ひろえBANANAさんが投稿したかんだ(東京/虎ノ門)の口コミ詳細

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ひろえBANANA (30代前半・東京都) 認証済

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かんだ虎ノ門ヒルズ、神谷町、虎ノ門/日本料理

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥60,000~¥79,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 5.0
      • |CP 4.9
      • |酒・ドリンク 5.0
1回目

2023/04 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気5.0
    • | CP4.9
    • | 酒・ドリンク5.0
    ¥60,000~¥79,999
    / 1人

日本の宝と言える名店

◎概要
東京メトロ虎ノ門ヒルズ駅直通、虎ノ門ヒルズの一角にある和食店。刊行時からミシュラン三つ星を獲得し続ける唯一の和食店であり、国内外の多くのゲストが訪れる名店中の名店と言える一店です。移転を挟んだため食べログ上の点数は控えめではありますが、2023年にはゴエミヨの「今年のシェフ賞」にも選ばれるなど世間の評価は移転前後で変わらず、理想的な環境を整えた新店で更なる進化を遂げている途上とも言えます。


◎雑記
・コース全体の印象としては奇を衒わない王道の和食と言えますが、フレンチの影響が垣間見える点も多々あり、絶妙なバランス感覚を感じる内容です。日本人には斬新な印象を与え、他国のゲストには距離を縮める足掛かりとなる効果的な配分であり、同店が国際的な名声を獲得している一端を担っているようにも思えます。

・ドリンクは日本酒をはじめ、ワインやノンアルコール類、ハイボールに至るまで様々なジャンルが幅広く取り揃えられており様々なゲストの趣向にしっかりと合わせてくれます。リストから自分の好みのものを銘柄指定するのも良いですが、ソムリエの方の知識と提案力が素晴らしかった為途中からはおまかせをベースにしました。希少さや市場価値を考えると値付けも至って良心的であり、近年の飲食店としては珍しい傾向だと感じました。

・移転に伴い大将のこだわりを極限まで反映させたという店内はモダンでありながら和を感じる静謐さも併せ持っており、三つ星店の名に相応しい理想の環境と言える完成度だと思います。サービス面も立派な箱にひけを取らず、つかず離れずといった言葉がぴったりの距離感です。同じ三つ星店である「カンテサンス」では客の年齢層に合わせて接客のスタイルを変える柔軟性に驚かされましたが、同店は雑談時の口調や立ち居振る舞いに至るまで優雅さを感じるほどの完璧な所作であり、高級旅館をも超えるレベルの水準だったように思います。

・和食はその調理の特性上他ジャンルと比べ爆発的な美味しさを感じることの少ないジャンルだと認識しており、京都を始めとする一流店をいくつか回ってもそのイメージが覆るまでには至りませんでしたが、同店でその考えが間違いであることを痛感しました。洗練された盛り付けセンスや卓越した調理技術もさることながら、同店の料理は直観的に「美味しい」と感じさせる力が圧倒的であり、頂いた全ての品において感動の連続でした。支払金額としてはかなりのものになりましたが、この料理を食べたことは人生にとって確実にプラスになったと断言できます。食事を趣味とする方全員におすすめする、日本の宝と言える名店だと思います。

◎料理詳細
特に美味しかったものは☆を記載。

①胡麻豆腐 からすみ、新海苔、キャビア …☆☆
挨拶代わりに出される一品目は、いきなり同店のスペシャリテ的な存在であるキャビアを使った料理です。私のキャビアの認識は塩よりもマイルドに塩気を届ける食材という程度のものだったのですが、こちらの料理は濃厚な胡麻豆腐と合わせることにより、キャビアの持つ微細な風味をしっかりと絡め取り、キャビアの味を際立たせるという驚きのシナジーを生み出しています。間に散らしているのはからすみや新海苔といったキャビアと同じ海の食材ですが、口内で主張してくる鮮烈な味がいずれも特級の食材であることを物語っています。食材の特性を正確に捉えロジカルに組み立てた一品であり、同店を象徴するようなシグネチャーディッシュでした。

②琵琶湖鮎の天ぷら、ささ塩 …☆
冷菜に続くのは鮎の天ぷらです。必要最低限だけまとわせた薄衣が見事であり、下手な天ぷら専門店では太刀打ちできないほどの美しい立ち姿です。その美しさは味にも反映されており、ふわりとした食感もさることながら身と肝それぞれの旨味をしっかりと閉じ込めた見事な火入れでした。周囲に振ったささ塩はその名の通りクマザサのエキスを塩に混ぜたものであり、苦味のある鮎の後味をキレよく拭い去ってくれている印象を受けます。

③タコ 梅肉 …☆☆
炊いた大きなタコの足を輪切りにし、梅酢のソースで頂きます。歯切れよくも柔らかく、弾力も感じられるという相反する要素をすべて併せ持ったような未知数の火入れであり、癖のない梅肉ソースとの組み合わせも絶妙です。個人的に梅は苦手な食材の部類なのですが、こちらの料理は言葉を失うレベルの美味しさでした。

④お造り 鯛 花山椒 わかめ
お造りは大将の地元徳島の名産、鯛をメインに据えた一品です。合わせるのは今シーズンでほぼ最後の提供だという花山椒と、こちらも徳島の名産品であるわかめ。淡白な鯛は皮目が軽く炙られ、花山椒とわかめがそれぞれ風味と食感に幅を持たせています。お造りはどんなに一流の店でも素材頼みになることが多く、店の技術を計れないため個人的にはあまり面白みのない一品だと思っていたのですが、同店のお造りには個性がしっかりと反映されており流石の一言です。

⑤お椀 空豆と海老の真薯 …☆☆☆
出汁の美味しさに定評のある同店のお椀ということで楽しみにしていた一品です。同店の出汁は清澄さもありながら非常に力強く、上品でありながらもしっかりと「美味しい」と感じられるのが特徴的であり、澄んでいながらも直観的にもう一口、と手を伸ばしてしまう魅力があります。出汁でここまで差が出るのかと思い知らされる驚きの体験であり、食通を唸らせる理由を垣間見たように思います。具材は春らしい空豆と海老の組み合わせですが、癖の強い空豆の旨味のみを引き出しておりベースの出汁を邪魔しない見事な仕上がりです。散らしてある柚子の花びらも果皮と比べて柔らかい風味であり、こちらもお椀の調和を乱しません。「お椀とはあくまでも出汁を飲ませる料理」という考え方が垣間見える、シンプルながらも尋常ではない完成度の一品でした。

⑥鯵の押し寿司 …☆
押し寿司は木の芽をゼリー状のシートで挟み込み、清涼感のあるビジュアルが印象的です。調べると大将の地元徳島にも鯵を押し寿司にして食べる「姿寿司」という郷土料理があるようですが、そのオマージュかもしれません。魚の臭みを抑えつつも嫌味のない酢加減が素晴らしく、絶妙なバランスに仕上げられています。キュウリや酢飯に混ぜ込んだ胡麻は食感にアクセントをもたらしており、料理に必要なパーツが過不足なく作り上げられている様が見事な一品です。

⑦ホワイトアスパラとボタンエビ …☆☆
ホワイトアスパラに黄身と出汁で作った餡をかけ、上部に蒸した海老を乗せた一品。まるでフレンチで出てきそうな素材のラインナップですが、淡色でまとめ上げられた佇まいや出汁の効いた味は間違いなくこの一品が和食であると雄弁に語っているようにも思えます。ホワイトアスパラの柔らかな甘味が出汁ベースの餡との親和性が高く、これだけだと少々淡白に感じるところを海老の旨味が上手く補っているというシステマチックとも言える味の構成です。フランスでの営業経験を持ち、世界の食材の理解度を高めているからこそできる芸当だと驚かされた一品でした。

⑧鰆 焼物…☆
春らしい食材が続き、焼き物では鰆が登場します。衣のように見えるのは素揚げしたふきのとうをまぶしているらしく、クリスピーな食感は松笠焼きを彷彿とさせます。鰆の強い脂をフキノトウの苦味が締め、口内でジューシーに広がった旨味をキレよく拭い去ります。味の構成が見事であり、旬の食材から組み合わせたとは思えないほどぴったりとはまった美味しさでした。

⑨オコゼの唐揚げ、柚子塩
メインの前の一品はなんとオコゼの唐揚げです。揚げ物がまだ出ていないと思いつつも、天ぷらのようなものを想像していただけに今回最も予想外な一品でした。居酒屋や漁師めしといった印象の強いオコゼですが、ふわりと柔らかく仕上がった絶妙な火入れ、高い精度で均一にまぶされた衣など和食の技が施されたこちらの皿は既存のオコゼの印象をガラリと変える出来になっています。淡白な身質の中からは澄んだ旨味が溢れ出し、一つ前の鰆とは違ったベクトルの美味しさを感じる一品でした。

⑩鴨肉、クレソンのサラダ …☆☆
メインは鴨肉のローストです。フランス料理を彷彿とさせる、赤さの残るレアな火入れが出された瞬間の印象ですが、仕上げに軽く藁でいぶしてあり、和食らしい調理も施されています。鴨の肉と血が持つ旨味をドリップの一滴もなく身の中に閉じ込めてあり、フレンチ顔負けの完成度です。同店は基本的に提供時の口上は極力控える傾向があるのか、こちらも特にブランドや技法を語ることはありませんでしたが、想像もつかないような技巧が用いられているのがその美味しさから垣間見えます。付け合わせはクレソンのサラダですが、細かくカットした海苔が合わせてあるのが面白く、ここにも和食材のエッセンスを効果的に料理に落とし込んでいます。

⑪金華豚、白子たけのこ、花山椒の炊き合わせ …☆☆
メイン後の一品は炊き合わせです。旬の白子たけのこ、シーズン終盤の花山椒で季節感を演出しつつ、旨味の強い金華豚を合わせることで皿全体の味を力強く補強しています。椀全体の塩気がたけのこの甘味をいっそう強調しており、その柔らかな食感も相まってたけのこの概念を覆すと言っても過言ではないほどの域に達していました。白子の貴重さは知識として知ってはいましたが、適切な調理が加わることでその高いポテンシャルを初めて実感できたように思います。

⑫ごはん …☆☆☆
食事はシンプルな白米とおかずの組み合わせ。おかずはマグロの漬け、サクラエビのかき揚げ、ウナギの蒲焼きから好きなものを選びます。土鍋で炊かれた炊きたてのごはんは、土鍋の中で炊きあがった際の食感を残すために敢えて混ぜず、極力形を保ったままふわりと盛る独特の盛り方であり、軽やかな食感を楽しむことが出来ます。おかずは選択制かと思いきや、全部注文する裏技的な注文も可能とのこと。「欲張りセット」という愛称がついているのがお茶目で面白いです。いずれのおかずも完璧な火入れで甲乙付け難い仕上がりであり、文字通りごはんがいくらでも食べられる究極のごはんセットであり、食事のフィナーレに相応しい内容です。おかわりを重ね、土鍋が空になるまで頂きました。

⑬あんみつ 宇治金時
ラストは一口サイズのあんみつで締めます。中心に抹茶アイスを置き、周りには寒天と同サイズの白玉とあんこが配置されているという独特の盛り付けがお洒落です。ごはんをたっぷりと頂いたため満腹に近い状態でしたが、湯飲みほどのサイズに小さくまとめられているため問題なく食べきれました。少ないと感じさせない絶妙なボリューム配分も素晴らしいですが、何よりも和食らしい上品な甘さが印象に残る一品でした。最初の一皿からデザートに至るまで美味しく頂け、コース全体の構成としても全く隙の無いコースだったと思います。

◎滞在時間
約3時間


◎料金
¥64,190
(コース¥48,000、ワイン・日本酒四杯¥5,050)₊税・サ

  • 胡麻豆腐 からすみ、新海苔、キャビア

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  • 琵琶湖鮎の天ぷら、ささ塩

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  • タコ 梅肉

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  • お造り 鯛 花山椒 わかめ

  • お椀 空豆と海老の真薯

  • お椀 空豆と海老の真薯

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  • 鯵の押し寿司

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  • ホワイトアスパラとボタンエビ

  • 鰆 焼物

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  • オコゼの唐揚げ、柚子塩

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  • 鴨肉、クレソンのサラダ

  • 鴨肉、クレソンのサラダ

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  • 鴨肉、クレソンのサラダ

  • 金華豚、白子たけのこ、花山椒の炊き合わせ

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  • ごはん

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  • マグロの漬け

  • サクラエビのかき揚げ

  • ウナギの蒲焼き

  • あんみつ 宇治金時

  • テーブルセット

  • 外観

  • 内観

2024/01/10 更新

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