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美食放蕩
~なぜかくも僕は美しい一皿を追い求めるのか(悲しい程まで)~
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新しい/眠っている感覚が呼び覚まされ、赤ちゃんに戻ったようになる。
感覚と細胞がバシバシと眠りから起きる場所。
さて、エディション・コウジシモムラ。
Restaurant FEUの元料理長の下村シェフが昨年独立したばかりのお店。
さて久しぶりのデジュネのメニュー。
■海水で軽く火を通した宮城産牡蠣の冷製 海水と柑橘のジュレ 岩海苔風味
前菜ではお馴染み、牡蠣のジュレ。
それが下村シェフの手にかかるとこうなる。
乾燥させた岩海苔と生の岩海苔とが口の中で一つになる瞬間の幸せ。
大ぶりの/ふくよかな宮城産の牡蠣が(少し火を入れる事により丸みを増している)
〈海を食べている〉という感覚へと誘う。
実際にシェフが海の再現をしてるだけと言われるだけある。
■カダイフを纏った的鯛の軽やかなフリット
ブロッコリーのクーリとレモンのコンフィチュール
これは、やばい。さすがシェフのスペシャリテ。
このすべてが凝縮された皿の上で、僕は思わず膝をポンと叩いた。
ブロッコリーのピューレとレモンのコンフィチュールのソースが、
(もはやソースの域を超えている)
カダイフを纏った的鯛の衣を溶かす事なく、
(ジャムにする事により、衣を柔らかくしない!)
その分、僕を溶かす。
カダイフを纏う必要があるのは、僕の方だ。
■マグレ鴨の胸肉のグリエ
極上の鴨をいただいている時は、僕は決まって”性交中”に似た感覚に襲われる。
そしてそれに追い打ちをかけるように、鴨を口でとどめた状態で、赤ワインを流し込む。
これがなんとも言えない、溺れるばかりの快感。
マグレ鴨とは、フォアグラを取るための鴨の胸肉。
シャラン産鴨の次に美味なる鴨と言っていいのでは。
脂身が多く、繊維が少ないからか”ゆったり”と味わう事が出来た。
■クリーム未使用のガナッシュショコラ、カカオウォーターと共に
このカカオウォーターは、美しい。
水で抽出したカカオニブに砂糖を入れて作り上げたこのカカオウォーター。
ここまで表現のしようのない、ひたむきな飲み物に出会えて幸せだ。
また添えられたカカオのシャーベットにもびっくり。
見た目粉状のこのシャーベットは、実際の味覚が紛いなくシャーベットという驚き。
こういった視覚と味覚(と先入観)の〈不一致〉は、とっても居心地がいい。
もっと僕の脳を驚かせてよ!と思う。
■チコリと豆乳のプティ・ポ 南瓜のタルティーヌ
小菓子にしてはクオリティの高い一品。
触感、味覚ともこれまた初体験の味わい。
最後にシェフと少しだけど、
料理におけるクリエイションについて話せてよかった。
「それをクリエイションと呼ぶかどうかは、お任せします。」
との事。美しい。