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| 店名 |
ピエール・ガニェール・ア・東京 (PIERRE GAGNAIRE a Tokyo) [HP |
|---|---|
| 最寄駅 | 表参道 |
| ジャンル | フレンチ |
| 住所 | 東京都港区南青山5-3-2 南青山スクウェア 4F (地図を見る) |
| TEL | 03-5466-6800 |
| 営業時間 | 11:30~14:00(L.O) 18:00~21:30(L.O) |
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しかもガニェールシェフの来日期間に合わせて。
19時から始まった晩餐会は、気づけばなんと4時間半程続く事になる。
まず今宵の晩餐の食前酒にシャンパン:ローランペリエを選び、
その黄金色に輝く泡の立ち昇る様を眺めながら、すでに法悦。
とても美しく、細かく、またゆっくりと立ち昇る様の美しい事よ。
黒人霊歌の陶酔感に似た感じを早くも味わう事になる。
コースメニューに載っていない軽い前菜
(とは言え小皿で4品くらいでここでも楽しませてくれる)を堪能。
ここで一見、和菓子と見紛う程の美しい姿のバターに感動。
普段ほとんどバター(マーガリンはもちろんの事)を口にしない僕の解禁足る舌食。
そして、コース料理の一品目。
《仔鳩のエギュイエット カルパッチョ仕立て リンゴとエシャロットのママレード
ラディッチョのピューレ ノワゼットオイル風味》
仔鴨だとばかり思っていたので、嬉しい勘違い。
この日の仔鳩は”ウキャウキャ”言っているようでいて、
非常にエギュイエット/カルパッチョ仕立ての良さが出ている。
一種のダンスを踊るがごとく軽やかさを纏っている。
お皿の上に載っているいくつものソースや食材が
酸味/甘味/苦みのミクスチャーを引き起こし、フロアにはDJがいなくても踊り手は存在するかのようで。
こちらの料理と次のスズキを《ペルナンヴェルジュレスの2000年》もので頂く。
エラン・ヴィタール(生命の躍動)を突き抜ける風を受けながら感じるブラン。
そこまではフルーティーではなく、仔鳩に程よくマッチする。
続いてニ品目。
《スズキの皮付きポワレ ジャガイモのコンディマン
フレッシュな蕪のスライス 人参とエストラゴンの軽いソース》
見た目には決してエレガンテでもなく、またマナー違反でもあろうくらいに、お皿に鼻を近づけて、香りをクンクンする(笑)
ワインテイスティング共々、この行為が僕にはたまらない。
スズキの香りは、皮を剥がされていない安心感からか、
惜しみなく香りを提供してくれる。
ふわーーって大空に,大地に吹きすさぶ/吹き抜ける風。
大地の匂い、なぜか、この魚介類料理からは感じられる。
お皿の回りに彩る他の食材と仲良く手を組んで、
味覚/視覚の饗宴をしているからでしょう。
そして、本日の期待のメイン料理。
《オマール・ブルー”のフリカッセ グラーヴワインの芳醇な香り
鴨の砂肝とフランス産ジロール茸》
一言。
言葉が出ないくらい、立ち尽くし、興奮。感動。
「オマール・ブルー」はブルターニュの最高級オマール海老で、
名前の由来は、獲れたとき素晴らしい青紫色をしているからなのだとか。
期待値(の時点ですでに高かったのだが)を遥かに超える味わい。
そして、ここからがガニェールらしい流れだろう。
フロマージュはフロマージュとしてだけでなく、キュイジーヌ・フロマージュとしてきちんと一つの料理として完成されている(遊んでるかのようでいて)
そして、グランデセール。
文章が長くなって来たので、失速させていくが、
このグランデセールは翌日(翌日の今、これを書いているという時間軸)の失速でさえも許さぬようであった。
というのも、噂に違わず、デセールだけで5皿の提供。
またここからは,デセールのコースですよと気持ちを新たにしてくれる。
いやいや、それだけでない。
この5皿のデセールコースの前にはきちんとプティフールが(これももちろんレベルが高い)あるのだ。
そのどれでも圧巻で、うっとりとため息が出るばかり。吐息か。
彼の料理を分子的と(実際最近は、科学者エルヴェ・ティス氏とともに、食材の分子反応を料理に反映する“分子料理cuisine moleculaire”なる新分野も開拓している)評する向きも少なくないが、
この5皿あるデセールの内の一品が、卵黄に見立てた(見立ての技術/作法は日本は強いはず、余談。)パッションフルーツジュースを塩化ナトリウムで固めるという分子的な一品にさらに相好が崩れ饒舌に。
オマールブルーの前にガニェール本人とも握手/少しお話が出来た事を光栄に思う。
彼からは、なにか(また、すべて)を感じなければならない。
冒頭に書いたように、ここまでで気づけば4時間半。
今の時代が失われつつある、饒舌なるロングタイムとでも。