日本最大級の口コミグルメサイト
美食放蕩
~なぜかくも僕は美しい一皿を追い求めるのか(悲しい程まで)~
< 前の口コミ
口コミ一覧 (104件)
次の口コミ >
これらの口コミは、セキノサトシさんの主観的なご意見・ご感想です。あくまでも一つの参考としてご活用ください。 また、おすすめメニューとその金額はセキノサトシさんが任意で登録したものです。お出かけ前は、必ず電話等でご確認ください。詳しくはこちら»
2票 [大きな写真]
1票 [大きな写真]
『レストラン名』のように、『』で囲むと、レストラン検索のリンクをはることができます。 「http://」で始まるURLは自動的にリンク表示されます。
※トラックバックスパム防止のため、このページへのリンクがないエントリのトラックバックは登録されません。
▲このページのトップへ
関東大震災で被害に遭いながら、生き長らえている名店。
震災前と後では少し場所を変えるも、神田川(旧江戸川)の風情を面と残す。
そして外観の変わらないレンガが郷愁を誘う。
いつものごとく、無心になって鰻が運ばれるのを待つ。
時間がかかることでも有名な石ばしさんだが、
その時間さえも悠久に帰する魅力が鰻には十二分にある。
鰻華鏡とはよく言ったものだ。鰻には次元がいくつかあると思っている。
河から河へと定説になってしまっている鰻が、
実は海から海へと過酷な旅をしている事をどれくらいの人が知っているんだろう。
待っている間にそんな想いを馳せる事が出来るのも、
時の流れ、鰻の流れ、神田川の流れが時を同じくしているから。
無心になって、一旦色んな事を忘れて、そしてまた無心になって味わってみる。
食べてみる。
食べてみる。
全神経を疑ってしまう。
食べてみる。食べてみる。
この圧倒的な味わい。
溶けるような柔らかさ。
それでいて、この重厚感。
炭のパタパタ具合。
関東風/関西風の好みを突っ切抜けるこの溶け具合。
(柔らかいではなく、溶けるという感覚。総じて蕩けるに転嫁)
渾然一体となって狂気の乱舞を奏でる。
本当に疑ってしまう。この圧倒感。自問自答している隙はない。
お吸い物も、香物も手を付ける余裕はない。
一刻も早く、少しでも冷める前に、この鰻と同化したい。
世界が綻びる前に、山梔子が叫ぶ前に、そのどれもがどれかに変わってしまう前に。
この不確かな時代に、この圧倒的な確かさ。
パーフェクト。
今、思い出しても、顔がニヤケてしまう。
ニヤリ。