デストラーデ グローバル?を語る

やさしい人ね、あなたって人は  見ないふりしていたの、私の酩酊~♪ 
なぢらね (40代前半・男性・新潟)
標準点 2.5
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'08/05/08
初めてメリケンの地を踏んだのは、三十年ほど前。高校生時代の夏休み、金属洋食器の製造輸出を生業としていた亡父が、どういう風の吹き回しか、三人きょうだいのなかの唯一「男子」であるわたくしを、手前の紐育出張に「かばん持ち」の形で、二週間ほどつれまわしたのだ。

当時のドル円レートは280円くらいだったか、経営者兼貿易部長兼営業部長―つまりナンデモ屋―の父とはいえ、所詮はイナカの零細企業「天狗物産社(仮 」の所属。

大手メーカーさんだの、商社マンの皆様のように、潤沢なる「実弾」を用意しての渡航ではない。

ホリディインかマリオット(亜細亜各国では一流ホテルみたいな顔をしてるが、本国ではいたって気安い「連れ込み」或いは/及び「商人宿」みたいなモン)に滞在し、朝食はユダヤ系のダイナーで、ベーグルとスモゥクト・ホワイト・フィッシュ、昼はバスやタクシーの運転手諸君が集まるハンバーガ・スタンドで「チーズ・バーガァ」 夜は宿泊先から歩いていける「高級ホテル」に向かうが、目当てはそのホテルに併設されている「コーヒーラウンジ」で供されていた「チキン・バスケット」

…連日こういった「大衆食」をわたくしにあてがい、じしんもこれをパクついては

「どうだ、ウマいだろ? アメリカのメシがマズいってのは、ウソだよなあ」

なんて、言ってた。

今考えれば、先の「懐中不如意」ななかで「精一杯」じしんの「舌の愉しみ」を見出し、これを息子(わたくし)にも共有させたかったんだと思うが、その頃のわたくしのアタマなんてのは、まったく単純で

「ああ、アメちゃんってのは、ホントにバーガと唐揚げばっかり喰ってるんだねぇ」

なんて、思ってたりしたんだから、イヤハヤ「親の心、子知らず」とは、まさにこの事。現在、じぶんがガキを持つ身になって、ようやく「親の気持ち」がわかってくるんだから、ニブい事この上ない、嗚呼。

と、まあそれは、おいといて。

当時、既にわが国にも「マック」のバーガも、「ケンタ」のチキンもやってきてい、それなりに喰ってはいたものの、このとき亡父が「ウマいだろ?」といったものたちは、原則として全てその場で「手作り」という事もあり、なるほど上記チェーンのものとは、一味も二味も違い、素直に「うん、そうだね」と肯くにしくはない程度に、「佳味」「良品」なものであった。

ベーグルの半ば餅みたいな食感のところに豆腐みたいなチーズが挟まり、ここに半生燻製のさかなが挟まってくる、なんてのは、不思議に「和」を感じさせて面白かったし、断じて「パティ」なんかじゃなく「ソールベリィ・ステイク」の風格を持つバーガには、チェーン店のそれには決して感じられない「ケダモノの風味」が溢れていた。

特に気に入ったのは「チキン・バスケット」 

ひらたく言えば「フライドチキンとフレンチフライの籠盛」であるが、クォータまたはハーフ、或いは大食漢向きにフル(いずれもニワトリ一羽分に占める割合を表示している)に盛り込まれてくるチキンは、表面の皮が「バリッ」としており、肉身にかぶりつくとさまざまな香辛料がまず舌先に浮かび、その後時間差で肉の香りが「ふっ」と浮かんで消える。

さらにかみ締めると繊維が「きゅっきゅっ」という、心地のいい「歯応え」を残してほぐれていき、なんともウマい。 

全体に「脂っこいが清浄」といった感じの風合いで、本邦の「からあげ」や中国式の「炸子鶏」ましてや例の「軍曹印」のそれとはまったくの「別物」

「うん、こういうものを喰ってるんなら、アメちゃんも信用できるかも?」

なんて、ナマイキな事を思ったものだ。

(今考えると、これが紐育だったから、よかったのだ。もし最初に訪問した土地が「西側」だった… )

「フライドチキン」「ハンバーガ」「ピザパイ(意太利のピッツァでは、ない)」「チキン・カチャトラ」「ターキィ・サンドウィッチ」「クリームチーズ・サーモン・ベーグル」「ホットドッグ」

…どれもこれも、近年では大手「外食産業」がパッケージにしてわが国に持ってくる「商品」であり、いまこれを口にすると、大概の場合「大味」で「ハッキリしすぎ」で「重くて」「くどい」

だから、アメちゃんは味覚に繊細さを欠くのではないか、という意見がされるのも、よく判る。

ただ、これも「昔どおり」に「手で作られた」ものを口にすれば、結構イケるんじゃないのかな?と、手前の「記憶」を頼りに思ったりする。

…のだが、近頃は「本国」に行っても、「大手」が幅を利かせており、以前のように「安直だが実質あり」な味わいは、なかなか楽しめなくなっているのが現実で、少々寂しかったりもする。

「街の定食屋」がなくなり、フランチャイズの「まいどおおきに食堂」が流行るようなモンなんだろうかねぇ?


コメント(8件)

'08/05/08
一度に戴く、もしくは「戴くことの出来る」量も係わってくるんやないかな、とちっくら思っています。
「噛み締めるごとに深まる味」って、おちょぼ口でちょこちょこついばんでいると判らない。
「私的ハンバーガー論争(んな凄いものか(-_-;))」の時、指摘されたのは「ハンバーガーはまるまる一個食べない
と味など判らない」っちゅうこと。
ま、そうやと思いますよ。(ダカラトイッテ、ハンバーガーのハンバーグだけタベルヤリカタモ「みかくおんち」って
イワレル元だとオモウンデスガネ(--〆))

齧り付く野趣味も相まって「食す」実感が味を強調するのでは?

などと僭越にも申し上げてしまいました。
どぞ、頭から齧り付いてください。

'08/05/08
んーじゃ、「がぶり」(笑

確かに、メリケンさんのお菜で「んまい! 」となるのって、「ナミナミ」を「顎で味わう」系のものが多いかもしれない。

だいたい、ドライ・エイジド・ビーフ(映画の「ロッキー」が、冷蔵庫の中で殴ってるやつ)なんて熟成方法自体が「さあ、思いっきりガシガシやってちょうだいよ」という事を志向しての、ものっぽいし、ね。

それにしても、ハンバーガとかって、材料とかに「凝りすぎ」ても、逆にあんま、ウマくないような気がするなあ。尤もこれは、(材料費由来の)勘定の高さに、わたくしのココロの奥底に潜む「吝嗇魂」が、強く反応しちゃうのかも、しれない。


'08/05/09
>「アメリカのメシがマズいってのは、ウソだよなあ」

わて、頑迷な「アメリカメシ激マズ教」信者やさかい、先代にしばき倒されてまうな…。

朝、めしに下りて行くと、牛酪の融けた匂いでキュッと胃が縮む。
「バタ臭い」ちゅう言葉はこゝから来とるんやな。(とミョーに納得)

桑港の蟹、ボストンのオヒョウは大味。紐育のステーキは分厚くゴムのように硬い。
ロスアンゼルスの和食とやらは値が張るだけで味は学生食堂並。
蔬菜は豚の餌のように盛ってあり、彩りもクソもない。
ブッフェスタイルで何選んでもハズレばかり。

救いは、シカゴで入ったけして高級とは云えぬ小さな中華屋。
こちらの中華屋のつもりで(めいめい)頼んだ”Fried rice”と”Wonton soup”がなかなか旨かった。
但し、量が半端ではなくあらかた残す羽目に。

料理とは呼べないが加州オレンジだけは文句なし。確か自由化前で、函で買い求めました。

>「昔どおり」に「手で作られた」ものを口にすれば、結構イケる

なんでっしゃろか....。こいつァわての不勉強かも知れんな。

'08/05/09
亡父の「口癖」だったんですが

「アメリカの肉(ここでは牛肉の事)がマズいってよく言われるけど、いわゆる1ドルステーキだの、ダイナーのサービス・ステーキを引き合いにしちゃいけない。日本でだってファミレスと千円ステーキと、日本橋のじゃ、ぜんぜん別物だろ。せめて20~30ドルは出さなくっちゃ」

だそうです。

そう嘯きながら連れて行かれた、ブルックリンの満腹食堂「ピーター・ルガァ」の「赤身」には、なるほどナカナカの実績がありました。

ま、30ドルのテキとなると、そうそう普通に口にするモンじゃないでしょうが、かの国の場合、多くの「大衆向け」食堂は大手チェーン、ないし、フランチャイズ業者によって運営される傾向が強く、昔ながらの「個人商店による手作り」な店は、あらかた「淘汰」されてしまっている、という点で、レベルの底上げならぬ「底抜け」がなされているのが、現実なのかもしれません。

んー、その姿、どうも数年後の本邦を「予言」しているような…

'08/05/12
牛肉問題が起きる前、我が家の近所の大衆ステーキ屋のUSステーキ300g¥1500は結構旨かったですね。
さすがにオージーは駄目だったけど(笑)しかし最近はUSモノもどういうわけか、旨くない。

素材が悪いんじゃなく、要するに調理が大雑把だから、向こうで食うには、あまり手のこんだ料理は駄目ですね。

しかし溜池辺りにある「ローリーズ」だの「ルースクリス」だの高級店の肉は、ありゃ酷い。
舐めた商売しやがるな、と思うのですが、これが奴らにゃ旨いのか?
日本でも「ベーカーバウンス」なる店が人気なんですが、あんなモソモソ肉、米国人でも旨いとは言わないんじゃないかと。

'08/05/12
なんというか、肉の「慣らし方」が、根本的に本邦と、かの国では違うんじゃねえかな? という気がします。

言い換えれば「調理法が違うから、肉の熟成方法が違う」というべきか。

アメション(死語)みたいな物言いで、まことカッチョワリーんですが、ロウリーズのプライム・リブって、ニッポンのそれと、アチラのそれでは、味わいが「別物」

(わたくしの同店の体験が、米国の畜牛中央市場とでもいうべき、シカゴの支店である、という面は、差し引かなくっちゃいけないのかも、しれませんが)

しかも日本の場合、「本場」と同じ「舞台装置」を再現するためのコストがかかってしまうためか、かなり割高に感じられてしまいます。

ルースクリスのお菜は、アメリカでも日本でも喰ったことがなく、唯一香港の店でだけの経験なので、意見は保留しときます。

'08/05/12
>米国の畜牛中央市場とでもいうべき、シカゴ

あーしが「アメリカメシ激マズ教」に帰依したのが紐育。一応現地では名のある店とのことで入ったのだが..。
以来、あちらの肉塊には手を着ける気がしなくなりました。

ところが同行者がシカゴでステーキを喰い改めて云うには「同じ牛云うても紐育とシカゴではまるでちゃうな」。
この男、ボストンでもロブスタを喰いに行って満足げやった。

あーしもシカゴで喰い改めてれば今頃は「アメリカメシ条件次第では不味くない教」だったかもしれません。

'08/05/12
ま、ほら、わたくしデストラーデ、だから。

基本的にケダモノ好き、ゆえ、割り引いて聞いてくださいまし。

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