12回
2023/08 訪問
晩夏の「やまぐち」
定期訪問中のイタリアンである。今回は3カ月ぶりの訪問となった。今までも紹介制ではあったが現在は新規予約不可で常連さんのみで回っているようだ。
それでも2024年もかなり埋まってきており、早い方だと2025年の予約もしているようである。同じような予約状況の花いちのような素朴でやさしい味の料理と比較すると、ジャンルは違えどこちらはその対極にある料理なのである。
一言で言えば「豪華絢爛」・・・・超高級素材を惜しげもなく投入して客の度肝を抜くような感じなのだ。それいてまったく嫌味になっておらずあくまでも自然体・・・・
山口シェフだからこそこの料理が完成しているのであろう。おそらく他のシェフが真似しても下品な料理にしかならない・・そんな気がするのである。
この日はイタリアンでありながら季節をしっかり感じさせてくれる前菜と、もうすっかり定番となってしまった後半のメインを楽しませて頂いた。
いちじくをくり抜いて いちじく&フォアグラのムース
刻みサマートリュフをたっぷりと
干しなまこ、ナガノパープル
干し貝柱のだしのゼリー
煮たクエにキャビアを乗せて
なしとくるみの白和え
枝豆の冷製カッペリーニ
天草の赤雲丹トッピング
煮たエゾアワビ とうもろこしのリゾット サマートリュフ
2時間かけた牛フィレ肉の炭火焼き
渡り蟹と菊のパスタ
新生姜のパンナコッタ
かき氷
前菜もすっかり形が出来上がっており今回は季節柄無花果とフォアグラを使用したもの、そしてこちらでは初めて頂いたが中華のような干しナマコと干し貝柱を使ったものを頂いた。これもメチャ美味であった。
3品目には淡白だが旨味の強いクエとお握りのようなメガ盛りのキャビアを組み合わせたやまぐちさんならではのものであった。これが美味しくないわけがないよね笑
そして最初のパスタはいつものように冷製カッペリーニであった。ここに香りが素晴しい天草の赤雲丹をてんこ盛りにして半分頂き、その後はいつものようにかけ放題のからすみで味変!!
ワンパターンと言えばワンパターンなのだがこんなに嬉しいワンパターンはないであろう~~
メインはいつものように蝦夷あわび+ホワイトコーンのリゾット、そして2時間かけてシェフが休ませながら焼いた牛フィレ肉であった。
この牛フィレ肉は不動の肉のメインなのであるが、この2時間かけて炭火で火を入れ、そして休ませながら焼くというのはかなりの労力のようだが最高に美味しいのである。
何度も登場させて申し訳ないが私は名古屋池下のイタリアンGのようにプロの料理人が手っ取り早い低温調理に手を出したら終わりだと思っているのだ。
今回も最初から最後まで最高に楽しませて頂いた。
今度は白トリュフの季節に伺う予定である。これから冬に向かうとやまぐちさんの料理はますます冴えわたる、そんな気がするのだ。
2023/09/07 更新
2023/05 訪問
初夏のカウンター貸し切り会!!
やまぐちさんに約半年ぶりに訪問させて頂いた。今では予約が思いっきり先になってしまい最低1年は待たないといけないようである。あまり気軽に行けない店になってしまったがそれでも大将は以前と変わらずとってもフレンドリーであった。
今回は私主催の6名でのカウンターの貸し切り会であった。こちらは2階に個室が2つあるようだが、
目の前で大将が料理を作るところを見ながら目で楽しみ、舌で味わう、というスタイルが何とも言えずたまらないのである。
やはりこちらではカウンターに座るのをお勧めしたい。
時々大将からボソッと出るギャグは思わず笑ってしまう、そんな空間での食事であった。
今回は私が所属している社会奉仕団体のメンバーとの食事会であった。今回の料理もさりげなく極旨で皆さんとても喜んでくださったようである。
時間となり乾杯からスタート。今回もいろいろなものを楽しませて頂いた。
この日は
宮崎のマンゴとフォアグラ、白味噌 キャラメレーゼ
とうもろこし
干し貝柱のジュレ
佐賀唐津の赤雲丹とじゅん菜
毛蟹とカニ味噌、桃、クリームチーズ、キャビア
フルーツトマトのカッペリーニ
三河湾の赤座海老
からすみをかけて
アスパラのリゾット、蝦夷あわび、サマートリュフ
2時間かけて焼いた牛フィレ肉の炭火焼き
スパゲティのスープパスタ、
河内鴨
サマートリュフ
炒り番茶
あまおうのかき氷、
キャラメルのパンナコッタ
コーヒーと小菓子(抹茶)
半年ぶりに伺ったが、もうこちらの料理はほぼすべて完成形であるようだ。骨格は毎回ほぼ同じだがそれでいて毎回感動させられるのである。
やはりこちらほど高級食材をふんだんに惜しげもなく使った料理は他ではあまり見ないのである。今回も毛蟹の上には親指と人差し指で輪を作ったぐらいの大きなキャビアの塊が乗っていたし、メインの前の蝦夷あわびもサマートリュフではあったが全く隠れるぐらいかけられていた。
フルーツトマトのカッペリーニはトマトソースだけでも抜群に美味しいのであるが、恒例の如く丼に入った自家製のカラスミを思いっきりかけて味変を楽しむことができた。
あの黄色いものが入った丼、隣の人は「幸せの黄色」と呼んでいたなあ~~
また牛フィレの炭火焼きは大将が2時間かけて焼いたり休ませたりして中までしっとりしたものであった。この食感は決して低温調理では味わえないものである。こういうところが一流店の一流である所以であろう。
もう最初から最後まである程度は予想していた形の料理ではあったが、驚き以上に満足感を得られるのである。
今回も大満足。次は秋の食材を楽しみに行こうと思う。
2023/06/05 更新
2022/11 訪問
白トリュフの季節!!
定期訪問中のやまぐちさんが最も輝く季節がやってきた。どの季節でもとても美味しいイタリアンなのだが、特に白トリュフの季節はかなり前から予約しないといけない難関の時期なのである。
今回も約1年前の予約での訪問であった。
時間になりカウンターのど真ん中に陣取り今回も最高の料理を楽しませて頂いた。こちらはただ料理が美味しいだけでなく居心地が良くなるようなシェフとの会話がとても楽しいのである。
2階には個室もあるがやはり大将との会話を楽しむにはカウンターでの食事が良いであろう。
柚子窯焼き 胡麻豆腐とフォアグラ 上にはキャラメレーゼ
柿と貝柱のジュレ、下にはカリフラワーのムースにエゾバフンウニのトッピング
間人のセイコガニ、透明なトマトのスープのカッペリーニ
大間のマグロ、赤身、カマトロ、エシャロットのソース
キャビアのトッピングにたっぷりのアルバ産白トリュフ
丸ごと一つの蝦夷アワビを煮たもの、聖護院かぶらのリゾット
からすみ
2時間かけて休ませながら焼いたヒレ肉 山葵、特製タレ、塩で
河豚出汁で作ったフカヒレのパスタに白トリュフ
丹波の栗の渋皮煮のパンナコッタ
お茶菓子 コーヒー
イタリアンの店は多いがこれだけこれ見よがしに高級食材をふんだんに使う店は他にはないだろう。
しかしながらただ単に高級食材を並べるだけでは下品極まりない料理になってしまうが、やまぐちさんの場合、それが何とも自然にサラッと馴染むのである。
もうすっかりそういう料理にこちらも慣らされており、暖簾をくぐった瞬間にそういう料理を期待している自分がいるのだ。
今回も季節を感じさせてくれる間人のセイコガニを使った一品や、それに合わせたトマトスープのカッペリーニ、そして何と言ってもこの季節の一番の食材、アルバ産の白トリュフを贅沢に使った料理を楽しむことができた。
この日の白トリュフの料理は2点であった。最初には大間産の本マグロの赤身とカマトロの刺身にエシャロットのソースをかけ、そこに「これでもか!」というぐらいの量のキャビアを乗せ、その上から贅沢な量の白トリュフを料理が見えなくなる具合かけて頂いた。鮪とキャビアと白トリュフ・・何て贅沢な料理なんだろう~~もう天にも昇る心地の味であった。
またもう一品はある面こちらの定番料理であるフカヒレをドカッと入れたパスタに思いっきり白トリュフをかけて頂くことができた。どう見ても普通の料理ではないのだがこちらで食べていると何だか普通に感じてしまうのである。
フカヒレの塊と白トリュフの風味が合い「これぞやまぐちワールド!!」という料理であった。
メインはいつもの丸ごと煮た蝦夷アワビとフィレ肉である。今回のフィレはしっとりとしているがあまり脂を感じない抜群の美味しさのものであった。
やはりこちらの料理は生半可なところがない素晴らしいものである。こうやって定期的に通えることに幸せを感じるのである。
2022/11/21 更新
2022/09 訪問
すべてが豪快!! 唯一無二のイタリアン!
3ヶ月ぶりの訪問となった。こちらはいつ行っても美味しい食事はもちろんのこと、とても楽しい時間を過ごすことができるのである。
一見無口そうなシェフは『これっ!』というときにキレッキレのギャグをかましてくれるのだ笑
かなりのレパートリーを持ってるようで食事をしながらシェフのギャグを心待ちにしているのだ。
やはりこういう楽しみ方はカウンターでしかできないのである。ということで今回ももちろんカウンターでの食事となった。
今回も他では味わうことのできない豪快なイタリアンを堪能することができた。
この日は
無花果とフォアグラ、白味噌、キャラメレーゼ
スッポンのだし、焼き茄子、なまこ、長野パープル
毛ガニ、メロン、キャビア、パセリのソース
枝豆のカッペリーニ、京都府伊根町の赤雲丹、
岩手の松茸のリゾット、定番の煮た蝦夷鮑
3時間かけて焼いたフィレ肉
フカヒレのパスタ、パプリカ
かき氷とパンナコッタ、パッションフルーツとマンゴー
番茶
コーヒー
う〜ん、どれもすご過ぎる。もう何度も行っているイタリアンだが、同じようなメニューでも毎回新しい発見があるのだ。
今回もおそらく今年最後になるであろう伊根町の赤雲丹のカッペリーニが出てきたし、毛蟹とメロンの上には1缶まるまる使ったのではないかというぐらいの量のキャビアが乗っていた。
定番の蝦夷鮑には今年お初の国産松茸、岩手産の松茸のリゾットが合わされており香りがやはり中国産の物とはけた違いに凄った。
メインのフィレ肉のローストは何もつけずに焼いてあり、こんな絶妙な火入れってどうやるの??と思えるぐらい塩で食べてもソースで食べても美味しいものであった。
最後のフカヒレのパスタも定番中の定番。これも美味しかったのは言うまでもない。
なかなか予約も先になってしまうが定期的に訪問できるだけありがたい。これからもずっと通い続けたいイタリアンなのである。
2022/09/12 更新
2022/06 訪問
豪快さと繊細さのコラボレーション!!
最近では人気がうなぎ登りのようで訪問する間隔がだんだんと長くなってきた。今回は約7か月ぶりの訪問となったが近い将来1年待ちになるのも仕方がないのでは・・と思えるぐらいの人気店なのである。
そんな中、今回は友人たち4名でカウンターでの食事となった。
私以外は初訪問であったが皆さん期待値はMAXのようでとても楽しみにしていたらしい~~
こちらのシェフは客がどれだけ高い期待を抱いていたとしても
それを上回るような 「驚き」「感動」「味わい」を与えてくれるのである。今回も早い部の5時からのスタートであった。
こちらでの食事では私は必ずカウンターでするようにしている。というのもシェフの料理を目で見て楽しみ、シェフが手の空いたときには会話を楽しみ、そして何よりもレストランとしての空気感を楽しむことができるからである。
2階の個室も悪くはないと思うのだが、やはり私自身がレストランに求める決定的なものがないのでこだわってカウンターでお願いしているのだ。
そんな中で6席しかないカウンターの4席に座っての食事となった。
久しぶりに会うシェフはカウンターの向こうで粛々と仕事をしており、たまにくすっと笑えるジョークを飛ばす面白い方なのである。とかく人気店だと料理にストイックで気難しいシェフなのでは・・と身構えてしまう人もいるのだが、山口シェフは私たち客の高さで会話に付き合ってくれるのである。
今回頂いたのは
パッションフルーツ 中には白味噌とフォアグラ
とうもろこしのブランマンジェ、京都府伊根町の夏の赤雲丹とじゅん菜のジュレ掛け
炙った舞鶴のとり貝とキャビア、スナップエンドウのソースで
三河湾の手長海老を乗せたフルーツトマトのカッペリーニ、途中でカラスミをかけて
煮た蝦夷鮑とホワイトアスパラガスのリゾット、サマートリュフ
2時間かけて焼いた牛フィレ肉の炭火焼き
生姜と黒豆のパンナコッタ
であった。
前菜の白味噌とフォアグラは山口シェフの18番で、パッションフルーツの酸味と合わさり素晴らしいものに仕上がっていた。また詳しくは説明されなかったがこの時期から2か月ほどしか楽しむことができない福井、京都の日本海側で採れる赤雲丹はとても入手困難なものである。それをふんだんに使ってじゅん菜と組み合わせたジュレ仕立ては高価な食材を惜しげもなく使う山口シェフならではのものと言えよう。これも抜群に美味しかったのは言うまでもない。
そしてやまぐち名物と言えるキャビアを使った料理を楽しむことができた。ちょうど旬である舞鶴のとり貝を炙ったものに「これでもか!」というぐらいの量のキャビアを組み合わせたものであった。
友人が「キャビア・・食べ切れるかな??」とボソッとつぶやいたら
シェフが
「余ったら返してください・・」と間髪入れずの突込み(笑)
みんな笑いに包まれた・・・
前述したがさらっと出てきたのはこの時期超貴重な食材、京都伊根町の赤雲丹である。雲丹と言えば圧倒的に北海道が美味しいと思われているのだが実はこの時期の若狭湾や京都あたりの赤雲丹は私の知る限り一番味が濃く美味しいのだ。しかし獲れる量が少なくなかなか出会えない、珍しいものなのである。この雲丹を使った料理も絶品であった。
手長エビのカッペリーニも素晴らしかったし、いつもながらの煮た蝦夷アワビ丸ごと1つの料理も全く空きが来ない美味しいものであった。そして最後の牛フィレ肉のローストは不動のメインでこれを食べないと帰ることができない、そんな風にすら思えるものであった。
今回も大満足の料理の数々であった。もちろんずっと通い続けたい極上イタリアンなのである。
2022/06/11 更新
2021/10 訪問
白トリュフの香りにうっとり!!
やまぐちファンにとっては一番うれしい季節がやってきた。そして同時に一番予約が難しい時期でもある。皆さんのお目当てはそう・・・白トリュフなのである。
今回も椅子に座るなり、前にはジャガイモと間違うぐらいの大きな白トリュフが鎮座していた。思わず手を合わせたくなるぐらいありがたい気になれるのである(笑)
今回も時間通りに一斉スタートであった。こちらのお店からは何カ月前の予約であろうと一切お店からは事前に確認の連絡はないのである。客の私が心配になるぐらいなのだ・・・
「予約したから当然来る」という客への厚い信頼から成り立っているようである。そのためこちらは一見さんお断り、完全紹介制となっておりシェフが信頼できるお客さんしか予約を取ることができないのである。
カウンター6席はプラチナシート、今では人気がうなぎ登りのようでかつては3カ月ぐらいで予約できていたのがもう今は半年以上待たないとこちらの料理を楽しめない、そんな状況になっているのだ。
まず最初に出てきたのはモミジの葉っぱに隠れた丸い物からであった。葉っぱをどけてみると焼いた柚子が出てきた。表面はキャラメレーゼされ焦げているがパリッとした部分を壊して食べてみると、中にははねっとりとしたフォアグラと白味噌で作られたものがあった。とてもまろやかだが濃厚、白味噌がアクセントとなってとても美味しい一品でのスタートであった。
その後は涼しげな器が出てきた。表面には大分県の雲丹がどっしりと乗り、下にはカリフラワーソースと丸くくり抜かれた柿が入っていた。雲丹の横には干し貝柱から作られた濃厚なゼリーが味に深みを与えていた。これも非の打ちどころのない完璧な前菜であった。
そしてそのあとは大きなお皿にクエのお刺身が乗り、そのそれぞれに山盛りのキャビアが添えらっれていた。そこには銀杏ソースと炭火で焼いた新銀杏が添えらえてあり数日熟成させ旨味の増したクエには銀杏とキャビアの塩味がほど良くかけ合わさり、豪快ながらもとても繊細な味を醸し出していた。これには参った。
そしてシェフがクレープをお皿の上に乗せそこに鰻を焼いたものを乗せ、その上には目の前にあった白トリュフを「これでもか!」というぐらいかけてくれた。こちらはアルバ産、結構分厚めでしっとり感のある極上品のようであった。
それを自分で包んで頂いたのだが・・天にも昇る気分というのはこういうことを言うのではないかと思えるぐらい味も香りも最高であった。これはノックアウトされたなあ~~~~
そしてそのあとはイタリアンらしくカッペリーニの登場であった。氷でしっかりと締めたパスタにフルーツトマトを混ぜ、その上には北海道産のボタン海老が乗せられた。そしてアクセントにパプリカの粉をサラッとかけての提供であった。甘みと酸味がほど良いフルーツトマトの味が何ともすがすがしく、そして新鮮な北海道の幸が染みわたる・・そんな美味しいパスタであった。
そのあとはやまぐちさんの定番2種の登場であった。まず最初は煮た蝦夷アワビからであった。これは毎回登場するのであるが、その横に乗るリゾットは毎回変わるのでとても面白いのだ。今回は名残の松茸を薄切りにした香り豊かな松茸リゾットであった。
何度食べてもこの鮑は美味しいなあ~~
そしてメインはいつものように2時間かけて炭火で焼いたフィレ肉であった。表面がカリッと、おして中はしっとりジューシーなもので旨味がギュッと凝縮されているのである。断面からすると今回はいつもより焼きが強かったかな。でもとても美味しいフィレ肉であった。
最後の食事はいつもパスタである。今回は渡り蟹と食用の菊の花を卵で絡めた季節を感じさせてくれるリングイネであった。蟹がしっかりと濃厚な味に貢献してカニ好きにはたまらない一品であったが、この時点でもう完璧に腹パン・・・味わう余裕もないほどであった涙
そして栗のスープの中にパンナコッタと渋皮煮が入ったものをデザートとして頂いた。栗はシェフの故郷、中津川産かと思いきや、丹波のようであった。ただスープは中津川のものを使用しているそうである。
今回は最初から最後まで2時間弱といつもよりゆっくりと食事をすることができた。またシェフはお忙しい中でもワンポイントギャグで笑わせてくれるあの余裕、雰囲気がたまらなく好きなのである。
次回はかなり先になりそうだが、もちろん予約させて頂き家路についた。何度行っても飽きないかなりレベルの高いイタリアンなのである。定期的に通い続けたいお店なのだ。
2021/11/02 更新
2021/08 訪問
季節ごとに行きたい極上イタリアン
もうすっかり定期訪問の店になってしまった。毎回訪問するたびに新しい発見がある私にとっては進化中のイタリアンなのである。
シェフのスタンスとしては極上の素材を「これでもか!」というぐらい惜しげもなく贅沢に使って客を仰天させ、ただそれだけではなくビックリするようなぐらいの繊細さな技を繰り出し感動させる、そんな料理を楽しむことができるのである
。
日本には数多くのイタリアンはあれど、こちらのような料理を出すお店は私は他には知らない・・唯一無二のお店なのだ。
またシェフは客とのつながりをとても大事にしており、信頼できる関係で楽しんでもらいたい、そんな雰囲気がヒシヒシと伝わってくるのである。そのため一見さんお断り、完全紹介制を貫いているようなのだ。私たち客がシェフが美味しいものを食べさせてくれると信じているように、シェフも私たち客を信じてくれているようなのである。というのも他の店だと1週間前とか前日とかに確認の電話が入ることが多いのであるが、こちらやまぐちさんからは全く連絡もないのだ。当然来るだろう、バックレはないだろうとの信頼の上に成り立っているのである。
また最近では評判が評判を呼び今では半年待ちとのことであった。かつてはそこまで混んでいなかったのだが・・・贔屓の店が繁盛するのは嬉しいことなのだが、混み過ぎて通う頻度が少なくなるのは寂しい・・そんな複雑な胸中なのである。
こちらでは1階にカウンター席が6席、そして2階には個室があるようだが、断然人気なのはカウンター席のようである。そういう私も初訪問以来カウンターでしか食事をしたことがないのである。やはりシェフが料理を作るところを目で楽しみ、大将との会話を耳と口で楽しみ、料理を舌で味わう、そんな五感で楽しむことができる三拍子が揃っているのはカウンターだけなのだ。
この日も早い時間での訪問であった。こちらは2部制になっており早い部は5時スタートなのである。今回カウンター6席では誰も遅れることなく時間きっかりに料理がスタートすることになった。
カウンターは6名だが2名ずつ大きなアクリル板で仕切られているためコロナ対策も万全のようであった。
最初のアミューズは無花果をくり抜きその中にフォアグラを白味噌を混ぜ焼いたもの、表面はキャラメレーゼされていた。無花果と白味噌の組み合わせが素晴らしかった。いきなりガツンとやられた感じである。
そして前菜には枝豆のブランマンジェ、そこに雲丹とすっぽんの出汁から作ったジュレを組み合わせるという涼しげな夏らしいものであった。これも美味しかったなあ~~
そしてここからが山口シェフの本領発揮であった。
寿司ネタのようなマグロの赤身、そして大トロをお皿の上に乗せその上にはソースを、そしてドカッと豪快にキャビアを乗せていった。それで終わりかと思いきや、その上にはカウンターの上に無造作に置かれていたオーストラリア産の黒トリュフを厚めに削りほぼ料理が隠れるぐらいたっぷりと乗せていった。
出来上がりの写真だけを見たら黒トリュフが覆いかぶさって、いったい何の料理か分からないのである(笑)
ということでオリジナルの写真と黒トリュフを少しずらして中が見える写真を2枚掲載させて頂いた。
マグロとトリュフの、そしてキャビアの組み合わせは常人の発想を超越している・・そんなクラクラする美味しさであった。
そして一皿目のパスタであった。冷製のフルーツトマトのカッペリーニである。
しかもパスタの上には北海道産のボタン海老を6匹ほどむき身で乗せられていた。そしてそのてっぺんにはボタン海老の頭がまるで鏡餅の伊勢海老のように飾られていた。
もちろんこのままでも美味しかったがここで「やまぐち」名物、カラスミのかけ放題が登場したのである。
半分ぐらい食べたところで丼いっぱいに入れられたカラスミをドバっとかけて味変をの楽しませて頂くことができた。
後で気づいたのだが、カウンターの向こう側の冷蔵庫の中には恐ろしい量のカラスミが貯蔵されていたのを発見した。シェフ曰く、すべて自家製とのこと。やはりこういう名店は見えないところにかなりの労力をかけているのだなあということが分かるものであった。
その次はこちらのスペシャリテ、蝦夷アワビを丸ごと1個使った料理であった。
アワビは味をつけて煮てありナイフを使うとす~~っと切れるようになっていた。その横にはピュアホワイトとゴールドラッシュの2種類のトウモロコシを使ったリゾットが添えられていた。そしてその上にはまたまた何の料理か分からなくなるぐらいの量の黒トリュフがドバっと乗せられた。
ということで写真は一部黒トリュフを除いて撮ってある。本来の姿は上から見ると黒トリュフしか見えないのである(笑)
このリゾットもトウモロコシの風味と甘みが融和して抜群に美味しかった。もちろん他では経験できないものであった。
そしてメインはいつもの牛フィレ肉のローストである。これも毎回変わらない一品だ。
私たちがお店に入る2時間前から火入れして休ませてを繰り返し、ゆっくりと時間をかけてレアだがしっかりと火が入っている最高の状態に持って行っているのである。シェフは肉に関しては丁寧に焼くだけで味付けは全くしていないのだ。客には肉と別皿に塩胡椒、そして醤油ベースのタレが提供されており好みで味付けするのである。タレもよいが、これだけ素性が良く焼きが凄い肉は塩で頂くのが美味しかった。どこのステーキの名店よりも美味しい肉をこちらで頂けるのである。
最後に鱧と胡麻のリングイネを頂き、デザートはメロンかき氷とパンナコッタであった。これは京都で栽培しているコトビキメロンというものを使ったらしい。しっかり甘くて美味しいメロンであった。
そして食後のコーヒーを飲んでいると隣の方から声をかけられた。
全然気づかなかったが友人が同席していたようである(笑)
アクリル板で遮られていると意外と気づかないものだなあ~~
次は前回行った春に予約しておいた白トリュフの季節に再訪できそうである。
今からとても楽しみなのだ。
2021/08/10 更新
2021/04 訪問
豪快さの中にも繊細さが光る極上のイタリアン
最近ではすっかりお気に入りになり、定期訪問しているイタリアンである。名古屋にも美味しいイタリアンは多数あるのだが、こちらのようにとことん個性の強いイタリアンは見当たらない。多分全国的に見てもやまぐちさんのようなイタリアンはないのではないか?と思うのだ。いろいろ言う人もいるようだが、私は素直に大好きなお店なのである。
さて今回は予約の時間まで少々時間があったので祇園界隈でぶらぶらしながらこちらのお店に歩いて行ってみた。花見小路から東に入り、肉の三芳さんを通り過ぎ右に曲がるとすぐのところにお店はあるのだ。少々早かったがすでに暖簾もかかっていたのでなかに入ることにした。
こちらでは1階にカウンター6席、そして2階に個室もあるがやはりシェフの仕事を見ることができるカウンターが一番の特等席であろう。レストランではシェフやスタッフさんたちとのコミュニケーションも大きな楽しみなのだ。私は密会以外は個室を使うことは嫌なのである(笑)
みんな揃ったところで料理のスタートとなった。まずはミカンのようなものが出てきたが、これは和歌山の黄金柑という柑橘類の中にフォアグラを入れたものであった。蓋側のミカンを絞り、果肉とフォアグラをよく混ぜて頂いたのであるがこ一番バッターにふさわしい、そして春にピッタリな美味しいものであった。
二皿目は今が旬のスモークしたホタルイカとブランマンジェ、上には紫蘇と大徳寺納豆が良いアクセントとなるようにかかっていた。これも春を感じさせてくれる一品であった。
そして次のお皿を用意するシェフが何やら手で握っていたのだ!!!
冗談で「おにぎり??」
と聞くと笑っていた・・・何ととてつもない量のキャビアを手のひらで握って形を整えていたのだ。そのベースとなるのは毛蟹と丸くくり抜いたメロンであった。その上におにぎりのように固めたキャビアを惜しげもなく乗せていく・・・これがやまぐちさんの料理の醍醐味であり、高級食材をふんだんに使って客を楽しませているのだ。ちょっと外すととても下品な料理になりがちであるが、ここでは全くそんなことがない。このセンスが素晴らしいのだ。
味はメチャがつくほど美味しかったのは言うまでもないだろう。
そのあとはフルートトマトの冷製パスタであった。そこにはとてつもなくデカい赤座海老が乗せてあり、頭の部分はカットされそこにスプーンが入っていた。このスプーンで頭の中の身を頂き、とても甘いトマトで作られたパスタを楽しむことができた。しかしすぐに横にはカラスミがどば~~~っとドンブリいっぱい用意され、それをかけて味変を楽しんでもらおうという趣向である。かけると塩味が加わりカラスミの芳醇な香りと相まって素晴らしい味に変わっていった。
そしてその後が山口シェフのスペシャリテの蝦夷アワビのソテーであった。一人まるごと一個の蝦夷アワビのソテーとその横には今回はすっぽんの出汁で作った筍と花山椒のリゾットが添えらえていた。蝦夷アワビは毎回のごとく文句のつけようもないぐらい最高に美味しかったし、今の時期に訪問したのは初めてだったので筍と花山椒のリゾットはかなり衝撃的に美味しかった。すっぽんの出汁がパンチ力を発揮していたのかもしれない・・・・こういう組み合わせは山口シェフしかできない荒業なんだろうなあ~~とにかくすべての高級食材が喧嘩せずにうまく共存しているのだ。
そして私たちが訪問する前から焼いては休ませ、2時間かけて焼き上げたフィレ肉の炭火焼きがやってきた。これも完璧な火入れで全く味付けはしていないので塩やソースなど自分の好きな味付けにして頂くことが出いた。美味しかったがもうこの時点で腹パンであった。
最後の〆のパスタは少な目にもできたが後悔すると嫌なので普通サイズでお願いした(笑)
当目で見ると単一色のクリームパスタなので、作っている時はあまり美味しそうには見えなかったが、お皿に盛られサーブされると驚いた!!
何とフカヒレのクリームパスタだったのだ。パスタのフカヒレの割合は6:4ぐらいであろうか?何ともフカヒレの密度の濃いパスタであった。尾道無農薬レモンを絞って頂くともうこの時点で倒れそうになるぐらい楽しませてもらった。
そして黒豆の生姜の味のするパンナコッタのデザートと食後のコーヒーを頂いて楽しい宴はあっという間にお開きとなってしまった。
山口シェフの話も楽しくて滞在したのは2時間足らずであったがホントあっという間に時間が過ぎてしまった。もう機会があれば何度でも訪問したい、そんな素敵なイタリアンレストランなのである。
2021/04/26 更新
2020/12 訪問
極上の素材を楽しむイタリアン
またまた訪問する機会を得たのでお邪魔することができた。こちらのお店は「イタリアン」とはなっているが、食べているともう何料理なのかよく分からなくなってくる。しかしすべてが極上なのである。
今回も早い部での訪問であった。お店に入るとスタッフの方が待っていてくれ奥のカウンターに案内された。間口は狭いが奥行きがある京都の町家の造りである。お客さんが来る前から料理は始まっているようでカウンターの向こうではシェフが大きな塊の肉を炭火でじっくり焼いていた。それを降ろして休ませてはまた乗せ、その繰り返しのようである。メインを食べる時間に合わせて肉を焼くにはどうしても2時間前から始めないといけないとおっしゃっていた。美味しさの裏にはこういうシェフのたゆまぬ努力があることを今さらながら再認識させられたのである。
席に座ると早速コースがスタートした。
最初の一品はもう出来上がっており奥の方からサーブされた。柚子の皮の中にフォアグラ入っており、その上からキャラメレーゼされたものであった。その上には紅葉したモミジの葉っぱが乗っており秋の京都を感じさせてくれる一品であった。スプーンですくって食べるとほのかな温かみがとても心地良いまさにスタートには絶好のものであった。
二品目は冷たい前菜であった。北海道産の雲丹に柿、そして一番下には京都の黄色人参のムースを敷き上からは干し貝柱から作ったジュレをかけるという贅沢なものであった。これも素晴らしい・・・
そして次にはちょっとビックリするような物が出てきた。
クエのお刺身の上に「これでもか!!」というぐらいの多くのキャビアを乗せ、その上から今が旬のアルバ産白トリュフをお皿が隠れるぐらいまでいっぱい削って乗せてくれた。この白トリュフ、かなりしっとりしており超一流のものであるのは素人の私にもよく分かった。そしてキャビアの塩気と旨味がクエの味の輪郭をはっきりさせ、上の白トリュフはあの芳香で料理全体を引き立ててくれていた。これメチャ美味しい!!
そして次には間人産のセコガニのサラダである。きれいに剥かれたセコガニをサラダの上にドバっと被せ混ぜ混ぜして頂くのだが、横にはラーメンのようになっている奈良の三輪素麺が作ったパスタが置かれていた。こちらのスープや麺と一緒に頂いて味変を楽しんでもらおうという趣向のようである。これも素晴らしい!!
次はこちらを訪問したことがある方なら知ってると思うのだが、名物と言っても良いのか・・丸ごと一つの煮アワビが出てきた。横には松茸のリゾットがペアとなっていたのだが、リゾットとは言っても松茸の間にご飯粒が少し隠れている・・そんな感じのものであった。これも季節を感じる・・・またこういう豪快さに魅せられてこちらに通う人も多いのだろうなあ~~
そして私たちが到着前から火入れを始めていたメインの牛フィレ肉を頂いた。こちらは何故かメインの後にパスタが来るのだが、今回のパスタはとても素晴らしかった。河豚の白子をベースにパスタにはフカヒレが絡んでおり、その上からまたまた白トリュフをドバっとかけるという贅沢なものであった。もう口の中がフカヒレと白トリュフの香りでクラクラになってしまった。
シェフとのトークも楽しく宴はあっという間に終わってしまった。居心地も良く人気があるのも当然であろう。また機会があれば伺いたい、そんなレストランであった。
2020/12/08 更新
2020/08 訪問
期待を超える豪快なイタリアン
本年度食べログゴールドを受賞された今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのあるお店である。皆さんご存知かとは思うがこちらは紹介制なので一見さんは予約することはできない。まずはどなたか行ったことのある人に連れて行ってもらい、それから自分自身で予約することができるようになるのである。
またこちらのお店の場所は祇園の花見小路から少し入った狭い通り沿いにある。肉のみよしさんはホントこちらのご近所さんなのだ。
この辺りのお店はすべて建物が同じ感じでどの店がどこなのかは小さな看板や暖簾で見分けるしかない。よそから来た者にとってはなんとも厄介な話なのである。
今回は早い時間からの訪問であった。中に入り奥のカウンターに案内された。今回は友人たちとの会食である。私はほぼ真ん中のシェフの真正面に座ることができた。向こうではシェフをはじめスタッフの皆さんの仕事ぶりを見ることができた。やっぱりカウンターって面白いね~~
ちなみにこちらはおまかせのワンコースのみである。夜は2部制になっているにも関わらず、もう数か月先まで予約がいっぱいの超人気店なのだ。
まずは突き出しから、湯呑茶碗のような物の中に分厚いトリュフを添えてのものであった。オーストラリア産のトリュフの芳香が食欲をそそってくれるのである。そして2品目が雲丹と干し貝柱の出汁を使ったジュレであった。これはイタリアンとも和食とも言えるようなものであるが、まあそんなことはどうでも良いだろう。山口シェフのオリジナル料理なのだから・・・これも抜群に美味しかったのは言うまでもない。
食べているとカウンター越しにシェフがなにやらキャビアの缶を出してきて開けだした。緑のソースのかかったものにスプーンでごそっと、それも1缶で2人分というまあ何とも贅沢な量を乗せていたのだ。こちらの料理は何事も豪快そのものなのだ。
その料理は白甘鯛の上に冬瓜の薄切りを乗せソースの上にキャビアを乗せてあるものであった。見た目も最高、食べてみると白甘鯛の絶妙な旨味がキャビアとマッチして最高の魚料理を楽しむことができた。やっぱりココは凄いなあ~~
そして次はトマトのカッペリーニであった。見ているとパスタの上に赤いトマトっぽいものを乗せてその上に細切りにしたクチコを乗せ提供された。料理の流れから上に乗っているのはてっきりトマトだと思っていたのだが、何と新鮮なマグロの赤身であった。食べてみるとパスタ全体にはトマトのフルーティーな酸味が心地良く、トッピングされたマグロの赤身がとても旨味があり全体としては素晴らしくまとまり美味しいパスタになっていた。この組み合わせ最強だなあ~~
そして次はとてもやまぐちさんらしい一品であった。まるごとひとつのアワビの煮た物を豪快にお皿の上に乗せ、その横にはとうもろこしのリゾットである。しかもその上にはかなり厚切りの黒トリュフを「これでもか!」というぐらい乗せ提供された時にはすべてがトリュフに隠れて何の料理か分からない状態になっていた(笑)
トリュフを取り除いて何とか写真撮影、そして一個丸ごと乗っているアワビを切ってトリュフと一緒に頂いたのだがもう感動以外ないぐらいの美味しさであった。またホワイト何とかというトウモロコシを使ったリゾットもバッチリ美味しかった。
そして牛フィレ肉のローストを頂いた後には最後のパスタである。毛蟹を使ったリングイネであったが、こちらの料理は単にそれだけでは収まらない(笑)恒例の丼に入ったカラスミを好きなだけかけて頂くことができるのである。何ともこれも豪快な話なのだが、あまりかけ過ぎると塩辛過ぎてせっかくのパスタを台無しにしてしまう可能性があるのでご注意いただきたい。
これも言うまでもなく素晴らしく美味しいものであった。
最後には桃のかき氷を頂いて終了。私たちの食べるのが早かったのかここまでで1時間半ぐらいとあっという間の饗宴であった。
最初から最後まで全く手抜かりのない豪快なイタリアンであった。さすが食べログゴールドのことはある。大将との会話もとても心地が良いのでまた機会があれば伺いたい、そんなお店であった。
2020/08/19 更新
2019/07 訪問
高級食材がさりげなく・・・イタリアンを超えたイタリアン
埋もれていたレビューである。
こちらやまぐちは祇園の肉の三芳のすぐそばである。間口が狭く、同じようなお店が並んでいたため分かり辛いが入口には大きな暖簾がかかっているので間違うことはないだろう。
1階のカウンター席に座ると前には大きな黒トリュフが鎮座していた。これだけでもテンション上げ上げである。
さてこちらは2部制であり、私たちは遅い部でのスタートとなった。カウンターはやはり満席、人気の高さが伺えるのだ。
コースはおまかせのみである。カウンターの上の素材を見るだけでどんな料理が出てくるかワクワクさせられるのだ。
最初はトリュフのお口取りから。分厚く切った香り高い黒トリュフである。こういう先制パンチは大歓迎である。そして次は夏らしく雲丹のコンソメジュレであった。とても美味しくガラスの器が何とも涼しげで季節を感じさせてくれる一品であった。
そしてここからが本領発揮である。まずは薄く敷いたクレープのような素材(失念!)の上にトリュフをこれでもか!という程かけてこれを包んで頂いた。もう最初から天国まっしぐらである(笑)
次はパスタであるが、普通のパスタではない。トマトベースのカッペリーニのような細いパスタの上には毛蟹の身、そしてその上には何とキャビアがドサ~~~っと乗っていたのだ。それも半端な量ではなくキャビアは一缶の1/3ぐらい乗せてあるのである。これが美味しいかったのは言うまでもないだろう。反則技の一品であった。
そして次も常識外れのサこちらの名物であった。これは定番料理ではあるがコーンの入ったリゾットとその横には何と煮たアワビ1個をドカンと添えたものである。これは初めての人はびっくするであろうた。こんな豪快なイタリアンは他では見たことないのである。まずはこれをそのまま食べ、そしてさらに驚いたのは自家製のカラスミを丼ぶりいっぱいにはいったものが出され、「好きなだけかけて味変を楽しんでください」とのこと。驚きと共にシェフの非凡な才能に驚かされた一品であった。
メインは愛知県産のビーフであったが、今まで驚きの連続であったので「普通」に少々安心した(笑)
最後はさっぱりと紫蘇の花のパスタで終了。デザートはかき氷を頂いた。
最初から最後まで全力投球のシェフには敬意を表したい。「お値段以上」の楽しみを味わえるお店である。難を言えば予約が非常に取りにくいということであろう。定期訪問すればいろいろな発見がある。毎回楽しませてもらえるイタリアンなのだ。
2022/04/03 更新
定期訪問中のやまぐちさん、今回2023年度最後の訪問となった。秋も深まり食材の変わり目の時期を狙っての訪問である。
今年は季節がかなり後ろ倒しになっているが今回は秋の名残の松茸、津居山のセコガニ、そしてこの季節には外せない白トリュフなど冬らしい食材を楽しませてもらうことができた。
今回も「やまぐち」の定番を織り交ぜた晩秋らしい料理の数々を楽しむことができた。
この日は
柚子味噌 フォアグラテリーヌ
ごま豆腐を焼いたもの
大分県姫島の雲丹
干し貝柱のジュレ、柿
カリフラワー
小蕪のマリネ
白甘鯛
キャビア
紫蘇の花
蕪のピューレ
津居山のセコガニ
トマトのスープ
カッペリーニ
蝦夷鮑、和歌山の松茸のリゾット
からすみ
牛フィレ肉の炭火焼き
ふぐの白子とフカヒレのパスタ
白トリュフがけ
栗の渋皮煮のパンナコッタ
番茶
コーヒー、小菓子
料理のパターンは毎回ほぼ同じではあるが、これがやまぐち流・・・全く飽きることなく美味しく頂けるのである。贅沢な素材をふんだんに使い、最初のアミューズはフォアグラを和風に仕上げたものをキャラメレーゼしてあった。濃厚なフォアグラと胡麻豆腐のコントラストが何とも言えなかった。
そして干し貝柱を使ったジュレをかけた雲丹はメチャ旨。その次の白甘鯛とその上に缶の半分位使ったキャビアをドカンと乗せた料理はやまぐちさんならではのものであった。
そして解禁したばかりの津居山のセコガニをサラダ仕立てで頂き、メインの1番目の定番、蝦夷アワビの料理を頂いた。付け合わせは名残の松茸のリゾット。香りが素晴しかった。
牛フィレ肉の炭火焼きを頂いた後は〆のパスタであった。この日は定番の一つ、フグの白子とフカヒレを使ったパスタであった。
そこに白トリュフを「これでもか!!」というぐらいかけて頂いたのだが香りにもうクラクラ~~
最高の料理の数々であった。
今や新規の予約は取らず2024年は満席、そして常連さんたちは2025年の予約を取っているようである。これだけ豪華食材をふんだんに使うのに全く下品になっていない。
私はそういうイタリアンは他には知らないのだ。
これからも通い続けたい、そんなお気に入りのイタリアンなのである。