ウィーンの森の物語さんが投稿した美加登家(島根/日原)の口コミ詳細

美食考察記:科学的見地・文化的見地、双方による美食の考察

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ウィーンの森の物語 (男性・東京都) 認証済

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美加登家日原/日本料理、すっぽん

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥10,000~¥14,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 4.2
      • |雰囲気 4.2
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2010/08 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス4.2
    • | 雰囲気4.2
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-
    ¥10,000~¥14,999
    / 1人

鮎料理では、当店と比良山荘が私のベストです。

海の魚と比べると、川魚は食材として敬遠されがちであるが、本当に奥が深い。
生育する川の土壌成分や水温、そして川幅や傾斜角度等、
様々な環境的要因によって、同種の魚でも味が全く異なるから面白い。
小さな川の魚は骨が固く、逆に大きな川の魚では骨が柔らかい傾向があり、
また、急流と緩流で育った魚では、脂肪の付き方や身のしまり具合など、まるで違う。

川魚の中でも、鮎は生育環境の影響を非常に受け易い魚と言われている。
鮎を食材として捉えた場合、どこの川の鮎か?という情報は極めて重要であり、
毎年、「利き鮎品評会」が開催されているのも、その所以であると思われる。

今年に入り、かなりの数の鮎を戴いてきたと、一応は自負しているが、
個人的には、和良川と馬瀬川、そして、(当店で使用している)高津川の鮎が最も旨かった。
逆に、印象があまり宜しくなかったのは、日本海で獲れた鮎であり、
これは鮎特有のスイカ臭が殆どせず、卵を持たない雌シシャモを彷彿とさせる味だった。

今回レビューする、こちらの美加登家は新橋の名店、鮎正の本店であり、
かねてより、是非一度、足を運んでみたいと思っていた。
ただし、東京からは、そう簡単に行ける場所ではないので、
そのうち、そのうち・・・と思っている間に、十年以上もの月日が流れた。

そして、ついに美加登家を訪れる機会に恵まれた。
この美加登家で使用する鮎は、店の前を流れる高津川産の鮎であり、
この高津川には堰がなく、日本一の清流に数えられる川の一つと言われている。
高津川の鮎の旨さは、鮎正で既に体験済みであり、自ずと期待に胸が高まる。

今回、こちらで戴いたのは、12,500円の天然鮎のコース。
料理は、子うるか、苦うるか、背ごし、鮎の御椀、塩焼き、うるか味噌包み揚げ、
うるか茄子、酢の物、鮎御飯、青梅の甘露煮の計10品が供された。
支店である鮎正と、供される料理は基本的には同じであり、
お味の方も、いずれも洗練されたものばかりだった。
ただし、食材の質については、こちらの方がハッキリとこちらの方が上であり、
その決定的な「素材の質の差」は、背ごしや塩焼きなど、
加工度の低い料理で、より強く感じられた。

素材が良いだけでなく、御主人の料理の腕前もかなりのものだった。
例えば、鮎料理の醍醐味である「塩焼き」は絶妙なる焼き加減で、思わず頬が綻んだ。
川魚は海の魚に比べて、身の収縮力が強く、変形し易い為、
(皮ではなく身から焼くのは、この所以です)焼き手の力量が大きく問われる。
また、椀物の出汁加減や姿造りの酢の加減等からも、その非凡なる料理センスを強く窺い知ることが出来た。

部屋に挨拶に見えた女将曰く、「今年の夏は、理想的な型の鮎がなかなか獲れなかったが、
私達が訪れる数日前より、やっと、獲れるようになって来た」とのこと。
そういった巡り合わせもあり、これまでで最高の鮎料理のコースを戴くことが出来た。

個人的に、鮎という魚は、初夏から初秋にかけての短い期間に
その味わいが大きく変化するところに、食材としての妙味があるように思う。
初夏の稚鮎は身も骨も柔らかく、凝縮した旨味があり、
また、成長するに従って、野趣溢れる味となり、
秋の風物詩とも言える、卵をたっぷりと蓄えた落ち鮎も、また、それはそれで美味。

鮎を心底堪能するには、初夏と落ち鮎の時期に1回づつ足を運ぶ必要があるとは思うのだけれど、
東京からでも大阪からでも、これだけ離れていると、そう気軽には行けないよなぁ。。。

  • スタート!

  • 苦うるか

  • 子うるか

  • 背ごし

  • 鮎の椀物

  • 塩焼き

  • 蓼酢で戴きます。

  • うるか味噌の包み揚げ

  • うるか茄子

  • 姿造り(酢の物)

  • 鮎御飯、白味噌椀、香の物

  • 青梅の甘露煮

  • 店の水槽・・・鮎がいっぱい泳いでいます。

  • 店の目と鼻の先には高津川が流れています。

2012/02/20 更新

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