7070JAZZさんのマイ★ベストレストラン 2017

イリオモテヤマネコ・シーラカンスの神秘性に想いを馳せながら、楽しい食事と美味しいワインを・・・♡

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7070JAZZ (京都府) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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今年のキーワードは『東北』。
マイ・ベストレストランに選んだのは、秋田から「日本料理たかむら」、「酒盃」、「秋田天ぷらみかわ」の3店舗、福島からは「小判寿司」、「粋・丸新」の2店舗、山形からは「新政酒蔵」。東北から半数以上の6店舗。今年はおそらく30都道府県に伺いましたが、魅入られるように立ち止ったのは東北地方だったように思います。マイ・ベストレストランをみると、如何に東北地方のお店が魅力的であったかがよく解ります。東日本大震災を乗り越えようとして懸命に切磋琢磨されたお話を伺うたびに、逆にこちらの方が勇気づけられたことを思い出します。それに熊本大地震で被害にあった「五郎八(いろは)」も同じように地震の被害にあいながらもすぐに再開されたことも聞きました。
単なる料理の美味しさだけではなく、料理人の方の思いや行動をお聞きするたびに、嬉しくもあり喜べる時間を共有できたことが有り難く、感謝しかありません。日本の清く他人を思いやる文化を誇りに思うと同時に、日本の料理の奥深さや本当の旨さを感じ入る年になりました。

マイ★ベストレストラン

1位

日本料理 たかむら (秋田、泉外旭川 / 日本料理)

5回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2022/10訪問 2022/11/26

【再訪】秋田、江戸料理のエンターテイメント『日本料理界の"兄貴"にはいつも驚かされる・・・♫』

秋田料理界の頂点に君臨する『日本料理たかむら』さん
秋田だけではなく、日本料理界の重鎮ですね

今夜は、秋田の食べ友様主催の食事会
全国の名だたる料理人から"兄貴"と慕われる高村さん
もはや何も説明する必要はないので、本日はお料理のみ

いつも食べ歩きばかりで、僅かながらの罪滅ぼしと
昨年は奥さまと一緒に伺って以来の訪問

低温で長期熟成された「ガージェリーエステラ」で乾杯

❶八寸
 特製玉子焼き カマスの風干し 石川小芋
 浅利と春菊の胡麻寄せ 車海老つや煮
 銀杏 生落花生 ばちこ
❷鱈の白子(秋田産)甘酢餡
❸イクラの醤油漬け丼(小)
❹沢煮椀
❺かんずり和え
 本鮪(八森)活蛸(秋田)鰤(噴火湾)
❻比内地鶏(秋田)首皮包み焼き
❼鰆(秋田産)蕪蒸し 百合根の餡
❽焼き茄子 汲み上げ湯葉 菊のお浸し
 黒皮南瓜の旨煮
❾毛蟹(秋田産)のクリームコロッケ
 海老芋唐揚げ 特製タルタルソース
➓すっぽん雑炊 香のもの
⓫特製モンブランと柿

誰にでも分け隔てなく接する"兄貴"の高村さん
和装の似合う笑顔からも凛とした雰囲気漂う女将さん
"あらっ"といつも笑顔で接して頂く女性スタッフさん
生真面目に料理を出して頂く男性スタッフさん

料理だけではない"日本料理 たかむら"のホスピタリティ
心豊かにして頂ける魅力的な数少ない超一流店

毎度、期待に違わぬお料理の数々には感心するばかり
ごちそうさまでした
今日は楽しみな秋田の夜。♫
お昼は大館で、きりたんぽ鍋を頂き、それから秋田には鈍行でのんびりと電車の旅。♫

冬の寒さを覚悟していたが、なんとも暖かい日差しに拍子抜け。だが、ポカポカした気候に長閑な田園風景は東北の厳しさを和らげてくれる。(雪景色の東北も魅力的なのだが・・・。)

ああ〜、懐かしの秋田駅。*\(^o^)/*
一昨年までは仕事で頻繁に伺っていた場所。食材の豊富さは言わずもがなだが、驚くべきは美味い料理屋さんがたくさんある処。

その秋田の頂点に立つのが『日本料理たかむら』さん。だが、その他にもお鮨屋、フレンチ、天麩羅屋、居酒屋など、其々のジャンルでも一目置かれるお店ばかり。

それに飛び込みで伺った割烹や小料理屋さんが、何気に驚くほど美味いお店だったりするんです。それからは、秋田の虜になった次第。

ちょっと遅めの時間帯にお願いしていたので、カウンター席は私たちを除いて満席。ご主人と奥様にご挨拶して席に。ご夫婦ともに相変わらず優しい笑顔でおもてなし。

まずは、低温で長期熟成された限定生ビール「ガージェリーエステラ」と、お薦めの「しらら」という炭酸水で乾杯。

「しらら」は白樺の味わいらしく驚くほどすっきりしている。たかむらさんの料理にあうように特別に作ったらしい。奥さまがお気に召したので重いお土産に。(^_^;)

・八寸
〜本モロコの山椒煮、銀杏、玉、きぬかつぎ、ゴマ寄せ。どれも大事に頂きたくなるほど、見た目も綺麗で繊細な味わい。

・蕎麦粥
〜牛タンで出汁をとった珍しい蕎麦粥。意外な組み合わせ。

ここでハイボールをお願いすると、ご主人から「とにかく飲んで欲しい珍しいウィスキーがありますが。」と、出てきたのは、『SUNTORY角』の原酒だった。・・・これがまた美味い。

・蕪餅
〜和食では蕪は出汁と分けるが、それでは一般的な料理になるので、出汁も使って蕪餅として全ての旨味を凝縮して閉じ込めたもの。ベステルキャビアをのせて上品に。これは絶品です。(^_−)−☆

・沢煮椀
〜10種類の山菜とキノコを昆布出しに濃くを出す為に豚の背油を入れて仕上げる。すっごく健康的な逸品。

・お造り
〜秋田産のアオリイカ、クエ、ホタテに水前寺海苔を添えて。やはり地物ですから鮮度抜群。

・比内地鶏の肉詰め
〜首皮に内臓以外の全ての部位を細かく叩いて詰めた肉の塊りを備長炭でじっくり焼き上げる。目の前の七輪で焼き目を入れて仕上げます。

・熊肉のシチュー(マッシュポテト添え)
〜予約の際に熊肉料理をお願いしていたので、てっきり熊鍋か熊肉煮込と思っていたが、現れたのは八丁味噌でちょっと甘めに仕上げた熊肉のシチュー。(*_*)

ご主人からは赤身の多い熊肉を見せて頂くが、やっぱりジビエでは熊肉が一番美味いので、調理法を間違えなければ、必ず美味く仕上がると豪語。

それにしても、熊肉を"洋食"に仕上げるとは、想定外の料理法に驚きを隠せない。いつもながら和食という枠に捉われない発想が凄い。m(__)m

・太刀魚の天麩羅
〜秋田産の太い太刀魚の天麩羅をタルタルソースで、それに海老芋はトリュフ塩で頂きます。

・白和え
〜ご主人曰く、白和えは材料に工夫が必要。味わいと食感にアクセントをつけるため、ベニアカネ、干しシイタケ、海老など画一的にならないよう配慮されている。

・イクラご飯
〜朝どれのイクラを、ササニシキとコシヒカリをブレンドした炊きたてご飯にのせて、モズクのお吸い物ないぶりがっこでシンプルに頂きます。

またまたご主人の交友関係の話にはなると、益々広がっているようで、イチリンハナレの◯◯さんの名前まで。どうも、色々な分野の料理人からは「兄貴」と呼ばれているらしい。

・たかむら麺
〜今や、大人気のたかむら麺。東京のイタリアン『TACUBO』さんでもパスタとして使われている。

・栗のモンブラン
〜イチジクのコンポートが隠された栗のモンブラン。めっちゃ美味い。

秋田のカリスマ料理人、高村さん。
毎回、新たな試みにトライされ何が出てくるのか楽しみ。定期的に訪問させて頂きたいお店です。(^_−)−☆

ごちそうさまでした。
3月になりちょっと寒さも峠を越したような秋田の夜。またまた『日本料理たかむら』さんに伺います。予約がとりにくいお店に変わりはありませんが、いつもタイミングがいいと言うか、有難いことに相性が良いのかもしれません。

いつもよりちょっと早い時間に伺うと、カウンターはまだ空きがあるが予約席ではあるようだ。今回からと言うか3月から値段設定が変わったらしい。お任せは、今までは8,000円と10,000円だったが、それに13,000円が新たに設定されたもの。

今まではオーダーだった熊肉やすっぽん料理等の良い材料を使う最上位クラスを常設的に設定されたとのこと。さっそく、新たなクラスでお願いすることに・・・。

【八寸】
~茶ぶりナマコは番茶で湯がいているので生臭さがなく、柔らかい絶妙な歯ごたえに旨味が染み渡る。天然子持ち昆布は噛むと味わいあるぷつぷつ感がいいね。ホタルイカの昆布締めにちょっと焼き目を入れている。アサリの出汁に山菜を入れて煮こごり玉子焼き風に。玉子焼きは正調江戸前の逸品。なぜかもろきゅう。

【比内地鶏の碗物】
~比内地鶏、すっぽんのワンタン、筍を加えた1品。それに野菜を添えたもの。とにかく上品な出汁と比内地鶏の濃くがなかなか強烈な美味しさで、すっぽんのワンタンも個性豊か。

それに、またまた素晴らしい御碗を使っている。目の前におかれた黒地に鮮やかな金色の漆を塗り重ねた立体感、色合いの奥深さが素晴らしい。器も料理の美味しさを表現してくれますね。

高村さんは、東京目白にあった江戸料理の名店である「太古八」で修行され、東日本大震災を機に「太古八」仕様のお店を建てて今に至るという由緒正しい江戸料理を継承する第一人者。それも秋田で・・・。

【毛蟹の巻き寿司】
~毛蟹の身がたっぷり入った巻き寿司。海苔巻きが強すぎて毛蟹の味わいがちょっと薄れているかな。

【金目鯛の焼き物】
~金目鯛は身が柔らかいので少し干してから、焼いている。干すことによって皮目もパリッと食感も素晴らしい。身を半分頂き残った皮だけでもパリッとして形も崩れないくらい。(写真をご参照)それに食用のほおづきと山ももを添えて。

【鮟肝の旨煮】
~ちょっと辛しを添えて頂くが、やはり味付けは旨煮になっているんですよね。ちょっと甘めで旨いな~。鮟肝の濃さに煮付け具合が絶妙です。

【お刺身】
~アイナメ、白海老、さくら鱒(本鱒)。アイナメの歯応えとじわっと広がる上品な甘みには塩が合いますね。白海老とさくら鱒のルイベも塩にすると混じりけのないそのまま素材の旨さ。

【すっぽん椀物】
~すっぽんの身がたっぷり、定番の蕪はそのまま使うのではなく、蕪を裏ごしして〇〇(ど忘れです)を加えて揚げた蕪餅に仕上げてあり、もちもちでトロトロの食感。すっぽんは卵があるのでメスを使うとのこと。ちなみに、見分けかたは尻尾が短い方がメス。蕪の使い方等、色々な工夫が素晴らしいですね。

高村さんも少し料理が落ちついたところで、今夜の話題は江戸料理とは?。「具体的にこれというものはありませんが江戸料理の哲学(概念)は明確ですね。『華美でなく、派手でなく、美しく。』この哲学(概念)が全てですから、本当に理解していないとここまでこれなかったと思います。」と目がキラリ。ちなみに、京料理はお公家さんの文化、江戸料理は武士の文化から・・・。

ところで江戸前は東京湾で採れた魚介を使った料理のことであり、江戸料理とは異なるとのこと。江戸料理や京料理はベースになる哲学(概念)なんですね・・・。

秋田に戻った当初は苦労したが、県外からもお客様がきてくれるようになって、ようやくやりたいことができるようになった。だから、伝統的な江戸料理の哲学を守りながら新しいことに挑戦できるようになりお客様には感謝してますとのことでした。

【お摘み】
~下関の天然河豚の白子が口の中で蕩けてしまう。庶民にはもったいないのでじっくりと時間をかけて味わうほど。それに白魚の海苔巻きだが、複雑な具の旨みが交じり合っている。

黒川カボチャ、アメーラトマト、きゅうりは、どれも新鮮で綺麗。ちょこんとのってる黄色い卵はすっぽんの漬け。色彩のバランスが取れて奇麗。

【甘鯛の松かさ揚げ】
~秋田産の甘鯛の松かさ揚げに春トリュフの塩で頂きます。パリパリの鱗はまたいいね。揚げ方のコツを教えて頂いたが、実際に調理することはないし・・・。

【虎ふぐの雑炊】
~虎ふぐ出汁の雑炊は上品で旨いのだが、ちょっと関西人には薄味かな。

【デザート】
~豆腐のティラミス風に抹茶かけ。これまた高村さん独自のアイデア料理。一番下の敷物にはパン生地にコーヒーを染み込ませて豆腐が洋菓子のティラミスに変貌している。これは豪華列車のトランスイート『四季島』にてだされていたもの。

他のお客様で料理に詳しい方もおられて勉強になりました。それにしても、高村さんの人脈というか、料理界のポジションは凄いですね。特に国内外を問わず超一流の料理人と頻繁にコラボされて、殻に籠らず新しい料理に挑戦を続けている姿勢が素晴らしいと思います。

いつもながら、ワクワクした楽しい料理界の話に美味しい料理の数々で大満足な夜となりました。

毎度のことながら、秋田はいいな~。
ごちそうさまでした。
またまた、東北に大寒波が訪れたタイミングでの秋田訪問。今夜は「日本料理たかむら」さんのゴールド獲得の御祝いに訪れたようなものです。秋田らしく寒さ(ー3℃)が身に染みるなか、雪に包まれたお店に到着。雪景色がなんとも幻想的でいつもながら期待感から気分が高揚してくる。

『こんばんは。ゴールド獲得、おめでとうございます。(*^^*)』

カウンター席に通されるなり、ご主人の高村さんに御祝いのご挨拶。高村さんも奥さまもニコニコ顔で『本当に嬉しいですね。東北では初めてなんですよ。』ほ~、それは初耳でした。

こういうことには斜に構える料理人がいるなか、地元の常連客でもない、京都の一高村ファンの言葉にも素直に喜ばれていることが懐の深さを感じて何か嬉しい。

今年のThe Tabelog Awardには共通の知人(Wさん)が招待されていたので、事前に日程を聞いていたもの。その後に、結果を知ってさすがに驚きましたね。ブロンズからいきなりゴールドですから。ちなみに、Wさんもブロンズを獲得されて嬉しい限り。

だが、高村さんはお客様の予約で欠席されたらしくご本人は残念だったと思います。ですから、奥様は『来年はお店を休んででも出席しますよ。』とキッパリ。

受賞式典の様子を携帯のビデオで見せて頂きましたが、こういう豪華な晴れの舞台に大都市以外の地方代表として登壇して頂きたいものですね。きっと、地方の料理人の方の励みになることでしょう。

カウンター席は今日も満席。前回と同じくカウンターの最後のお客になっていたようです。すぐにガージェリーエステラという低温で長期熟成された限定生ビールを注文。やはり美味しい。

【八寸】
~茶ぶりナマコは番茶で湯がいているので生臭さがなく、柔らかい絶妙な歯ごたえに旨味が染み渡る。天然子持ち昆布は噛むと味わいあるぷつぷつ感がいいね。本シシャモは北海道鵡川産で身が厚く食べごたえあり。玉子焼きは正調江戸前の逸品。

【すっぽんの茶碗蒸し】
~すっぽんの出汁が効いた茶碗蒸しに春トリュフをのせた豪華な逸品。この春トリュフの香りが口の中に広がる幸せ感が半端ない。底には柔らかく煮たすっぽんのコラーゲンたっぷりの肉が隠されている。探しだす楽しみもありかな。

【毛蟹の巻き寿司】
~毛蟹の身がたっぷり入った巻き寿司。鮨職人さながらの料理を出してたら鮨屋さん(Wさん)から文句言われますよ。

【ヤガラの碗物】
~3kgもあるヤガラの椀物。ヤガラは頭でっかちで長いのでこれくらいの大物になると、2m?くらいあるらしい。それにむくもち大根などの野菜を添えたもの。とにかく繊細で上品な出汁とヤガラの身が太くて旨い。

それに、この御碗が素晴らしい。目の前におかれた御碗の深緑の鮮やかさと漆を塗り重ねた立体感、色合いの奥深さに目を奪われる。ある京都の料亭から骨董品として売りに出されたもので、まとめて購入されたらしい。綺麗です。

高村さんは、東京目白にあった江戸料理の名店である「太古八」で修行され、東日本大震災を機に「太古八」仕様のお店を建てて今に至るという由緒正しい江戸料理を継承する第一人者。それも秋田で・・・。それに器にも拘りが・・・。

宿泊して連日来られるお客様に毎日料理を変えるのは、料理人としては当たり前のことと仰る。特に、2日目の方に八寸は出さないらしい。料理のレパートリーと対応力が凄すぎ。

【お刺身】
~ルイベ(鮭)、ヒラメ、赤貝(閖上産)。
ルイベとヒラメは混じりけのないそのまま旨さ。赤貝は叩いて開かせるが、高村さんは丸くなるように叩くので、内に空気が溜まり赤貝の香りが増すとのこと。なんと繊細なところにまでの気配り。

【焼き物】
~黒むつの塩焼きに椎茸の南蛮漬けと山もも。黒むつは身が厚く脂がのって旨い。それより椎茸の南蛮漬け。唐辛子やネギと合わせた酢に漬けた料理だが好きな味付け。

【百合根饅頭】
~百合根に海老と松の実を加えて蒸した饅頭。これは絶品でした。とにかく百合根を裏ごしして素材が蕩けるようで、百合根がこんなに美味しいとは初めて知りました。舌触りも良くほどよい甘みと上品な餡が蕩けるような本日最高の逸品。

【お摘み】
~下関の天然河豚の白子が口の中で蕩けてしまう。庶民にはもったいないのでじっくりと時間をかけて味わうほど。それに鰯の海苔巻きだが、複雑な具の旨みが交じり合っている。黒川カボチャ、アメーラトマト、きゅうりは、どれも新鮮で綺麗。

【蝦夷馬糞雲丹の天婦羅(昆布巻き)】
~巻いた昆布に蝦夷馬糞雲丹をたっぷり入れて天婦羅に・・・。火入れが難しいでしょうね。天婦羅専門店でも難しそうな感じ。トロトロで熱々で旨すぎる。

【たかむらの担々麺】
~これが有名な高村の蕎麦担々麺であり、立派な日本料理になっている。何にでも挑戦するんですね。飽くなき好奇心と挑戦する心意気が素晴らしい。

【デザート】
~豆腐のティラミス風に抹茶かけ。これまた高村さん独自のアイデア料理。一番下の敷物にはパン生地にコーヒーを染み込ませて豆腐が洋菓子のティラミスに変貌している。これは豪華列車のトランスイート『四季島』にてだされていたもの。

他のお客様が帰られたあとに、片づけをされている高村さんと暫し楽しい会話に・・・。秋田は素材も素晴らしいが、各ジャンルにおいて高村さんのようにレベルが高く美味しいお店が多いとの話になる。だが、営業日が重なるのであまり交流はなさそう。

かえってWさんのように県外の料理人との交流が多いらしい。最近は海外もとのこと・・・。交流のある方(料理人)のお名前を聞いただけでただ驚くのみ。フェンシングのOさんまででてくるとは・・・。

今夜は百合根饅頭が絶品でした。すると、高村さん、『前回は月の輪熊の肉系の料理でしたが、今日は魚と野菜中心だったので、丁度良かったでしょう。』げげっ・・・、前回の料理まで覚えておられ、ご配慮頂いていたとは。

またまた奥深く美味しい江戸料理と高村さん夫婦との楽しい会話で充実した秋田の夜となった次第。人を惹きつける高村さんの人間力と控えめな奥さまの人柄が魅力的なお店です。

あ~、また伺いたくなったなあ。
ごちそうさまでした。
"ようやく"という表現が本当にしっくりくるな~。なかなかタイミングが合わずに、延び延びになっていた「日本料理たかむら」さんに伺う機会がようやく訪れた。嬉しい限り。

今年からJR東日本の豪華寝台列車「トランスイート四季島」の車内料理を提供することになり、かなり営業日も制限されていたこともあるが、それにしても超人気店ですから3ヶ月前の予約でようやく実現の運びとなった次第。

秋田らしく新雪が降りしきるなか、雪に包まれたお店に到着。雪景色がなんとも幻想的でいやがおうえにも期待感から気分が高揚してくる。

綺麗な玄関からお店に入ると、カウンターの最後のお客になっていたようだ。カウンター席に座ると御主人やスタッフの方が何気なく声をかけて頂けるので、すんなりとお店の雰囲気に溶け込んでいく。

注文はお任せ(10000円)をお願いしていたので、考えることなく先ずはガージェリーエステラという限定生ビールを注文。肉厚の薄いガラスコップの口当たりがいい。

【秋田産鱈白子の甘酢餡掛け】
~御主人曰く、「とにかく白子は鮮度が命なので、地元男鹿半島産に拘っている」とのこと。秋田で食べるには北海道産でも駄目らしい。ちょっと中華風の蕩ける白子は大好物。

ちなみに秋田では鱈の白子をだだみと呼ぶが、だだは男性という意味で、そこから白子をだだみと呼ぶらしい。また山形のだだ茶豆も本来旨い豆は、なぜか男性が食べるべきという古い考えから由来するものらしい。

【前菜】
~天然子持ち昆布は、お正月にしか頂かない料理なので旨さの基準がよくわからないがおめでたい雰囲気。本シシャモは北海道鵡川産で身が厚く食べごたえあり。焼き銀杏は一大生産地である愛知県曽於産であり大きくて粒揃い。宮崎産のきぬかつぎにカラスミをのせた一品はいい感じ。ばい貝は北海道産でいいお摘まみ。

玉子焼きは「正調江戸前です。」とのこと。そこから玉の旨さの話になるが、御主人としては今まで食べたなかでは銀座「鮨さいとう」の玉が絶品だったとのこと。トロトロとした旨さは別格であり最高らしい。でも、やはり鮨はちょっと値段が高いですよねとの話に・・・。

【すっぽんの茶碗蒸し】
~すっぽんの出汁が効いた茶碗蒸しに、やわらかく炊いた蕎麦の実をのせており、この蕎麦の実の香りが何とも言えないひなびた趣があって初めての食感。さらに五色あられの彩りがいい感じ。

次はさっぱりしたお酒をお願いする。頂いたのは「刈穂(シルキースノー)」秋田酒造。

【沢煮碗】
~セリ等の山菜にきのこ10種類以上を昆布出汁でまとめた碗物。ご主人が仰るとおり其々に個性が強いので昆布出汁で調和をとるというイメージらしいが、食べてみるとやはりかなり主張しあっているようだ。

カウンター席は地元の名士らしき2つのグループで其々に会話しているので、御主人はこちらから質問すると懇切丁寧に教えて頂き、奥様からも色々と話しかけて頂いて楽しい食事となる。それに男性スタッフ、女性スタッフも皆さん明るくハキハキとしてすごく感じがいいですね。御主人と奥様の人柄でしょうか。

御主人である高村さんは、東京の料理学校を卒業して目白にあった江戸料理の名店である「太古八」で修行されたらしく、奥さんもまた同じ料理学校出身。その後、秋田でお店を出していたが「太古八」の師匠から跡を継いで欲しいと・・・。ところが前後して師匠が亡くなり、意を決して跡を継ぐことに・・・。しかしすでに秋田で出店していたためそのまま秋田に残り、東日本大震災を機に「太古八」仕様のお店を建てて今に至るという江戸料理の由緒正しい歴史を語って頂いた。

てっきり京料理であり京都の料亭で修行されたと思っていたが、思いもよらない経歴の持ち主と聞いて驚いた。勉強不足で申し訳ありません。ですから、高村さんは伝統的な江戸料理を継承する第一人者ということなんです。それも秋田で・・・。

【お刺身】
・氷見の寒ブリ
~寒ブリの脂が醤油を弾くので大根おろしに醤油を吸わせて目ネギを巻くという工夫された1品。奥様からご指南頂く。
・佐渡の鯖
~軽く締めて炙り、胡麻油を薄く塗ってカラシで頂く。これは山葵がなかった江戸時代では辛しを使っていたことから。江戸料理らしいな。ちゃんと理由があるんですね。
・ヤリイカ(秋田)
~甘いヤリイカは、男鹿半島の塩と焼いた竹塩を軽くかけて頂くが更に甘味が増してくる。

料理を堪能しながら高村さんとお話していると、「ちょっと値は張りますが月の輪熊の肉を仕入れているので、如何ですか。」との嬉しいお誘いの言葉。実はお隣のグループは月の輪熊を目当てに来ているらしい。是非とお願いすることに・・・ラッキー。

ちなみに熊を狩猟できるのは冬眠する前まで。冬眠中は狩猟禁止。春先は冬眠明けの餌をたくさん食べた時期が旨いらしい。月の輪熊の肉をみせて頂いたが、脂身より赤身が多いのは珍しく今年最後の熊とのこと。グルメ芸人の○○も熊を食べたいので、この時期に予約してくるらしい。ちなみに4万円/kgの高級品。

【月の輪熊の煮物】
熊肉となると、かなり強烈な臭いや固さがあるのかと思っていたが、まったくもって旨い肉である。ゴボウとセリを炊き合わせた赤身は柔らかく煮物としても絶品。山椒を添えて。脂身もくどくなく意外にあっさりとした旨味が秀逸である。高村さんも今までジビエでは猪肉が一番美味しいと思っていたが、熊肉を食べてからは考え方が変わったらしい。でも脂身が旨いというが、やはり赤身あっての脂身ですから肉質のバランスが大事とのこと。

次のお酒は「影鳥海山」秋田県由利本荘市天寿酒造。何かやわらかな旨味と穏やかな香りが心地いい感じ。

【焼き物】
~大きな鰆の焼き物。秋田の鰆はお薦めとのことだが、広島の鰆も旨いですよ。

【お摘み】
・蛸の柔か煮~周りの皮の部分は柔らかいが、丸い筋肉部はしっかりした歯応えがある。
・鯵の磯辺巻きジュレのせ~これは見た目もお洒落な磯辺巻きだが鯵の風味は抑え気味。ジュレが綺麗。
・大黒たけ、黒川カボチャ
・食用菊~食用菊の秋田での呼び名は「もってのほか」。もともと天皇家は菊の御紋ですから、昔は菊を食べるとはもってのほかであるという意味からきたものらしい。なるほどと妙に納得してしまう。

【海老芋のトリュフ塩かけ】
~日本料理らしい蒸した海老芋にたっぷりのトリュフをかける味わい深い逸品。トリュフたっぷりで旨いでしょうと自信満々の逸品。

【お食事】
~白御飯に牡蠣の生姜しぐれ煮が絶妙。更にカラスミをたっぷりかけて頂く。〆の食事としては贅沢な御飯物。たっぷりとろろの入った汁が濃くて旨い。

また、デパートやネットで「たかむら」の贈答品を扱っているとのこと。え~そうなんだ。ということは、自宅でも頂けるんですね。するとその話に関連して、最近の地方で名を馳せたお店がすぐに東京に行ってしまうという話になる。高村さんとしては残念らしく、地方にいるから価値があるのにな~と呟く。そんなこともあり、地方からでも情報発信できると考えられたのでしょう。

【生麩のぜんざい】
~デザートには生麩と白餡のぜんざい。ぜんざいに白餡は珍しいが、とにかく甘さが絶妙に丁度良くこれは旨い。それに五色あられが綺麗。

奥深く美味しい江戸料理と秋田のお酒に高村さんとの楽しい会話で充実した秋田の夜となった。帰りにはご丁寧に玄関まで御夫婦でお見送りして頂く。お二人とも写真を撮影しようとすると、ピースサインというお茶目なお見送り。(^_^)v
 
ちなみにお店は会員制ですが、これは予約した方が連絡なしでドタキャンすることが多くなったので、やむ得ず常連さんか常連さんからの紹介の方の会員制されたとのこと。

「日本料理たかむら」に伺いたい方は日本全国にたくさんいます。どちらのお店でも、心ない方のために伺う機会を逸しているお客様がいることを理解して頂きたいものです。

秋田の「日本料理たかむら」。
人を惹き付ける江戸料理と高村さん御夫婦の人柄が魅力的なお店。

ごちそうさまでした。

  • ❶八寸
           特製玉子焼き カマスの風干し 石川小芋
           浅利と春菊の胡麻寄せ 車海老つや煮
           銀杏 生落花生 ばちこ
  • 全国の名だたる料理人から"兄貴"と頼られる高村さん
          誰にでも分け隔てなく接するホスピタリティが素晴らしい♡
  • ❷鱈の白子(秋田産)甘酢餡

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2位

小判寿司 (中豊、磐城棚倉 / 寿司)

8回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.9
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥20,000~¥29,999

2020/08訪問 2020/09/07

【再訪】磐城棚倉、鄙びた山奥に潜む東北の雄『心安らぎ楽しい鮨を・・・。』

久しぶりに磐城棚倉駅に降り立つ。
東北で今までお世話になった馴染みのお店を改めて再訪しようと巡る旅の第2弾。昨年来こういう状況になったので10ヶ月ぶりに再開。

前回は秋田〜青森を3日間、今回は福島を2日間の旅。京都から郡山、磐城棚倉へ。磐城棚倉は東京からでも新幹線と鈍行を乗り継いで3時間という遠路 (^_^;)

これも、ご主人である和知さんの人柄とハイブリッドな握り鮨の実力に、福島の片田舎というギャップが惹きつけるもの。言うは易し、ちょっとしんどいが、ワクワク感が勝るのもまた事実 ♫

招き猫が迎えるお店は清潔感のある明るい設えであり、カウンターも広く安心感がある。待ち構えていたご主人と奥さまからは笑顔でお出迎え頂きます。

初めて伺った頃は、食べログのブロンズになる前かな。今や押しも押されぬ東北鮨屋の雄となり、嬉しい限り。夜の最後の客になるまでヘロヘロになり、帰りは奥さまの車で地元の鄙びた旅館にお送り頂いていた頃が懐かしい。

まずは、スパークリングワインをグラスで。ハーフボトルを開けて頂くが、結局飲み干すことに・・・(^_^;)
それからは、白ワインで。

【お摘み】
・だだちゃ豆
〜山形県鶴岡市の白山地区で生まれ、そこでしか栽培されない特産品。噛むほどに味わいが増し、丹波の黒豆と双璧かな。山形出張時にはよく頂いたもの。

・牡蠣オイル漬け(岩手廣田湾)
〜ゆっくり湯煎して火入れした岩牡蠣をオイル漬けに。ぷりぷりの身が嫋やかなイタリアン的な味わい。

・とうもろこしの茶碗蒸し
〜朝採れの地元産とうもろこし摺流しを茶碗蒸しにそっとのせたもの。今までも宮崎のゴールドラッシュや静岡の甘々娘を頂いたが、比べものにならないくらい甘くてジューシ〜。お代わり〜な気分♫

・お造り
〜ヒラメ(常磐)、鯖(静岡松輪)。おおっと、生鯖かと思ったが、「軽く締めてます」。だが、かなりの鮮度が色合いに表れている。ヒラメは肝醤油で。

・蒸し鮑(相馬)
〜5時間蒸しただけの鮑。自ら旨味を増してしまう鮑も凄いといつも思ってしまう。肝をご飯に混ぜ込んで一品にしたもの。これは残った肝でなくとも「充分、肝はありますよ。」

・鰹(気仙沼) 
〜気仙沼の鰹も焼津の鰹と双璧。最近、頂く機会が多いので、一度並べて食べ比べしたいのだが、誰か企画して頂けないでしょうか。

・カラスミ、鰹、クリームチーズ、
〜お酒のお摘みに最適なカラスミに、鰹とクリームチーズを加えて柔らかな味わいに。

・カマス塩焼き
~北三陸平尾町のカマスと蛸。スダチでさっぱりと。

【握り】
・石垣鯛~神経締めが良くわかる食感
・石影貝~見た目はトリ貝
・太刀魚~身がキュッと締った太刀
・本鮪大トロ~さっぱりした味わい
・本鮪漬け~丁度よい漬け具合
・新子~そろそろ最後の時期かな。浜名湖。
・鰯~根室の鰯はとろっとろ
・才巻海老~当たり前のような美味さ
・雲丹~天草産赤雲丹と函館産馬糞雲丹の食べ比べ
・新イカ~鹿児島産スミイカの子供
・穴子~対馬産穴子を塩と煮詰で食べ比べ
・玉~出汁巻きとふわふわのカステラ風
・鉄火巻き(追加)
・アサリの味噌汁
・果物~地元の桃とアイス

ネタは卸屋だけでなく直接漁師から仕入れている。取引先も全国区。シャリはコシヒカリを使い、水は宮城の酒蔵で汲み上げたもの。いつもながら、拘りが半端ない。更に高みを目指して頂きたいものです。

お客様はやはり全国から。本日はわたくし京都と東京や仙台から。地元の方がおられない。ご主人の和知さんは特に東北の料理屋さんとの繋がりが強く、秋田のT◯さんや仙台のK◯さん。お客様もよくご存じでそちらのお店の話や紹介の斡旋まで。

久しぶりに伺い、お元気そうでちょっと安心。
次回は京都でお待ちしています ♫

ごちそうさまでした。
久々に磐城棚倉駅に降り立つ。こじんまりしたお店が並ぶ商店街にも全く活気が見られない典型的な過疎化の町。

お昼『粋・丸新』で食べ過ぎたので、ちょっと時間を遅らせて頂き、お店の前に鎮座する招き猫に誘われるがまま小判寿司へ・・・。m(__)m

引き戸を開けると、なぜかここだけは異次元の世界。いつものようにご主人の和地さんが笑顔で待ち構える。

あれ?
今夜はカウンター席に先客は居らず、個室とテーブル席が賑わっている。いつもは遠方から訪れる客が多いが、珍しいことに皆さん地元の方々みたい。

いつものように生ビールから。すると間髪入れずお摘みが出てくる。

【お摘み】
・メカジキ(燻製)と銀杏
〜メカジキは寝かせて軽く燻製を効かせ薄くスライスされた生ハムのような味わい。確か前々回に頂いたかな。銀杏はアクセント。

・イクラ漬け(自家製)
〜ご自身で軽く漬けこんだイクラ。御飯が敷かれてスプーンで頂きますが、上品な薄味がお洒落で旨い。翌日の『粋・丸新』にも出されていたな~。

・ホシガレイ(気仙沼)刺身
〜4日寝かせたもの。かなりさっぱりしている。

・タラ白子の餡掛け
〜ぷりぷりの白子にクエで出汁をとった葛の餡掛け。これは上品で旨いですね。葛は何とも言えない郷愁を誘う味わいがあり好きだな~。

・鯖締め(天草)、バッテラ(金華鯖)
〜鯖の食べ比べ。魚の中では最高に旨い鯖。各地の生鯖を食べ歩くくらいなので嬉しい限り。軽く締めた天草の鯖はまだちょっと脂ののりが浅いが、このバッテラは脂ののりと酢加減が素晴らしい逸品。

・あん肝裏ごし、土佐酢ジュレ
〜これは酒飲みには堪らない絶品。あん肝を裏ごしして土佐酢のジュレで締めた味わいが絶妙に調和している。これは絶対に清酒だよねと言いながら御猪口でお酒を頂いた次第。素敵なお摘み。

・毛蟹(相馬産)茹で、味噌のせ
〜一般的な毛蟹料理だが、相馬の毛蟹とは驚き。でも、北海道より繊細で美味しかったのはご主人の腕かな。

・本つぶ貝(相馬産)
〜こちらは北海道産に軍配かな。

・牡蠣オイル漬け
〜出汁で味つけした後に軽く燻製。オイルはピーナッツオイルなんですって。そんなんあるんだみたいな。色んな工夫が素晴らしい。

・クエ刺身(天草)
〜海流の穏やかな内海でのんびり育ったクエの方が、ストレスがなく脂ものって旨いよね〜。

・ニシンのカラスミ焼き
〜なぜカラスミをのせるのか?カラスミの旨味と塩気を加えるためらしい。見た目以外にはちょっとインパクトがないかな。

今回の話題は、和地さんの料理仲間との人脈について。『粋・丸新』の熊倉さんは別格として、福島はもとより秋田の高村さんを始め東北地方の日本料理から中華、フレンチ、イタリアン。

それに福岡から四国まで、もはや日本全国。ご紹介頂いても、まだまだ伺えていないお店だらけ。
体がいくつあっても足りません。(´-`).。oO

【握り】
・ボラ(徳島)
〜鳴門の漁師である村公一さんから仕入れたボラ。有名らしい村さんの存在を知らなかったので、調べてみるとなかなか賛否両論の方。

昔から実際にボラを釣っていたので、その頃に処理されたボラに比べると確かにボラとは思えないくらい格段に旨味が増している。(遥か昔にボラは畑の飼料だったのだが・・・)

・ホッキ貝(長万部)
〜飾り包丁で見た目は綺麗だが、ちょっと普通かな。

・本鮪漬け(カナダ)
〜漬け具合もよく、いい感じ。本鮪の漬けを評価するのはいつもながら難しい。

・カツオ(千葉)
〜戻りカツオらしい。

・コハダ(佐賀)
〜やはりコハダは旨いな。江戸前の象徴みたいなコハダは外せない。岡山の酢の効いたママカリも旨いんですよ。

・本鮪大トロ(カナダ)
〜見た目も綺麗なグラデーション。国内産のマグロはこれから冬にかけて旨くなるので、今は海外産がいいんですとのこと。

・鰤
〜やはり東北の鰤は違うな~。あまり鰤を頂くことがないが、富山で頂いた鰤とおなじくトロのような味わい。

・甘海老昆布締め
〜この甘海老は蕩けるような味わい。そう言えば、これもお昼に『粋・丸新』で頂いたお摘みにもあったな〜。偶然か?

・馬糞雲丹(昆布森産)
~釧路の昆布森で獲れた蝦夷馬糞雲丹は、良質な昆布を食べて育つ事により水っぽさが無く、身が締まった最上級のもの。

・穴子(対馬産)
~もはや定番の対馬産の穴子。やはりふっくらとした穴子本来の味わいは素晴らしい。塩も煮詰めも甲乙つけがたい。

・玉
~だし巻き玉子とふわふわカステラ風の玉。

・アサリの味噌汁
・デザート
~洋梨のコンポート。優しい味わい。

今夜は息子さんと久しぶりに会ったが、笑顔がいい感じの好青年になっている。親父の元で修業できるのは幸せなこと。外の空気を吸ったあとだけに成長するだろうな〜。

気がつくと最後の客に。そろそろ退散しましょう。
またまた奥様が旅館まで送って頂けるとのこと。
有り難いことです。

明日は、また郡山で和地さんの恋人のお店で食事してきます。(^_−)−☆

ごちそうさまでした。
いつもながら楽しみな磐城棚倉『小判寿司』さん。本来の鮨の旨さと『謙虚さと向上心と心地好さ』に溢れた田舎ながら洗練されたお鮨屋さん。

マイペースで生ビールを飲みながら、旨いお摘みとお鮨を頂き、和知さんご夫婦との会話を楽しむのが、ただただ幸せである。

【お摘まみ】
・ほたる烏賊、まかじきの生ハム
~ほたる烏賊の酢味噌和えは普通だが、まかじきを軽く薫製にした生ハムのようで魚とは思えない味わい深い逸品。お洒落なイタリアンと見まごうばかり。

・生海苔の茶碗蒸し
~タイラギと才巻海老の出汁と生海苔の海の香りが磯の情景を思い起こさせる。

今夜の話題は、The Tabelog Awards でゴールドを受賞された秋田の『日本料理たかむら』さん。先月には東北初のゴールド受賞を理由に、またまた高村さんにお伺いした際のお話で盛りあがる。

和地さんともお知り合いですが、当時から廻りの方々からも『日本料理たかむら』さんはブロンズのレベルを遥かに越えていると言われていたらしい。流石は江戸料理の第一人者ですね。

和地さんも郡山『粋・丸新』さんや仙台『クロモリ』さんと近々コラボを企画するとのこと。相変わらずエネルギッシュ。(*^^*)

・刺身盛合せ①
~5日間寝かせて旨味が増した石鯛(天草産)は意外に新鮮な歯応えも兼ね備えている。それに大好物のさよりの昆布締めがいいね。

・刺身盛合せ②
~天然ぶり(伊東産)とぶどう海老。それにぶどう海老の味噌と頭を擂り潰して丁寧に裏ごししたもの。丁寧な仕事だけあって雑味のない上品な海老味噌に仕上がって旨いな~。

・鮟肝(千葉産)
~「今日の鮟肝はフワフワで美味しいですよ。」と和地さんお薦めの逸品。添えられているのはポワロネギというお洒落な野菜。ここで前回同様に茨城名物の鮟鱇のどぶ汁の話に・・・。

最近のどぶ汁は高級品なので、濃度のあるものはなかなかないのではとのこと。場所はやはり枚方漁港がいいのではということで次回のターゲットにしよう。

・白魚
~形の良い透き通った新鮮な白魚を黄味醤油で頂く。こういう黄味醤油の使い方があるんだ。

・小皿
~紅ズワイガニ(土佐酢ジュレかけ)、河豚焼き白子、たこ。紅ズワイガニは土佐酢がぴったり。河豚焼き白子はトロトロで旨いに決まっている。たこの柔らか煮は定番の1品。

・アオヤギの子柱串焼き
~握りにしたアオヤギの子柱を上手に利用したちょっといい感じのお摘まみ。

【握り鮨】
・甘鯛(北九州産)
~神経締めした甘鯛ですから、甘味が増すと同時に噛み応えまで残っている。

・サワラ?
~すいませんが、記憶が定かではありません。

・アオヤギ(北海道産)
~典型的な江戸前のネタだが、北海道産なんですね。江戸前のアオヤギやコハダは好きですね~。

・マグロ漬け(仙崎産)
~漬けの握りはあまり好みではないが、今夜の漬けはいい感じ。

・車海老(天草産)
~いつもながら綺麗なオレンジのグラデーションが食欲をそそります。車海老独特の香りと甘みがいい感じ。

・コハダ(佐賀産)
~コハダはいつもながら無条件に好きな握り。江戸前鮨の中では一番好きな魚。やはり酢の効いたコハダ鮨はいい感じで絶妙。

・本マグロ大とろ(仙崎産)
~前々回のニュージーランド産のマグロ、前回の大間のマグロにはかなわないかな~。産地も重要だが、寝かせる時間も大事なのであろうが・・・。

・煮蛤(閖上産?)
~煮蛤は旨味が濃く煮詰めも旨い。江戸前寿司にはかかせないな~。美味しいですね。

・馬糞雲丹(昆布森産)
~釧路の昆布森で獲れた蝦夷馬糞雲丹は、良質な昆布を食べて育つ事により水っぽさが無く、身が締まった最上級のもの。だが、時期としては最後のあたり。これから北九州や天草では赤雲丹が旬になるらしくこれまた楽しみ。

・穴子(対馬産)
~もはや定番の対馬産の穴子。やはりふっくらとした穴子本来の味わいは素晴らしい。塩も煮詰めも甲乙つけがたい。

・鉄火巻、玉
~だし巻き玉子、干瓢巻き、玉。

・アサリの味噌汁
・デザート
~最後は地元の味のあるいちご。それにこのいちごを使った奥様お手製のジャムにして添えられてます。これがまた自然の甘味が蕩けそう。奥様が作る料理が〆とは、流石は尻に敷かれた和地さん。

さすがに不便な磐城棚倉ですから県外の方は遅くなると電車もないので、どうしても車になるでしょう。ですからお酒が飲めないので県外の常連さんは可哀想かな。

それに比べていつも地元の旅館に宿泊して最後まで楽しめて有り難いことです。帰りは、またまた奥様に旅館までお送り頂くという申し訳ないことに・・・。

今夜も最後の客となったので、帰りに御二人の写真を・・・お似合いのご夫婦。(*^^*)

ごちそうさまでした。
今年も、2018年度「ブロンズ」獲得、おめでとうございます。

いつもながら楽しみな磐城棚倉『小判寿司』さん。本来の鮨の旨さと、タイトルに書かせて頂いたとおり『謙虚さと向上心と心地好さ』に溢れた田舎ながら洗練されたお鮨屋さん。ご主人の和地さんと奥様ならではのタイトルかな。

今夜は、他の遅れてきた地元客4名のグループを含めると5名のみですからゆったりとカウンターで頂きます。まあ、いつもながらマイペースで地元福島のお酒を嗜みながら、旨いお摘みとお鮨を頂き、和知さんとの会話を楽しむのが、ただただ幸せ至極。

【お摘まみ】
・ワカサギの甘露煮(猪苗代湖産?)
~これは珍しい。和地さんのお摘まみのレパートリーに入っていたとは初耳である。味付けも濃くてしっかりしているので生ビールがグビグビいける。器が綺麗でワカサギの姿に負けていない。

・マアジ刺身(天草産)
~磯に根付いた一本釣りの根もの鯵ですから血抜き締めもバッチリと自信のお摘まみ。3日寝かせており確かにトロッとした甘味があり脂がのっている。

・鱈白子の餡掛け(釧路産?)
~冬の餡掛けは体が温まって旨いですよね。それに白子ですからトロミ抜群。虎ふぐ?のアラで出汁をとった味わいのある逸品。

ここで、地元のお酒「奈良萬」をお願いする。福島県喜多方市の夢心酒蔵であり、かなりフルーティーとのことだが意外にさっぱりとすっきりした飲み口である。

・刺身盛合せ①
~黒鯛(ちぬ・徳島産)、ぼら(徳島産)。
黒鯛とはまた庶民的な魚なのでちょっと驚いた。昔から田舎の河口で釣り慣れた魚なので、釣り好きには堪らない2度引きやちぬの特徴を説明させて頂きました。

また、ちぬは獰猛で雑食であるから何でも食べてしまう生命力の強い魚。河口や近海にいるが、徳島の綺麗な海域産なので旨いと自信を持って出されており、さっぱりとした旨味あり。久しぶりの味わい。

ぼらも昔はどこでも沢山獲れた魚。ところがこれがさっぱりして旨い。それに卵巣はカラスミとして利用する高価な食材。昔は釣ったボラは”へそ”と呼ばれる内蔵だけを頂いていた。”へそ”とは幽門と呼ばれる鶏の肝胆似た内蔵の1種。

ご存知であれば如何ですかと焼いて頂く。焼くとまるで歯応えのあれる鶏の肝胆焼き。40年振りの味と食感に感動したな~。和地さんも”へそ”がわかる方にしか出せませんが・・・と。

・刺身盛合せ②
~ぶどう海老(羅臼産?)、ミル貝(釧路産)。
幻の海老であるぶどう海老を頂くことに。車海老とは異なるねっとりとした濃厚な旨味が残る明らかに違いがわかる逸品。これは旨いですね。ミル貝はちょっと普通かな。

すると、ぶどう海老の卵を食べてみますか?でてきたのは、卵と身の和え物だぶどう海老の甘い身ほどにインパクトはないかな。

・鮟肝(千葉産)
~これはまさに想像できるいつもの味付け。ここで茨城名物の鮟鱇のどぶ汁の話に・・・。最近マイレビ様が水を加えない鮟鱇の肝だけでどぶ汁という鍋をするらしく、どこら辺りに行けば食べられるのという会話に。場所は枚方漁港がいいのではということで次回のターゲットにしよう。

・カラスミ(雪の下だいこん)、蒸し黒鮑(千葉産)
~カラスミは大将が生のぼら卵巣から作ったもの。それを雪の下だいこんで挟んでいる。堅い黒鮑は3時間くらい蒸して柔らかくしたもの。やはり蒸すという調理方法は旨味を残せるものだ。それに深緑の色鮮やかな胆をのせて頂く。調味料はなにも要らない。

・赤なまこの茶ぶり
~赤なまこをお茶で煮込んだもの。柔らかくなり食べやすく旨味が増している。

・カマスの塩焼き(千葉産)
~丸々と太ったカマスはなかなか脂がのって塩加減も丁度よく旨いですね。千葉産なのですね。

次も地元のお酒、福島県の会津坂下町の老舗廣木酒蔵「飛露喜(ひろき)」をお願いする。無濾過生酒として有名になったお酒。口当たりがいいかな。

【握り鮨】
・寒ブリ(富山産)
~寒ブリはしゃぶしゃぶというイメージが強いが、鮨ネタとしては初めて頂く一品。脂がのってなかなか旨い。

・赤貝(閖上産)
~さすがの閖上の赤貝である。ピシャッと叩くと鮮やかな朱色に変貌して綺麗に広がってくる。活きてるんだな~と思わせる瞬間。

・マグロ漬け(大間産)
~大間の本マグロ(120kg)でいいサイズ。最近では一番の漬けマグロ。漬けの握りはあまり好みではなかったが、今夜の漬けは別格の美味しさ。

・コハダ(佐賀産)
~コハダはいつもながら無条件に好きな握り。江戸前鮨の中では一番好きな魚。やはり酢の効いたコハダ鮨はいい感じで絶妙。

次も地元のお酒をお願いする。福島県郡山市仁井田本家の「にいだしぜんしゅ」。見た目からしてすっきり爽やか。

今夜の和地さんとの話題は、秋田の日本料理『たかむら』さん。先月にようやく伺うことができたが、なんと和地さんともお知り合いとのことらしく、驚いた。本当に世の中狭いんですね。

・虎ふぐ白子(山口産)
~恐るべき旨さの虎ふぐの白子。見事なサイズであり、鮨飯から毀れ落ちそうな白子をあわてて掬いあげるくらいの大きさ。蕩けるような白子が鮨飯にぴったり。本日最高の嬉しい逸品。

・白海老(富山産)
~これまた、冬の味の白海老。蕩けるような白海老は絶品であり、旨すぎる。

・本マグロ大とろ(大間産)
~以前頂いたニュージーランド産のマグロも旨かったが、流石に大間のマグロはこれまた味わい深くて旨い。産地も重要だが、寝かせる時間も大事なのであろう。入荷したマグロを最高の状態でお客様にだすタイミングは難しいと思う。

・白魚(相馬原釜漁港)
~すいません。よく覚えていません。

・馬糞雲丹(昆布森産)
~釧路の昆布森で獲れた蝦夷馬糞雲丹は、良質な昆布を食べて育つ事により水っぽさが無く、身が締まった最上級のもの。10月下旬に解禁となり、わずかひと月半ほどしか食べることができない希少ない逸品である。

・穴子(対馬産)
~もはや定番の対馬産の穴子。やはりふっくらとした穴子本来の味わいは素晴らしい。塩も煮詰めも甲乙つけがたい。

・アオリイカ(天草産)
~意外にあっさりとした旨味のアオリイカ。さらりと頂ける。

・金華鯖
~鯖の身の厚さが嬉しい。金華鯖は脂ののりが半端ないが、本日の鯖はまだ今一つなので3日寝かせたものとのこと。十分というか、このくらいの方がお酒には合う。

・鉄火巻、玉
~だし巻き玉子、干瓢巻き、玉。

和地さんは先日熊倉さんや福島の料理関係者と九州の天草行脚したらしくその話で盛り上がる。今注目されている北九州市小倉の照寿司さんに伺ったがやはり、地元ネタの鮨の斬新さと大将のパフォーマンスが派手だったらしい。

照寿司さんもここ半年くらいで急激に脚光を浴びたが、やはり理由があるんですね。あまり、詳しくは言えませんが・・・。

今夜は、体調がすぐれずまたちょっと飲みすぎたので、早々に退散します。
ごちそうさまでした。
今夜のメインイベントである磐城棚倉『小判寿司』さんに伺う。いつもながら本当に楽しみである。同じお金を使って鮨屋さんに行くならまずは和知さんのお店が頭に浮かぶ。”ぞっこん”とはこういうことを言うのであろうか。本来の鮨の旨さと、タイトルに書かせて頂いたとおり『総てを凌駕する謙虚さと向上心と心地好さ・・・』が、そう言わせてしまう。

今夜は、小生の他に遅れてきたお医者さん3名のグループ。何やら再生医療の難しいお話しをされているよう・・・。まあ、いつもながらマイペースで地元福島のお酒を嗜みながら、旨いお摘みとお鮨を頂き、和知さんとの会話を楽しむのが、ただただ幸せ至極。

【お摘まみ】
・むらさき雲丹(根室産)
~もずく酢(岩もずく)にむらさき雲丹をのせて、更に色彩的な彩りの際立つキュウリの擦りおろしを添えた1品。秋田の岩もずくの酢の物は大好物だが、むらさき雲丹にはちょっと絡めるくらいが丁度いいのかな。

・イカ印籠詰め
~森駅のイカ飯(駅弁)を思わせるが、イカも浅く煮つけてあり、ご飯も薄味なのでイカの風味が香りたつ。

・生サンマ(北海道産)
~生サンマに軽く胡麻醤油を絡めた刺身。しかしながら、今年のサンマは小ぶりである。札幌の居酒屋さんでも一箱11匹のサンマしか入荷できないと嘆いていたが、福島も同じ。大将によると以前は9匹がスタンダードだったらしい。今年だけならまだいいですが・・・。

ここで、地元のお酒「廣戸川」をお願いする。今回、地元郡山の老舗酒屋さんである泉屋さんにも伺い、福島のお酒を丁寧にご教授頂いたので、さらさらと地元の銘柄が思い浮かぶ。松崎酒造店は明治25年(1892)創業であり、所在地は岩瀬郡天栄村。全国新酒鑑評会で金賞受賞。果実系の香りが優しく漂い、すっきりした飲み口である。

・刺身盛合せ
~ふっこ(徳島産)、松川カレイ(北海道産)、ボタン海老(茨城産)
ふっこは出世魚スズキのちょっと小さいサイズ。先日の台風で海が荒れたので、いいふっこが入荷できたらしい。なぜか?・・・海が荒れると海底が撹拌されるので栄養分が舞い上がり脂ののった魚が集まってくるらしい。あ~そういうことなんですね。それに軽く昆布締めしてあり更に旨味が増している。松川カレイのエンガワは身の厚みが半端なく旨すぎる。ボタン海老が茨城で採れるとは意外だがまったくもって北海道産と変わらない旨さ。

・黒鮑(秋田産)
~あの堅い黒鮑を4時間くらい蒸して柔らかくしたもの。やはり蒸すという調理方法は旨味を残せるものだ。それに深緑の色鮮やかな胆をのせて頂く。調味料はなにも要らない。それだけで素晴らしい1品となる。それに大将からは「胆はちょっと残して下さい。」と、それから軽くご飯に和えて綺麗な胆ご飯として頂く。贅沢な1品。

・松茸土瓶蒸し(山形産)
~ここで松茸の土瓶蒸しかと驚くが、松茸の旬は9月から10月中旬までなので例年よりちょっと早いくらいかなとのこと。今年の季節初物はやはり嬉しい。それだけで旨いと思ってしまう。京都だったら、やはり夏の鱧でしょうか。

・鰻(徳島産)、蛸桜煮
~関東風のふっくらと蒸されてはいるが、皮はパリッとした手間隙かけた逸品。少しなので噛みしめながら頂くと旨味がじわっ~と広がる。

次も地元のお酒、福島県の石川郡古殿町で180年続く老舗豊国酒蔵の「一歩己(いぶき)」をお願いする。豊国酒造の九代目、矢内賢征さんが作り出した「一歩己」。口に含むと、濃い旨みがギュッと弾けて広がり、果実の香りが舌に残るよう。

・金華鯖(締め)
~鯖の身の厚さが嬉しい。金華鯖は脂ののりが半端ないが、本日の鯖はまだ今一つなので3日寝かせたものとのこと。十分というか、このくらいの方がお酒には合うと思うが・・・。

・赤貝(閖上産)
~見るからに色鮮やかで楽しめる閖上産の赤貝。やはりブランド通りですが、ちょっと小さめなのが惜しいかな。

和地さんによると、鮨飯のお米はコシヒカリで必要なだけ精米している。それに日本酒金寳自然酒醸造元の仁井田本家で使っている仕込み水を使用しているとのこと。鮨と日本酒の絡みがわかるようだ。それにしても鮨の基本は鮨飯と握りかたであるが、いつもながら和知さんの握りはお米がふわっとしてネタを最高に生かしているようだ。

【握り鮨】
・本マグロの漬け
~最近では一番の漬けマグロ。2週間くらい寝かせた本マグロの赤身に、2日間漬けにしたもの。漬けの握りはあまり好みではなかったが、今夜の漬けは別格の美味しさ。

・煮蛤(千葉産)
~アオヤギやはまぐり等の貝類は江戸前には欠かせないが、本日は千葉産のはまぐりなので逸品。煮ものの醤油は福島県の内池醸造、煮詰めには福岡県糸島市のミツル醸造らしく今度購入してみよう。

・炙りサワラ(相馬産)
~サワラを寝かせて炙ったもの。大将からは今日のサワラはいい状態と教えて頂くが、う~ん、そうかなと思ってしまった。初めて意見が合わなかったが、好き嫌いの問題だろうか。

次は、同じく豊国酒造の「東豊国」。奥様にお願いして頂くことになった。全国新酒鑑評会で9年連続金賞を受賞している貴重な銘柄。偶然ではあるが、前回こちらの小判寿司に伺った際、豊国酒造の矢内賢征さんや会津酒造の渡部景大さん、数名の酒蔵メーカーの二代目達の食事会でお会いしたが、皆さん日本酒の未来を熱く語っていたことを思いだす。彼らは日本酒の未来でもある。

・コハダ(千葉産)
~大好きなコハダは無条件に旨すぎる。

・本マグロ(タスマニア産)
~前々回のニュージーランド産のマグロに軍配が。それから和地さんとマグロ談義に。先日伺った札幌の「鮨処有馬」さんのマグロはアスリートみたいに堅い絞まった肉質だったので写真を見せると、産地というより寝かせる時間が少なかったのではというご意見。やはり入荷したマグロを最高の状態でお客様にだすタイミングは難しいらしい。

・車海老(天草産)
~すべて美味しい鮨であるが、本日のNO1はこちらの車海老。どうですか、この色艶と姿形の見事さは。淡い暖色系のグラデーションが素晴らしく、改めて料理は五感で楽しむものと思い知らされる。和知さんは、今度天草に行くと言っていたが羨ましい限り。

・むらさき雲丹(函館産)
~綺麗な函館産のむらさき雲丹。大将から箱に入った穴子を見せて頂いたが、こんもりとした色鮮やかなむらさき雲丹は宝石のよう。先祖代々こういう味覚を持ち合わせている日本に生まれて良かったと大袈裟に思ってしまう。飲みすぎかな。

・穴子(対馬産)
~もはや定番の対馬産の穴子。先日伺った郡山の魚紋さんのメソ穴子も悪くはないが、やはりふっくらとした穴子本来の味わいは素晴らしい。塩も煮物も甲乙つけがたい。

・タイラギ海苔巻き(韓国産)
~めっちゃ大きいタイラギであり、ちょっと大味かな。韓国産だからと言うわけではなさそうだが。

・芝エビすり身、だし巻き玉子、干瓢巻き

明日は、郡山の「粋・丸新」に伺う予定であるが、これまた熊倉さんという素晴らしい感性を持った料理人なので楽しみ。和地さんは今度熊倉さんや福島の料理関係者と九州の天草行脚するらしい。その際に、今鮨屋の世界で注目されている北九州市小倉の照寿司さんに伺うとのこと。照寿司は鮨の斬新さと大将のパフォーマンスが有名。なんと羨ましいことか。

ぼくとつとした人柄ながら全国に幅広い人脈を持ち、地元のために行動している姿には魅力的なギャップを感じる。謙虚さと向上心と心地好さが相まって、いつもながら小判寿司(福島)はワクワクさせてくれる有り難いところである。

ごちそうさまでした。
楽しみな磐城棚倉の夜。先月、先々月に続いての訪問。お店に入るとカウンターには4名のご家族連れ。ほどほどな感じでいい雰囲気。カウンター席につくと、和地さん開口一番「昨夜は熊倉くんの店に行かれたみたいですね。彼から連絡がありましたよ。」流石に情報が早い。

さっそくのどの渇きを癒すために生ビールを注文。それからご主人に今夜のメニューを相談するまでもなく、静かにお摘まみが出され始める。きっと、ご主人にも何らかの考えがあるだろうから、ここは黙ってご主人にお任せすることに。

【旬のお摘まみ】
・水蛸の柔らか煮、甘鯛皮のパリパリ揚げ
~水蛸の柔らか煮は名前のごとく口の中でほろほろと蕩けるようで、甘さも山葵が効いて絶妙。甘鯛の皮は、まず見た目が綺麗で香ばしい1品。昨日は「粋・丸新」で甘鯛そのもののパリパリ揚げを頂いたところ。

生ビールを一気に飲み干すと、お酒にチェンジ。いつもの地元福島のお酒をお願いしようと「お薦めの地元のお酒を・・・」と言いかける前に栃木の「鳳凰美田」がだされる。う~ん、和地さん、やはり今夜は何か考えがあるのか?

・「鳳凰美田」小林酒造(栃木県小山市)
~味に関しては今の小生ごときが評価できるレベルにはないので、一般的な評価。「美しい田園のなかにある小さな蔵ながら栃木を代表する銘柄。すっきりとフルーティな香りと吟醸香が前面に押し出され、強い甘味と複雑な旨みが口に広がる。」

・鰯のなめろう
~鰯のなめろうだから想像できる味と思ったが、ちょっと違ったかな。鰯らしい味は残っているが何が違うのか聞いたが忘れてしまった。

ここで家族連れがお帰りになったので、「どうぞ、こちらに」和地さんの前に席を移動することに。それからは調理している和地さんとの会話が始まるが、待ってましたとばかりに熊倉さん(和地さんは料理長と呼んでいる)の話題に。そこからようやく「粋・丸新」熊倉さんとの関係が明らかに・・・。

・渡り蟹の茶碗蒸し
~渡り蟹はとにかく出しがでますから、美味しいんですね。玉子の優しい味に蟹の出しが融合して飲む前には胃に優しい茶碗蒸し。

・ムラサキ雲丹(宮城産)
~ミョウバンを使っていないムラサキ雲丹なので新鮮そのもの。塩水だけなので何も足さずに食べて下さいとのこと。しっかりとした殻雲丹の蕩けるような濃密な旨味が絶妙。前回は北海道の馬糞雲丹に蓴菜のジュレが絡んでだ見た目にも綺麗な素晴らしい逸品だったが、今回は新鮮な自然そのままの旨味であり、対比できないくらいの味わいが並び立つ。

・お造り
~愛媛産のキジハタと北九州産の甘鯛。以前愛媛の今治にこのキジハタ目的で伺ったお店で海が荒れて獲れなかったと、やむなく真鯛にした苦い経験を思い出す。今夜のキジハタはカボスで頂くがわりとさっぱりしてやはり旨い。

博多の糸島では同じハタ科の「アオナ」を食べに行っていたことを思い出す。そのお店は自前の船をもって近海で獲れた地魚を頂ける最高のお店。キジハタもやはり似た感じで好きな食感と旨味。北九州産の甘鯛は、前回驚かされた逸品。

それからボタン海老と渡り蟹の内子が刺身皿にのせられる。大きなボタン海老なので、2つに切ってある。1つは渡り蟹の内子をのせて頂く。もう1つはちょっと山葵・醤油で。ボタン海老の甘味を生かすにはどちらも全く違うアプローチなので対比が面白い。

・「而今(じこん)」木屋正酒造(三重県名張市)
一般的な評価「三重県名張市の木屋正酒造の人気銘柄。十四代の高木顕統氏に、若手の中では飛びぬけた才能を持っていると言わしめた大西唯克杜氏兼蔵元が醸す至極の銘酒。

クリアでフルーティな飲み口と綺麗な甘み、爽やかな酸味が絶妙に調和し飲み飽きることがなく、イタリアンとも相性がいい。」やはりお酒も其々に個性があるものだと感心する次第。

・鰻の白焼き、穴子肝煮、マグロ腹皮の串焼
~鰻は徳島産らしく天然であるが厚みがあるので、相当長く蒸すと柔らかく旨味が増すらしい。皮はパリッとしているが、箸で持ち上げるとほろりと崩れるくらいの柔らかさで塩で頂く。穴子の肝は勿体ないので煮てみたらしいが、やはり旨い肴の1品となっている。

串焼はマグロの腹皮を軽く塩漬けして焼いたもの。これは宮崎の「カツオ腹皮と同じだね」と言うと、ご主人もやはりあるんですねと関心を示した様子。機会があればお持ちしよう。

ここで醤油の話に。煮物には福島県の内池醸造、煮詰めには福岡県糸島市のミツル醸造を使っているとのことであるが、なぜそこを選んだのか。やはり修業したお店の流れらしいが、そこに至るまでの葛藤はあるのでしょうかね。尚、酢は千葉県鎌ケ谷市の私市酢。因みに赤酢はまた特殊なのかな。

・塩蒸し黒鰒(肝和え)
~長時間塩蒸ししたいわき産の黒鰒。柔らかい仕上がりだが、単に柔らかいだけでなく適度の歯応えも残されている。また甘ったるい食感ではなく噛む都度に旨味を感じる豪華な黒鰒。それも濃厚な鰒の肝で頂くが、残った胆は大将がご飯を混ぜてくれる。これが意外に見た目も綺麗で本当に旨い。

・「宝剣(ほうけん)」矢島酒店(広島県呉市)
一般的な評価『蔵元杜氏の土井鉄也。全国利き酒選手権でチャンピオンになり広島に土井鉄也ありと称された。穏やかな香りと奥深い味で、後口はすっきりと透明感がある。中華料理など、こってりした料理にもよく合うバランスの良い食中酒。』

今回気になったのは、郡山にある「泉酒店」。和知さんの会話にも頻繁に出てくる福島県内の酒店や料理人のリーダー的な存在らしい。熊倉さんのお店移転にもアドバイスされたようで、やはり日本の料理に欠かせない清酒は料理の中心にいるように感じた次第。

【旬の握り鮨】
・甘鯛
~前回から驚きの北九州産甘鯛。かなり濃厚な白身の旨味が素晴らしい。例えようがないくらい。

・キス昆布締め
~キスの透き通るようにあっさりした白身に昆布締めの旨味を加えた逸品。これめっちゃ好きですねん。(思わず・・・)

・本マグロの漬け
~2週間くらい寝かせた本マグロの赤身に、2日間漬けにしたもの。漬けの握りはあまり好きではないかな。

・煮はまぐり
~アオヤギやはまぐり等の貝類は江戸前には欠かせないが、本日は千葉産のはまぐりなので逸品。煮ものの醤油は福島県の内池醸造、煮詰めには福岡県糸島市のミツル醸造らしく今度購入してみよう。

・甘海老
~北海道の甘海老だったか。かなり身が大きくて本当に甘い。写真では分かりにくいが、じつは3匹まとめて握ってある。

・しんこ
~前回は色々と手を尽くして頂き、なんと内陸の宇都宮から仕入れたらしい。大将の顔の広さと情報収集力には脱帽です。今回も嬉しい8枚付け。またシャリがフワッとして口当たりと食感が最高。コハダ好きの小生としては嬉しい逸品。

・穴子煮
~煮穴子を2貫に切り分け、そのままで頂くものと塩で頂くもの。穴子はいいですよね。東京出張の際には必ずと言っていいほど煮穴子の入った深川飯の駅弁を購入するくらい。

・本マグロ(中トロ)
~前回同様ニュージーランド産だが、前回の方がはるかに旨かったかな。口に入れた途端にホロホロとほどけるような味わいと脂ののりを今でも思い出すくらいだったので、今回はちょっと残念かな。

・ムラサキ雲丹?馬糞雲丹?
~飲みすぎてどちらの雲丹か覚えていないが、やはり濃厚な味わいが交錯する。ちょっとしたこぼれ具合もいい感じ。いつもながら雲丹好きな女房には黙っておこう。

・イシカゲ貝(前回、初見参コメント)
・コハダ(追加)
~江戸前のコハダは大好物なので、どうしても食べたかった。やはり、ちょっと酢の効いたコハダと軽いシャリの絡みは最高。

・海苔巻き、玉子
・しじみの味噌汁

今夜も飲みすぎてしまうが、和知さんも興がのってくるとまたまた熊倉さんの話に・・・。和地さんは昔は厳しそうで怖かったらしいねと言うと、「え~熊倉さんの方が最初は偉そうで高飛車だったんですよ」とのこと。すぐに厨房の奥様にも同意を求めていると、奥から「そうなんですよ。私も、何ですか、あの態度って怒ってましたね。」熊倉さんの話と違う。真実はどこに・・・(笑)

しかし、奥様もご主人と熊倉さんとの仲の良さにはちょっと呆れているようでした。

磐城棚倉という片田舎で、福島、いやいずれは東北の鮨屋さんを引っ張るであろう鮨職人に出会うことができて幸せ。きっと10年後には『東北の和地』を目指す若者が更に増えていることでしょう。

それであれば、やはり仙台本店との差別化が必要では・・・。できればお店の名前を『磐城棚倉 小判寿司』という磐城棚倉をサブタイトル風にもってくるとお洒落だと思うが・・・。もちろん磐城棚倉の文字は小判寿司より細く薄い筆書体で・・・。この磐城棚倉という地名は歴史の重みを感じさせてくれそうなのだが。

奥様、帰りにはこんな酔っぱらいを旅館まで送って頂き有り難うございました。
ごちそうさまでした。
楽しみな磐城棚倉の夜。先月に続いての訪問。お店に入るとカウンターは満席。それも小生以外は5名の団体様。ラフな服装の若い男性4名と中年の男性の5人。最初はどういう方々かよくわからなかったが、徐々に明らかになってくる。

まずは、磐城棚倉駅にたどり着くまでが大変だった。最近の集中豪雨の影響からか、郡山からの運行中何度も緊急停車するので予定より30分遅れて到着。だが、こちらのお店には時間の余裕をみて予約していたので、ご迷惑をかけずにすんだ次第。

席につくと、さっそくのどの渇きを癒すために生ビールを注文。それから大将に今夜のメニューを相談して、前回の茜ではなく紅をお願いする。

◼注文~紅(旬の肴6品、旬の鮨12貫)11000円

・赤なまこ、枝豆
~まずは、京都の老舗お茶屋さんの一保堂番茶でサッと湯通しした赤なまこを軽く味付けした小鉢に棚倉町の自然村の枝豆。赤なまこは柔らかくホンノリとした番茶の薫りがお洒落な逸品。

生ビールを一気に飲み干すと、お酒にチェンジ。いつもの地元福島のお酒をお願いするが、最近知った地元のお酒「豊国酒蔵の東豊国というお酒はありますか?」

・・・すると、奥に座っていた若者の一人がこちらを見てニヤリと笑う。間髪入れず、大将から「彼はその豊国酒蔵の御曹司ですよ。」とのこと。いや、社長だったかな・・若者も「うちの名前が聞こえたので聞き耳たててました(笑)」と軽く会釈してご挨拶。不思議とこんなことがよくある。

・ごまふぐ白子の茶碗蒸し
~ごまふぐも美味しいんですね。飲む前には胃に優しい茶碗蒸し。

・青森産馬糞雲丹と蓴菜のジュレ
~馬糞雲丹の蕩けるような濃密な旨味に、蓴菜の上品なぬめり感とさっぱりしたジュレが絶妙。前回は馬糞雲丹にもずくの軽い酸味が素晴らしい逸品だったが、対比できないくらいの味わいが並び立つ。

ここでお酒は、同じく豊国酒蔵の一歩己(いぶき)を薦めて頂く。最近はようやくお酒(日本酒)を飲めるようになり、一端の酒好きの気持ちがわからないでもないかな。というか以前から風味は好きだったのだが。やはりお酒も其々に個性があるものだと一人感心する。

・塩蒸し黒鰒(肝和え)
~長時間塩蒸ししたいわき産の黒鰒。柔らかい仕上がりだが、単に柔らかいだけでなく適度の歯応えも残されている。また甘ったるい食感ではなく噛む都度に旨味を感じる豪華な黒鰒。それも濃厚な鰒の肝で頂くが、残った胆は大将がご飯を混ぜてくれる。これが意外に見た目も綺麗で本当に旨い。

それに器も料理に合っているなと感心する次第。ここで器にも拘る秋田の居酒屋『酒盃』のマスター(沖口さん)は料理に合わせた器を作るために自宅に窯を作ってしまったとの話をすると、大将も以前から「酒盃」には興味を持たれていて伺いたいとのこと。よく色んな方をご存知ですね。

・甘エビ(酒盗)
~北海道産の大振りの甘エビを串に刺した見た目にも珍しい逸品。味付けは確か軽く酒盗が隠し味になっていたような・・・。

・生岩牡蠣
~釧路昆布森産の岩牡蠣を軽く湯通しして、蛤と牡蠣の煮汁を加えて味を整えた逸品。大将から説明を受けるが、そこまで手を加えた料理とはわからず自身ちょっと残念で申し訳ない。まだまだ修業が足りないと反省。牡蠣自体はほとんど生と言っても過言ではない。

次のお酒銘柄は残念ながら覚えていない。けっこういい気分になり、若者たちの話を聞きながらお酒を頂く。お隣の若者に直接挨拶すると、その方も酒蔵の御曹司(専務)だった。どうも福島の酒蔵を経営する会社の跡取りたちの懇親会らしく、本当は参加者5名だったが、1人欠席したらしく4名で開催とのこと。本当に楽しそう。

本業が忙しいので頻繁に飲み会しているのではなく、今回が初めてらしい。しかし、話している内容は自社の味わいの方向性や福島をどうするか、グローバル化にはどう対応しているかなどの真剣な意見交換。端から見ていても羨ましく思えるくらい熱いものであった。若い方の将来を見据える姿が頼もしいと思いつつ大将に同意を求めてしまう。こういうお話しを聞かせて頂くのは本当に嬉しい限り。若いって可能性の塊なんですよ。

それにしても、そういう福島の若い経営者達が集まる場所が和地さんの小判寿司である。改めて和地さんの人柄や交友関係だけでなく、福島の求心力となっていることに感心する次第。

・ホヤ
~仙台が有名だが、福島でも食べる習慣があるんですね。最近けっこう食べる機会があるが、新鮮でなければ食べれないものであり大事に頂く。

・黒鰒の刺身
~先程の塩蒸し黒鰒との比較が明確に。やはり新鮮な鰒は刺身にするとこんなに身が締まってかたく感じるものなんだな~。どちらも贅沢で旨すぎる。

・平目の刺身
~3日間寝かせた熟成平目に、軽く昆布締めしたエンガワ。熟成平目は塩で、エンガワは山葵醤油で頂く。やはり、寝かせた平目は旨味が増して塩が合う。山葵醤油が大好きな小生でも一歩譲る。

酒の摘まみが全部で10品(あれ?メニューは6品では)。普通の割烹だったら、これくらいでそろそろ御勘定・・・となってもおかしくない。それも絶品の肴の数々。嬉しいくらいに素晴らしい和地さんの料理に対する感性に感謝する次第。

しかし、ここからが本道のお鮨となる。実は昨日大将に今夜は「しんこ」を頂きたいが、入るだろうかと遠回しにお願いしたが、最近獲れていないとのこと。残念~と気落ちしていた。

ところが、お店に入ると「○○さん、しんこ入りましたよ」との嬉しい言葉。小生のためだけではないだろうが、手間のかかる逸品を仕入れて頂き感謝、感謝。

・しんこ
~色々と手を尽くして頂き、なんと内陸の宇都宮から仕入れたらしい。大将の顔の広さと情報収集力には脱帽です。それもしんこ10枚付けの大サービス。恐ろしく贅沢な握り鮨である。またシャリがフワッとして口当たりと食感が最高。

そういえば、和地さんが修業していた仙台の小判寿司では暖簾わけしたあとに赤酢に変えたらしいと話題になったが、確かに昨年伺った際には赤酢だったな~。

・マグロの漬け
・平目
・真イカ

・穴子煮
~2貫あるが煮穴子をそのままで、それに塩で頂く。やはり風味が違うものである。

・本マグロ(中トロ)
~このマグロはニュージーランド産らしいが、本当に旨かった。口に入れた途端にホロホロとほどけるような味わいと脂ののりといい最高。

・車海老
~色鮮やかな車海老。大将に、これくらいの大きさは車海老?、まだ巻海老?との判断基準を伺う。やはり車海老クラスと意見が一致。ようやく理解できた。

・赤貝
~赤貝はいつもながら身が濃い。見るからに綺麗な貝である。閖上産ですから納得。

・ムラサキ雲丹
~馬糞雲丹とちょっと違うアッサリしたなかに濃厚な味わいが交錯する。雲丹好きな女房には黙っておこう。

・鯵
~素直に新鮮で旨い。身近な味わいを感じる魚。

・イシカゲ貝
~陸前高田の名産であるイシカゲ貝を教えて頂く。復興のシンボルとして地元の皆さんが待ちわびたものとのこと。なにか嬉しいね。白トリガイとも呼ばれているらしい。トリガイと言えば最近知った丹後トリガイが最高の逸品かな。調子にのって、暫し京丹後の丹後トリガイに纏わる日本料理「縄屋」の話で蘊蓄を語ってしまった。

・海苔巻き、玉子
・汁物

今夜も飲みすぎてしまう。しかし、福島という地元を愛する若者との楽しい会話で有意義な時間をもつことができた。若者達が帰ったあとは、話上手な和地さんといつも控えめな奥様におつきあい頂き、地方活性化の難しさや今までの苦労話など楽しいひとときを過ごさせて頂き感謝する次第。磐城棚倉の素敵な夜となりました。

ごちそうさまでした。
和知さん(大将)の人柄と握り鮨の実力が交錯するハイブリッドなお鮨屋さんが、福島の片田舎にあるというギャップが惹きつける。場所は福島県棚倉町のメインストリートにある小綺麗なお鮨屋さん。棚倉町は新白河駅からさらに車で約1時間のけっこう不便なところ。

店内は清潔感のある明るい設えであり、カウンターも広く安心感がある。待ち構えていた大将からは笑顔でお出迎え。予約で行き違いがあったのでかなり気を使って頂いたよう。しかし、お話しすると明るく気さくな鮨職人さんという人柄が伝わってくる。

まずは、なぜこんなところにと誰しも疑問に思うので聞いてみた。すると、地元の銀行員であった父親の影響から地元でお鮨屋さんを開くことになったとのこと。本意ではなかったのかな。

そもそもこちらのお鮨屋さんを知るきっかけになったのは、仙台の小判寿司に伺ってから。そちらの大将から福島の片田舎(棚倉町)に暖簾わけしたお鮨屋さんがあるのを聞いてから。なぜ・・・という質問への解答は直接聞いてみることに。大将は9年間その仙台の小判寿司で修業していたが、父親からそろそろ帰ってこいと言われてお店を開いたらしい。なんと親孝行な息子さんであろうか。

注文は、肴付きのおまかせにする。肴付きは従来から予約制ではあったらしいが、当日に伺ってからお願いするというわがままな注文にも対応して頂けることに。すいません。

・注文~茜(あかね)8000円
旬の肴4品と旬の鮨9品のおまかせ

【旬の肴】
・ムラサキ雲丹と岩もずくの酢の物
~いやはや、いきなりのインパクトある肴。酢の物ですが、酢の微妙な使い方が絶妙なので素晴らしい酒の肴に。酢を使った料理が大好物な小生としては嬉しい限り。

・鰯(釧路産)
~新鮮な鰯をあっさりと素材を最大限に生かした逸品。鰯の蕩けるような旨さは新鮮でないと生かされない。

・生馬糞雲丹(釧路産)
~見た目のインパクトは最高でしょう。やはり馬糞雲丹は旨味と濃くがあるが、大将によるとまだまだ旨味が浅いと感じているらしい。小生にはそこまではちょっとわからない。

・鮟肝
~濃厚だが繊細な味わいが交錯する。手間のかけ方が半端ないんだろうなと思える逸品。

・天然ホタテの茶碗蒸し
~これは茶碗蒸しとしては意外に普通だが、新鮮なホタテがゴロコロ入っている。

お客は数名なので大将から色々なお話を聞かせて頂く。鮨ネタは郡山の市場だけでなく、北九州、天草、愛媛、徳島の漁師から直接仕入れているとのこと。いやそうでしょうね。まずは、なぜ福島の山奥にとりわけ新鮮で旨い魚が入手できるのかという疑問が解決できた次第。

お酒はせっかくですから地元のものをお願いすると、「いぶき」「雅山流」「日高見」を薦めて頂き順番に飲み比べる。お酒には詳しくはないが、肴も鮨も旨いのでどのお酒も美味しく感じる次第。

【旬の鮨】
・甘鯛(北九州産)
~ねっとりとした甘鯛特有の舌触りが際立つ。北九州の甘鯛とはあまりイメージがなかったかな。産地としては意外な出逢い。

・インドマグロの漬け
~10日間も寝かせてから漬けにしているとのこと。ちょっと普通でしょうか。

・赤貝(宮城閖上産)
~赤貝でしたら、宮城県名取市の閖上港に上がったものが最高級品と言われていますので嬉しい限り。とにかく磯の香りと歯ごたえが素晴らしく、ピシッと叩きつけるからの色が綺麗。閖上の赤貝の美味しさの秘密は北上川、七北上川、名取川、広瀬川、阿武隈川の5本の川が流れ込み、ミネラル豊富な水と泥を運ぶかららしい。

・アワビ塩蒸(肝のせ)
~アワビがこんなに柔らかく旨味があるのはなぜ。普通新鮮なアワビはめっちゃ堅いはず。やはり、煮込む時間らしく何時間を忘れたがけっこうしっかり煮込むようである。

・鰹
~これはちょっと旨味がわからない。

・こはだ
~新子は7月中旬らしく、今は小さすぎるとのこと。今新子を食べるのは鮨屋泣かせらしく、今の時期であれば小さなものを何十枚も捌かなくてはならない。注文すればきっと怒られますよね。しかしながら、やはり江戸前のコハダは旨い。

・甘海老
~どこの甘海老だったか。かなり身が大きくて本当に甘い。写真では分かりにくいが、じつは3匹まとめて握ってある。

・赤ウニ(北九州産)
~これがまたパンチのある逸品。玄海灘でこんなに旨味の濃い雲丹が採れるとは知らなかった。今度博多に帰省したら是非食べに行こう。その前に北九州の旦過市場と博多の柳橋連合市場をチェックする必要ありかな。

・穴子(対馬)
~対馬の穴子は毎年博多で頂いていますが、まず外れはありません。また、この握りの繊細なこと。半分はお塩で、残りの半分はそのまま頂くという客の希望する目線にたった逸品。

・かんぴょう(栃木産)
~かんぴょうは栃木が有名とは露知らず。

・マグロ海苔巻き、玉子焼

・サロマ湖蜆赤だし
~赤だしに沈んだサロマ湖の蜆は、大きいのに隠れているのが奥ゆかしい。

昨日伺った「秋田天ぷらみかわ」の北嶋さんからよろしくとお伝え下さいとのことと話すと、それから大将とはさらに距離が縮まったようで色々なお知り合いの方をご紹介頂く。和知さんの謙虚ながら広い交友関係に驚きながらも研究熱心な姿勢に感心させられる。

大将との楽しい会話と素晴らしいお鮨で充実した時間を過ごさせて頂いた。久しぶりに惚れ惚れするようなお鮨屋さんに出会ったことが本当に嬉しい。こちらの方が感謝。

ごちそうさまでした。

  • 新子~そろそろ最後の時期かな。浜名湖
  • 小判寿司、繁栄の招き猫。かなりのインパクト
  • 仲良しのご夫婦。奥さまには、ご主人もわたくしも頭があがらない(2年前の写真)m(__)m

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3位

丸新 (郡山 / 日本料理、海鮮、海鮮丼)

5回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.7
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥4,000~¥4,999

2023/02訪問 2023/03/10

【再訪】郡山、食材に合わせた自由奔放な料理『野心的な俺の料理か・・・♫』

今夜はホントにお久しぶりの郡山。
コロナ禍も多少落ち着いたので、那須塩原から足を伸ばします。行き先は郡山の丸新さん。相変わらずお元気そうな熊倉さんにお会いできてホッとする。

夜の部の開店に合わせて伺うと、1番乗り。いつもながら腰の低い大女将さんもお元気そう。何も変わっていないことが嬉しい。

先ずは生ビールから。
あれっ、なんかちょっと料理の雰囲気が違うな〜?
いつもの纏まった懐石風ではなく、食材毎にかなり多品種のお料理がタイムリーに出てくるようだ。

①蒸し牡蠣
〜採れたて新鮮な牡蠣は火入れも絶妙。

②大根を練りあげた練り豆腐、東松原産柿のソース
〜嬉しくなるような田舎料理ですね♫

③銀杏餅の唐墨かけ、唐墨の食べ比べ
〜唐墨は仕上りを柔らかめと硬めの2種類を食べ比べると口に残る食感に応じてお酒の旨味も変化する。

④ズワイ蟹、味噌ジュレかけ
〜濃厚な蟹味噌にジュレの酸味が絶妙に絡む。

⑤蟹真薯の椀物 
〜蟹の身がびっしりと重いくらい。蟹の旨味が絡むので昆布出し、鮪節はあっさりと。

⑥炙り鯖、鯖白子のソース
〜居心地の良い居酒屋のような上品な酒の肴、鯖白子のソースは初めてだがこれで鯖を丸ごと頂ける。

⑦白甘鯛、葱ポン酢、橙添え
〜贅沢にも白甘鯛を葱ポン酢にかき混ぜるようにざっくりと口に頬張る。虎河豚のテッサのよう。

⑧甘海老、頭殻スープ
〜「良い甘海老が入りましたよ」とちょっとした酒の肴をだして頂きます。この頭殻の濃厚なスープが絶品♫

⑨中鮪(ちゅうぼう)、泥障烏賊
〜本鮪より多少小さめの本鮪のこと。ひっさげより大きく脂ののりは本鮪クラス。

⑩甘鯛の鱗焼き、天豆、牛つくね、潤と蕗の薹お浸し
〜愛媛の藤本さんから仕入れた甘鯛。流通経路は色々とあるようだ。

⑪金目鯛の蕪蒸し
〜先ほどの椀物と違ってかなり濃い味わいに仕上げられた蕪蒸しは好きだな〜。

⑫鮑の煎餅焼き、馬糞雲丹
〜パリパリの煎餅焼きに仕上げた鮑に、ちょっと温めた馬糞雲丹を絡める。

⑬赤貝、帆立のヒモの酢の物
〜酢を使った料理は大好物。こういうシンプルな酢の物も食材の新鮮さを感じて嬉しい。

⑭白菜と菜の花と福島牛
〜今夜のメインディッシュ。だが、メインは牛肉ではなく白菜。旬の白菜を煮ているがシャキシャキ感は丸ごと残した絶品。牛肉に負けない白菜の味わいが凄い(^^)

⑮手打ち蕎麦
〜ご主人曰く「蕎麦は切り方、エッジで風味が変わります」。確かにそうだな〜と納得してしまう。

⑯帆立の炊き込みご飯 
〜もはやお腹はパンパンですから、味見の小椀の残りはお持ち帰りにして頂きます。
 
⑰自家製小豆のアイスクリーム
〜この風味ある小豆の味わいが良いね♫

お料理の印象は、今までとはガラリと変わって単独の食材をより際立たせるような感じでしょうか。お陰様で食べたいお料理を少しずつという充実感が半端ない料理構成になっている。

いつもは、磐城棚倉の「小判寿司」から郡山の「丸新」のコースだが、残念ながら仕事の都合で郡山しか行けずに残念でしたが、次回は必ず伺いましょう。

明日も東京で仕事なのでゆっくりと食事を楽しめた郡山の夜。
ごちそうさまでした。
⭐️おもてなしの夜⭐️
大事なお客様との会食。
今回は撮影できた写真のみですが・・・。(^_−)−☆

熊倉さんにお任せ。
旬の魚や野菜を使った美味しい料理がずらり。
〆にはお蕎麦もあったかな〜。(*_*)

お酒は、地元福島の『飛露喜』『廣戸川』『一歩己』、山形の『十四代』『出羽桜』、秋田の『雪の茅舎』『新政』などの東北を代表する銘酒を30種類ほどずらりとご用意頂きました。

皆さんご機嫌さん。
楽しい夜会となりました。(^-^)

『粋・丸新』⇒『小判寿司』⇒『粋・丸新』

楽しく贅沢な福島の2日間。
ごちそうさまでした。
【初日のお昼】
熊倉さん、お久しぶりです。
今回は翌日に大事なお客様をおもてなしする場を提供して頂くため、事前に打合せを兼ねて昼食に伺った次第。こういう美味しい企画は楽しみ。(^_^)

いつもは夜なので、ランチは初めて。玄関からの前庭には紅葉が赤く色づき、秋らしい郷愁を感じさせる。立派な門構えから飛び石を経て清々しい格子戸を開ける。

カウンター席に通されると、ご主人はランチのお客様対応に追われているので、軽く言葉を交わすと、まず生ビールをお願いする。

左側の壁には、ワクワクするようなランチのメニューが自筆で書かれている。マグロ、サワラ、甘鯛、鯵などどれも食べたい衝動に駆られる。

こちらのランチが人気があるのは料理だけでなく、夜の部に出される魚と同じ材料で提供されているから。見るからにめっちゃ良い魚なんです。

まずは、刺身定食の刺身だけをお願いしてお摘みに。活き〆鯵、マゴチ、カツオ、スズキの4種類から2種類を選ぶ。それなら、活き〆鯵とマゴチを。

・刺身(活き〆鯵、マゴチ)
〜活き〆鯵の新鮮でぷりぷり感が素晴らしい。マゴチも負けず劣らず。

熊倉さんもひと段落したらしく「いや〜、昨日は和地さんと飲みすぎました。・・・」
これはまた話が長くなりそうだ。(^_^)

ハタと気がついたらカウンターに高校生が一人で定食をガッついている。聞くと息子さんとのこと。熊倉さんも跡を継いでほしいが強制はしないと・・・、暗にプレッシャーを・・・。(*^^*)

食事にすべきか迷ったが、やはりお摘みと生ビールのお代わりをお願いする。メニューの中でひときわ輝いていた甘鯛の漬け焼き。本当にこの値段で頂けるのは贅沢な話。

だが、東北では甘鯛は普通の魚という認識らしく特別な魚ではないとのこと。それではランチでご相伴に預かります。

甘鯛、旨い。はしたなくも骨までしゃぶりついて旨し。その間、昨夜のお二人の酔っ払いぶりをずっと聞かされる羽目に・・・(笑)

お摘みがなくなったので、食べてみて下さいと煮貝の小皿と漬け込んだ甘海老の小皿がでてきた。どちらもお摘みには最高。最後にアラ出汁を頂きます。

「こんなに食べて、夜お鮨食べれますか?」

しまった。(^^;)
今夜は、磐城棚倉の『小判寿司』に伺う予定だった。調子にのって食べ過ぎた・・・。(-_-;)

【2日目のお昼】
またまた、翌日も伺います。和食のランチは『粋・丸新』の定食に勝るお店はないかな〜。(今まで伺ったお店のなかでも)

落ちついた和風家屋のなかで、美味しい魚料理をリーズナブルに頂けるのは有り得ない。

今日は、昨日他のお客さんが美味そうに食べていた「マグロハラスの照り焼き定食」に生ビールをお願いします。まずは、お摘みに定食に含まれる活き〆鯵の刺身を先に出して頂きお摘みに。

もう見た目もピカピカの綺麗な鯵。お次はおからと茶碗蒸し。生ビールが旨いが今日は1杯だけにしておこう。

最後は、お目当てのマグロハラスの照り焼きに白御飯と味噌汁にお新香。丁度良い加減の甘辛い醤油味が最高だな〜。大満足のお昼となりました。

最後に「これはどうですか?」と葡萄のドライフルーツ。味わいが濃く旨い。知り合いの方が作っているらしい。それではお土産にして頂きます。

さあ、締めは夜の会食。熊倉さんも「気合い入れて頑張りますよ。」と力が入っている。有り難いことです。

夜会が楽しみ。(^-^)
ごちそうさまでした。

郡山の熊倉さんのお店『粋・丸新』。今回も楽しみにしていたが、やはり楽しみにしていただけの満足感が得られるのは旨い料理だけではなく、ご主人である熊倉さんの魅力的な人間性が起因するのであろう。

それにしても、熊倉さんのバイタリティはどこからくるのか。福島を愛する気持ちがすぐに行動に表れるところが素晴らしいが、それだけではなさそうなところが未知数で語り尽くせない。

いつもながら玄関から飛び石を歩いて引戸を開けるまでにすでにワクワクしている。お洒落な日本庭園の植栽がライティングされ、この数歩の時空間が熊倉劇場をいざなう。

引き戸をガラリと開けると、女性スタッフにカウンター席の調理する生板の前に通される。そこに至るまでのカウンター席とテーブル席の雰囲気の温度差はやむ得ない。

まずは、熊倉さんに会釈して生ビールをお願いする。今夜はテーブル席のお客が多く忙しそう。やはり金曜日ですから、活気があってスタッフの皆さんフル稼働のようだ。

ちょっとしたおもてなし。ウェルカムボードが色鮮やかで綺麗。生ビールが置かれるや否や、さっと熊倉さんからお通しが出される。この間髪を入れないタイミングが絶妙である。

【お通し】
・朝どれ枝豆の擦り流し
~前回同様に、いきなりカウンターパンチのようなインパクトのある逸品。これがまた色鮮やかなグリーンというか木の葉のような色彩。いつもながら初っぱなの料理に驚き、気分も高揚させられる。

朝どれ枝豆の擦り流しは野菜出汁を加えた優しくも枝豆の味わいがしっかりと残っている。それに周りはトマトゼリーが添えられ、トマトの酸味が効いて茄子の食感を引き締めている。前回のトウモロコシに葛を練り込んだ蕩けるような自然の甘味が素晴らしかったが、今回も彩りと食感に感嘆する逸品。やはり料理は五感で味わうものである。

【椀物】
~メヌケ(メバル系)と松茸の椀物。分厚いメヌケを軽く焼いて旨味が溶け込み綺麗に澄んだ出汁が旨すぎる。そこにしなっと寄り添うホウレン草がいい感じ。更に松茸をのせたもの。驚いたことに松茸は生を厚く切っただけ。

なぜ?・・・???
松茸を使った土瓶蒸しだけでない料理を提案したく松茸の生の食感を活かしたいとの挑戦的なものらしい。「それなら食感が残るくらいちょっと焼いて薫りづけしてもいいんじゃないの。」と小生の独り言。そんな独り言を聞くと普通の料理人はそっぽ向きそうなものだが、熊倉さんは違う。「そっちの方がいいかな?」と素人の意見を聞く耳を持っている。考え方が柔軟である。

ここで、地元福島のお酒(広渡川)を頂く。今回、地元郡山の老舗酒屋さんである泉屋さんにも伺い、福島のお酒を丁寧にご教授頂いたので、さらさらと地元の銘柄が思い浮かぶ。

【お造り】
~ぶり、金目鯛、ヒラメ、鯵、炙りきんき、本マグロ、スズキ、つぶ貝

ぶりの飾り包丁が綺麗だな。それにふだんぶりを注文することがないが、このぶりは脂がのり過ぎず旨い。金目鯛のねっとりとした食感が素晴らしい。また炙りきんきは当たり前のような香りと脂が魅力的。本マグロのトロも蕩けるようで、スズキもつぶ貝も負けていない。

最近頂いた刺身盛合せでは群を抜くレベルである。塩はイギリス産(ドーバー海峡)とのこと。普通の塩でないところが、何となく熊倉さんらしいかな。

【焼き物】
~生麩田楽、甘鯛鱗揚げ、釣キンキ、梨と葡萄白和え

甘鯛の鱗揚げはパリッとした食感のあとにじわ~っとした甘鯛特有の品のよい旨味が漂う。何といっても釣キンキの脂身と塩加減が絶妙で最高でしたね。生麩田楽は普通でしょうか。梨と葡萄を合わせた白和えとはなかなか思いつかない。

ここで、地元のお酒(写楽)をお願いする。福島の酒を代表する銘柄で、3年連続で全国新酒鑑評会の都道府県別金賞一位を獲得。特徴はよくわからないが、料理には地元福島のお酒が合うに決まっている。

・蒸し物
~写真にある通りの徳島から仕入れたもの凄く太い鰻。天然鰻を蒸してから焼いているとのことで、関東風かな。活きのよい身の引き締まった天然ものであるにも拘わらず身の厚みが凄い。

これを蒸し物と表現するのだろうか。鰻のライスバーガーとは・・・。遊び心満載である。いつも同じだと面白くないからと色々なことにチャレンジしている。それがまた更に刺激になっているのでしょう。お客の反応を楽しんでいるかのようである。「だが海苔の巻き方に工夫が必要では・・・。」と、また独り言を言いたくなる。

ここで醤油の話題に。普通に濃口として使っているのはヤマサ醤油、薄口はヒガシマル醤油、白は山代醤油。修行時代から使っているので変える気はないらしい。

ヤマサ醤油といえば、テレビ番組「カンブリア宮殿」でプロ料理人が選ぶ醤油としてクローズアップされていた。「玄人好みの味」と絶賛され東京の寿司店の7割が使い続けるほど。創業370年以上の歴史を持つ老舗ではあるが、絶えず新しいことにも挑戦している。なかでも「鮮度の一滴 特選しょうゆ」。開封しても酸化しない作り立ての醤油という画期的な商品であり、“鮮度”という新たな価値観を生み出した。

【肉料理】
~神戸牛の三角バラ。三角バラは赤身が濃厚で噛むごとに旨味が染みだしてくる。舞茸焼きにジャガイモソースで頂く。

【お食事】
~ご主人自ら打った手打ち蕎麦であり、久しぶりに旨い蕎麦。出汁はわりとあっさりした感じ。また、蕎麦湯は濃厚で出汁と相まって一気に。

ちょっと間が空いたので、すかさず熊倉さんからサービスに佐賀のお酒(万齢)をだして頂いた。それにお摘まみに海老味噌まで。これがまた濃厚で海老の味わいが強烈。

・【甘味】
~ほうじ茶のムース。素材のほうじ茶の香りがそのまま生かされており、シンプルで爽やかなデザート。これは若手のお弟子さんが考案して作ったもので説明するお弟子さんも嬉しそう。若い職人さんが多いので活気がある。やはり素材の良さを引き出すことをいつも考えているお店の方針なのだろうか。ビスタチオ、アーモンドの砕いたものも効いている。

熊倉さんとの会話はいつもながら楽しい。今回は『浜の漁師飯・浜のかあちゃん飯推進プロジェクト』地元福島を愛する熊倉さんが、関与しているプロジェクトに興味津々。それは相馬市と南相馬市鹿島地区の漁協とのコラボ企画に取り組んでいるらしい。

コンセプトは「地元の魚をもっとたくさんの人に食べて欲しい」「地元で培われた魚料理の文化を知って欲しい」という思いから立ち上がった企画にプロの料理人として参画している。今まで浜の漁師や地元に受け継がれた伝統のレシピとプロ料理人のアイデアが融合したメニューを考案しているらしいが、何と魅力的で楽しそうなプロジェクトであろうか。
※ご参考までに、パンフレット(写真)を添付。

熊倉さんの料理は、素材の良さを引き出すことに主眼をおいてどれも美味しいですが、それだけではなく地元活性化のために積極的に活動する行動力や郷土を愛する想いが料理にも表れている。昨日伺った磐城棚倉『小判寿司』の和知さんともこういう感性が共通しているので、お互いに仲がいいはずである。それに小生もちょっと加えて頂いて、いつもこんな話で更にお酒が旨くなる。

今夜もごちそうさまでした。

今回は磐城棚倉の小判寿司の和地さんからのご紹介で伺った次第。「粋・丸新」大将(熊倉さん)の料理が素晴らしいとお聞きしていたが、お薦めであれば間違いないでしょうから楽しみ。お店は郡山駅から歩いて10分くらいでしょうか。繁華街からちょっと住宅地に入ったくらいの場所。

以前、父親の代からは郡山駅前に和食・定食屋として営業していたが、こちらの建家を居抜きで購入し改装・移転されたもので規模の大きな料理屋として再出発したとのこと。それにしても外観も内装も落ち着いた雰囲気。個室は4~5部屋あるが其々に個性があってお洒落。設計は地元の有名な方らしい。

お店につくと予約していたカウンター席に通されるが、カウンターの綺麗なウェルカムボードが気になる。飲み物はまず生ビール。注文は事前におまかせの特別コース(6500円)を注文済み。いったいどんな料理が出てくるのか楽しみでしょうがない。ワクワク感が止まらない。

まずは、熊倉さんからご挨拶頂く。和地さんからのご紹介なので気を使っておられるみたい。でも、これはほんの序曲に過ぎなかった・・・。

・お通し
モロコシ豆腐
~いきなりカウンターパンチのようなインパクトのある逸品。中央の部分はトウモロコシに葛を練り込んだもので蕩けるような自然の甘味が素晴らしい。周りの粘性の低い部分はトウモロコシを昆布だしで伸ばしている。同じトウモロコシを食感を変えて融合させたパンチのあるお通し。

・椀物
~分厚い鱧に綺麗に澄んだ出汁。椀の黒に鱧の白が対比され、さらに冬瓜の蒟蒻風な練り物の薄い緑がよく映えており、ワンポイントに梅肉の赤が効いた見た目にも綺麗な椀物。それに品よく蓴菜が漂っている。料理の顔と言える椀物は大好物であり、じっくり頂きながらこれから出てくる料理に思いを馳せる。考えるだけでワクワクしてきた。

ご主人によると、コース料理は椀物で一旦落ち着かせたイメージであり、次の刺身からまた徐々に料理のピークに向けて仕上げていくと言う分かりやすい説明。料理人としての目線が参考になる。

・お造り
~きんきの炙り、のどぐろ(宮城産)の炙り、3日寝かせたスズキ、ボタン海老(味噌添え)、本マグロ(ニュージーランド)、つぶ貝

違う素材を其々に手間のかけ方を変えている。炙りでもきんきとのどぐろの味の違いや脂ののりの違いが分かりやすく、あ~そうなんだと感心しきり。ボタン海老の味噌添えや本マグロも何気にいい感じ。

次は、生ビールからお酒にチェンジ。ご主人お薦めの郡山の地元のお酒を頂くことに。残念ながら銘柄を忘れてしまった・・・。

そうそう、ここで郡山の老舗酒屋「泉屋」さんの話に。福島のお酒を知りたければ、とにかく泉屋さんとのことで地元では絶大な人気らしい。それに品揃えは福島だけでなく全国的な銘柄が揃っているらしく是非とのこと。実はそれだけではなかった。泉屋さんは福島の料理人の世界でもキーパーソンらしいので、次回伺ってみたい。

・焼き物
~甘鯛のウロコ焼きはパリッとした食感のあとにじわ~っとした甘鯛特有の品のよい旨味が漂う。マナカツオもいい感じの味わい。海老しんじょうはちょっと普通かな。モロッコインゲンは口直し的に頂くが、ここでなぜスイカ?と聞くのを忘れた。

・蒸し物
~四万十川の天然鰻を蒸してから焼いているとのことで、関東風でもないかな。活きのよい身の引き締まった天然ものであるにも拘わらず身の厚みが凄い。ご飯は餅米なので白米と違ってちょっと変わった感じ。

・お肉
~大和牛リブロース。以前は郡山牛を扱っていたが、最近は奈良の大和牛に代えたらしい。(理由を忘れてしまった)このリブロースは赤身が濃厚で噛むごとに旨味が染みだしてくる。白茄子は軽い味噌味で頂くが肉料理にこの手の添え物は珍しいかな。最後にリブロースに敷かれたヤングコーンは皮を剥いて頂くが甘味よりも食感がいい。

・手打ち蕎麦
~ご主人が自ら打った蕎麦であり、久しぶりに旨い蕎麦。出汁はわりとあっさりした感じでさらりと頂いてしまった。また、蕎麦湯は濃厚で出汁と相まって一気に頂いた。

・メロンシャーベット
~素材のメロンの香りがそのまま生かされており、シンプルで爽やかなデザート。やはり素材の良さを引き出すことをいつも考えているとのこと。

熊倉さんの料理は、全体的に素材の良さを引き出すことに主眼をおいているようでどれも驚くほど美味しく頂きました。だがお店としては、ランチのコスパが高いと評判になり過ぎているようで、ご主人としても夜に繋がっていないようだと危惧されているよう。

それにしても、熊倉さんは本当にお話が好きですね。和地さんのご紹介と言うことでかなり気を使って頂きましたが、小生も話好きなので話題には事欠かない。

料理の説明よりも和地さんの話題で持ちきり。お二人とも仲が良いんですね。和地さんとは、十数年来のお付き合いで、当初は怖いかたと思っていたらしい。料理人の世界は師弟制度が残っているので、そう思い込んでいたがお付き合いするようになると、全くイメージが違っていたとのこと。それから魚の仕入れ先や他の料理人の紹介など色んな範囲に交流がひろがり、今ではすごくお世話になっているらしい。

実は先日、「小判寿司」が定休日でもないのにお店を閉めており伺うことができないことがあったが、これは和地さんの誘いで他のお店に食事に行っていたらしい。実はその時に「粋・丸新」にも予約しようと連絡していたのだが・・・。どこまで仲が良いんでしょう。

そういう熊倉さんも意識が高く、お互いに切磋琢磨しているので話が合うんでしょうね。一方、和地さんから見た熊倉さん評は小判寿司のレビューに譲ることに・・・。

予想を越える料理の数々に驚かされた3時間。そのうち2時間くらいは熊倉さんとの会話だったような気がする。

楽しい郡山の夜、ごちそうさまでした。

  • ⑭白菜と菜の花と福島牛
          〜今夜のメインディッシュ。だが、メインは牛肉ではなく白菜。旬の白菜を煮ているがシャキシャキ感は丸ごと残した絶品。牛肉に負けない白菜の味わいが凄い(^^)
  • 相変わらずお元気そうな熊倉さんにお会いできてホッとする。
  • 屋号『丸新』。

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4位

酒盃 (泉外旭川 / 居酒屋)

4回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.6
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 昼の点数: -

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 -

2018/03訪問 2020/02/19

【再訪】秋田、久しぶりの酒盃さん『秋田での最後の晩餐はやはりここで・・・。』

今夜は、大きな仕事がまとまって取引先との祝杯。仕事も一段落したので、これからは秋田に来ることもほとんどなくなると思うと寂しい限り。

秋田ならではの色々な美味しいお店に伺ってきたが、最後はやっぱりここ「酒盃」であろうと思い、日本を代表する居酒屋での飲み会にしました。

取引先も地元の方であるが有名な居酒屋と知りながらも来たことがないらしい。そういう話を聞くと、やはり秋田県外からのお客が多いのであろう。

お店に着くと、いつものように美人の娘さんが「○○さん、こんばんは」と優しくお出迎えして頂く。ああこれも最後になるかもと思うと、ちょっと感傷的になってしまう。

今夜はカウンターではなく初めての個室です。部屋はゆったりとした十分な広さであり、仕切りの引き戸からカウンター越しに坊主頭のご主人がよく見える。今夜のカウンターは意外に空きがあるようだ。

待ち人が1名が遅れてくるとのことですが、30分以上遅れそうなので、二人で飲み始めることに。今夜は最初に出会ったコースをお願いする。さっそく、生ビールを注文して喉を潤すが、間髪入れず美しい箱膳が運ばれてくる。

・箱膳のお通し(6種小鉢)
~磨きにしん、アミタケ、つぶ貝煮、比内地鶏白レバーのコンフィ、ジャコ豆腐、いぶりがっこ白和え。磨きにしんは定番の旨さ。最近アミタケの付きだしを頂くことが多いが味付けがしっかりしている。白レバーのコンフィは生ビールやお酒に合うと改めて感心する。つぶ貝とジャコ豆腐は普通かな。いぶりがっこは秋田ならでは。

いつもながら、こちらの箱膳のお通しは秋田ならではの食材で、味も色合いも素晴らしい。ここで、生ビールからお酒に変更する。

こちらに伺う前、日本酒はあまり飲めなかったのだが、ご主人から「鰯の水煮は、最高の酒の摘まみなんだから、生ビールやハイボールなんかじゃ駄目だよ(笑)」と強烈なダメ出しを喰らっていた。

それからは多少の拒否反応がありながらも、なるべく日本酒を飲むようにしてきた成果か、最近ある程度は飲めるようになってきた。ご主人にその話をすると、「そんな失礼なこと言ったかな~(笑)」と嘯かれてしまったことを思い出す・・・。

・雪の茅舎「美酒の設計」齋彌酒造
~一般的な評価は繊細な甘い香りとあるが、とにかく名前が素晴らしい。「雪の茅舎」には雪深い秋田ならではのロマンを感じる。そのうえ仕事にも関係する「美酒の設計」とは、これ以上自分に合った日本酒の名前は考えられない。

・近海産お刺身盛合せ
~炙り鯛(秋田産)はあっさりした鯛に炙りのアクセント。夏のスズキ(秋田産)。平目(秋田産)は寝かせてる?。スミイカ(秋田産)の飾り包丁は綺麗。つぶ貝(北海道産)は丁度よい醤油味。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガに食用菊。秋田では食用菊が普通に使われるらしい。

・比内地鶏とり刺身(800円)
~レバー、ハツ、砂肝、笹身、キンカン。
またまた、この鶏刺身が楽しみで食べたかった。朝引き地鶏なので品切れも覚悟していたが、残っていたことが嬉しい限り。部位で楽しみなのはキンカン。この濃厚極まりない未成熟な卵がもたらす旨さは例えようがない。

ご主人からは、秋田の旨い牡蠣をたくさん食べさせて頂いた。男鹿産の岩牡蠣や、鳥海山からの清流で育った山形の牡蠣。時期ではないときには富山湾のものまで。

お客さんが皆さん帰られると、決まってご主人と二人で飲んだのもいい思い出ですね。自前の一升びん(晩酌酒)をカウンターに持ってきて二人で飲み始める。今夜もよもやま話に花が咲く。ご主人の晩酌酒は○○酒造と決まっているようだが、かたく口止めされていたものだ。すぐに忘れてしまったが・・・。

それに酔っぱらいのネタとして、毎回なにがしかのテーマがあったものだ。『秋田の良さはあまり安売りしなくてもいいんじゃないか』とか。『秋田市民市場が観光客に解放されてない』とか・・・。

大田和彦著書「北の居酒屋の美人ママ」の秋田編に「酒盃」のご主人(沖口さん)が紹介されていたことなど・・・。大田さんもたまに来るらしいが。

お店も全国区になりましたね。というとご主人も謙虚に家族のお陰と語っていた。そうでしょうね。前回、若い頃から色々やってから最終的に居酒屋を始めて約40年だが、最近は県外からのお客が年間4500名を越えるようになったと感慨深かそうだったことなど。

まだまだ語り尽くせなかったが、ご主人から大事な晩酌酒をたっぷりとご相伴にあずかったことにも感謝しかありません。

落ち着いたら、女房とお世話になったお店を巡る東北旅行に行こうと思っているので、それまで暫しの別れとなります。

ごちそうさまでした。
『酒盃』はやっぱり日本を代表する居酒屋だった。ここまで日本酒に合う肴を追い求める御仁はいないであろう。ご主人(沖口さん)のいつものセリフ「俺がやってるのは料理屋や割烹じゃなく、酒の摘まみの居酒屋なんですよ。」居酒屋としてのプライドが半端なく滲み出ている。

お店に着くと、美人の娘さんが「○○さん、こんばんは」と優しくお出迎えして頂く。今夜のカウンターは満席。騒がしさから判断すると個室もすべて埋まっているようで、大きな笑い声が響き渡っている。先日の大雨の影響による土砂崩れで新幹線は運行停止していたが、飛行機は奇跡的な運行であり、空港バスも運行開始していたのでちょっと安心した次第。

さっそく、生ビールを注文して喉を潤すが、間髪入れず美しい箱膳が運ばれてくる。今夜もお客さん多いねとご主人に言うと、昨日まではやはりキャンセルだらけとのこと。本当に豪雨の被害が大きく大変だったんですね。

・箱膳のお通し(6種小鉢)
~磨き鰊、つぶ貝煮、いぶりがっこ白和え、茄子モロヘイヤかけ。ほか2品。磨きにしんは定番の旨さ。いぶりがっこは秋田らしく白和えにぴったり。茄子の煮浸し風な味付けにモロヘイヤとは驚き。でも最近のモロヘイヤは品種改良されて独特な臭みがなく栄養満点で味もいい。つぶ貝はちょっと煮てあり生ビールやお酒に合うと改めて感心する。

ここで、生ビールからお酒に変更する。今までお酒はあまり飲めなかったが、前々回に伺った際、ご主人から「鰯の水煮は、最高の酒の摘まみなんだから、ハイボールなんかじゃ駄目だよ(笑)」と強烈なダメ出しを喰らった次第。そう言えば○級うん築士さんからも居酒屋「つくしのこ」はお酒飲めないと入れませんよと言われてたことを思い出す。

それからは多少の拒否反応がありながらも、なるべくお酒を飲むようにしてきた成果か、最近ある程度は飲めるようになってきたかな。ご主人にその話をすると、「そんな失礼なこと言ったかな~(笑)」と嘯かれてしまったが・・・。

・雪の茅舎「美酒の設計」齋彌酒造
(秋田県由利本荘市)~一般的な評価「雪の茅舎とは由利正宗の特定名称酒の総称。繊細な甘い香りの中に、若草のような爽やかさも感じ、生酒なのにもうすでに味わいしっとりしている。酸や渋みが少なく、程良い甘みと旨みがバランス良くつまっていて、スムーズに身体に入ってくる。」

あまり詳しくないので、ちょっと甘くすっきりしてるかな程度のコメントしかできないが、秋田観光に来ていたお隣の女性がわざわざお土産として買い求めていたくらいの銘酒。

・近海産お刺身盛合せ(5種盛)1600円
~炙り鯛(秋田産)はあっさりした鯛に炙りのアクセント。夏のスズキ(秋田産)。平目(秋田産)は寝かせてる?。スミイカ(秋田産)の飾り包丁は綺麗。つぶ貝(北海道産)は丁度よい醤油味。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガに食用菊。秋田では食用菊が普通に使われるらしい。

鯛は意外にあっさりとした食感だが炙りのアクセントがいい。夏のスズキも爽やかな濃厚さが引き立っている。スミイカの飾り包丁は居酒屋とは思えないくらい美しく、つぶ貝も綺麗で旨い。前回はカワハギのインパクトが飛び抜けていたが、今夜はどれもハイレベルな横一線。

・比内地鶏とり刺身(800円)
~レバー、ハツ、砂肝、笹身、キンカン。
またまた、この鶏刺身が楽しみで食べたかった。朝引き地鶏なので品切れも覚悟していたが、残っていたことが嬉しい限り。部位で楽しみなのはキンカン。この濃厚極まりない未成熟な卵がもたらす旨さは例えようがない。地鶏に関しては、やっぱり宮崎地鶏と甲乙つけがたいレベル。

・春霞「春霞(黄ラベル)」栗林酒造
(秋田県美郷町)。
~ご主人が岩牡蠣にあうお酒を選んでくれたもの。だんだんと調子がよくなってきた。まあまあお酒も飲めるようになった気分。一般的な評価「酒処・秋田の中でもとりわけ酒づくりが盛んな美郷町にあり、さらに六郷は名水の里。蔵人が育てた契約栽培の酒米、美山錦・美郷錦・酒こまちの3種類で仕込んでいる。上品な旨みと深みが調和。香りはやや抑えめで繊細な味わい。」

・男鹿産の岩牡蠣(1000円)
~ようやく秋田の岩牡蠣が解禁されたらしく、まずは入店と同時に最初に予約する。と言うのも以前隣に座った客が遅い時間に慌ただしく3個も食べて品切れに遭遇するという最悪の事態を経験したから。牡蠣殼はめっちゃ大きく、今までで最大の容量。身はパンパンでみっちり入っている。濃厚でクリーミーな味わい深い。

前回秋田産は解禁前だったので富山産を頂いたが、この時の蓴菜入りと違いシンプルなレモンだけで頂く。やはり昨年末にも頂いた男鹿半島の岩牡蠣は今まで頂いた牡蠣のなかでは最上級の価値ある旨さ。有名な鳥海山の伏流水で育った山形との県境の岩牡蠣よりも大きく濃厚で旨い。これからの時季、やはり秋田の地物はいいね。

・「まんさくの花」日の丸醸造(秋田県横手市)
~一般の評価「元禄2年(1689)創業の老舗。柔らかな軟水で醸しだされる酒は、まろやかで優しい風合いを持つ。最大の特徴は低温瓶貯蔵で、1年以上寝かせ上品な風合いを生み出している。」これから先は酔ってきたので特徴もわからないかな。その後に頂いたお酒は記憶にございません。

・男鹿産のふぐと蓴菜(800円)
~しょうさいふぐの刺身に軽くジュレ風のポン酢で味付けした逸品。あっさりとしたポン酢は大好きですから夏らしい食感が嬉しい。

・そば味噌(200円)
~蕎麦の身が入った八丁味噌?酒肴として料理の合間に頂く。間がもてないときの口休め。

・鯛と蓴菜の貝焼(1200円)
~ホタテ貝の殻を器にして、厚く切った鯛の身にたっぷりの蓴菜を軽く焼いて頂く。味付けも他の貝焼き料理の味噌味と違ってすりおろした大根がやさしくさっぱりした1品。でも、もうちょいパンチが欲しい。味噌味の貝焼きの方が好きかな。

お客さんが皆さん帰られると、ご主人も自前の一升びん(晩酌酒)をカウンターに持ってきて二人で飲み始める。今夜もよもやま話に花が咲く。ご主人の晩酌酒は○○酒造と決まっているようだが、かたく口止めされてしまった。(覚えてる訳ないが)
味はかなりしっかりした旨味の濃いお酒だったような・・・。因みに、写真撮影はこれから解禁。

前回は秋田の良さはあまり安売りしなくてもいいんじゃないかと考え方が変わってきたことが話題になったが、今回はこの「酒盃」というお店について。発端は小生が最近伺う福島の小判寿司の大将が秋田の酒盃に行きたいと言ってるという話題から。

大田和彦著書「北の居酒屋の美人ママ」の秋田編に「酒盃」のご主人(沖口さん)が紹介されている。でも、小生が知ったのは、その本の博多編にでている「独酌しずく」の大将からお店が紹介されているので一度読んで欲しいの一言から。因みに「独酌しずく」は博多で懇意な五島産の鯖料理専門店。その本で「酒盃」を知ってから今に至る次第。大田さんもたまに来るらしい。

全国区になりましたね。というとご主人も謙虚に家族のお陰と語っていた。そうでしょうね。前回、若い頃から色々やってから最終的に居酒屋を始めて約40年だが、最近は県外からのお客が年間4500名を越えるようになったと感慨深かそうだった。

昨日は、神亀酒造(埼玉)の亡くなった小川原社長を偲ぶ会(会の名前があったような・・・)に東京まで行っていたらしいが、そこでまた旧知の居酒屋後輩から刺激を受けたとのこと。東京っていいよな~とのたまう。どこまで貪欲なのであろうか。

まだまだ語り尽くせないが、ご主人から大事な晩酌酒をたっぷりとご相伴にあずかり、お開きに・・。
午前様にならないうちに帰宅の途につく。

秋田市内では8月3日から竿燈まつりが開催されるようで、夜の街中では竿燈のバランスをとりながら練習している若者達が頼もしい。秋田ってなにかいいですね。

毎度ながら、ごちそうさまでした。
やっぱり『酒盃』は、東北だけではなく日本を代表する居酒屋だった。ここまで日本酒に合う肴を追い求める御仁はいないであろう。主人(大将)のいつものセリフ「俺がやってるのは料理屋や割烹じゃなく、居酒屋なんですよ。」居酒屋としてのプライドが半端なく滲み出ている。

今晩は最終便の飛行機だったので秋田に着いたのは夜の9時30分過ぎ。閉店は11時なので間に合うと安心していたら、最初女性スタッフからは時間も遅いのでお断りとのこと。気持ちは『酒盃』になっているので、それではあまりにやるせない。小生の名前を出して女性スタッフからマスターに直談判。

お店に着くと、美人の娘さんが「お久しぶり」とお出迎えして頂く。すでにカウンターにはお客は誰もいなかったが、テーブルの個室から数人グループと思われる大きな笑い声が響き渡っている。しかし、カウンター席が完全に空いているのも珍しい。

さっそく、生ビールを注文して喉を潤す。すると、マスターから、申し訳ないが、この時間なので手間のかかるメニューは出来ないですよとのこと。当たり前ですし、小生の目的は手間のかからない刺身類の生ものですからご心配なく。

■注文
・箱膳のお通し(6種小鉢)
~磨きにしん、アミタケ、つぶ貝、比内地鶏白レバーのコンフィ、ジャコ豆腐。磨きにしんは定番の旨さ。最近アミタケの付きだしを頂くことが多いが味付けがしっかりしている。白レバーのコンフィは生ビールやお酒に合うと改めて感心する。つぶ貝とジャコ豆腐は普通かな。

・近海産お刺身盛合せ(5種盛)1600円
~鯵(秋田)、メバル(秋田)、カワハギ(秋田)
肝醤油+葱、水蛸(秋田)~飾り包丁、ほっきカイ(北海道)。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガ。

鯵は意外にあっさりとした食感で拍子抜けしたが、返ってメバルのねっとりとした濃厚さが引き立っている。何といっても水蛸の飾り包丁は料亭かと思えるレベルで美味しい。つぶ貝も綺麗で旨いですが、今夜はやっぱりカワハギでしょう。カワハギは外れが少ないが、今夜の肝醤油は更に葱の香りが濃厚な旨味を倍増させる。この肝醤油は、比内地鶏の刺身まで使える逸品。

・比内地鶏とり刺身800円
~レバー、ハツ、砂肝、笹身、キンカン。
実は久しぶりにこの鶏刺身が食べたかったのである。朝引き地鶏なので品切れも覚悟していたので、残っていたことが嬉しい限り。更に本日のサプライズはキンカン。この濃厚極まりない未成熟な卵がもたらす旨さは例えようがない。前回地鶏に関しては、贔屓目なしに宮崎地鶏の方が旨かったと書いたが、正直甲乙つけがたいレベル。

・富山湾の岩牡蠣(1000円)
~富山湾の牡蠣は初めて頂く。岩手や秋田の岩牡蠣はまだ解禁されてないらしく、岩牡蠣は人気なので富山産を仕入れたとのこと。牡蠣殼は意外に深いので、中の身がパンパンでみっちり入っている。濃厚でクリーミーな味わい深い。それに今回は割りと大きめの蓴菜が牡蠣の味わいに新たな食感を加えている。

しかしながら、やはり昨年末に頂いた男鹿半島の岩牡蠣の方が遥かに上手だった。今まで頂いた牡蠣のなかでは最上級の価値ある岩牡蠣だった。鳥海山の伏流水で育った岩牡蠣よりも大きく濃厚。これからの時季、やはり秋田の地物が楽しみである。

・手打ち蕎麦(限定15食)
600円
~マスターが自ら打った蕎麦の逸品。どこまで拘るんでしょうか。娘さんによると、料理をのせる食器も全てマスターが焼き上げた陶器。料理を思いついたらそれに合う皿を探すのではなく、自ら創りたくて自宅に陶器窯を作ってしまったらしい。なんとも拘りが徹底してる。今回のそば粉の生産地は、北海道の幌加内産と岩手葛巻産をブレンドしたもの。残念ながら、小生の舌ではそこまで認識出来ない。

お客さんが皆さん帰られると、今夜もマスターとよもやま話に花が咲く。マスターも自前の一升びんを持ってきて二人で飲み始める。以前は秋田の良さを県外に発信できていない苛立ちが酒の肴だったが、今夜は秋田の良さはあまり安売りしなくてもいいんじゃないかと考え方が変わってきたことが話題に。秋田の人口が百万人を切ると言って騒いでいるけど、人口が減っても秋田なりの豊かさがあれば良いんじゃないか。だから、若い人は一旦県外に出ていってもいずれ秋田に戻ってきて何かやればいい。秋田に戻ってこれる環境造りが必要なんだと力説する・・・仰る通り。

自分も若い頃から色々やってから最終的に居酒屋を始めたが、ずっと奥さんや家族に支えられている。居酒屋を始めて約40年だが、最近は県外からのお客が年間4500名を越えるようになった。ここからマスターの居酒屋経営者としての蘊蓄が始まり、それに小生が客の側からの意見を述べる。居酒屋とは酒の肴を提供するのであって、旨い料理ではなく旨い肴(アテ)が大事なんだな・・・仰る通り。

明日も早いのでここら辺りでお開きに。最後までお付きあい頂き感謝する次第。
いつもながら、ごちそうさまでした。
【再訪】2016年10月
予約可能な一番遅い時間でお願いしましたが、意外にカウンター席が満席ではなかったですね。今日はそんなこんなで、9時過ぎにはカウンター席が小生一人になったので写真撮影を許可して頂きました。しかし、これで思う存分写真撮るぞ~と思いきや、けっこうな料理はすでに胃袋の中に。それでメニュー表の裏紙に、今回写真を撮れない間、数十年ぶりに料理のスケッチを描いてみることに。(下手ですが備忘録のために・・・)すると、これが意外に楽しくてかえってマスター(大将よりこっちが良いそうです)やスタッフの方との会話が弾んだかな。

今夜の注文はコースでなくアラカルトで魚介類の生もの中心に頂きます。

■注文
・お通し(6種小鉢)
~研きニシン、ピリ辛枝豆、白レバーコンフィ、生しらす(黒胡椒味?)、豆腐の味噌漬け。この味噌漬けは、かなり豆腐の旨味を残しています。熊本の豆べいは味噌糀の味が強めかな。

・近海産お刺身盛合せ(5種盛)1500円
~真鯵、真鯛、炙りスズキ、つぶ貝、水蛸。薬味は、山葵、海蘊、ミョウガになんと菊(浸しただけ)。秋田ではよく食卓にあがるそう。鯵の色がかなり赤見を帯びて戻りカツオかと思ったくらい。何といっても水蛸の飾り包丁は料亭かと思えるレベルで美味しく頂きました。つぶ貝も綺麗で旨いですよ。

・比内地鶏ねとり刺身800円
~レバー、ハツ、砂肝、笹身。
品切れでしたので、無理言って捌いて頂きました。地鶏に関しては、贔屓目なしに宮崎地鶏の方が旨かったように感じましたね。

・南洋マグロのほほ肉の炙り(黒胡椒味)
~生ものが食べたいと言う希望に応えて頂いた裏メニュー。けっこうボリュームがあって食べごたえあり。

・秋田県産黒毛和牛の叩き(秋田産)
~旨くないはずがないでしょう。お洒落なソースはブルーベリーをベースにマスターが色んな方にアドバイスを受けて作ったものらしい。和牛の旨味が活きてます。

・鱈の白子(ポン酢)
~こちらもまた裏メニュー。時期的にはちょっと早いのでまだ脂肪が乗り切れてないが、今の時期から少しずつ旬になってくるらしい。

・手打ち蕎麦(限定15食)
~これもマスターが自ら打った蕎麦の逸品。どこまで拘るんでしょうか。ついでに娘さんによると、料理をのせる食器も全てマスターが焼き上げた陶器らしい。料理を思いついたらそれに合う皿を探すのではなく、自ら創りたくて自宅に陶器窯を作ってしまったらしい。なんとも拘りが徹底してる。

しかし、マスターの娘さんは本当の秋田美人だなぁ。きっと奥さまに似てるのでしょうと言うと、娘さんが「いや、父親似てと言われます」とすかさずフォロー。家族愛が半端ないかな。今時の女性にはない日本人の家族愛(秋田愛)を感じました。

また、店内を穏やかな雰囲気を醸し出している音楽は、けっこう古い50年代のJAZZ。それもお客様の会話を邪魔しないピアノをメインに選択しているとのこと。それじゃ、小生の好きなバリバリサックスのソニーロリンズは、難しいねと言うと「そうだね」と、あっさり却下。残念。

久しぶりに楽しい時間を過ごさせて頂きました。いつもながら、ごちそうさまでした。

…………………………………………………
【再訪】2016年7月
秋田を代表するというより東北を飛び越えて日本を代表する居酒屋さんという評判のお店になったようですが、運よく今月も伺うことができました。

事前に「おまかせ料理5000円」をお願いしてました。今回はカウンターのお客様も帰られたので最後の最後で写真撮影許可がでましたが、手打ち蕎麦とデザートのみの写真となります。(ちょっとだけですが・・・)
尚、写真撮影できないので、大将にから特別におまかせ料理の「お品書き」を簡単に書いて頂きました。

■おまかせコース(5000円)
○お通し(小鉢6品)
・いぶりがっこの白和え
・磨きにしんの麹漬
・もずく
・他2品

○刺身盛合せ
・そい、フグ、鯵、真鯛、他
~そいが旨いですよね。けっして高級魚ではありませんがあっさりの白身にねっとり感もあります。フグは多少厚切りで量は少しですが旨味あり。

○冷しトマトの蓴菜ジュレ
~酒飲みにはない発想には感心します。大将が自分で飲んでる時に野菜も食べなくてはと思いついたらしい。
なぜ蓴菜なのか。

○季節の揚げ物
~海老と○○のかき揚げですが、三種類のお塩で頂きます。男鹿半島の藻塩、赤紫蘇塩、他ですが、藻塩がいいね。

○比内地鶏の石焼き
~歯応えのある比内地鶏を小さな石焼きで焼き塩と山葵で頂きます。刺身でも食べれる新鮮さなので、ちょっと生加減が旨い。

○真鯛と蓴菜のしぐれ貝鍋
~真鯛と蓴菜を大きなホタテ貝殼を鍋代わりにして擦り大根で頂きます。あっさり、さっぱり。

○穴子の串焼き
~軽いタレ焼き。もの凄く肉厚で食べごたえがあり旨味たっぷり。

○手打ち蕎麦
~すっきりしたざる蕎麦。
大将の手打ちらしい。

■男鹿半島の岩牡蠣(1000円)
~牡蠣殼自体もでかいですが、なかの身がパンパンでみっちり入ってます。濃厚でクリーミーで味わい深い。前回カウンターのお客が一人で3個も食べるので品切れでした。ようやく雪辱。今まで頂いた牡蠣のなかでは最上級の価値ある牡蠣だな。山形との県境の鳥海山の伏流水で育った牡蠣よりも大きかったかな。

お酒も地元を大事に沢山の品種あり。

今回は、大将と秋田の食材があまり知られていないので、情報発信についての話しになりました。まずは市内にある秋田市民市場は、新鮮な食材をそのまま食べさせてくれるような場所(ちょっと丼のような)がないことが話題に。小生も前回この市場に伺った際、回転寿司とかしかないので、目の前の食材もすぐに食べることができない。ですから、県外や海外(インバウンド)からのリピーターがいないのではと。回転寿司も市場が経営しているので民間に完全に市場解放されていないことが原因らしい。せっかくの食材も広く食べてもらわないと価値は上がらないよね。大将の秋田を良くしたいという気持ちが伝わってきます。

酒盃を越える料理居酒屋はないのでしょうね。小生の中では最上級になりました。

■評価 4.6→5.0

また次回を楽しみに、東北を飛び越えて日本の真髄にごちそうさまでした。

……………………………………………………
【初訪】2016年6月
秋田を代表するというより東北を代表する居酒屋さんという評判のお店ですので楽しみにしてました。入店すると靴を収納する下駄箱に、来店する予約客の名前が貼ってあります。う~ん、ここから始まるのかと唸るしかありません。

店内のカウンターでは、料理の写真撮影だけでなくスマホを扱うことも禁じられてます。
事前に知っていたので理解はしていましたが、そこまでしなくてもとは思います。
隣に座った御客さんも「この前まで良かったのにな~」と言っていたので禁止になったのは最近のことでしょうか。

ということで、これから先は写真がありませんので実況中継となります。
さてカウンターの真ん中に通されると、大将の目の前でしたので、色んな話ができそうと期待感アップ。

注文は、お店の特徴やどんな料理が得意なのかわからないので、先ずはおまかせコースをお願いしました。値段をみるとこれが4000円とは本当に楽しみです。

■おまかせコース(4000円)
○お通し(小鉢6品)
・いぶりがっこの白和え
~いぶりがっこは、秋田だなという感じでしょうか。
・フキのたいたん
・磨きにしんの麹漬
・比内地鶏の漬けきんかん(未成熟卵)
~半熟のとろみに味が染みて激旨ですね。
・白レバーのコンフィ
~好きな摘まみの1つですね。
・もずく

○刺身盛合せ
・真鯛、烏賊他
~量は少しづつですが、どれもちょっとづつ手が加えてあり嬉しい付加価値ありですね。

○季節の揚げ物
~海老と枝豆の真丈揚げ。海老の香りが濃厚なふかふかの真丈に大粒の枝豆を入れてあり
熱々に揚げて本当に旨いと思いましたね。

○黒毛和肉の叩き
~霜降りが美しい牛肉は口の中で溶ろけるし、また果実系のソースがお洒落。

○真鯛とハマグリのツボ蒸し
~真鯛と蛤の味が濃厚ですね。ツボの中には何が入っているのでしょうか。

○手打ち蕎麦
~すっきりしたざる蕎麦。

おまかせコースの途中から、一人増えたのでアラカルトとして追加しました。実は急遽増えたので、入店時から空きがでたらとお願いしていましたが、優先的に配慮して頂いた次第でした。

■穴子の白焼き(700円)
~三陸沖の穴子です。表面はこんがり焼き目がついてますが身は柔らかく味が濃いかな。九州では対馬産の穴子が旨いですね。

■カワハギ刺身(700円)
~これも軽く昆布締めしてるのでしょうか。飲み過ぎて舌の感覚が鈍っていたにも拘わらず大将に聞くのを忘れました。

■ハタハタのなれ寿司(500円)
~郷土料理らしく、琵琶湖の鮒寿司が大好物な小生としてはすぐに帰りのお土産にと考えてました。

■烏賊わたのごろ見焼き(700円)
~わたの濃くが半端ないですね。めっちゃボリュームもあってお得感満載。
お腹いっぱいになりました。

■いぶりがっこ盛合せ(500円)
~秋田だな。

秋田のお酒が充実しているようで、大将から色々と薦めて頂きましたが、すいませんがきき酒セット以降はあまり覚えていません・・・。
しかし、秋田のお酒の幅広い種類に米処の奥深さに触れることができて感激です。

■きき酒セット(800円)
~二人でしたので、他にも大将から薦めて頂いた地元のお酒を沢山頂きましたが、残念ながら覚えておりません。

噂に違わぬ本当に奥深く味わいのある超一流の居酒屋さんでした。無理やり居酒屋さんという枠組みに縛りつけるのも憚るようなお店かな。

最後に大将になぜ40年も続けられたのですかという問には、「適当にやってきたからですよ」という笑顔での回答。

それが正解とは思えませんが、ご本人にとっては極める為の真髄なのでしょうか。

秋田の真髄に、ごちそうさまでした。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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5位

秋田 てんぷら みかわ (秋田 / 天ぷら)

3回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.4
    • | CP 4.3
    • | 酒・ドリンク 4.1 ]
  • 昼の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.3
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.2 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥8,000~¥9,999

2017/08訪問 2019/08/16

【再訪】充電期間、秋田を引っ張る天ぷら屋さん『大将の瞳がキラキラしてる・・・』

いきなり【休業】と表記されていますが、店舗建て替えのため9/4からお休みして11/20から再オープンの予定ですので、ご安心下さい。(大将談)

やっぱり秋田の天ぷらみかわさんとは、何かしかの縁があるようだ。今回予約の連絡した際には、奥さまから「すいません。残念ながら満席なんです。」と気落していると、すぐさま「良かった。キャンセルがでました。」と明るいご返事を頂いた次第。

今夜はサッカーワールドカップ予選、大事なオーストラリア戦があるので、開店早々に伺うことに。本日は一番乗りらしく大将と奥さまとお話する機会が。

やはり、本日の話題はお昼に伺った山王のイタリアンのお店で「みかわさん、お店建て替えるらしいですよ。」との会話から。大将に聞くとお店を建て替えるので、3ヶ月ほど休業されるとのこと。ということは今週末が最終営業日であった。なんとラッキーなことか。やっぱり縁があるのかな。

話してばかりでは、ご主人が天ぷらに取りかかれないので、前説はこれくらいで生ビールを注文する。最初にちょっとした摘まみが出てきた。

・酒肴豆(枝豆)
~普通の枝豆との違いがちょっとわからないかな。

・本マグロ(八森産)
~八森産の本マグロは初めて頂きます。軽い赤身のマグロだが、あまり頂いたことがないような食感。

・蓴菜
~蓴菜に軽く酸味のある味付けした1品。お酒にはよく合うんだよな。

■注文 おまかせ7500円

・車海老(天草産)
~前回は、2匹の車エビの揚げ方の違いによる楽しみ方。今回は工夫を凝らした車エビの楽しみ方。まずはシンプルにちょっと生っぽくジューシーに揚げてあるので、甘く蕩けるよう。天草は車エビの産地なので、改めて車エビの旨さを認識させられた。

ここでお酒にするが、小玉醸造の「太平山天巧」。
~大正2年から酒造りを続ける小玉醸造。旨味とキレ味の太平山の特長は生もと仕込みによるものらしい。天巧とは自然天然に咲しめられた天巧の妙味という意味で命名され、リンゴのような香しい芳香と抜群のキレがある。ANAのファーストクラスで提供されている逸品らしい。

・車海老の頭
~カラリと揚げられてサクサク。やはり塩が旨い。

・車エビの大葉包み
~これはちょっと趣向を変えた初めての天ぷら。毎晩、なにがしかの魚の刺身で晩酌している小生としては、必ず刺身のつまはミョウガか大葉ですから馴染みの味わい。これは合うと思うな。

ここで大根の話に。出汁にいれる摺り大根は青森産らしい。なぜか?地元の大根は水っぽいらしく出汁に合わないらしい。確かにしっかりとした食感が残る大根なので薬味としてよりも存在感がある。

・真こち(秋田産)
~こちは、独特な濃い味のする魚なので、大好きですね。先週は、札幌で八角を頂いたが似たような姿形に白身の味わいがあるが、こちの方が身が締っている。

・紫アスパラガス
~穂先は甘く塩があう。根の方は出し汁があうとのことだが、その通り。揚げ方も穂先は軽く、根の方は堅いのでしっかりと焦げ目がつくくらい、繊細さが光る。

次は、新政酒蔵の「やまユ」
~ラベルがピンクで綺麗だが、お酒の名前が読み取れないくらいに薄い印字。飲み口は滑らかで味わいはフルーティーな感じ。独特な酸味を感じるがそこまでしか表現できない。気になるのは、裏ラベルに「お客様におかれましては、さらに貯蔵しお好みの味に育てるもよし」と記載されているので、寝かせると旨くなるのでしょうか。奥さまからはちょっとお高いですがと優しいアドバイス。

・雲丹の大葉巻き
~前回、ちょっと火が入り過ぎてるような気がしたが、今回はトロッとした食感が残り安心した次第。雲丹に火を入れるのはなかなか難しいでしょうね。さすが、あ・うんの呼吸で一発回答。

今度は休業中の話題に。「その間は何するの?」との問いには、主に東日本の同年代の天ぷら屋さん行脚を予定しているとのこと。そうですよね。こんな機会は一生ないからね。奥さまも一緒に食べ歩きするのではなく、大将だけの人脈形成の期間らしい。奥さまは子供と留守番らしいが、大将の将来がかかる大事な時期ですからやむ得ない。言うなれば将来のための投資であり充電期間。

それに、特筆すべきは地方の卸業者に漁師を紹介頂き、個人的なルートを持つことも考えているとのこと。小判寿司の和地さんがやっていることと同じである。やはり、これからの料理人は信頼できる目利きの卸屋さんだけでなく、自ら素材を仕入れる時代になってくるんだな。リスクは高いがそこまでやらないと一流ではなくなる時代かも。個人レベルの流通革命であろう。

・スミイカ
~イカの子供。柔らかく今の時期にしか頂けないような1品。捌くのも大変だろうなと思う次第。鮨屋さんの新子のようなものかな。

・キス(秋田産)
~これまた綺麗な透明感のあるすっきりした味わい。江戸前だなと思える逸品。時期がきたら、是非東京湾のハゼを使って頂きたい。ハゼの天ぷらが大好物なもので。

・むかご
~懐かしい、いい香りと味。昔は野山でたくさん採れていたもの。ご飯に炊き込むむかごご飯もまた旨い。ちょっとホクホクした食感と粘りのある舌ざわりがやはり芋類だと感じさせる。

次は、秋田酒蔵の「ゆきの美人」。
~小さな蔵元だが、最新鋭の設備で年間醸造を可能にしているとのこと。上品でかつフレッシュな香味があり、後味もいい味わいは飲み口爽やかな辛さを持っている庶民的なお酒。因みに、大将はあまりお酒は飲めないらしく、もっぱら奥さまが飲み役らしい。お酒の横に奥さまに立って頂き写真撮影したが、あらためてお酒の名前とおりの秋田美人である。

・穴子(対馬産)
~いつもながら、とにかくさっくりとした食感と天ぷらならではの味わいが素晴らしい。箸を使った切り方がお洒落でちょっとした演出としては解りやすい。本当にどこに行っても対馬の穴子は評価が高い。いつもは博多で穴子刺しで頂くので、天ぷらも嬉しい限り。

・椎茸
~嵩が高く肉厚で旨味を閉じ込めてあり、ジュワッとした食感がいい。

・芝エビのかき揚げ
~今回も純粋にかき揚げを味わう。出汁がちょっと濃く感じたので、いつもの醤油ではないように感じたが、大将に聞くのを忘れた。

最後に、大将はある有名な大企業経営者の公演を聞きに行ったらしく、参考として小生の企業人としての仕事の取り組みかたや考え方も聞かれることに・・・。話ながら思ったのは、どんなに住む世界が違っても、学歴や仕事が違っても、ベーシックな考え方や取り組む姿勢は一緒ですよねという結論に至った次第。(ちょっとざっくり過ぎるかな。)

こんな前向きな話をされる職人さんはなかなかいない。目指すところが高いので、やはりこれからの秋田を引っ張る存在になっていくのでしょうね。北嶋さんといい、小判寿司の和地さん、粋・丸新の熊倉さんといい、地方を拠点に地元の良さを情報発信しようとする試みに、いつもこちらが勉強させられる。こういう地元を大切にする職人さんとお話するのはワクワクして楽しみで仕方がない。

秋田は地方都市ながら料理人のレベルは高いようなので大変でしょうが、陰ながら応援してます。いつもながら、楽しく有意義な時間をありがとう。今からサッカー日本代表をご夫婦の分まで応援してきます。(結果はお陰さまで2-0の勝利)

ごちそうさまでした。

やっぱり秋田の天ぷらみかわさんは、何かしら雰囲気がいいね。これは旨い天ぷらはもちろんですが、きっと大将の笑顔と女将さんの内助の功であろう。

秋田という街は、底知れずなにがしかのインパクトを持った料理屋さんの集合体のような気がする。たまたまお隣に座っていた年輩のご婦人達に秋田は素晴らしいところですねと力説しても、最初はそうですか~みたいな反応。しかし、徐々に県外の小生から言われて少し納得された様子。やはり、いつもの生活の場では比較のしようがないのかも。

今日は先日とは違うコースをお願いします。

■注文 おまかせ6500円

・巻海老(2匹)
~最初はちょっと生っぽくジューシーに揚げてあるので、甘く蕩けるよう。次は、しっかりと火をとおしてあるのでパリッとした食感。大将によると海老は火をとおしても旨い魚なので、また違った旨味を感じるとのこと。確かにまた別物と思えるくらいにどちらも旨い。

・巻海老の頭
~カラリと揚げられてサクサク。やはり塩が旨い。

今回は天ぷら粉用の箸がなぜ太いのかという疑問。天ぷら粉は水分を含むとグルテンになる。これはイコールうどんのこと。従って天ぷら粉に水分はいらないのでだまにならないよう太くしているとのこと。大将はみずから太くて使いやすい箸を作るので、独自のいわゆるマイ箸らしい。

また、だし汁の作り方をお聞きしましたが、ちょっと企業秘密かも。厚い鰹節と薄い本枯れ節を使い分けており、一番だし100%プラス一番だし10%。濃くのなかにあっさり感がでるようでお店の色になっているのかな。小生に教えて頂くレベルですから、さらに奥深い何かがあるはずですが。

・真こち
~こちは、独特な濃い味のする魚なので、大好きですね。

・紫アスパラガス
~穂先は甘く塩があう。根の方は出し汁があうとのことだが、その通り。

ここでお酒にするが、新政酒造で唯一の定番生酒である「NO.6(ナンバーシックス)」に。6号酵母の魅力をダイレクトに表現することを目的に醸造されたお酒とのこと。本来、日本酒の生酒は冬の新酒から翌年の春先まで、つまり気温が低い時期のみ出荷するのが妥当らしいので、無殺菌で酵素も失活されていない日本酒の生酒は、6度以下、つまり冷蔵庫の中でしか品質を維持できないお酒。

・雲丹の大葉巻き
~ちょっと火が入り過ぎてるような気がするかな。大将の考えるところとは違うと思いますが、もっとトロッとした食感にして頂く方が旨いと思うが・・・。

・キス
~これまた綺麗な透明感のあるすっきりした味わい。江戸前だなと思える逸品。

次は、秋田県天寿酒造の鳥海山「伝口切辛」。味わいは電光石火のように切り口爽やかな辛さを持っており、いつでも家庭で飲めるお酒がコンセプトらしい、庶民的なお酒。

・穴子
~いつもながら、とにかくさっくりとした食感と天ぷらならではの味わいが素晴らしい。確か対馬の穴子だったと思いますが、本当にどこに行っても対馬の穴子は評価が高い。いつもは博多で刺し身で頂くので、天ぷらも嬉しい限り。

・椎茸
~嵩が高く肉厚で旨味を閉じ込めてあり、ジュワッとした食感がいいな。

・かき揚げ
~前回はかき揚げの出し汁漬けだったので、今回は純粋にかき揚げを味わいます。う~ん、結局どちらも美味しかったな。

・デザート

今回は小生以外のお客様が2組でしたので、大将とは軽くお話するだけだったが、余計に天ぷらを揚げるときの集中した姿を見ることができた。やはり、真剣勝負なので、話しかけるタイミングを学ばせて頂いたようです。

帰りに、明日は福島の小判寿司に伺う話をすると、大将もよくご存知とのこと。やはり一流の料理人は交友関係が広いですね。最近伺った料理屋さんには何がしかの縁がある方がいるが、いつも不思議なものだなと感心させられる。

それと、みかわ是山居の大将がNHK スペシャルに出演したとのことだったが、見逃してしまった。「みかわ是正居」早乙女哲也さんと「すきやばし次郎」小野次郎さんの番組、本当に残念。

【PS】
翌日、小判寿司の和知さんとは北嶋さんの話題で盛りあがったので、これまた美味しいお酒が飲めましたよ。よろしくお伝え下さいとのこと。

ごちそうさまでした。
贅沢にも、小生一人だけに天麩羅を揚げて頂くことに。予約して伺いましたが、ラッキーなことにお客は小生のみ。ですから、ゆっくりと生ビールを飲みながら、熱々の天麩羅を頂くという贅沢な時間を過ごすことができた次第。場所は、秋田駅西口から歩いて4~5分くらいでしょうか。

大将は、東京門前仲町にある老舗天ぷら屋「みかわ 是山居」の店主・早乙女哲哉氏のもとで約4年修業してきた方。天ぷらの名店から暖簾わけしてもらえるとは大変なことであり、更にオープンの日には早乙女氏が自らお店に駆けつけて実際に天ぷらを揚げたらしい。

その日は、元々早乙女氏が来る予定は全くなかったらしく、いきなり早朝に早乙女氏から「今から行く」との連絡あり初めて知ったようだ。弟子の門出を祝いに駆けつけたのだが、終日天ぷらを揚げる手伝いしたあとは最終の新幹線でさっと帰って行ったとのこと。ちょっとかっこ良すぎる。

注文は5000円のコースをお願いする。まずは、生ビールで喉を潤すが、さっそく春の山菜としてはそろそろ終わりとなるタラノメが揚がってきた。綺麗な形はそのままに油もしっかり切れている。余計な水分が抜けてタラノメらしい歯触りと食感が嬉しい。

お次は、巻海老(車海老)だが、頭と身の部分を分けて揚げてある。身はふんわり、頭はカリッと揚げ方が違う。お見事。天ぷら屋「みかわ 是山居」でも、海老は芯だけをレアに仕上げて “甘み” を極限まで引き出すらしいのでしっかり受け継がれている。因みに、車海老は成長とともに呼び名が変わる。小さなものから「小巻」→「才巻」→「巻」→「車」→「大車」と変化していく。こちらでは巻海老だが、お鮨では才巻くらいが調度良いのかな。

地元のお酒をお願いすると「天の戸夏田冬蔵」が・・・。「フレッシュさが残る味わいの純米大吟醸で、きれいな甘さと奥底にわずかな野性味が余韻として残る仕上がりで、春の野の息吹の山菜の天ぷらとよく合う。」蔵元のコメントからするとナイスなチョイスかな。

それからアナゴがまた素晴らしく、揚げたてをさいばしで割ると香ばしい湯気が一気に立ちのぼる。ただでさえ、大好物のアナゴなのでパリッとした食感と濃厚な甘味が香り立ち、旨すぎて目眩がしそう。

次は、空豆。これがまたいいんだな。最近「銀座みを木」で焦げ目がつくくらい焼いた大きな空豆にちょっと塩かけて頂いたが、めっちゃ旨かった。串で刺した空豆の天ぷらは季節ものらしく春を感じる逸品であった。

天ぷらを頂きながら、大将と色々なお話しを・・。大将は16歳から料理の世界に飛び込み、26歳の時に、早乙女氏の著書を読んでいたく感動し、意を決し「みかわ是山居」の門を叩いたとのこと。しかしながら、よく早乙女氏から弟子にしてもらえましたねという問には「断られるはずがない」と思っていたとのこと。岩をも穿つ熱い思いは天ぷらの天才にも通じるんですね。いい話やな~。

次は、キス。外側はパリッ、内はふんわりとした上品さ。小生はハゼが大好物であり、ややキスと似た上品な白身が旨いが、大将によると秋口に使うこともあるとのこと。是非チャンスがあれば頂きたいものだ。

若鮎は、キリッとした姿にパリッとした食感が素晴らしい。見た目も綺麗な逸品。最後は、ウドの天ぷら。ウドと言えば白いイメージだが、こちらは鮮やかな緑色。これが自然なウドの色合い。

最後は、かき揚げか出汁茶漬け。女将にどちらがお薦め?悩みながらも、かき揚げはよくあるので出汁茶漬けを選択して頂いた。出汁は、鰹節と昆布だしのブレンドらしく、てっきり魚の骨からとった出汁かと思えるくらい濃い目で旨かった。

天ぷら屋さんと言えば江戸前料理ですが、大将によると天ぷら専門店のほとんどが東京にあるらしい。江戸前料理は、天ぷら、お鮨、蕎麦と和食のルーツでもあるから奥が深い。しかしながら、天ぷら単独で商売するのはなかなか難しいらしく、地方の専門店も結局は鮨や他の和食を加えて幅を広げ集客力をあげるようになってしまうようだ。

銀座ならまだしも、人口の少ない秋田で天ぷらだけで勝負する大将の勇気に感服した次第。また女将さんもタイムリーに話に加わって頂き楽しい時間を過ごさせて頂いた。その後、丁寧なお礼のハガキまで頂き感謝する次第。秋田のワクワクするような天ぷら屋さんであった。

ごちそうさまでした。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
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6位

青空 (新橋、内幸町、銀座 / 寿司)

1回

  • 夜の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥40,000~¥49,999 -

2017/12訪問 2019/01/25

銀座、凛とした清々しい設えと雰囲気『緊張感のなかにも大将の笑顔が和む・・・』

地方では気軽に伺えますが、なかなか敷居が高い銀座の鮨屋さん。それもミシュラン☆☆『青空(はるたか)』さんですから、さもありなん。場所は新橋駅から歩いて5分くらいでしょうか。JR線沿いの四つ角のビルですからわかりやすい。周りの飲み屋さんは殆んど新橋の雰囲気ですが、住所は一応銀座。

前日に予約確認の連絡を頂いたが、いいタイミングなので当日のネタをお聞きすると、摘まみの内容からネタまで懇切丁寧に説明して頂いた。何か清々しい誠意を感じたので余計に楽しみ。

お店は銀座で2006年独立開業されて、昨年6月に以前のお店の近くに移転されたようですので、店内は真新しい店構えとシンプルで綺麗な設え。

6階のエレベーターを出て暖簾をくぐると、立派な白木の清々しいカウンターが遠近法のように真っ直ぐに延びている。カウンター席は12席であるがゆったりと広めであり、奥には個室もあるようだ。お店の雰囲気は凛とした江戸前鮨ならではの緊張感が漂っている。

すでに先客のカップル3組6名が席についている。なかにはかなり歳の離れすぎたカップルのようであり、とても御夫婦には見えないところがなんとも言えないが、そこは銀座。・・・詮索はするまい。

店主の高橋青空さんのお名前でもある「青空(はるたか)」。お摘みと握りのまかせコースのみだが、好みに合わせて握り主体で構成することも可能らしい。事前に好みや食べれない食材を聞かれますが、お願いしたのは、今の季節で一番美味しい食材ということだけ。今年はこれでおしまいみたいな・・・(((^_^;)。

銀座の名店である「すきやばし次郎」で長年修業されており、築地で最上級の食材を仕入れるので「うちがだしている食材が銀座でも最高ですよ。」と言い切る自信が凄い。キリッとした立ち振舞いに、さりげなく江戸前の本道を支える自負を感じる。

今夜は釣り好きな旧友との再会。魚に関してはちょっと煩いが、まずは生ビールで乾杯。

【お摘み】
・菜の花お浸し
~普通に優しいお通し風の1品。かなりの薄味。

・くえ(山口仙崎産)の刺身
~くえ特有の匂いがなく淡泊な旨味がある。博多ではあらと呼ぶが、大将によると玄海灘のくえは独特な香りがあるので使わないらしい。え~そうなんですね。

・くえ(山口仙崎産)の湯引き
~くえを大根おろしと軽いポン酢で頂くあっさりとしたお摘まみ。

次は、お酒で辛口のすっきり系と大将にお願いすると「鄙願(ヒガン)」。新潟県村上市の大洋酒蔵。何か名前がいい感じ。

・たこ(神奈川佐島産)
~柔らかく煮付けられたたこを藻塩で頂く。かなり薄味ですから口の中で味わいを探す感じかな。

・白子(青森産)の餡掛け
~真鱈の白子を蕪の餡掛けで頂く繊細で上品な摘まみ。摘まみというより小さな椀物としてホッとする逸品。

お酒がはいってお店全体が和やかな雰囲気になると、大将も時おり柔和な笑顔になって会話に入ってくる。「大将は江戸っ子ですか?」の問いにも「北海道・旭川ですが、寒いのは苦手なのであまり帰らないですね。」お客の会話もしっかり聞いており、ちょっと軽くユーモアも交えて返して頂く。

・黒鮑(三陸沖産)
~物凄く柔らかいので箸で切れそう。お決まりの鮑胆は一切使わない。それは胆の濃い味にせっかくの黒鮑の味が消されるからとのこと。そういう話をしていると、「試しに胆も食べてみて下さい。」味見させて頂くが、確かに仰るとおり。

・鰆(千葉銚子産)とカマス(東京湾産)の焼き物
~カマスが意外に大きいと話題になる。やはり関東から仕入れた江戸前のネタが多いのかな。

・白甘鯛(愛媛八幡浜産)の潮汁
~高級魚である白甘鯛を出汁をとった潮汁として頂く見た目も美しい逸品。摘まみというより料理として一級品である。

・鰆の味噌焼き
~焼いた味噌のホンノリとした香りがいいね。なかなかいい感じ。お酒がいけます。

次のお酒もお弟子さんに辛口すっきり系とお任せすると「綿屋(わたや)」。宮城県栗原市の金の井酒蔵。

・ボラ[からすみ](宮崎日向灘産)※追加注文
~もう1品お摘まみをお願いすると、からすみを薦められる。全国どこでも捕れるはずのボラですがなぜか宮崎産が良いらしい。ちょっとよくわからないが絶品とのこと。確かに旨い「からすみ」になっている。秋田でもそうだったことを思い出して、大将に大きなボラの卵の写真を見てもらう。

これからは握り鮨となるが、大将の握る姿が楽しみ。若々しいなかに落ち着きを感じさせる立ち振舞いは、経験に裏打ちされた自信ですね。

【握り鮨】
・すみいか(鹿児島産)
~イカらしいねっとりとした旨味がシャキッと酢と塩の効いたシャリに合ってます。

・〆さば[金華鯖](三陸沖産)
~やはり江戸前には〆鯖なので脂の乗った金華鯖が最適らしい。小生の大好きな五島の生鯖は使いませんよとやんわり否定される。もうちょっと厚みがある方が旨味がわかりやすいと思うが、上品さを求めるのでしょうか。

・ひらめ(青森産)
~ヒラメは青森産が旨いんです。八戸の魚市場は冬場になると殆んどヒラメなんですね。驚きました。

・白甘鯛(神奈川佐島産)の昆布締め
~甘味といいしっとりとした舌触りといい味わい深い最高級品。軽い昆布の香りがめっちゃいい感じで好きですね。

とにかく米酢と塩の効いた真っ直ぐでキリッとしたシャリが素晴らしい。大将にお聞きすると、お米は2種類を使っており固めにしっかりと炊き上げてネタに合わせて絶妙に温度を調整しているとのこと。米酢はミツカンの白銀、塩は金沢能登産を使っており、ちなみに醤油は茨城の紫峯醤油。

・さより(三陸沖産)
~このさよりは太くて大きい。なかなかこんなサイズは磯釣でも見かけない。あっさりした上品な旨さが際立つ逸品。

・本マグロ大トロ(舞鶴産)
~本マグロは老舗卸問屋の「やまゆき」であり、マグロの卸問屋では日本一とのこと。舞鶴産の本マグロ160kgという立派なサイズ。蕩けるような大トロではなく、シャキッとした味のある男前な本マグロ。

・こはだ(九州産)
~九州産なんですね。こはだは必ず頂く江戸前鮨の握り。酢の効いたこはだは大好物ですが、シャリも酢が効いているのでちょっと甘味があった方が好きかな。

・ハマグリ(千葉産)
~これまた江戸前鮨の大好きな煮ハマグリ。千葉は本場ですから身が大きくてプリプリして旨い。

・マナカツオ(淡路島産)
~写真を忘れるという失態。口のなかに旨味だけは残っていたはず。

・イクラ(三陸沖産)
~出汁が上品なのか、何も手を加えていないようなシンプルなイクラ。イクラそのものの味わいのみで普通に美味しいでしょう。

・車海老(大分産)
~本日一押しの車海老。この大きさにこの厚みが凄くめっちゃ旨い。あまりに大きいので2つに切り分けるが、最後には"コトン"と包丁の刃の重みで切り落とす。由緒正しい音色。

・チダイ(茨城産)
~昆布絞めしたチダイは、見た目の肌艶も綺麗で楽しめる握り。昆布締めは大好物なので嬉しい逸品。

・蝦夷馬糞雲丹(昆布森産)
~残念ながら唐津の赤雲丹は時季ではないらしい。それでも、この時季の2ヶ月間しか採れない釧路の昆布森産の最高級蝦夷馬糞雲丹ですから贅沢な逸品。やはりめっちゃ旨い。

次は、お酒から白州の水割りにする。

・白甘鯛(愛媛八幡産)
~最高級の白甘鯛は白身であるが淡白ではない旨味が詰まっている逸品。米酢のシャリにぴったり。

・穴子(対馬産)
~大将曰く、対馬の最高級穴子ですから旨いはずですよとのこと。仰る通りのほろほろと身が溢れるような煮穴子には感動です。

・玉
~大きくて旨いが、特徴としてはわかりづらいかな。

握りの追加として、江戸前のこはだと穴子を注文して、満腹・大満足。あ~、贅沢し過ぎたので年末まではじ~っとしとこう。(((^_^;)

銀座で江戸前鮨の王道を頂く幸せなひととき。
ごちそうさまでした。

  • (説明なし)
  • (説明なし)
  • (説明なし)

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7位

菊鮨 (大野城、白木原 / 寿司)

6回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

2022/09訪問 2022/09/19

【再訪】大野城、瀬口さんの握りはいつも何か特別『益々進化する握り・・・♫』

福岡でのランチは大野城の『菊鮨』さん。
大野城は博多から電車で15分、福岡空港からも距離的には同じくらいの住宅地のなか。駅から徒歩10分くらいかな。昨夜の大分、黒崎の鮮魚系料理から福岡のお気に入りのお鮨屋さんへ♫

ご主人である瀬口さんの経歴は今さらだが、モナコ公国の経験などから更なる高みを目指しておられる料理人。いつもの玄界灘の魚介類を使った本格的な江戸前が楽しみ♫

まずは、生ビールと炭酸水で乾杯。

【お摘み】
❶真蛸〜コノワタの内臓系塩味が真蛸に蕩ける
❷鯛卵〜卵の味がわかる薄味にツンとこない山葵の香り
❸九絵お造り〜塩or山葵、葱。やっぱり博多は"アラ"
❹ヤイト鰹〜味わいあるスマ鰹は好きだな
❺真魚鰹の素揚げ海苔巻き〜もはや真魚鰹そのもの
❻喉黒蒸し鮨〜独特な喉黒の味わいある餡が絡む丼
❼渡蟹イクラ鮨〜さらに青海苔のせアクセント
❽鰆焼き物〜綺麗に飾り包丁を入れ焼きカラスミ振りかけ
❾ムラサキ雲丹の茶碗蒸し〜濃厚なムラサキ雲丹は嬉しい

そろそろ握りの準備。最初に伺った頃は米酢と赤酢の濃淡2種類のシャリを使い分けていたが、5年ほど前から赤酢(横井醸造)をベースにブレンドして今の赤酢のシャリに仕上がっている。

因みに、鮨のお米はシャリというが、釈迦の遺骨のことを仏舎利と書き、火葬され残った骨が真っ白で米粒に似ており、分骨された仏舎利がとても小さく米粒に似ていたから。

【握り】
①新イカ地物(姪浜)〜墨烏賊の子供は初々しい
②鱚(姪浜)〜地物中の地物、博多から近い姪浜漁港
③九絵(五島)〜上品な味わいが素晴らしい
④ヤイト鰹(五島)〜大好きなスマ鰹、握りも美味い
⑤新イカげそ(姪浜)〜新物は何か特別感がある
⑥鯵地物(玄界灘)〜根付きの鯵は脂ののりが半端ない
⑦小肌(熊本)〜有名になった天草の小肌は絶品
⑧メジマグロ(五島)〜クロマグロの幼魚だが大人の味わい
⑨本鮪(戸井)〜延縄で揚がった122kgクロマグロ、山幸より
⑩車海老(玄界灘)〜車海老は天草産だけではない
⑪蛤(九十九里)〜柚子の風味が効いて蛤の濃い味わい
⑫赤雲丹(山口)〜たっぷりの赤雲丹、奥さま大好物♫
⑬赤出し
⑭玉

一種類の赤酢に固定してから約5年、いつもながら熟成されたような香りながら硬めのシャリがたち、口にいれるとホロリと崩れる絶妙なバランスが心地良い。

玄界灘が中心の種は食べ慣れた魚介類が安心感をもたらしてくれる。楽しみな赤雲丹は近年味が薄くなってきた気がするが、他のお店でも同じような話を聞いた気候変動の影響だろうか。

美しい瀬口さんのお鮨、これからも末永く頂きたいものだ。
ごちそうさまでした。
年初から、久しぶりに福岡と北九州に出張。
タイミング良く仕事の合間を縫って、そろりそろりとお気に入りのお鮨屋さんに♫

今回はお昼ながら、事前に夜の部のコース(22,000円)をお願いしていたもの。他のお客様は皆さんお昼のコースらしく、当然ながらわたくしは入口近くのボッチ席。ご主人の握りの所作が見えにくいが、基本は黙食ですからね。

ご主人の瀬口さんは相変わらず清々しい出で立ちの好青年。失礼、今や福岡鮨の重鎮のお一人ですから、貫禄がついたような・・・♫

先ずは、生ビール、あとは白州の水割り。サッと間髪入れず第一弾のお摘みが登場。いつもながら新鮮な素材に工夫を凝らした楽しみなお摘み♫

【お摘み】
❶アコヤ貝〜第一弾は真珠養殖で知られるアコヤ貝の貝柱を食する。鰹と昆布出汁にトロッとした衣と貝身が絶妙 ♫

❷虎河豚刺し〜薄切り、皮に鴨頭葱を巻き、唐墨を薬味に舌にのせると玄界灘が押し寄せるよう ♫

❸タイラギ貝の磯辺焼き〜出汁の染みたタイラギを炙って刻み青海苔をのせた一品。香ばしさが食欲をそそる。

❹鰆~小鉢に大きな鰆の切り身に葱、胡麻、山葵をのせ、大胆にかぶりつく。

❺渡り蟹〜清酒と紹興酒に漬けた新鮮な渡り蟹、上海蟹の紹興酒漬けみたいな蟹の旨味にしゃぶりついてしまう♫

❻マナガツオ〜揚げたて熱々のまながつおに岩塩をふり海苔巻きで。熱々加減が半端ない。

❼天然牡蠣(佐賀いろは島)の茶碗蒸し〜小ぶりな牡蠣に味わいの濃いとろっとろのコノワタを合わせてアクセント。

❽虎河豚白子〜昆布にのせて焼いたプリプリの白子、焼き解した唐墨を添えて塩味を加える。小石原焼きのお皿に極上の幸せな逸品 ♫

そろそろ握りの準備。最初に伺った頃は米酢と赤酢の濃淡2種類のシャリを使い分けていたが、4年ほど前から赤酢(横井醸造)をベースにブレンドして今の赤酢のシャリに仕上がっている。

研究熱心な瀬口さん、いつも試行錯誤の繰り返し。ようやく落ち着いたのだろうか。シャリは角がなく口の中でホロホロと解けるよう。酢の立った正統派江戸前も良いが、シャリとネタの熟成された絡み具合が絶妙な塩梅の博多前も秀逸。

【握り】
①鮃~キラキラと軽く脂がのった熟成された味わいが好き♫
②喉黒〜しっとりと熟成された喉黒は酢飯に合う。
③細魚~昆布の出汁で〆たもの。
④ソデイカ〜もちもちとした甘味と食感。
⑤ハガツオ~白身に近い美味い鰹。
⑥本鮪漬け~漬け具合、もちもちとした食感が良い。
⑦本鮪大トロ~塩釜産、切り目を入れたねっとり旨味の技。
⑧蛤〜九十九里の蛤はやはり大きくて味が濃い。
⑨鯖寿司〜シャリを取り巻く上品な鯖。
⑩車海老〜大好きな天草の車海老にシャリと芝海老朧。
⑪馬糞雲丹〜色鮮やかで綺麗な馬糞雲丹。
⑫穴子〜定番の厚みとホロホロ感が秀逸。
⑬ヤイトカツオ(手巻き)~カツオのなかでは脂ののり秀逸。
⑭玉〜スエビの出汁で。
・赤出汁〜シンプルなナメコの味わい。

やっぱり地物のネタをふんだん使った赤酢シャリの握りが、とびきり美味い。それにアイデア豊かなワクワクするお摘みが素晴らしい。更なる高みを目指して頑張っておられる姿を、京都から応援しています。

今年はオープンして9周年らしく、帰り際に瀬口さんからそっと「9th Anniversary 菊鮨(浜地酒造)」を頂き、誠に有難し。浜地酒造の"ヨーグルトあまおう(酒)"はお取り寄せするほどの大ファン♫

多少は値上がりしたが、いつもながらこのコスパを維持しているとは驚きです (*_*)
ごちそうさまでした。
今夜もそろりそろりと、大好きな大野城市のお鮨屋さんに伺います。前日は博多の『鮨さかい』さんですから、奇跡的にも連夜の予約ができて嬉しい限り。昨年だけで3度も振られてましたから、本当に有難いことです。 ♫

今回もカウンターの中央でご主人の真正面というご配慮が嬉しい〜。ご主人の瀬口さんは相変わらず清々しい出で立ちの好青年。失礼、今や福岡鮨の重鎮のお一人ですから、やや貫禄がついたような・・・♫

今夜もお任せ(19800円)をお願いして、お鮨の味わいを邪魔しないハイボールで。先ずは、いつもながら新鮮な素材に工夫を凝らした楽しみなお摘みから。

今夜も凄いお摘みでしたよ〜╰(*´︶`*)╯♡

【お摘み】
・アコヤ貝〜真珠養殖で知られるアコヤ貝を食するという発想。鰹と昆布出汁にトロッとした衣と貝身が絶妙 ♫

・虎河豚刺し(玄界灘)〜薄切り、皮に鴨頭葱を巻き、唐墨を薬味に舌にのせると玄界灘が押し寄せるよう ♫

・渡り蟹(山口)〜ウヒョ〜、清酒と紹興酒に漬けた新鮮な渡り蟹の旨味を吸い取るように頂きます。絶品です♫

・牡蠣の茶碗蒸し〜いろは島産の小ぶりな牡蠣に味わいの濃いコノワタを合わせてアクセントに。

・虎河豚白子〜昆布出汁の味わいあるプリンプリンの白子に唐墨を削って塩味を加える。小石原焼きのお皿に極上の幸せな逸品 ♫

・タイラギ(豊前海)、馬糞雲丹(昆布森)〜出汁の染みたタイラギに熱を加え、馬糞雲丹をのせて炙った一品。香ばしい馬糞雲丹に優しいタイラギが良いね。

・まながつお〜揚げたて熱々のまながつおに岩塩をふり海苔巻きで。熱々加減が半端ない。

・喉黒〜皮目がパリパリで身はしっとりの喉黒を酢飯にのせて頂きます。うえには薬味の岩海苔で。

今夜は今までのなかでは最高、腰を抜かす位の素晴らしいお摘みでしたね〜(*^^*)

さあ、本番の握りがまた楽しみ〜♫
ム・ム・ム〜、あれっ何かが違うな〜(^^;)

そうだ、シャリのお櫃が1つだけになっている。今までは、赤酢の濃淡での2種類だったが、いつの間にか1種類になっていた。まだまだ試行錯誤を繰り返しているようで、瀬口さんの志の高さを見たような気がします。

【握り】
・アオリイカ(金崎)〜もちもちとした甘味と食感。
・真鯛(平戸)〜軽く昆布締めって好きです。
・鰤(対馬)〜珍しいかな。塩が合いますね。 
・本鮪(塩釜)〜10日ほど寝かせて。
・小肌(兵庫)〜酢加減も抜群。姿もシャキッと。
・カマス(京都)〜飾り包丁と炙りが食欲を唆る。
・蛤(九十九里)〜千葉の蛤は大きくて味が濃い。
・鯖寿司(博多)〜シャリを取り巻く上品な鯖。
・車海老(天草)〜シャリとの間には芝海老朧か。
・サワラ(天草)〜軽くスモークした香りが秀逸。
・赤出汁〜シンプルなナメコの味わい。
・馬糞雲丹(昆布森)〜色鮮やかで綺麗な馬糞雲丹。
・穴子(対馬)〜定番の厚みとホロホロ感が秀逸。
・玉〜スエビの出汁で。

今でこそ、菊鮨さんはミシュラン⭐️、食べログSilverのご常連ですが、初めて伺った頃は無印であり、その後は飛ぶ鳥落とす勢い。

今年こそ、更なるブレークスルーを果たして、ミシュラン⭐️⭐️⭐️、食べログGoldまで登り詰めそうな気がします。いつもながら、高みを目指すご主人の心意気がちょっと楽しみ ♫

地物のネタをふんだん使った赤酢シャリの握りが、とびきり美味い。それにアイデア豊かなワクワクするお摘みが素晴らしいんです ♫

それにしても、このコスパを維持しているとは驚き (*_*)
いつもながら福岡って良いよな〜╰(*´︶`*)╯♡

ごちそうさまでした。
お久しぶりの『菊鮨』さん。今回は時間的に余裕があり、また偶然にも予約できたもの。

それも今回はカウンターの中央でご主人の真正面というご配慮が嬉しい〜。ご主人の瀬口さんは相変わらず清々しい出で立ちの好青年。

いつもは義父や義兄夫婦とのランチで伺っていたが、今回は一人で羽を伸ばせる魅惑の夜。ワクワク。^_^

さっそく生ビールを頂きながら、左隣の地元の母娘と右隣の年配の食べ友らしき不思議なカップルにご挨拶。

【お摘み】
・真蛸(志賀島)
〜真蛸と茄子に酢味の効いたジュレとオクラのたたきをかけた夏らしい爽やかな逸品。見た目も綺麗。

・真鯛(姪の浜)
〜真鯛に雲丹醤油(余市)がけ。雲丹醤油はちょっとまったりした味わい。

・蛤(千葉)
〜蛤の天ぷらだが、かなりの大きさでジューシーで食べ応えあり。

・渡り蟹(五島)
〜渡り蟹とこのわたの茶碗蒸し。底から現れる具材がインパクトあり。

そう言えば、明日は『福岡・佐賀・長崎』ミシュランガイドの発売日。菊鮨さんは⭐️だったらしく、お祝いの胡蝶蘭が飾られている。

だが、ご主人の瀬口さんはまったく納得していないようで、お祝いの言葉にも「いやいや・・・」との反応。

それもそのはず、福岡市内の有名鮨屋は軒並み高評価だが、北九州の『天寿司』と大野城の『菊鮨』という福岡市外の一流店は⭐️のみと評価が分かれた様子。

表彰式では、その場に居合わせた天寿司のご主人と瀬口さんは、そのままお通夜のような打ち上げに参加することに・・・と、ご主人の裏話がまた楽しい。^_^

今でこそ、菊鮨さんは食べログ『Silver』だが、初めて伺った頃は無印であり、その後は飛ぶ鳥落とす勢い。まだまだ上り詰めそうな心意気がちょっと嬉しい。^_^

・ノドグロ(富山)
〜ノドグロにトロトロの山芋をかけているので、ノドグロの濃い脂身がサッパリと頂ける。

・太刀魚(天草)
〜分厚い身の太刀魚の串焼き。味わいが濃いな〜。

・穴子(韓国)
〜穴子の天ぷらをサクサクとした食感で。

・鱧(大分)
〜夏を彩る鱧の湯引きに大根降ろしがけ。湯引きした温かい鱧が珍しい。夏らしくさっぱりと頂ける。

さあ、これからは楽しみな握りと思ってお櫃を見ると驚いた。今までは、米酢と赤酢の2種類だったが、いつのまにか赤酢の濃淡での2種類になっていた。

まだまだ試行錯誤を繰り返しているようで、瀬口さんの志の高さを見たような気がします。そう言えばお弟子さんも増えている。

【握り】
・アオリイカ〜もちもちとした甘味ある食感。
・甘鯛〜食材のよさが秀逸。
・鯵〜志賀島の地魚が嬉しい。テンションが上がる。
・カスゴ鯛〜かなり酢が効かせた一品。
・縞鰺〜ご主人本日一押しの天然縞鰺。美味すぎ。
・本鮪中トロ〜10日ほど寝かして軽く熱を入れたもの。
・蛤〜千葉の蛤は大きくて味が濃いな〜。
・車海老〜シャリとの間には芝海老朧がないかな。
・鮑〜宗像の鮑とは驚いた。
・赤雲丹〜夏の楽しみ。唐津の赤雲丹。嬉しいな。
・赤出汁〜口休め。
・穴子〜対馬の穴子は定番の厚みと美味さ。
・鉄火巻き〜本鮪の綺麗な赤身を使った贅沢な一品。
・玉〜スエビの出汁。

高揚して気分良く握りを頂いているなか、左隣のおばさんが、かなり酔ってちょっと手がつけられない。ご主人も苦笑い。(^_^;)

ちょうど右隣の年配の上品な奥様が色々と話しかけて頂き助かった。オタクっぽい男性の食べ友さんとの関係は詮索するまい。3人でお店の情報交換もまた楽し。

ところで、今夜のお鮨とお摘みも期待通りだったのだが、初回のような驚きがちょっとなくなってきたかな。

だが、これもいっときの臥薪嘗胆の時期であり、きっとこれから新たな次元にブレークスルーするでしょう。

菊鮨の魅力は握りはもちろん、爽やかな瀬口さんの凛とした佇まいと流れるような所作に尽きる。更なる志が楽しみ〜。(^_−)−☆

ごちそうさまでした。
う~ん、やはり唸るしかない。お昼のおまかせでありながら、この洗練された鮨の旨さは半端ない。博多から電車で10分くらいの博多近郊の大野城駅近くの住宅街にあるお鮨屋さん。

女房の実家である六本松からは離れているが、義父が住む高齢者マンションからは近いので有り難い場所にあります。有難いことに連休中の帰省最終日に予約がとれたので伺うことに。

カウンター10席全員が揃ったお昼の時間通りに始まります。ご主人とお弟子さんがひととおり準備を終えると、軽くお摘まみから。まずは、女房と義父の末永い健康を祈って生ビールとお茶で乾杯。らしからぬ理由ではあるが・・・。

摘みのあとは、いよいよシャリ造り。大きく奇麗な寿司桶が二つに、炊いたばかりのおひつが二つ並ぶ。それぞれに米酢と赤酢をかけて鋤いていく。このご主人のこなれた所作が美しいですね。

こちらのお店のシャリは桁外れの旨さなんです。軽く握られた鮨飯はふかふかで、形が崩れそうで崩れない寸前の絶妙な極みが凄い。特注の大粒米を固めに炊いているので、口に入れるとハラリとほどける。前回、このシャリに驚いた次第。

【お摘み】
・イカソーメン
~綺麗な飾り包丁の入ったアオリイカに、キザミキュウリ、はりしょうがを添えた軽いジャブのような爽やかなイカソーメン。

・アオサ(天草)の茶碗蒸し
~キノコを入れた茶碗蒸しのうえには鮮やかな深緑のアオサが海の香りを漂わせる1品。

【握り鮨】
・アオリイカ(宗像)
~寝かせて余分な水分抜いているので、もちもちとした食感とねっとりした旨味を増している。最近のアオリイカは北九州沖で揚がると聞いていたが、実は宗像産が多いらしい。

・マグロ赤身(沖縄)
~ご主人によると、今の時期のマグロは沖縄産がいいとのこと。それも今日は200kgを越えるビックサイズのマグロ。綺麗な切り分け方や丁寧な保存の仕方に料理人のプライドが垣間見える。

・マグロ中トロ(沖縄)
~しつこくない脂身が程好く蕩けるような中トロ。う~ん、やっぱり中トロが好きだな~。
(’-’*)♪

・甘鯛(島原)
~これまた寝かせて昆布締めされた甘鯛。只でさえ旨い甘鯛が甘みを増してねっとりと絡みつく。シャリと甘鯛の間に何かが・・・。

・真鯵(壱岐)
~肉厚の鯵らしい鯵の味がする。(ややこしい表現ですが・・・)

・ホタテ(北海道)
~これまた3日寝かせて水分を抜いたホタテを、味つけしたホタテ出し汁に戻して漬け込むという手の込んだ逸品。ホタテの味が濃いな~。

・車海老(大分)
~奇麗なグラデーションの車海老。シャリと車海老の間に芝エビのオボロが入っており一味変わった濃厚な味わい。

・ノドグロ(対馬)
~塩絞めしたノドグロに炙りを加えているので、脂の旨味に香ばしさが加わって旨い、旨い。

・赤貝ひも軍艦巻き(宇部)
~海苔にシャリをおき、シャリが隠れるくらいの赤貝のひもをこれでもかとのせて、「さあ、どうぞ・・・」。

・桜マス
~奇麗な桜マス。女房が好きみたい。

・馬糞雲丹軍艦巻き
~海苔にシャリをおき、シャリが隠れるくらいの大きな馬糞雲丹をのせて「さあ、どうぞ・・・」。赤雲丹ではなく残念だが。

・穴子白焼き(対馬)
~蕩けるような穴子にほんのり甘い煮ツメをかけて、旨い旨い。

・玉(海老すり身)
・ぜんざい(いちご、焼き餅)

【追加】
・コハダ
~江戸前鮨のコハダが好きだな~。

食事が終わると、数名のお客が残ってご主人と暫し談笑。モナコで料理人として修行していた時期の苦労や日本との違いなど楽しいひとときでした。

昨夜は、中洲「独酌しずく」で五島の泳ぎ鯖刺しと対馬の穴子刺しを頂き楽しんでいると、大将と菊鮨の話に。ともに女性誌フィガロに掲載されたらしく・・・。

お昼だけの判断で申し訳ありませんが、個人的には握り鮨では「菊鮨」かな~。

毎度、ごちそうさまでした。
博多のマイレビ様が口を揃えて絶賛するのがこちらの菊鮨さん。場所は白木原駅から歩いて8分程度の住宅地の中にある。今回は久しぶりの女房孝行、博多に住む義父(91歳)、義姉夫婦の5名でお伺いした次第。

大将は2代目(30歳台半ば?)であり、こちらが実家らしく、家業である鮨屋を継ぐときに『菊寿司』から『菊鮨』に店名を変えて新装開店したとのこと。あ~なるほどね。でなければ、博多から離れたらこんな住宅地にお店はださないでしょうね。やはり開店時はまったく客が来なかったようだが・・・。

元々は当時博多の最上級老舗であった河庄で修行する予定だったらしいが、縁があり高玉で修行することに。その後モナコの高級ホテルの料理長として数年勤めていたとのこと。確かに、当時の博多鮨屋では河庄と高玉が双璧だったと思う。あの頃の接待鮨屋はこの両店で決まりみたいな雰囲気もあったが、残念ながら今ではその頃の勢いもなく、時代の変革に流されてしまったようだ・・・。

注文は、お昼はおまかせ(5000円)のみ。お摘まみが2品、握り鮨が12貫、赤だし、デザート。まずは生ビールと思ったが、瓶ビールしかない。だが、かえって雰囲気があるかな。

【お摘まみ】
・魚皮の酢和え物
~こりこりと歯応えがあり酢味なのでいい感じ。

・梅餡の茶碗蒸し
~爽やかな梅の酸味をだした茶碗蒸し。握り鮨を頂くの前の胃を優しく整える。

生ビールの次は地元のお酒を薦めて頂く。福岡の井上合名会社の「ポルチーニ」。井上合名会社は1922年創業、筑後平野の三井郡大刀洗町にある。イタリアの松茸といわれる香りが高い「ポルチーニ」は、芳醇な香りが特徴のひやおろしである。

お摘まみをだし終えると、次は炊いたお米の入った2個の大きなおひつをカウンター袖に。其々米酢と赤酢を入れると、お米をしゃもじでさっと切り分けるようにかき混ぜる所作がさくさくと素早くて綺麗な流れである。大将によると、当たり前だが鮨屋はやはりシャリが一番大事。お米は、佐賀県白石産のヒノヒカリを使い毎回水分量は計って必要な分だけ炊き上げる。

確かにシャリの米粒の食感がハッキリと感じられ旨味が残る。特に赤酢は色合いが綺麗で米粒がくっきりと分かれているのがよく解る。米粒一つ一つを感じるくらいのちょっと堅めのシャリが心地よい。さらに、奥深い朱色が色鮮やかで綺麗な赤酢のシャリがいい感じ。

【握り鮨】
・カマス(大分産)
~皮目が綺麗なカマスであるが、2~3日寝かせて旨味が皮目までまわった逸品。身が締まっていい感じ。

・本マグロ(大間産)
~築地市場から仕入れた本マグロだが、大間産のブランドマグロでかなり旨い。

・さわら薫製
~燻製が効いていて香りがたっている。さわらはよく自宅で西京味噌漬けを作る。あっさりとした白身なので何にでも染まり易いが、本来の旨味は変わらない魚だと思う。

・赤雲丹(唐津産)
~この赤雲丹が楽しみでした。深紅のシャリに深い黄色というか金色のようなお鮨が旨そうだったが、やはり予想通りのねっとりとした濃厚さが素晴らしい。

・穴子(対馬)
~とにかくほろほろと蕩けるような。大将が何度も「これは絶品ですよ。」と言うくらいの旨さ。確かに下準備が全てのような穴子だが、やはり素材も素晴らしい。

・〆鯖(五島)
~五島の鯖であれば、博多ですから江戸前に拘らず炙り生鯖でも良かったのではないでしょうか。泳ぎ鯖の旨さは知っているつもりなので、ちょっと残念かな。

・サンマ(釧路)
~今年の秋刀魚は型が小さすぎると言われているが、お鮨にするとあまりわからないかな。

大将は魚の状態をみて寝かせたり昆布締めしたり炙ったりと判断されており、色々と工夫されたお鮨は飽きさせない。本当に研究熱心なのでしょうね。ネタ木箱から下準備した魚を丁寧に取り出す所作が流れるようで素晴らしいですね。魚を大事に扱う態度やきびきびとした動きを見ていると清々しい料理人の姿勢がよくわかります。仕事は異なりますが勉強させて頂きました。

・あら(宗像産)
~博多といえば「あら」。関西では「クエ」。独特な味わいがあり旨味が濃い大型魚。寝かせていたかな?

・はがつお
~はがつおらしくないかな。とにかく旨い。

・金目鯛
~ねっとりとした旨味が舌に纏わりつくようで旨味がずっと残るような食感。やっぱり脂が旨いんですね。

・活きゲソ
~流石にさっきまで活きていたゲソは、新鮮で旨い。素材を前面に出す博多前なのでしょうか。

・イクラ(新物)
~イクラはいつもながらなかなか産地の違いや旨味の違いがよくわからない。

・玉
~意外にあっさりとした玉であり、店名の刻印もないシンプルなもの。

翌日、大濠公園近くのフレンチ「トアヒス」のランチに伺うと、菊鮨の大将もよくお店に伺うらしくご存知とのことであり、今まで何度か一緒にコラボ企画をやっていたとのこと。なんという奇遇でしょうか。いつもながら不思議な縁とはあるものだ。

義父や義姉夫婦も満足したようで連れてきてよかったと感謝する次第。特に義兄はこれから接待に使おうと大将から色々と情報を得ているようである。ちょっと嬉しいかな。

とにかくふわっとしたシャリの食感や赤酢の色彩が鮮やかで、味も見た目も素晴らしい、満足感の高いお鮨屋さんに出会えて幸せである。やはり博多の鮨屋さんは若手の台頭で活気があると聞いていたが、その通りと感心するばかり。次回は夜に伺います。

爽やかで清々しい大将の工夫を凝らした濃厚な鮨に大満足。
「やっぱり、博多は良かね~。好いと~と。」

ごちそうさまでした。

  • ②鱚(姪浜)〜地物中の地物、博多から近い姪浜漁港
  • いつも清々しくキリッとしたご主人の瀬口さん
  • ❽鰆焼き物〜綺麗に飾り包丁を入れ焼きカラスミ振りかけ

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8位

魚菜料理 縄屋 (峰山 / 日本料理)

2回

  • 夜の点数: 4.4

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク 4.4 ]
  • 昼の点数: -

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2017/05訪問 2019/08/16

【再訪】京丹後にある自然体の創作懐石料理『拘っているのに、拘らない雰囲気が・・・』

京丹後市峯山町の街並みから更に山手方面に向かう。以前は山道に近く夜の外灯は殆どないような道路であったが、最近は割と道幅も広くなり、帰りの夜道も女房にとってはかなり運転し易くなったようだ。それに途中の高速道路もかなり連結が良くなり運転時間も短くなって快適になったかな。

京丹後市へはなかなか行く機会がないが、息子嫁の実家があるので、孫(長男)誕生の吉報の連絡があり駆けつけた次第。最近は、思ってもみなかった慶弔事が続くので毎週忙しい週末を過ごしているが、今回はお祝い事なので遠い道のりも気にならない。祝い事を済ませて夜は楽しみにしていた『魚菜料理 縄屋』に伺う。

3年前に伺っているので、おおよその位置関係は把握しているつもりだが、やはりわかりにくい場所ではある。割と広い道路から脇道に入り、暫くして大きな木造の建物を見つけると、まだ駐車場には1台も停まっていない。一番のりというのも悪くないものだ。

駐車場の反対側の水路を見ると、女房がカイツブリ(雛鳥)を発見すると慌てて羽根をバタつかせながら水面を走って逃げたらしい。何とも情緒ある風景に気持ちも穏やかになる。喧騒のサラリーマン社会に生きているいつもの世界と同じ空間とは思えない。

玄関から飛び石を通って玄関に向かうと、すでに奥様が扉を開けてお出迎えしてくれる。木造の建屋も凝った造りになっているので、建屋の雰囲気から部屋に向かう空気感もお洒落でいい感じである。聞くと、ご主人が地元の設計士と試行錯誤しながら作り上げた建物らしい。

奥様に離れの個室に通して頂くが、室内の設えは落ち着いた趣はあるものの何とも広い。聞くと8畳あるらしく、廊下から畳部屋の奥行きは女房との2人だけではあまりに持て余す。今回、事前に和室(個室)をお願いしていたが、実際にテーブルに2人だけで座るとちょっと寂しいので、申し訳ありませんが、結局カウンター席に替えて頂いた。

料理は、2人ともに事前にお願いしてた11,000円のコース。最初は、冷たい瓶ビールで喉を潤す。女房は紅芋酢ソーダだが、まるっきりお酢って感じかな。

・丹後トリガイ(リンゴ酢+キャベツ添え)
~あまりの旨さに驚きのトリガイ。冷たい刺身と思いきや、ちょっと温かくてリンゴ酢の香りがたっている。この厚みと初めての食感が素晴らしい。トリガイの下には刻んだキャベツが敷いてあり、ちょっと挟んで頂く。このトリガイは大きくて旨味があるので、地元ではブランド化しようとしているらしい。それも頷けるくらいのサイズ。

毎週、土曜日に放送されている小生の好きな番組『青空レストラン』で、たまたま知ったのだが、来週この「丹後トリガイ」が取り上げられるようだ。それにこのお洒落なガラス器のインパクトが素晴らしく更に印象的。最終的に、何か料理の印象を全て持って行った感じでしたね。

・お刺身盛り合わせ(丹後産)
~鯵の葉桜和えに芽紫蘇の香りが絶妙。葉桜をこんな使い方をするんですね。いつもは鯵のプリプリ感を楽しむが、今回は鯵自体が葉桜和えと芽紫蘇に活かされているような感じ。
~まこカレイは普通に食感もプリプリで旨い。それに添えてあるみょうがたけがなかなか珍しい。みょうがが伸びた茎を刻んだものだが、まさに味はみょうがである。

いつもはビール党ではあるが、少しはお酒をと思い地元の竹野酒造の「旭蔵祭」を注文する。ご主人によると、竹野酒造は地元の酒蔵で色んなブランドを出しているよう。それからは3人で取り留めのない様々な話に。醤油はかなり味があり特徴的なので地元のメーカーかと思いきや、地元の醤油屋さんは自社ブランドではなく色んなブランドを混ぜているだけらしく、結局自分で造っているとのこと。田舎だから全てが自然でいいものとは限らないようだな。

・たまごスープ(新玉ねぎ、雲丹)+アサツキの花
~たまごのスープと説明を受けてちょっと拍子抜けしたが、中身はめっちゃ工夫を凝らして充実している。新玉ねぎの一片を器代わりにして雲丹を卵風味に味付けしている。見た目もアサツキの花が散らしてありお洒落な一品。だが、新玉ねぎが強すぎて雲丹の味が消えてしまっているので、別々に頂くことに。ちょっと残念。

・お吸い物(アイナメ、野三つ葉、蓴菜)
~アイナメの骨を焼いて出汁をとったお吸い物。アイナメの白身とあくの強い野三つ葉の香りに蓴菜の滑らかな舌触りが秀逸。アイナメはやはり上品な味わいがある魚である。

すると、またまたご主人が登場して、よもやま話になる。ご主人の吉岡さんは京都和久傳で修業してから地元のこちらにお店を出したらしいが、これほどの腕であれば、何故京都市内にしなかったのか疑問。だが、都会の喧騒や色んな軋轢・気遣いがあまり好きではないらしく、やはり地元でのびのびと好きな料理を楽しみたいとのこと。(奥様も言ってました)それができるにはやはり料理の腕とセンスですよね。それに、けっこう幅広い交友関係があるらしく、他のお店の話も楽しく聞かせて頂きましたので、そちらのお店も機会があれば伺いたい。

・黒むつの塩焼き(アカミズナ、赤酢和え)
~これが噂の黒むつの塩焼きだが、食べてみるとレア感満載である。生でも頂けるのでしっかり焼いた黒むつよりジューシーで赤酢がほど良い酸味を加えて味わい深い。また、アカミズナの彩が綺麗で食欲をそそる逸品。

・モズク蕎麦
~これは前回も頂いた一品。蕎麦にモズクってけっこう合うんですね。

・イサキ白子
~イサキの白子。こんな珍しい白子は初めて。魚臭さが残らないように薄味で炊いてある。珍しくはあるが、淡白で取り立てて旨いとは思わないかな。

・イバラガニモドキ(大バルコ百合の餡掛け)
~ズワイガニの本場である京丹後なので、てっきりズワイガニと思いきや、イバラガニモドキというタラバガニの仲間で、その違いはその身体の色がくすんだベージュらしい。百合の餡かけというなかなか食べる機会がないが、百合って食べれたんだと感心しきり。百合にはスイセンと同じ毒性があるという先入観がありすぎたもの。こちらは食用の百合らしく歯応えもある。

因みに、タラバガニはヤドカリ科に分類されるが、ズワイガニはクモガニ科に分類されるので、正真正銘のカニ。見た目にも足の数が違う。タラバガニは8本だが、ズワイガニは10本と分かりやすい。

奥様に焼酎の水割りを注文。ご主人とは同郷らしく同級生ですか聞くと「・・・そう見えますか?」と、ちょっとムッとされた様子。飲みすぎていたので、女性には必ず年齢より若くという鉄則を忘れていた・・・残念。すごく感じの良い素朴な話しぶりが印象的で、ご主人とも仲がよさそうでお店がうまくいくはずだな。

・太刀魚とスナップえんどうの炊き込みご飯
~大きな土鍋に厚みのある太刀魚を炊き込んだご飯。大きな太刀魚らしくしっかりとした白身の旨みがお米に染み込んでおり、エンドウがアクセントとなっている。太刀魚は愛媛産らしいが、以前広島で頂いた太刀魚も愛媛産であり、これがまたどでかいサイズだった記憶がある。確か頭煮して頂いたが大皿からはみ出していた。愛媛の太刀魚もブランド化を進めていたと思うが、それで地元が活性化すればいいことですね。また土鍋なのでお焦げも味がある。茶碗で三杯も頂いてしまった。

・いちごアイス(自家栽培)
~色合いが綺麗だが、それ以上に美味しい。イチゴの味が濃い。基本的に野菜や果物はほとんど自家製とのこと。

・蓮根もち、抹茶ソース
~これも前回頂いた一品だが、すごく印象に残っている。写真を見て頂きたいが、赤いお椀に鮮やかな緑の抹茶ソースが刺激的であり、葛きりのような蓮根もちのぬるぬる感が秀逸。

落ち着いた建屋の雰囲気と美味しい料理に楽しい会話、贅沢な時間を過ごさせて頂きました。
ごちそうさまでした。
本当に驚きましたね。京丹後市の片田舎にある創作料理屋さんですが、評価が高いので息子嫁の実家にほどちかくお祝い事の機会に伺いました。

事前にコースを予約して京都から車で峰山駅まで約2時間半くらいでしょうか。それからまた道がわかりにくいこと。特に初めての場所でナビも迷いそうな地域でした。

しかし、駐車場からお店に近づくごとに建物のたたずまいにオーラあり。田園風景に佇む落ち着いた木造建家に高級感の香り。

玄関から通されると、広く贅沢な空間にテーブルがゆったりとおいてある。更に奥にはカウンター風の席が用意してあります。とにかく空間の使い方が上手でお洒落ですね。まず、料理を頂く雰囲気に期待感が増します。

スタッフが少ないので、おそらく少数の予約客しかとらないような感じですね。もしかするとご夫婦だけかも。ご主人からコース料理を一品一品丁寧に説明して頂きましたが、ふんふん、ほ~と感心しきり。本当に丁寧に説明して頂きました。

どの料理も上品で美味しいですね。全体的にもの凄く薄味です。関西グルメに慣れきった舌には、ちょっと上品過ぎるかもと感じました。

コース全体を楽しむようなコンセプトであり、上品で美味しかったという印象が強過ぎて、それぞれの料理の印象をレビューしようにも全体のイメージしか思い出せませんでした。

半年前の記憶ですから、いい加減になりかねないためここで筆をおきます。参考にならず誠に申し訳ありません。

次回は其々の料理を頂いたうえでしっかりレビューしたいと思います。
ごちそうさまでした。

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9位

五郎八 (水前寺公園、市立体育館前、国府 / 居酒屋、馬肉料理、ホルモン)

2回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.2
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.9
    • | CP 4.1
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: -

    • [ 料理・味 -
    • | サービス -
    • | 雰囲気 -
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥4,000~¥4,999 -

2017/08訪問 2019/08/15

【再訪】熊本、懐かしの五郎八(いろは)『旨い~旨い、馬のホルモンも健在だった・・・』

熊本、4年ぶりの訪問。震災後に訪問するのは初めてかな。やはり同じ九州人として心を痛め復興を心から応援していたので、なんども銀座の熊本アンテナショップに買い物に伺っていた頃を思い出す。

飛行機の出発時刻ギリギリまで水前寺公園前の五郎八で本場の馬刺し料理を頂くことに。有り難いのはお店のすぐ近くに、阿蘇くまもと空港行きのリムジンバスのバス停があること。実は滞在時間はたった30分ですから、効率よく注文して食べることに集中する。

本当に久しぶりの訪問なので、ワクワク感が止まらない。開店時間前に早めに訪問すると、すでに団体客の幹事さんとおぼしき方がすでに店内で準備中。それであればと、一緒に店内に入りすぐに決めていたメニューを注文。グッドタイミング。

注文は時間がないので、すぐに頂けるよう料理は決めていた。

・馬刺し(1300円)
~霜降りの生馬刺しがこの値段ですから、有り得ないレベル。脂身も嫌らしさがなく、熊本特有の甘くて濃い生姜醤油で頂くと生ビールがぐびぐびと喉ごし爽やかに堪能できる。

馬刺しの下にひいてある玉ねぎスライスもまた秀逸。しかし、本日「かつ美食堂」で頂いた馬刺しの方が、更にワンランク上の馬刺しだったが・・・。

・馬レバ刺し(1100円)
~こちらが本日、最高の逸品。牛肉の生レバーが禁止されて久しいので、馬肉の生レバーもまた負けず劣らずかなり旨い。胡麻油の効いたうねうねの中に浮かぶ生レバーが誘惑してくるので、もう旨くて旨くてたまりません。

馬肉好きの小生にとっては最高の居酒屋さん。飛行機までの時間が少ないなか無理して伺って正解。

・馬ホルモン焼き(800円)
~ああ、この味だったなと思い出しながら馬のホルモンを噛み締める。味噌味風の味付けが濃いだけにモヤシ炒めとの相性は抜群。

「かつ美食堂」のホルモン煮込みとはまた違った旨さがある。牛ホルモンと違ってじわ~っとした厚みのある噛み応えがいいね。

・モヤシ炒め(400円)
~たんに軽く油で炒めるだけだが、他の料理が濃い味だけに胃を休める貴重な逸品。しかしながら、最後には馬刺しの生姜醤油をつけて頂くのが一番美味しかったかな。やはりすべてが濃厚な熊本なんだな。

こてこての生姜醤油や馬ホルモンの濃い味を、生ビールはぐびぐびと流れるように爽やかにしてくれる。そしてまた、胡麻油の効いた馬レバーの繰り返しがエンドレスとなって、満腹中枢を通り越して脳神経を麻痺させる。食べる、旨いの反復行為が止まらない。

やはり、五郎八(いろは)は、熊本最強の居酒屋であった。それに飛行機にも間に合ったし・・・。
ごちそうさまでした。
熊本は大地震の被害でたいへんなときですが、速やかな復興をお祈りしています。
お店の方にお聞きしたところ、なんとか明日(4月25日)から営業再開されるそうです。

お店には3年前、熊本への出張帰りに伺いました。熊本駅から路面電車に乗って水前寺公園駅にて下車、目の前にお店があります。

プロフィールにも記載してますが、馬刺しをこよなく愛する小生としては、本当に念願のお店でしたので、楽しみにしてました。

さっそく、馬刺し・馬たん刺しとビールを注文。写真を見ていただければ一目瞭然ですが、この霜降りがこのボリュームで1300円。
牛肉と違って脂ぎってなく、アッサリと旨味が凝縮されてビールに最高でした。

次は、馬ホルモンを注文。これがまた旨い。これもホルモンのこてこての感じがなく、ホルモンの概念が少し変わりました。

馬肉の次は、お店の方のお薦めのもやし炒め。馬ホルモンと一緒にガッツリ頂くとさっぱりしてホルモン自体の味を引き立ててくれます。

馬肉料理といえば、やはり馬刺しですね。馬肉の脂は牛肉に比べると融点が低いため、口の中で甘味のある脂が溶けて旨味を感じます。

それに、馬肉は牛肉や豚肉と比較しても低カロリー、低脂肪、低コレステロール、低飽和脂肪酸、高たんぱく質で、ビタミンやミネラルも豊富なお肉なので、体にもいいんです。

馬肉の産地は、熊本、福島、長野、青森が有名ですが、長野以外は現地で頂きました。また、山形の馬刺しも美味しかったですよ。
どこにいっても、それぞれに美味しく頂きました。

■馬刺し1300円
 馬タン刺し1100円
 馬ホルモン焼き800円
 もやし炒め400円
 生ビール(満足するまで)

しかし、この値段でこの満足感。雑然とした馬肉を扱う居酒屋としては、ピカ一でした。

本当に美味しく頂き、ごちそうさまでした。大満足の夜でした。

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10位

新政酒蔵 (山形 / 日本料理、居酒屋)

2回

  • 夜の点数: 4.1

    • [ 料理・味 4.1
    • | サービス 4.4
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.1
    • | 酒・ドリンク 4.1 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2018/08訪問 2019/08/15

【再訪】山形、いつも山菜の話題で盛り上がる『地元密着型の小料理屋さん・・・』

お久しぶり、2年ぶりだろうか。やはり、山形に来たら必ず伺いたくなるご夫婦の小料理屋さん。いつもながら家族的な雰囲気が嬉しい。

今夜は、カウンターには地元の年輩のお二人と3名。いつものように料理はおまかせ、というかメニューがないので選べない。『今日は何がありますか?』と聞くこともしなくなった。ですから、おまかせ。

・ノドグロの塩焼き
〜生ビールをお願いすると、待ってましたとばかりに、ノドグロの塩焼きが出てくる。脂ののりは半端なく美味すぎる逸品。それに生ビールもキンキンに凍った器なので痺れるくらいに冷え切って旨い。

・ニラ穂(辛子醤油)
〜本日一番の絶品。あまり使わないニラの穂の部分を軽く茹でて辛子を溶いた醤油で頂きます。穂の歯応えと辛子醤油のベストマッチで悶絶するくらいの旨さ。おかあさんは、こういうシンプルな小料理をさりげなく食べさせてくれる有難いお方。

・山形だし
〜これは山形県村山地方の郷土料理である。夏野菜と香味野菜を細かくきざみ、醤油などで和えたもの。飯や豆腐にかけて食べる。山形のだしと呼ばれている。

・だだちゃ豆(鶴岡白山)
〜鶴岡の白山地区でしか採れない本場のだだちゃ豆。面白いのは通常の枝豆と違って、必ずサヤには豆が2個しか入っていないこと。カウンターの年輩のお二人からだだちゃ豆について教えて頂きます。

お盆くらいに白山地区の畑を通るとだだちゃ豆の特有の香りがするらしく、この地域の土が特殊らしい。ちなみに、日本三大マメ豆は、新潟茶豆・丹波黒豆・だだちゃ豆。

いつもながら、ご主人とおかあさんは仲が良い。何でもやりたい放題のわがままなご主人をたてながら、必ずファローしている。それに山菜や料理の知識は豊富なのに、ひけらかそうとはしない。日本のおかあさんの鏡。

・茄子の餡掛け
〜揚げた茄子をちょっと中華風にアレンジしたおかあさんの意欲作。茄子が旨い、旨い。

・茗荷の卵とじ
〜茗荷は大好物なのだが、ちょっとインパクトがないかな。

・桃(黄金糖)
〜綺麗な黄色が食欲をそそる。また、これが甘くてジューシー。最後の〆にはもってこい。そういえばお中元に送って頂いたこともありました。

いつもながら、山菜などの日本の原風景を思い起こさせるような目から鱗の小料理を頂ける有り難いお店。

ごちそうさまでした。
今夜も山形の話で盛り上がります。カウンターは5席しかありませんが、いつも多種多様な方が飲んでます。たまたま出会う方々は必ずお知り合いになってしまう。今夜のメンバーは、地元の大学教授OBらしき年輩のご夫婦。先生と呼ばれている風来坊風のかなり太った御仁。初めて伺ったらしい大阪の営業マン。それに小生の5名。

ですから、必ず予約しておかないと残念なことになります。(奥に和室があるようだが全く興味なし)
店内にはメニューはありません。カウンターに座ると、先ずは某かのつまみが準備されている。ほんのり煮付けられた小ぶりのイカ、なずなととんぶりを軽く醤油と胡麻油で和えた小鉢。

今までになく目の前の棚に置いてある『鬼兜』が1杯1000円と書いた紙が貼られている。十四代の高木酒蔵が造っている唯一の貴重な焼酎『鬼兜』は大好物。樽に漬け込んで熟成されているので、ほぼブランデーのような豊潤で柔らかな味わい。それなら頂かない訳にはいきません。(自宅にも大事なお客用に1本キープ中・・・)
いつもながら、大将の山形産のお酒談義は物凄い。本当、山形酒のコレクターですね。お酒が苦手な小生としては単なる聞き役でしかありません。

次は、お造り。白子と鱈の昆布締め。新鮮すぎてピンク色の白子は、ねっとりと舌にまとわりつく旨さ。鱈の昆布締めは初めて頂く一品だが、淡泊な鱈に昆布締めが効いた新鮮な味わい。『鬼兜』のあてに相応しいお造り。

お代わりは、大将お薦めの焼酎『三十六人衆』。菊勇酒蔵の大吟醸酒粕を使ったフルーティーな味わいの焼酎。おつまみは、いつもの山形の馬刺し。この霜降りの見事さ。これを頂きに伺うようになったものです。

すると、お隣の御仁から「52℃の熱燗が旨いよ」とキープされている『三十六人衆』を頂く。確かに香りがたっている。「次は僕のも飲んでみて・・・」と大学教授からも有難いお誘い。(*^^*)
結局、今夜はずっと他のお客のキープ焼酎を飲んでました。

お次は、山形での呼び名が口細カレイ(くちぼそ)の焼き物。通常の名前は、マコカレイですのでよく頂く魚です。そして、気になったのは、和室の団体さんに出されていた鱈汁と馬肉煮込み。ちょっとでいいからとお願いします。

鱈汁は、酒粕とお味噌?
めちゃめちゃ濃くがあって旨い。旨い。酒粕の香りと味を通り越してます。繊細ではないが、こんな旨味の濃い汁物は初めての感覚。それに馬肉の煮込みは、しっかりと煮込んでいるわりに、豆腐の絡みなのか意外にあっさりして馬肉とはわからないくらい。

最近、お料理がちょっとマンネリになったかな~と思ってましたが、見事に大復活の大満足。(*^^*)
なぜか、大将帰り際に大きな鯛の頭(かしら)を持ってきて、明日何かの料理を試してみるらしい。天然の鯛は脂がのってないので、大きな養殖鯛を探していたとのこと。またまた次回も楽しみ。

今夜は、他のお客さんにも恵まれて楽しい時間を過ごさせて頂きました。これも話好きな大将と奥さんの人柄ですね。

ごちそうさまでした。

  • 脂のりのり、ノドグロ塩焼き。
  • 山形のだし。郷土料理なんです。
  • いつも仲良しのご夫婦。ご主人は十四代マニア。

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