京金(そば、うどん、鍋(その他)/森下)

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バーボン、オールド・クロゥを! 
なぢらね (40代前半・男性・新潟)
標準点 2.5
口コミ 164 / 2,286 写真 0 / 0 読者 78 訪問者数 57,796


京金
京金 (28)
(そば、うどん、鍋(その他) / 森下)

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深川でお取引先にご不幸があり、通夜に参列。

焼香を済ませ、斎場を出、黒いネクタイをふだんのものに戻し、ひさしぶり(いやはや十年ぶりくらいじゃないか! )足を踏み入れた、この街の中をウロチョロして愉しみ、同時に一杯やっつける場所を検討する。

まずは「サクラでひや酒(ここでは室温の事)」と、「みの家」に向かってみる。と、「夏休み中」との事…あぁ、田舎暮らしが長くなったため、東京では新暦で盆をするのを忘れていた。

ならば、「ヤキトンでショーチュー! 」と、ならびの「山利喜」へ行くと、七時前だというのに満員御礼。どころか、店先に行列が出来ている。しかもその中に若い女性の二人連れだの、逢引きと思しいアンチャン、ジョーチャンなども混ざっている。 

一杯呑み屋で行列なんてぞっとしないし、第一これでは、当店が従来、持ち合わせていた「清く正しい労働者ショクンの水呑場」という雰囲気が、保存されているとは、思えない。

足早に店先を通り過ぎ、ふと思いついて交差点を曲がり、当店を目指す。

実はわたくし、当店の名声は、かつてより耳にしていたが、訪問は初めて。(わはは、ウナギ文だ)

当地で百年以上あきないをしている、という当店、どうやらここ数年の間に建て替えされたのか、ビルの一階に、いわゆる「ゲタバキ」のかたちで設えられている。

入り口(自動ドアである! )を開き、なかに入ると、テーブルが数卓と、奥に小上がりの席がいくつか。テーブル席にそのまま上がろうとすると、足元に床と判別しにくい「たたき」があって、その先にプラスチッキーなスリッパが並んでいる。どうやら、ここで履き替えよ、という事らしい。

床はフローリング、というより、「板の間」といった風情だし、壁は白いシックイの塗りっぱなし、みたいな感じ。天井から室内を照らすのは、間接照明…と、総じて一昔前にはやった「おいしい珈琲をどうぞ」的な普請ながら、室内の中途半端な明るさ(と、くだんのスリッパの存在)のため、なんとなく、地元の小児医かなにかに、迷い込んだような気になる。

品書きを見ると、お菜および蕎麦と、飲み物のそれは別々になっている。

まず「飲み物」のほうを検討すべく眺めてみると「飛露喜」「黒龍」「醸し人九平次」「十四代本丸(入手困難につきおひとり一本、だと! )」…ふぅん、そういうお店ね、という風。

酒肴のほうは「そばなえ」「焼き味噌」「かまぼこ」といったいわゆる「お蕎麦屋さんらしいもの」から、「野菜てんぷら(精進揚げ、だろ! )」「たこの塩辛」といった、「あんまりらしくないもの」まで、いろいろ。全般にチョッと、勘定高め…かなぁ。

「高級酒?と、料理屋まがいのお菜」の取り合わせは、わたくしの好む「ダラシない蕎麦屋酒」の形態ではないが、一度席に就いてしまって、逃げ出すわけにはいかない。「九平次」を一本(徹っちゃん氏のレビューの頃から徳利が変わったのか、正一合は、入ってないと思う)、「そばなえのおひたし」をつまみながらちびちびやる…と、「おひたし」の酢加減が、なかなかバカにならず、酒がするすると喉を通る。

「へぇ! 」となかば、感心しつつ、今度は「ごまだれそば」 これはウマい! 「ごまだれ」は粘度低め、というか、バシャバシャしているが、練りゴマの香りはいいし、これを割っているつゆも、舌への「当たり」は強めだが、やさしく、しつこさ、媚を感じさせない。

お蕎麦じたいも、硬めでチャンと香りがあることは勿論だが、それよりも、「昔のお蕎麦屋さんの作法」どおりに盛ってあるから、中央からそっと箸でつまむと、ちょうど一口ぶんが取れ、「こんがらがる」ことがない点が、お値打ち。

つまり

「蕎麦をつまんではつゆにつけ、さっとすすりこむ」

という、一連の動作を邪魔しない盛り付け(盛り込み、かなぁ)が、「蕎麦を喰う」という行為を、「食事」だけではなく、「趣味」「あそび」の方面に、昇華している感じがして、実に愉快なのだ。

あっという間に「ひとり前」を平らげ、別に用意された猪口に「ごまだれ」を少し移し、湯桶を使うと、ゴマのコクと蕎麦湯のコッテリしたところに、つゆの旨味が「ふんわり」と浮かび上がって、なんだか中国料理あたりの、上等なスープを頂いたような、よい気持ちになる。(蕎麦湯を)二杯おかわりをすると、ハラのほうも、思いのほか充実する。

酒一本、そばなえひとつに、ごまだれそば一枚で2,500円でおつり。お店の「たたずまい」だとか「品揃え」という点で、好きか嫌いかと問われてしまうと、ちょっと困るが、この「ごまだれそば」を食べるだけで、結構当店、価値があるかもしれない。オススメ。

おすすめ!!

ごまだれそば

店名 京金きょうきん
最寄駅 森下
ジャンル そば、うどん、鍋(その他)
住所 東京都江東区森下2-18-2 (地図を見る
TEL 03-3632-8995
営業時間 [月~金] 11:30~20:30 [土] 11:30~19:30
夜の口コミ
'06/08/03 ('06/08訪問)
  • 評価:4.0
  • 評価:2.5
  • 評価:2.0
  • ¥2,000 ~¥2,999
  •  

コメント(4件)

'06/09/07
>一杯呑み屋で行列なんてぞっとしないし

「Pen」とか「ブルータス」などの影響で、ここに限らず蕎麦屋など「渋い店で一杯」なんて若い子達が真似るようになったお陰で店の雰囲気も随分と変りましたね。居酒屋で並ぶなんて呆れます。常連(偏重も好きじゃないが・・・)が入れない状況に至ってはいかがなものかと・・・。

今流行りの「立飲み」なんてのも嫌ですよ、そうでなくても疲れたから一杯やりに来たのにさ、って(笑)

>中央からそっと箸でつまむと、ちょうど一口ぶんが取れ、「こんがらがる」ことがない点が

そうです、こういうのを親が教えるのを「教育」といいいます(笑)
ついでに箸の持ち方も叩き込め!と言いたい。でも親が駄目だとしょうがないか・・・。
老舗や専門点に限らず、普通の蕎麦屋でもそのように中央からつまめばちゃんと食えるはずなんですが・・・。

しかし・・・ご指摘のように「この手の蕎麦屋」のツマミは高すぎます。

あと「銘柄酒」もいいんですが、要はその店の料理に合っているかどうか?
マニアックな居酒屋でもないのに、やたら酒の種類を置く店は好きではありませんね。

'06/09/07
figeacさま コメント有難うございます

>若い子達が真似るようになったお陰

「若い子」だけぢゃなくって、ガイドブック片手の無垢?な「オトウサン勢」も、近頃この手のお店では、多く見かけるようになった気がします。このひとたちの特徴は、今現在利用しているお店ではなく、「以前行った同業他店舗での経験値?」を話題にし、じまんしているところ。(お寿司屋さんのお客にもおおいネ、こういう人)

「おつまみ」と「オサケ」の品揃えや凝り具合、お値段については、「徹底」すれば良い悪い、好き嫌いを別にすればひとつの「芸」になるとおもいますが、中途半端(んー当地風に「途中はんぱ」と書きたくなっちゃう)だと、「んだよ! 気取りやがって! 」となってしまう。

当店の場合、その中間くらい、かしらん?(笑

'07/04/07
ん?「ゲタバキ』・・・
周旋屋用語ですな。

'07/04/08
>Uboboさま

あらま、こんな古いレビューにお目通し賜り、感謝感激。

>周旋屋用語

あ、そうなんですか? わたくし「一般名詞」かとばかり…少し言葉を、雑に選んじゃったかしらン? より正確に「相続税、或いは/及び固定資産税負担を賃貸料で一部補填するための…」って、却って分かりにくいか?

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