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| 店名 |
キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ (Cuisine[s] Michel TRIISGROS) [HP |
|---|---|
| 最寄駅 | 都庁前 |
| ジャンル | フレンチ |
| 住所 | 東京都新宿区西新宿2-7-2 ハイアットリージェンシー東京 1F (地図を見る) |
| TEL | 03-3348-1234 |
| 営業時間 | 11:30~14:00 17:30~21:30 |
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そして“美食に打ちひしがれる”事により疲弊する。
という贅沢な矛盾感覚を味わえるここ、ミッシェル・トロワグロ。
リアルはいつだって目の奥の方から生まれ、訪れる。
目から滲み出されてくるものこそが、本当のリアル(二重翻訳)だと思う。
その為には、目を見開き、そして適度に渇いている事。
奇しくもドライアイの僕は、その目の乾き症状をこう好転化させる。
さて、そんなミッシェル・トロワグロの至極のメニュー。
■アミューズ:鯖の和風、鰹節と白ワインのジュレ
このジュレが、これからの予感をほのめかす。
〈ほのめかす〉ということは何より大切だ。
あるいはすべての一皿/レシピは、素材の観念/美食への期待をほのめかす!
とも言えるのではないか。
■グルヌイユのエチュベ レモングラスの軽いクレーム
Etuvée de cuisses de grenouilles, estragon, moutarde et citronelle
さて、いきなりこの一皿に僕はやられてしまった。
このグルヌイユの食感、この飢えた食材に、僕はやられてしまった。
これは僕の沈黙を、かどわかす。
そう、僕の心は誘拐/かどわかされた!
そしてこの飢えたグルヌイユの空虚さ(グルヌイユ単体では味わいをあまり持たない)
にさえずりを与えてくれるようなアクセントは何か。
それは時としてカリフラワーであり食通の好むハーブ、エストラゴンであり、
カエルが漂うレモングラスのクリームの中である。
いつからか日常から縁遠くなったこの蛙(生々しく感じる。やはりここはグルヌイユ、か。)
の姿を思い浮かべていた。リアルにイメージ/描写する事により、
お皿の上の素材がより鮮明さを放つ。事になる。
■仔牛のケフタ ズッキーニとトマトのコンフィ添え
Tajine de Kafta aux courgettes et confiture de tomates
ベカシェフ渾身のモロッコからインスパイアされた一皿。
タジンとはモロッコの代表的料理。
スパイシーでいてオリエンタル、ノスタルジックで旅気分へ誘う。
食味旅行者=シャルム・ダスーシーを思い出し、重ねた。
ズッキーニと中央に配するトマトが、力強い。
トロワグロらしい一皿へと昇華。
■アヴァンデセール:黒トリュフのムース
プティデセールとしては、完成度が高過ぎる一品。
余分なものを入れないエスプーマにより仕上げた黒トリュフのムース。
その上からプロテクトするのは、ココナッツのシャーベッツとショコラ。
そのトリニティ(三位一体)はもはや、口の中で語られるものをすべて消失させた。
■シャルトルーズのサバイヨン 林檎とヨーグルト
Sabayon tiède à la chartreuse, pomme et yaourt
そしてロアンヌのスペシャリテであるサバイヨン。
この一皿の登場により、僕の思考はめでたくも崩壊/停止。
一気呵成に畳み掛けてくる味覚の数々。
自我の目覚めを経た素材達が、重なり合い、そして孤独で居続ける。
素晴らしすぎる。
サバイヨンは材料によっては、穏やかな味わいと豪勢な味わいを運んでくれる。
目の前のこの神々しいレシピは、穏やかさを運んでくれる。
シャルトルーズがエリクサーの一種であり、修道院の名を冠している事が、
それを裏付けさえするよう。
まさに〈素材からアイデアが巣立った〉一皿。
僕は素晴らしきレストランにおける場合の会話は香りであると思ってる。
美しい会話だけが持つ情報/分子があると。
だからこそ、美しい一皿の上方で交わされる会話を楽しみ、
そしてここトロワグロでの一皿のように〈思いを馳せる事の出来る料理〉を楽しみたい。