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昼の点数:5.0
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 5.0
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美食考察記 第五話
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2019/10/31 更新
動物の感覚器は進化の過程において、環境に適応し、危険を感知し、生命を守る意味合いの強いものから発達したと言われています。人も同様であり、塩味、甘味、酸味、旨味、うま味、所謂、五味の中で、最も発達しているのが、アルカロイド(毒物)の存在を示す味=苦味なのです。なお、人が苦味を好むようになったのは、一説によると、人類は飢餓の歴史であり、また、今のように食材に関する情報を有していなかったことから、生きる為に周囲にある様々な食材を少しづつ口にしているうちに嗜好性が生じたのではないかと言われています。ちなみに、京都大学霊長類研究所の上野吉一先生によると大型の進化した猿ほど、同じものから栄養を摂取するのではなく、多種類のものから少しずつ栄養を摂取する傾向があるようで、これは、特定のものから栄養を摂取していると、仮に毒物が含まれていた際、そのまま死に直結する可能性が高まる為、リスクを分散する目的があるようです。
さて、ここからが本題。五味の中で、大人と子供で好みがハッキリ分かれる味覚は、間違いなく、この苦味でしょう。かく言う私も子供の頃は、ニガウリ、蕗の薹、珈琲は好んで口にしませんでした。それまで、紅茶一辺倒だった私が、18歳を境に飲み始めたのは、珈琲=大人というイメージからです。それから、自ずと美味なる珈琲を追及するようになり、都内は、銀座:ランブル、三ノ輪:バッハ、赤坂:アラビカ、青山:大坊珈琲店、鶯谷:ウエスタン北山珈琲店、地方では、軽井沢:丸山珈琲、岐阜:シェルパコーヒー、京都:KAFE工船、岡山:折り鶴、島根:松浦珈琲等、福岡赤坂:珈琲美美、福岡大野城:豆香洞珈琲、鹿児島:ライムライト等、様々な珈琲店を回りました。そして、最終的に行き着いたのが、こちら鶴岡:コフィアです。
主の門脇さんは、孤高の焙煎職人である吉祥寺モカの標交紀さんの元で11年間修業された後、地元の酒田に戻り店を開かれたという経歴の持ち主。マニアの間では「珈琲の鬼」とも称される門脇さんの煎れる珈琲は、豆の選定から焙煎、挽き方、ネルドリップでの抽出と全てに拘り抜いた素晴らしい味わいで、初めてそれを口にした時、魂を激しく揺さぶられる程の衝撃を受けました。フルーティな旨味と酸味を併せ持つハラール・モカ、苦味と酸味のバランスと鼻腔を擽る香りが素晴らしいブラジル、力強い苦味と余韻が後を引くマンデリン、特濃ミルクと珈琲の凝縮された旨味とコクが広がる珈琲のエキス、いずれも甲乙付け難いお味です。
聞くところによれば、陛下が山形にお越しになられた時、こちらの主が直々に珈琲を煎れられたこともあるとか。それにしても、これ程の珈琲を出すのに、スポーツ新聞を読み耽りながら、ごく普通の喫茶店のように珈琲を飲んでいる常連客が多いのは、地方ならではの光景でしょうか。
もう複数回訪問している、山形の至宝とも言うべき、お気に入りの一軒です。