムースは最近流行のルバーブも使ってあり、上品な甘さに仕上がっている。
ジャガイモのトルティージャ(スペインオムレツ)は指でつまめるが口に入れるとホロホロと崩れる。ほんの少しの苦みとハーブの香りがする芋のオムレツである。
サラミは脂たっぷりで香りが素晴らしくよい。

最初のワインは白、酸味がありドライですっきりした味。少し黄色。
クアトロ ラヤス ヴィニェードス センテナリオス2012

これに合わせる前菜ひと皿目は簡単にいうとガスパチョ(冷製野菜スープ)だが食べるまではそうとわからず。
大きな白皿の中央に宝石のように具材が並ぶ。
生クリーム、アメリカンチェリー、マスカット、トマト、乾燥黒オリーブ、ブルーベリー、バジルソース、キウイソース、赤ワインビネガー、鰯の酢漬け

そしてそこに濃いオレンジの冷たいスープが注がれる。
アメリカンチェリーとトマトのスープである。

冷製スープそのものは酸味の中に甘みを感じるもの。
そしてスプーンで具をすくいながら食べると、様々な味がする。それがだんだんと口の中で混ざり合う。

鰯はほんの少し生臭さも残るが新鮮で酢の漬かり方は浅い。
これは視覚的にも味覚的にもすばらしい一品。

6月はアメリカンチェリーのかわりにイチゴ、8月は桃にするそうで、季節の旬も大事にしている。

二番目のワインも白、黄色は濃くなり、ねっとりとして重みがあり、少し甘さも加わる。
ネリン2009ボデガス クロス・モガドール

これに合わせる二番目の前菜は詰め物料理
椎茸と赤ピーマンそれぞれに詰め物

やはりこちらも彩りが素晴らしい。
椎茸のほうはマッシュルーム、玉ネギ、しめじなどが微塵にされたものが詰められオーブン、上に豚の脂、ラルドがのせられる。
こちらにはバルサミコソース。

赤ピーマンには鯛・鱈・海老のペーストが詰められたものをオーブン。
こちらにはパプリカソース(甘み)と赤ピーマンソース(酸味)。

椎茸はソースなしでいただいてもとっても甘い。
赤ピーマンはそれ自体は熟したものではなく、詰め物のタラの旨味の主張が素晴らしい。

次のワインはロゼ、テンプラニーリョを使っている。最初口にするとあっさりだが、後からコクを感じる。
バクセオス ロサード2011
これに合わせるのがイカスミのパエリア。BGMはジャズピアノにかわる。

炊き上がりの鍋を見せてくれてすぐに取り分け。
アリオリソース(ガーリックマヨ)が添えられる。

米は芯が少ない炊きあがりで、イカ墨の甘みをたっぷり吸い込んだこのパエリアは本当に久々に体験する旨い味。
アリオリソースは塩分少な目で、これは食べ過ぎてしまう。

最後の肉料理に合わせるのはテンプラニーリョを使った赤、果実味たっぷりである。
デ バルドス アルツ・エピカ2005

肉料理は羊の煮込み
シェリー酒のソース、よく煮込まれ、フォークでも簡単に崩れる。
食べると口の中に燻製っぽい香りが広がる。

シェフに聞くとパプリカパウダーの瓶を二つ持ってきてくれた。
片方が普通のパプリカパウダー、もうひとつが燻製パプリカのパウダー

この燻製パウダーを使っているからだとの説明。
シェリー酒の大人好みの味にスモークな香りを感じながらのとろとろの羊、大したものである。

食後酒は彼女はオルホと言うスペインのブランデー、色は透明で42度。
私はそのオルホをコーヒーで香りづけしたもの、色はコーヒー色で30度。

サービスで枝付き干しブドウを出してくれた。BGMはギターのバラードにかわっている。
熟成してとっても甘い。その干しブドウの木の皿は店名を焼き印した記念のお皿。

お代は税込21,600円、
酒井シェフ、料理の味もビジュアルも酒もサービスも薀蓄も最高!

スペイン料理をきちんと楽しむならここアルドアックである。
大満足でご馳走様!

  • 出来立てのイカスミのパエリア
  • 1杯目ビール(メニューAのデギュスタシオン)
  • アミューズ(メニューA)ジャガイモトリティージャと玉蜀黍ムース

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10位

ライラ (赤坂、青山一丁目、乃木坂 / フレンチ)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 3.7
    • | CP 3.7
    • | 酒・ドリンク 3.8 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥10,000~¥14,999

2014/08訪問 2014/09/19

赤坂:独創的な料理と見事なサービス

食べログでTOP500に輝く人気フレンチ。
オープンしたのは2013年4月。

食べログのグルメにして鉄の胃袋、えこだねこ氏が世に出したお店と言われている。
http://tabelog.com/rvwr/ekodaneko/rvwdtl/5250318/

お店が忙しい時間帯だったのでネット予約を覗いてみたら、運よくランチの予約が取れた。
2日前にきちんとお店から電話が入り、簡単な打ち合わせ。

地図で場所を確認して驚いた。
もう20年も前に仕事をしていた事務所のそばにお店がある。

リキマンションの隣のインペリアル赤坂フォーラムの一階。
リキマンションはこのあたりで仕事の経験がある人は誰でも知ってる、力道山が1963年に建てた高級賃貸マンション。

50年以上経つが威風堂々、その隣のインペリアル赤坂フォーラムも1983年竣工の30年選手。
そのまた隣のビル地下の広島焼き「さっちゃん」には当時よく行った。

予約時間は12時15分だったので少し前についた我々は懐かしさで近辺をうろうろしていたが、
我々を発見したスタッフが外に出てきて招き入れてくれた。

鹿児島のとんかつ屋「黒福多」が入っていた場所。
入るとコンクリート打ちっ放しの廊下で待合にもなっている。すぐに席に案内できるという。

奥の部屋の左端の2人席。やはりコンクリート打ちっ放しに一部木のパネルをかけたモダンな内装。
遠くでジャスが流れる。スポットライトが効果的にテーブルを照らす。

ランチは4,800円(税サ別)のおまかせコース。
高級食材にこだわることなくその日入る食材を使ってメニューを組み立てるので日々違う献立になるという。

たった12席しかないのだがホールには3人。
テーブルごとに担当が決まっているようである。オダギリジョーがそのかわりでもおかしくないという若い男性が我々のテーブル。

まずはビールをお願いする。
ベルギーのレフブロンド(900円+税サ)、注がれた状態でグラスが運ばれ乾杯。

ベルギービールらしいフルーティでコクがあるビール。
最初のひと品はスープから。

うっかりすると簡単に倒れる薄く黒い卵型の器に入ってきたのは二層のスープ。
上がアールグレイ(ベルガモットで柑橘系の香りをつけた紅茶)のロイヤルミルクティの泡、下がだだちゃ豆のスープ。

それにトマトを練り込んだバターサブレが添えられる。

アールグレイの香りは想像できたがだだちゃ豆のスープは結構塩が効いているのにビックリ。
歯ごたえのある豆もちゃんと入っている。

バターサブレを齧って納得。こちらは本当にバターたっぷりで甘い。
だだちゃ豆の塩分とこのサブレの甘さがハーモニーなのである。いきなりいいジャブがきた。

前菜ひと品目、魚の薄い切り身と大根スライスがのっているのはわかる。
テーブルに置かれた瞬間、魚が香る。一瞬太刀魚のように見えたが、イワシ。

イワシは塩とカボスで〆、藁で燻した後、プラチナ箔をまとわせた。
パーソニックという根菜のピューレ、大根スライス、ホワイトバルサミコの白いソースとシェリー酒の透明なソース。
そしてカツオ節削りで削ったコンテチーズ。

このイワシはビックリした。確かにしっかり〆られているのだが、非常に上品な優しい味。
削ったチーズが口の中に入った途端溶けてなくなる。

こんな料理を思いつき、そんな手間をかけてることを聞くと
ここのシェフが自分の身を削りながら探求している姿が浮かんだが、まだこの時点で顔は知らない。

イワシをあと少しで食べ終えるころ、ビールも無くなりそうであった。
あいにく担当のホールスタッフは向こうのテーブルでサーブ中。

で、別の若い女性スタッフに手をあげる。
すると、さっとワインリストを持ってきたのには驚いた。普通は用向きを聞いてから戻って改めてワインリストを持ってくる。

赤ワインはピノ中心に揃えているという。
1万円切るボトルは4本だけ、ランチにしては結構高めの設定か。

ソムリエバッジをつけたその女性スタッフに「コートデュローヌ2013 ボールナール」(6,800円+税サ)をお願いした。
するとあっという間に抜栓してボトルとグラスを持ってきてくれた。

こちらにとってはビールが無くなって待つことなくのサーブなのでちょっとビックリしたので彼女に聞くと
お客様にとって最善のタイミングであるよう心掛けているとのこと。よく見るとホールの3人の連携も完璧、驚きの体制。

ワインは若いだけあって、果実味十分だがあっさりしている。

前菜ふた品目は夏野菜色々。
芽キャベツ、ニンジン、ナス、ブロッコリー、ロマネスコなど。
ニンジンの葉の素揚げ、ゴボウフレーク、ニンジンピューレ、砂糖は一切使っていない。

野菜は甘くえぐみがなく、本来の味わいを上手に引き出している。
野菜の味わいを残して調理するには素人は無水鍋を使うしかない。素晴らしい佳品である。

魚料理は山口産アマダイ。
モロヘイヤソース、苦みを消したクレソンの泡、付け合せにムール貝とアサリ。

アマダイの鱗はキレキレに立っている。
ポロシャツの襟を目いっぱい立たせているごま塩頭のオヤジのよう(笑)

ここまでの料理から推測した通り、アマダイは表面がパリパリ、身がフワフワの仕上がり。
驚いたのはアマダイ自身の塩加減が非常に控えめなこと。

クレソンもモロヘイヤも薄い塩加減。
小さくカットされたムール貝とアサリの塩分だけを利用しているのだ。見事な演出。

肉料理は紀州赤どりの胸肉とモモ肉。
茗荷のピクルスが添えられ、ハーブを使ってあるが強くはない。添えられた黒胡椒がアクセント。
全体的には優しくあっさりした味である。

デザートは2種。
桃のコンポートとチョコクレープとマンゴアイス。

彼女はカモミールティ、私はルイボスティ。
最後の小菓子がまたお洒落。

お代は5%のサービス料と8%の消費税がついて20,638円。
大満足で席を立つと、出口にシェフ。

想像していた以上に細い体躯。料理界のイチロー、あるいは日々身を削って探求する哲学者のようであった。
ありがとう、大感謝である。

  • 前菜:イワシのプラチナ仕立て
  • ロイヤルミルクティとだだちゃ豆の二層スープ
  • スープに添えられたトマトのバターサブレ

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