ミニミニ大作戦さんのマイ★ベストレストラン 2013

ミニミニ大作戦の庶民的食文化に関する調査報告書

メッセージを送る

ミニミニ大作戦 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

今年は、素直に総合評点の高い順に並べてみました。同点の場合は、最終訪問日が新しい物件を上位にしています。俯瞰して見れば、やはり甘モノ比率が高いです。そこに絡む、ラー、ナポ、オコ、ブタ、トリのローテーション。改めて庶民なのだと痛感しました。一方、唯一の高級メシとして、和欧創作料理がランキングしたのが、今年のトピックかも知れません。 ミニミニ大作戦

マイ★ベストレストラン

1位

丸山吉平 (浅草橋、新御徒町、仲御徒町 / とんかつ)

3回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 ¥1,000~¥1,999

2018/03訪問 2018/04/01

最廉価メニューを初めて試すの巻

私的には・・・国内最高峰トンカツ。豚が活きている。
閉店15分前に店着したら待ち2人目で接続。今や頂上トンカツ店の一軒として認知されたお店だけれど、これなら拍子抜けするほど普通。流石に開業して数年も経てば落ち着くのだなと。で、券売機の前に立ってボタンを眺めてて笑った。「最高の接客おかわり無制限」なるメニューは0円、まあ、大将流のアイロニーである。更に笑ったのが「店長に呼ばれる前に座る権利」が1億円だって。こりゃ更に極め付きの大将の皮肉なんである。どっかの大金持ちがマジで1億円払わないかなぁ。でも1万円札を1万枚券売機に挿入しなきゃならん訳で、ウィ~ンと3秒で引き込まれるとしても、そんで休みなしに挿入したとしても、実に8時間30分を要する訳で、とうに営業時間は過ぎてるのである。じゃあってんで、100万円の札束を100個ドンッとカウンターに置いたとしても、「ちゃんと食券を買って下さいよ」と大将に言われるのがオチなんであって・・・そんなこんな考えてるうちに(←バカ)丸山吉平の最廉価メニューがカウンターに置かれた。

【ロース+単品ご飯】1400+200=1600円
券売機の表示から察するに、ローストンカツのグレードはロース→ロース200(たぶん200g)→ロース250(恐らく250g)、ロース300(察するに300g)となっている。この等差数列に従うならば、最廉価のロースは150gって事になるんだが、目の前のソレの量感は150gにしては妙に割腹が良い。何でこんな所に拘ってるかと言うと、豚も生きもの、当然ながら肉にも個性がある。実際、掃除を済ませたロース塊一本と言っても、当然旨い部分と味落ちする部分が連続的に繋がってる訳で、ソイツは包丁を入れて行かないと分からない。オーダー順に依って悪い部分が巡ってきたらそりゃご不幸。なので、次のカットは少し味落ちするだろうな、と大勝が判断したならば、気持ち厚めにカットしたりもする。それがせめてもの良心ってもんだ。と言う訳で、肉の重量は良い意味でブレてる事もある。だから肉重量は必ずしも精緻に揃えられてる訳でもない。と言う裏話。

閑話休題。

ともかく1400円の最廉価メニューってのも、丸山吉平トンカツに馴染みがない方には「高いじゃないの!?」となるんだろうが、まあ喰って見て下さいな。それでもコスパは十分に旨いから。ベースの肉キャラは紛う事無く林SPF豚だし、適切な熟成とブレない揚げもハイエンドメニューと変わらず手抜き無し。要は脂の載りや刺し様などで決まって来る、付加的な味のリッチさが違うだけで、そりゃ値段が違うんだから当然なんである。逆に程々の脂身でサクリと喰える身軽さがあって、もしかしたらデフォルトはこれで良いんじゃないかしら、そんな気もしたり。要は気軽なんである。

【まとめ】
このメニューなら、別注の白飯を頼んで、岩塩やチョビットソースを垂らして白飯のオカズとして丸山トンカツをかじっても罪悪感が少ない。ホント気軽である。トンカツ定食って気分でガツガツ喰えるのも、たまには良いもんだ。最廉価メニューであっても、やはり丸山吉平旨し。
店主殿の撮り食べ嫌いを慮って本日は撮影一切無し。喰いに集中する。添付の画像は過去撮影分なのでご了承を。

【吉平リブ】3400円
実に久しぶり。すでに我が国を代表するトンカツ屋の1軒に認知されて久しいが、相変わらずそのクォーリティは超絶。ソースはおろか、調味用の岩塩さえもレフューズせざるを得ぬ私。豚肉&ラードの風味だけで喰いたくなるトンカツは、世にトンカツ屋だらけとあっても、そうそうあるもんじゃない。左端の一切れから、右端の一切れに向かって、休みなくただトンカツだけを喰らうのだが、それでも進む火の入り。ミディアムレアの林SPF豚の、センター部分の僅かに透明感を伴う桜色が、余熱で火入れが進むにつれジワジワと白地へ変身して行く。それに伴い大胆に変貌して行くテクスチャと風味。肉からトンカツへ。注意深く味わえば、それこそ二切れ毎に、そんな変化を感じられる。こんな喰い方を強いる、いや強いられたくなるトンカツって、悪いが他に無い。だからしてこのお代は、適正であるどころか、実は安いと言うべきなのだ。

【まとめ】
丸山トンカツは生モノだ。刺身なんかより遥かにずっと生きモノだ。もう豚が活きている。屠畜され、熟成され、掃除され、パン粉と玉子まみれにされ、挙句にラードでジャアと揚げられたとしても、それでも相変わらず活きている。こんな豚肉、喰ってみたいと思いませんか?
昨夜はトンカツオフ。大門の名店でトンカツ三昧したはずなのに、何故か満たされぬ豚欲。肉欲開放状態のまま〆られてない感覚。こりゃ豚欲駆け込み寺にダッシュするしかあるまい。仕事なんてサボってやらぁ!!

2014年3月11日

開業から一年半を経て、落ち着きを見せるかと思いきや、益々地味に爆走する丸山吉平。とうとう念願のバラカツ(正確にはリブロースカツ)がラインナップ!!

【熟成リブロース定食】2800円
これを高いと思うなかれ。380gもあるのだから。今回の豚は熟成リブロース。ロースブロックのサイド、バラへと続く部分。なのでその脂の刺し具合は、一見バラと見紛うほど。こいつをいつものレア揚げで喰らう。グムッと箸で拡げれば、ミチチッと刺し脂の部分で破断して行く豚。僅かな筋感を伴う豚を、つまり熟成されてるとは言え、無用には柔らかくは無いこいつを噛みしめる。これだけ脂が刺してるって言うのに、380gの量を殆ど感じない、素直で嫌みの全くない豚脂。これが林SPFの真骨頂か。

やはり、何を喰っても、何度喰っても感じざるを得ない、唯一無二のビビッドさ。やはりここのトンカツは活きてい。冷えたなまくらトンカツ、つまり活きていトンカツになるまでの、限られた僅か数分間で一気に喰い切る刹那さが素敵だ。一切何も付けずとも無心喰いできてしまうトンカツは、トンカツ好きの皆さんにはお叱りを受けるだろうが、私にはやはりここのトンカツだけだ。他のトンカツと明らかに離れた所に、独りポツネンと立つぴょんカツは何時も飛び切り恰好良い。

2013年12月13日

独り営業体制になって数ヶ月。結局大将、弟子を採る事無く、バイトを雇う事も無く、昼営業メインで奮闘中。子育て優先で、奥さんが再びお店に立たれることも、当分ないだろうし、どうやら大将、細々昼営業メインで、行けるトコまでやってみようって腹を括られたご様子。まんず、収入と言うよりも、ご本人の体力がネックになるんだろうけど。そりゃ独りはシンドイでしょうよ・・・

【ぼーヒレかつ定食】2000円
今日は揚げに入る前に「大将がベストと思う揚げで」と一言注文。それで出てきたのがコレ。もはや豚のたたき揚げと言ってはばかり無しの、ウルトラレア。正直、一見したらギョッとするほどだが、コレが大将の理想揚げって事なのだろう。とにかく、ヒレカツの見方を変えてくれたメニュー。焼きたての鶏ささ身が無用に旨いのと同じ。ヘンな匂い皆無の林SPF豚を、二、三週間ジックリ湿式熟成させて、ザクッと揚げる。活きのイイ豚肉って形容したくなる、唯一無二にして屈指の個性的ヒレカツ。

【大特ロースかつ定食】2000円
こちらもヒレカツほどでは無いが、かなりのレア度。レア豚をリスキーと感じる方や、肉はキッチリ火入れしなきゃって方には、絶対に受け入れられないレベル。じゃあ、お前はどうなの?と訊かれれば、もう少し火が通った方が、正直好み。とにかく今回は、お店で提供される平均的揚げじゃなくって、大将の良しとする揚げを食べる事が目的だったわけで、なるほど、賄いではこの揚げで食べられてるのねってのが良く分かった次第。全く色んな経験をさせてくれる、得がたいお店である。

2013年8月8日

さて今回は、揚げ師は同じでも、いつもと違う豚を揚げると味わいはどう変わるか!?と言うお話。ぴょんカツは、デフォで林SPF豚なる銘柄豚を用いるのは周知の事実だが、たまに異種銘柄豚のストックに出会うことがある。それが今回の素材、柔豚。「今日は柔豚が残ってるけど食べてみる?」との大将お誘いに、さっさと乗っかる事にして。今回は当たり外れは置いといて、ココは授業料の積もりで、「ハイ、柔豚でお願いね♡」

【柔豚上肩ロースカツ定食】1900円
柔豚なる銘柄豚の肩ロースを四週間熟成させたスペシャル豚。今回は、ドンと大判一枚じゃなくて、中サイズカットの二枚乗りである。コレで概ね200gと言うところか。衣は何時ものぴょんカツ流儀で、絶妙にピキピキ尖がったセミ・ドライな極上モノ。だけども一口食べれば、ソコにある味わいは、林SPF豚とは相当に異なると言う、オドロキの展開である。

四週間熟成の効果だろう、肉質は非常に柔らかい。もしかしたら、若干バンバンしてるかしら。その繊維感に乏しい噛み切れ具合は、トンカツに柔らかさを求める向きには、かなり優れた肩ロースなのだろうが、私にはちょっとお節介が過ぎるかも。しかし更に印象的なのは、食感よりも味である。脂がトロ~ン、コッテリ。量じゃなくて脂の質がである。まるでトンカツから染み出して舌に絡み付くようなネットリ感は、林SPF豚のサラリとしたクリアな脂質と大きく異なる。だからして勿論、肉の味も、どちらかと言えば濃くてマッタリ。

恐らく、この柔豚トンカツにハマる人は、林SPF豚では物足りないだろう。例えるなら、水生インクのボールポイントペンを使った、カチリとシャープな描画が林SPF豚だとすれば、まるでマジックペンで描いたラフ画の様な柔豚。ちょっと粗暴気味なキャラである。コレは全く好みの問題であって、優劣を決めるモノでも無いのだが、私的には、ぴょんカツの素材としては、やはり林SPF豚を断然推したい。結局、この豚ありきのぴょんカツなのだろう。

豚が違うだけで、ココまで味わい変わるか!?それが今回のワクワク&オドロキ。丸山はきっと、林SPF豚のキャラを活かし切る揚げなのだ。素材に惚れ込んで初めて、素材を活かす調理ができるのだろうなと再認識した次第。林SPF豚のキャラにピタリと合った、シャープにして力強い揚げを旨とするぴょんカツ。豚と揚げが完全に協奏している。やはりコレ以上のトンカツは無いんじゃないのかなぁ・・・

2013年7月1日

今夜は丸山でトンカツオフ。マイレビュさんとの三人パーティー。とにかく今夜もムチャってしまった。これだけトンカツを一度に喰ったのは初めてじゃなかろうか。何せ三人でシェアしたものの、一滴も飲まない私、トンカツだけで推定700gは喰った。カロコン目的で算出した、本オフでの総摂取カロリーは、実に3666kcal!!死ぬぞお前(- -;)

【三種トンカツ食べ比べ】
三週間熟成肩ロース
一番のオキニメニュー。熟成に伴いインフレした豚味、ドバッと軟化したホロホロ肉質。それでも、刺し入り脂の間でグネグネとのたうつ繊維感は、噛むたびに、柔らかくもキレの良い歯応えを返して来る。肉を噛み喰うシアワセ。更に激しい旨みに舌も狂喜する。

ロース
熟成肩ロースがホロホロ濃厚味わいだっただけに、ミチッと詰まった赤身のシルキーさと、林SPF豚のスッキリ脂が、実にフレッシュささえ感じさせる、かなり別世界の旨さ。相変わらずビシッと肉に喰い付いた、香ばしさ極まるビンビン衣も唯一無二。

ヒレ
正直、コレほどヒレが旨いと思った事が無かった。何!?この瑞々しさは。ミディアムレアの赤みが消え逝く僅かな間にこそ味わえる、林SPF豚ヒレの本領。ぴょん吉さんが、このヒレの味わいをして、トンカツ屋になろうとしたって言うのも、少し分かった気がする。

【ロースカツカレー】
まだ喰うか、お前!?いや、〆のつもりでカツカレーを食べようと。「ご飯が足らないから、賄いのナポ盛っとくし」とぴょん吉さん。その結果、〆のはずの一皿は、もはや凄まじい姿に。こりゃまるでトルコライスカレーじゃないの。それでも、これだけ喰ってても、口に運べば、「う~ん、旨い!!」と口走ってしまう私は、完全に蛙教祖様に洗脳されてしまった様である。

コレで結局3666kcal。666は悪魔の数字。ココのトンカツは、メタボへと誘う悪魔のお味。以上、ご馳走様!!

2013年4月18日

【ロースカツ定食】900円
ぴょん吉さん、最近は豚熟成に凝っておられる。ちょっとナイショっぽいのだが、どうやら二週間程、カット前のブロックのまま冷蔵庫で放置プレーの様子。当然ながら豚肉の自己消化が進むので、筋繊維が分解されて柔らかさアップ。筋繊維蛋白アクチンとミオシンが分解されれば、当然アミノ酸が生成されるので、上手くすれば肉の旨みもアップ。そもそも昔から言うではないか。「肉は色が変わってくる頃が旨いのだ!!」

さて、今回のロースカツ定食は、提供価格\900と、このお店で最も廉価なトンカツメニュー。早速揚げたてを何も付けずにザクリと噛めば、なるほどコレまでのロースカツより、明確に柔らかい。こりゃあ肉が化けたな・・・正に熟成効果である。一方、旨みの方は余り変わった気はしない。ここら辺り、味が変わる程には熟成が進行していない。ともかく、一段と噛み心地が向上したロースカツは、手放しで喜べるカスタマイズ・トンカツ。

こう言う具合だから、ぴょんカツってのは何時も食べてて楽しい。精々一月か二月に一度しか行けないけれど、その度にトンカツの味わいが変化している。あるいは進化と言うべきか。何時も変らぬ味ってのにも、安心感と職人気質を感じるが、その対極にある、ぴょんカツみたいに常に変動している実験的皿も、これまた捨て難い。「コッチの方がもっとイイかな?」って言う、職人殿のその時々の指向に、自分の波長がピッタンコ合えば、そりゃあやっぱり虜になっちゃうのだ。

2013年2月27日

【肩ロースカツカレー豚角煮マシ】1900円
そもそも、カロリーコントロール中の私は、今日はヒレカツを喰いに来たのだ。ご飯小盛りで。なのにぴょん吉さんたら、「ミニミニさん、今日は肩ロースカツカレー食べてみて。豚角煮マシで」と来た。ちょっと待て~、何処のお店が客の喰うもの決めるんかぁ!?でも、仕方ない。ぴょん吉さんのオススメを反故にするなんぞ、男ミニミニの名折れである。幾らでも喰いまっせ~(^ ^;)

画像でその迫力が伝わるかどうか。とにかく、カレー皿から天井に向かって大きく盛り上がってしまったその山は、これを二郎インスパイアと呼ばずに何と呼ぶか!?である。先ずはメインの肩ロースカツ。1月からのレギュラーメニューだが、コイツはめちゃくちゃ旨い。もうぴょんカツ軍団の中では、最高位のお気に入りになってしまった。特にこの一枚は、肩ロース部位の中でも、最もロースよりの最上質な一枚。何時ものピキピキに尖って立ちまくりの衣に包まれる豚は、赤身に食い込む脂身と、のたうつ肉繊維が最高の歯応え&甘い味わい。ちょっと記述し難いぐらい溜まらん旨さである。

カレールウも、昨年秋の開店以降、徐々に進化中。今回のは、ベースに豚骨スープを加えられたとの事である。そのお陰で、ルウはかなり分厚くて、相当に円やかな味わいに変貌した。ちょっと驚くほどの変わり様。その代わりと言っては何だが、開業当初の、フレッシュ&シャープ&スパイシーな味わいは薄まった。恐らく殆どの方は、現状ルウの方が旨いと感じられるに違いない。しかし天邪鬼な私は、率直に言うと、開業当初のルウが好みではある。

トドメはオプショントッピングされた豚の角煮。1/3はベッタリと脂身の張り付いたバカデカイ肉塊、暴力級の煮豚である。ソイツが三個もルウに埋まる。そのお陰で、もう皿の淵からルウがこぼれんばかりの、凄まじい状態になってしまっている(^ ^;)余りにもウレシ過ぎるお姿。口に含めば五秒でとろけて無くなってしまいそうな、トロントロンな煮豚。肩ロースと合わせて、軽く350gはあるだろう、豚まみれな皿。食べ応えなんて生易しいもんじゃあ済まされない、骨の髄まで豚を堪能できる、これはやはり極上の豚皿であった。

とにかく、理屈でなくて旨いのだ。何度来ても新しい発見がある。胸の奥にジンと来る、得体の知れないこのモノは、料理の味わいが、単なる味だけでなくて、創り手の想いや食べ手との機微の上に成り立っていると言う事を、否応無く教唆してくれる。私にとってココは、喰う喜びを感じさせてくれる桃源郷なのだ。

2012年12月27日

【上ロースかつ定食】1200円
今日は仕入れたばかりの林SPF豚ホールロースを見せて頂いた。「この辺りが特上ロースで、ここらが上ロース、そんでココがロースとカツカレー用で・・・」大将の丁寧なご説明。豚一匹から二本取れるロース。その片身で重さ4.9kg。表示ラベルの加工日を見れば12月27日。バリバリの新鮮ロースである。あばらの跡も生々しいロースは、生で見てても旨そうだし(@。@)

今日は機会に恵まれて、大将と二時間くらいお話できた。色んな事を聞いたのだ。あんな事♡から、こんな事☠まで。でも、すんませんが、ココでは書けない事。だって、他の有名トンカツ屋さんが困るでしょ(^ ^;)そのお陰で、吉平とんかつの旨さの謎がまた少しわかちゃった。大将と話するのはホントに楽しくて飽きない。

そんな大将からのご依頼
ファサードに「アルバイト募集」と張り紙がしてあるのに気付かれた方がおられるだろうか。アルバイトってなってるけれど、大将、結構マジで弟子を探しておられる。そのうちに行列必至のお店だから、当然手を打っておかにゃあならん訳で、大将の計画は着々と進行するのだ。勿論、ホール係も皿洗もしなきゃならんし、閉店後の片付けもミッチリ。だけどそソレだけじゃない無い。「吉平とんかつ」のイロハを学べるチャンス。職人を目指しておられる志ある方、是非とも師匠にコンタクトされたし。私が申し上げるのは甚だ僭越なのだが、実に魅力あるお方だから。

2012年11月20日

【特ヒレかつ定食】1800円
これは大将が最も推す一皿。蒲田にある某トンカツ屋で食べたこの林SPF豚ヒレ肉の虜になった大将は、結局、その某トンカツ屋を師匠と仰ぎ、とうとうご自分でトンカツを揚げ始められる事になった訳だ。この特ヒレかつについては、画像をご覧下さればレベルの高さがお分かり頂けるだろう。完璧なミディアムレア。やはりロースにも増して、上品でアッサリした嫌味のない旨みには、もはや爽やかさを感じてしまう。溢れんほどの肉汁。何なのだ、この瑞々しいトンカツは。セットのキャベツも、豚汁も、白飯さえも口にするのがもどかしく、ひたすらヒレカツを岩塩で味わうミニミニ。これまで喰ってたヒレカツは一体何だったのだろう・・・。この定食、その価格は何と1800円。アンビリーバブルである。有名店なら夏目さん三枚コースでもおかしくない。心配して大将に伺えば、これでも一応儲けは取れるそうであるが、こりゃあちょっと安過ぎやしませんか!?この品質を維持できるなら、早々に行列店の仲間入りだろう。安くて旨い、じゃない。旨いのに安い、と言うべき。

【カツカレー】900円
特ヒレかつ定食を完食した直後の連食。なので、お腹は結構満腹なのだが、にも関わらず三口喰って笑った。コレも相当旨い。ちょいと酸味の効いたルーは、唐辛子でキンキン辛いと言うよりも、胡椒系のジンワリくるスパイシーさ。ある意味、ごく普通のお家カレー的な素朴さだ。このルー、ココの特徴だろう、硬めに炊き上げられた白飯と妙に相性が良い。更にロースカツの旨さは、そこいらのカツカレーのソレを遥かに凌駕している。特上ロースかつとは一変、薄め故にシッカリ火入れされたロースカツは、それ自体が定食のメインになるクオリティ。これが900円ってのはイカンでしょ大将。CoCo壱カツカレーなんて蹴散らしてしまう戦闘力である。

2012年11月19日

【特上ロースかつ定食】1500円
何と言っても拘りは豚肉の出自である。千葉県、株式会社林商店のSPF(Specific Pathogen Free、特定病原菌フリー)豚。分かりやすく言えば、帝王切開で無菌分娩させた後に、衛生飼育手順に則って育てられた健康豚。極論すれば、レアな火入れでも豚特有の感染症リスクが無い。大将曰く、この林SPF豚の味に出逢う事無くして、トンカツ屋丸山吉平の実現は無かった。大将がそれ程に入れ込んだ分厚くスライスされた豚ロースは、選び抜かれた中屋のパン粉をビッチリと身に纏った後、ミヨシラードの海で、9分間ユックリと揚げられる。金網に引き上げられた豚を、更に余熱でキッチリ2分間火入れしてから丁寧にカット。その断面は、中心部分が淡いピンク色をしつつ、断面に肉汁が薄っすらと染み出す完璧なミディアムレア状態。

こう言うハイエンドトンカツは塩食べに限る。大将手製の甘口シャボシャボソースも悪くは無いが、やはり岩塩で豚肉の風味を殺さずに食べたい。岩塩は白と黒が支度されるのだが、黒岩塩の風味、そのまるで茹で玉子のような硫黄な風味が、トンカツに何とも絶妙に良く似合う。歯を入れれば、ガッチリと肉に喰い付く衣のシャリサクとした食感、ビッチリと張り付く端麗な脂身から口中に溢れ出す甘味。何とも旨い。赤身部分はアッサリとした嫌味のない味わい。中心部は若干粘着質な歯応えだが、これはミディアムレアのジューシーさと引き換えなので致し方あるまい。これは流石の揚げだ。シッカリ揚げ嗜好の方には抵抗があるかも知れないが、そんな時はウェルダンで、と大将に伝えるのが宜しかろう。大将はホンマに豚マニアだ。

付属の豚汁も大したもの。一見すると地味なのでオマケチックに映るのだが、とんでもない。大将が如何に豚好が好きで、添え物の豚汁にまで手を抜かれていない事が良く解る。硬めに炊き上げられた白飯も男っぽくて好みである。こんなハイレベルの特上ロースかつ定食を1500円で出されると、そこいらのトンカツ屋はちょっと勝負にならなかろう。相当にコスパ高しと断言したい。

【まとめ】
私がトンカツを撮影していると、視野の外から大将の杞憂が私に伝播する。とうとう大将が口を開かれた。「写真撮るより、早く食べてよ。ほら、撮影してる間にも、真ん中のピンク色が褪せて行くでしょ!?」・・・こう言うのを「モノに拘る」と言うのだ。この一言で私は、トンカツ屋としての大将の成功を確信した。トンカツ屋丸山吉平が、自他共に認める一流に伸し上がるまで、私は全面的に応援する。大将の理想とするトンカツを、これからも突き詰めて欲しい。

  • ロース+単品ごはん
  • 刺々しいエッジ立ちまくり衣
  • 丸山最廉価トンカツの断面

もっと見る

2位

エシレ・メゾン デュ ブール (二重橋前、有楽町、日比谷 / ケーキ、パン、ジェラート・アイスクリーム)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 ¥2,000~¥2,999

2013/11訪問 2014/09/01

いけめんスイーツ大作戦 第四十七回 -文句無し!!今年のベストスイーツ候補-

甘モノツアーin東京 第六回戦

旅程はコチラ→食べログレビュアーズ甘モノ遠足「第一回甘モノツアーin東京」
概要はコチラ→食べログレビュアーズ甘モノ遠足はやはり楽しかった。

2013年6月25日

私はバターが好きだ。なので、若かりし頃はバター犬のバイトでささやかな収入を得ていた。ウソに決まってる。いや、バターは大好きだ。だから例えば、渡欧する際の機内食に付いて来るキューブバターも、スッチーに見つからないようにして、紙まで舐める。やっぱりお前、バター犬かえ!?そんな私だからして、誠に遅きに失した感は否めぬが、この"ECHIRE MAISON DU BEURRE"(エシレバターの館)の虜になった。フランスの銘品、エシレ発酵バターをふんだんに使用したお菓子やパン達。その極上の世界へ、さあどうぞ(^ ^)/

【ミゼラブル】\630
Appearance:
のっけから何なのだが、コイツ、見た目はちっともイケスイには見えない。それどころか、逆に朴訥ささえ感じてしまうホンワカ・ナチュラル感。生成りとベイジュの縞々モノリスな躯体は、天辺に白く化粧はしているものの、どう見ても派手さの微塵も無い、「私、味自慢ですから、何か?」って佇まい。彼は決して自分から口には出さないが、それでも心で呟く。「イケスイは、見かけじゃないよ、中身だよ」 by ミゼラブル

Structure:
フランスが誇る酪農界の至宝、エシレ発酵バターを50%も練りこんだミルクバタクリ。コレとダクワース生地を積層しただけの超シンプル構成である。このバタクリを味わえ~!!と言う意思を、極めてストレートに体現したレシピ。ソコには、先ずはデザインで掴みバッチリ、なんて下世話指向は一切介在しない。いや多分、そんな事は認知すらしていまい。その自信、あるいはこうしか出来ないと言う頑固なベクトルには、高潔な精神性すら感じたい。とにかくカッコ良いのだ。

Taste:
テイクアウトに際し、「室温に戻してからお召し上がりを」と言うインストラクション。じゃないとミルクバタクリの芳香と滑らかさが発揮されないから。なので待った。お店のすぐ外、噴水脇のベンチで箱から出して。行き交うお姉チャン達が、見て見ぬフリして脇を通り過ぎて行く。「こっち見んな!!忙しいんじゃ!!」とガン見目線で敵を蹴散らしながら待つこと20分、ようやく外気に熟れた様である。いよいよ、グズリとカットして口へ・・・ぐげげげ~、何だ!!この旨さ(@。@)吸湿して絶妙グズグズ食感のダクワース生地に挟まれたバタクリの、何とも言えぬミルキーバター芳香の咆哮。口に含んだ途端に温められて、ニュルリからチュルリに速攻変化する滑らかな舌触り。こりゃあ、バタクリと言うより、ミルク味バターである。グズグズ・ダクワース生地は、シッカリとした甘味が流石の欧州流だが、それ以外は、まるで生成り帆布の様なナチュラル存在感。極上ミルクバタクリを味わう為にこそ存在する、黒子的プラットフォームとして、決してでしゃばらないのだ。何と言う、ブレない指向性か!!

Summary:
ナチュラルにして、かつクッキリとした、それでいて強過ぎないミルクバタクリの味わいは、筆舌し難いバランス感覚。粉飾無しの本物の味わい。何処ぞのバウムクーヘンみたいに、これ見よがしにバター香料をプンプン撒き散らさないのは、余裕綽々バターの館の貫禄。バタケーという、ニッチ・ケーキだって事は百も承知で敢えて比類するならば、それは日本橋「うさぎや」的、完全無欠な立ち位置である。今日現在での、今年ナンバー・ワン・ケーキ。

Note:
完全ハマリ中。その内に全メニュー制覇するのだろうと思う。完成度にはバラツキはあるものの、フィナンシェやマドレーヌ等の焼菓子は言うに及ばず、クロワッサンにしても、もはや雲上レベルに到達している。コストを掛けた原材料を使い、奇策に走らぬ堅実ななレシピを組み、その上で丁寧にこしらえないと、この絶妙な完成度は出てこまい。今回の☆5.0、イケスイ大作戦のルール通り、この一個を評価対象にした積もり。一方で、このお店の作品だからこその☆5.0と言う、偽らざる心情もあったり。とにかくお店に入られたら、騙されたと思って、ラジオ体操宜しく深呼吸されたし。もし笑いがこみ上げてこなけりゃ、ココはアナタのお口には合いますまい。店内に充満する、あのエシレ発酵バターの芳香!!嗅ぐのはタダよん(^w^)

2013年11月3日

飛んで火に入る冬の甘ヲタ(ネタ振りは前報にて)・・・とにかく、丸ノ内→新橋までイルミを眺めながら丸ブラ、途中で第五回戦のビスケを食べようとなれば、ほぼココで立ち止まるしかないのだ。丸の内ブリックスクエア広場。ベンチに腰掛けて、頭を上げればソコにある、エシレ・バターの館。全六回戦のハズの甘モノ遠足が、延長戦追加で全七戦に変った瞬間である。「ココまで来たら、幾ら喰っても一緒でしょ!?」

【エシレグラス・ブール】\525
Appearance:
いつものエシレ色、フレンチブルーとアイボリーのツートーンのカップはアイスだ。グラス(glace)はアイス。しかし、ココまでコーポレート・カラーを押し通すのは、立派である。ヒツコイ。フランス人は、ホントにフレンチブルーが好きなんだなぁ・・・

Structure:
カップ入りのみ。120mLのヴォリュームも、禿脱なんかと大して変るところは無い。これで\525(税込)はちょっと高かろう。まあ、エシレに言ったトコロで馬耳念なのだが。

Taste:
エシレHPで、 「まるでエシレバターをそのまま食べているみたい!」・・・エシレバターが全体量の約21%を占める、バター感たっぷりのアイスクリームです。脂肪分が固まり、風味が損なわれてしまう分量ギリギリまでバターを配合した、贅沢な味わいをお楽しみ下さい。と来れば期待せぬハズなかろうが。バターを舐めるようなアイス。メチャ期待したのだが、以外にアッサリ。後味スッキリ。バターと言うより、濃い牛乳アイスクリーム。もう少し溶かしてみれば、バターの香りが立ったかも知れんな・・・

Summary:
この値付けだと、流石にコスパに難アリ。バターのアイスって舌が思えれば、その希少性で◎になったが。コレならBR31でダブル玉ワッフルコーンの方が満足度が高かろう。ちゃんと美味しいのだけども、凍ったバターを舐めたかったワケ。さぁ良い箸休めになった事だし、最終戦に赴くか、皆の衆!!と言う事で、次回はいよいよ最終戦。

  • ミゼラブル(2013年6月25日)
  • 一切の粉飾を拒否した頑な精神イケスイ(2013年6月25日)
  • エシレこそ、ニッチ一流ブランドと認めたい(2013年6月25日)

もっと見る

3位

KINBA (岩国 / お好み焼き、鉄板焼き)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2013/04訪問 2017/02/17

オコノミストへの道 第十一回 -ミニミニ杯 山口県の美味しい広島お好み焼き 第一位- 【再々訪】

2011年にそう気付いてから未だに不変の、私にとって山口県下一の広島オコ。久々のレビューだが、勿論この間何度か通っていて、それでもやはり未だに県下一。理由は、余り味がブレないから。当分、KIMBAを打ち負かせる焼きには出会えそうもないのである。

2013年4月6日

【お好み焼き鬼そば(青唐辛子二本追加、スパイシーソース少なめ)】\1180
一押しメニューの青唐辛子入り肉玉そば。デフォだと青唐辛子一本なのだが、今日は二本追加の系三本。何時もの三倍の刻み生青唐辛子が、袋麺と一緒に鉄板でジュウ~・・・カウンターに陣取ると、それこそ強烈な刺激が目と鼻と喉を攻め立てる。私にとっては、この段階からすでに食事は始まっているのだ。これも楽しみ、値段のうち。

今回は、既報でさんざん褒めちぎってきた、キャベツ火入れの特異さを物語る、焼き工程の画像をアップした。相も変わらず極太カットなマッチロキャベツ。良くコレで蒸し上げられるなぁと関心するのだが、このキャベツこそココの焼きの命。言い方悪いかも知れんが、このキャベツ無くば、KINBA焼きに非ず。コレは明白である。

焼き上がりの姿は、決してホッコリもしておらず、ペナペナで、形も決して綺麗とは言えない。この放ったらかしの様な焼き姿に、ムムム、出来るな!!と思われた方は、私と波長がピッタンコ(そんなのイヤだって声も聞こえるが・・・)。とにかく、そのザックリしたワイルドな風合い、素材の、とりわけキャベツの旨さを100%引き出す絶妙の火入れ、油を全く使わないのに、線が太くて逞しささえ感じる味わい。こりゃあ、何べん食べても、まるでイリュージョンなのである。KINBAマジック。いやはや、旨いとしか言い様が無い。

【まとめ】
このお店が何故に大ブレイクしないのか!?私には不思議でならん。壁にタレント色紙も無けりゃあ、TV取材を受けたって話も聞かぬ。皆オメメが節穴なの!?そんなハズはないのであって、結局は私の嗜好にピッタンコって事だけなのかも知れぬ。だけども、もしも人に聞かれたら、私は自信を持ってココの焼きをお勧めする。山口一だと。

2011年4月10日

私は広島お好み焼きが大好きだ。この数ヶ月で山口県下の広島お好み焼きを食べ歩いてきた。聖地広島と違ってお店の数はぐっと少ないので、主だったお店は全て食べ歩いたと思う。その50件余の中でベスト3を決めようと思った。広島お好み焼きへの愛を込めて。さて、私の心を鷲掴みにした山口県の広島お好み焼き、堂々の第一位は岩国「KINBA」だ。

【お好み焼き鬼そば(ソース少なめ)】\780
鬼とは、刻んだ生青唐辛子を麺に混ぜ込んで焼いた一枚。要は激辛系肉玉そばである。そばと一緒に鉄板で炒めるので、焼き始めれば鉄板の周囲は目もチカチカ、咽そうになる刺激臭で一杯。これからして、激辛好きな私には堪らない。マスターは咳き込んじゃって、違う意味で堪らない・・・

このお店、実はさして注目していなかった。それは、ここ岩国地区には結構な数の好評判の広島お好み焼きのお店があったからだ。なので、申し訳ないのだが、優先順位はあまり高くなかった。だが、規定演技の一枚、肉玉そばを半分も食べないうちに、私のアゴは外れた。いや、アゴが外れんばかりにビックリした。ちょっと旨いんじゃないか!?いや、ちょっとじゃないぞ。こりゃ相当旨い!!とんだダークホース。

そこまで、ビックリしたのは何故か。それは広島お好み焼きの要である、キャベツの旨みだ。その素晴らしさはちょっと群を抜いている。私にとっての頂上広島お好み焼きである、広島「大樹」ですらも、ココのキャベツの旨さには及ばない。旧来の広島お好み焼きのように、キャベツに強烈なプレスをかけて無理やり火入れするのでなく、ひたすら蒸して、蒸して、蒸して仕上げる。プレスは殆どかけない。その蒸しを効果的にするために、キャベツの刻みは通常よりも相当にざく切りだ。こうすることでキャベツの間の隙間が広く取れるので、蒸しが良く進む。その結果として、キャベツはその旨みを発現し、かつ殆ど外に漏らすことなく、その内部に閉じ込める。加えて、ざく切りしたことによる、ちょっと歯ごたえのある逞しい食感。これが、ココの一枚を骨太でかつ味わい深いものにしているのだ。

生地も素晴らしい。そのレシピはともかくとして、厚めに焼きあがるように溶き生地の粘度が工夫されていると共に、焼き上がってからも、食べ終わるまで、粘り強くその弾力とコシを保とうとする。この根性が座った生地もちょっと他では味わったことがない。生地とキャベツがかほどに完成されていると、もうその一枚の上質さは保障されているようなものだ。押さえるべき肝をがっつり骨太に仕上げたココの一枚は、だから袋麺を使ったところで、何も負い目はない。今流行の茹で麺を使うだけが能ではないのだ、と言う事を明確に私に教えてくれた。この袋麺、何もご主人が適当に使っておられる訳では決して無い。ご主人は、テイクアウトする客のために、明確な理由からこの袋麺を使っておられる。それは、実際にご主人に聞いてみて貰いたい。お楽しみに残しておこう。

【まとめ】
山口県のベスト広島お好み焼きに選んだ二店、下関「鉄板月輪」と岩国「KINBA」、共通するのは、①ご主人一人で焼いておられる、②自分の焼きを研究されている、③自分だけの焼きを目指している、この三点が見事なまでに共通している。特にココの一枚は、広島の有名店の焼きなど、はなから眼中にないかのような、他では食べれないオリジナリティーが本当に素晴らしい。骨太でかつ計算された繊細さも感じさせる逸品だ。

2011年1月

【肉玉そば(ソース少なめ)】\680
某誌曰く、「ここの焼きは麺で食べさせる云々・・・」。それはちょっと違うんじゃないの?ここの特徴は、何と言ってもキャベツじゃないのかな?ライター氏はちゃんと試食して書いたのだろうか?つくづく自分の舌で確認する事が大事だと思う今日この頃である。と、のっけから辛らつになってしまったが、それは、ここの焼きのレベルが高いから。それをちゃんと伝えるべきではないか?と思うからだ。

店の雰囲気は、大変良い。SOUL MUSICが流れる、少しダークなトーンの店内は、好センスで妙に落ち着ける。マスターも飄々としていて、ピアスなんかも良く似合っており、広島お好み焼きの主人ぽくない所も良い。こう言う、味以外の環境、雰囲気作りも大事なんだなぁ、と思わされる。

さて、焼きの方だが、まず、かなり粘度の高い、コッテリ気味の生地を丁寧に引く。そこからの積み上げは定石通り。特徴はキャベツの刻みだ。平均的なものに比べると、かなり幅が大きめ、ざく切りだ。芯の近くのごつくて白い部分も、容赦なく混ざっている。まず、これを良く蒸らしている。聞けば、このように大きく刻むことで、キャベツ層に隙間が沢山できるので、蒸気の通りが良くなり、蒸らしがきっちりできると言う。「なるほどな~」である。

麺は袋麺。マスターが「茹で麺より好きだから」、ということだ。マスターが好きで使っているのなら、私は何も言いません。それでイイ。ちょっとボソボソした食感が特徴だが、焼きあがった時点では、後述するように、キャベツの脇役にまわる、慎ましやかな麺である。これを、鉄板上で結構しっかり炒める。ただ、袋麺なので、どうやってもカリモチにはならないのだが・・・

玉子層と重ねる直前に、ほどほどにテコでプレスが入る。圧縮系ファンの私は、ここでちょっとホッとした次第だ。玉子は心持ち半熟の状態。僅かに黄身のレアな香りが鼻をかすめる程度だ。最後に、私にはちょっと多い目のソースとスパイス、青海苔が載る。ここで、焼きを思い返してみるが、殆ど凝った事をしていない。調味料を多用することもなく、極めてシンプルに、素材を極力活かすように焼きあげているように映る。一瞬、薄っぺらな味を危惧したのだが、三口も食べる頃には、懸念は霧消していた。

「美味しい・・・」と素直に呟ける。素晴らしいのはキャベツだ。ザク切りキャベツの、油でテラッとなった鮮やかな黄緑色が食欲をそそる。噛みしめる時の、きっちり火が通っているが、シャキッとした食感と甘み、旨みが大変素晴らしい。麺じゃなくて、キャベツメインで食べさせる、正々堂々の広島お好み焼き。前出のコッテリ気味に引いた生地の食感も素晴らしい。最後の一口まで、モッチリ、プルプル食感を保っていたのは流石だ。ここの一枚は、凝った技巧を使っているようには見えない。茹で麺でもない。だけども、全体の纏まり感が良く、KINBAの一枚であることを、はっきり主張している。これだから、広島お好み焼きは面白い。素材や焼き方だけでは語りきれないのだ。しかし、一つ言える事がある。広島お好み焼きの味わいには、焼き手のキャラが乗り移るようだ。最近、頻繁にそれを感じて、楽しくて仕方がない。

【まとめ】
岩国地区の広島お好み焼きは、県内では相当ハイレベルだが、ここはその中でもトップクラスの一軒。キャベツ旨し!!

  • 鬼そば(2013年4月6日)
  • このキャベツ刻みがココのキモである(2013年4月6日)
  • 手を入れず成るがままの放置焼きがシブい(2013年4月6日)

もっと見る

4位

ポーラーベア (立町、八丁堀、胡町 / ジェラート・アイスクリーム)

1回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ~¥999

2013/04訪問 2013/05/09

金持ちアイスと貧乏アイス(後編) -食べても減らない魔法のジェラート-

ポーラーベア(北極熊)・・・ここ数年の成り上がりぶりは大したもので、今や食べログ広島市スイーツ・ランキングで堂々の第一位!!かの超有名老舗バターケーキ屋の長崎堂や、グローバル巨人のジャン・ポ-ル・エヴァンを差し置いて、トップ・オブ・ザ・ヒロシマ・スイーツじゃけん!!そもそも、そんなアイス(正しくはジェラート)を、貧乏アイスの代表にしちまっちゃあ皆様に怒られるかもしれないのだが、まぁ、そこのトコロは目くじら立てずに、最後までお付き合い頂きたいm(- -)m

2013年4月28日

【ダブルコーン(竹炭きなこ、ほうじ茶】\350
久しぶりの訪問。ココに来ると、必ずチョイスするのが竹炭きなこ。もうセメントのような灰色、まるでミニミニの青春時代(笑)。しかも相方には、食べログネタ的な狙いも込めて、ほうじ茶をチョイス。これまた土壁のような土色である。セメントと土壁、もはや左官屋になるしかないのであって、渡されたスプーンを使ってしきりに表面をシェイブしつつ、平面を出そうとジタバタるミニミニ。傍目には逝ちゃってるアラフィフに映るのだ。灰色と土色の融合。これはもはや、美味しそうな爽やかジェラートからは完全に落伍した、日曜大工的壁塗りアイス。ナイスなチョイスだ、我ながら。

そんな事は置いといて、では何故にこれが貧乏アイスなのか!?その訳は、コイツが三十一練り氷菓(BR31)のレギュラートリプル程のボリウムを有しながらも、その半額以下の値段で提供されると言う、超絶ハイコスパのせいだけじゃない。その味わい。どのフレーバーも色は違えども、実は結構薄めのフレイバリングであって、原材料の牛乳と生クリームの風味がベースをガッチリ押さえている。基本はあくまで牛乳スムージー。そこにこそ薔薇アイスとは対極的な、得も言われぬチープ感が漂う。ジェラートとしてみても、ひときわ素な味わいを旨とするチープさ。貧乏アイスの本質として、こう心得るべき。

なので、竹炭きなこと言っても、食べ比べてみて初めて、「あ~きなこだ・・・」ってくらいである。流石にほうじ茶になると、若干の渋みや苦味を感じるけれども、やはりあくまで牛乳スムージーのカラーバリエーション。しかもこの爆盛りである。何時もの事ながら、最後の三分の一くらいは明らかにダレて来る。「あ~、口が冷えて来たなぁ、まだこんなにあるなぁ・・・」とか思いながら完舐すれば、残ったチープコーンの香ばしさと温かさが何とも舌に心地よい。\350で「もうイイ、いっぱい舐め過ぎたぁ~」って思えるシアワセ。店舗前の人だかりも当然ではある。

【まとめ】
ミニミニが呼ぶトコロの貧乏アイス。だけども気持ちは決してマルビじゃない。逆にマルキン。良い意味で、肩肘張らないチープな味わい。掬っても、舐めても、齧っても、また掬っても、中々減らないそのお山。甘いもの好きの五感を刺激してくれる、そのシンプルにしてストレートな訴求力が多くの人を魅了する。2013年現在、(良くも悪くも・・・)コレが広島を代表するスイーツ。俺はマルビ。それがイイや(槇原敬之♪チキンライス♪に捧ぐ) 。

2011年6月18日

【ダブルコーン(竹炭きなこ、マスカルポーネチーズ)】\350
人気の程は、益々鰻上り。休日ともなると、12:00の開店と同時にほぼ常に満席。だが、外に持って出ちゃうと、余りの量に舐めるのが追いつかず、陽射しで溶け出しちゃうのが玉に瑕だ。まあ嬉しい悩みなのだけれど。

今回はミニミニ一押しの竹炭きなこが練り上がったばかり。ラッキー。勿論、掟であるダブルコーンでオーダー。今日のお味は竹炭きなこに、マスカルポーネチーズ。画像を見て欲しい。これで、この盛りで\350!!しかも、B級ジェラートとして味わうと、なんとも優しい最高の味わい。オリジナリティー溢れる味わいは、三十一練氷菓や、禿脱の対極にある。しかも掬っても、掬ってもなくならない、魔法の如き爆量。イリュージョンジェラートだ。

竹炭きなこは、当然ながら炭の味などは一切しない。きなこの風味が僅かに香るものの、メインはミルク風味。そのセメントのようなアピアランスと、優しい甘ミルク風味のギャップが楽しい。特に相方に白色系のフレーバーを合わせると、黒と白の色合いが大変美しい。目で楽しめるジェラート。マスカルポーネチーズは、こちらも癖のないチーズなので、ちょっとマッタリしたミルク風味という感じ。ココのメニューはベースの味わいが共通。それぞれの風味がごく軽いフレーバーとして効いている。ハッキリした味を好む人には、どれも似た味と映るかも知れない。

【まとめ】
店内には、「業販します」の張り紙。来るたびに思う。脱サラしてFCやろうかな~。このジェラートをシトローエンかVWあたりの古いバンに積み込んで、山口あたりで移動販売したら、長蛇の列、毎日売切れは確実だろう。FC展開しないのが不思議な位の欲のなさ。その背伸びしない身の丈の商売は、優しい味わいに体現している。その素晴らしさは一度舐めたら分かるハズ。

2010年12月

【ダブルコーン(竹炭きなこ、ピュアミルク)】\350
ここのところ、広島ネタばかり多くて、山口県人としては心苦しい限りなのだが、またまた広島息抜き番外編として、食後のデザートを一つ。「広島に行く=広島お好み焼きを食べる」・・・何の目的で広島に行こうと、これは私の使命だ。だいたい用事は新天地界隈が多いので、広島お好み焼きも近辺の店に入ることが多い。そんな時、食後に100%の確率で通うのが、この「北極熊」だ。

ここのジェラートは種類はそこそこなのだが、何だか味が似ているものが多い。当たり前と言えばそれまでなのだけれど。ここら辺り、三十一練氷菓の千変万化味付け魔術にはかなわない。しかし、何というか、手作り感一杯のチープさがたまらなく魅力だ。B級グルメに相応しい、チープな美味しさなのだ。本当に素晴らしい。

特筆すべきは、その量だ。悩む事無く、いつもダブルコーンで注文するが、何しろ、崩れ落ちそうな量が載っており、「ピュアミルク」などを注文すると、スイスアルプス・アイガー北壁の有様、「竹炭きなこ」なんかにしたら、それこそ、コテでセメントを塗ったくってる左官屋さんになった気分だ。食べても食べても減らない。これでたったの350円!!信じられない。

広島お好み焼きのソース香りで満たされた口内を、淡い風味のジェラートが塗り替えてゆく・・・「肉玉そばお好み焼き」+「アルプスジェラート」で大体1000円札1枚。しかも、どちらとも逸品だ。こんな至福が他にあろうか。合掌。

【まとめ】
是非一度は舐めて欲しい。それも食後に。食べきれるかな~( ̄― + ̄)ニヤリ。

  • ほうじ茶と竹炭きなこ(2013年4月28日)
  • ほとんど壁土とセメント、左官屋かぁ~!!(2013年4月28日)
  • この境目をキレイに出すのが好きで・・・(2013年4月28日)

もっと見る

5位

和栗や 谷中店 (千駄木、西日暮里、日暮里 / スイーツ、カフェ、ジェラート・アイスクリーム)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2013/02訪問 2014/09/01

いけめんスイーツ大作戦 第三十六回 -和カフェに非ず、マロクリ屋なり-

やられた。くやしい。

何故にくやしいのか?
理由1:どうしてモンブラン大作戦でこのお店を取り逃したか、と言う自責
理由2:密かに温めていたモン専門店起業構想が、既に実在していたと言う現実

いきなり何なんだ!?と思われたであろうが、事実私はこの日、そんな想いに苛まれ、お店を後にした谷中銀座の凸凹歩道で、地団駄を踏んだのだ。栗臭オヤジのド下手タップダンスか!?

2013年2月28日

若きマスターとその盟友で仕切られるお店。その出自は茨城県笠間市。そう、出荷量にして実に40%弱の和栗を生産する、日本のクリ・メッカ、笠間市。伺えば、そもそもは笠間で開業されるお積りだった由。それが、東日本大震災で敢え無く頓挫、ならばいっそのこと都内で、という経緯なのだそう。

【栗薫モンブラン】\650
Appearance:
注文してから創られる一個。その瑞々しいマロクリ・ストリングに目を奪われる。一見しただけで、中まで全部マロクリなのがまる分かりの最高質感。確かに全体のデザインはちっともイケメンじゃあない。そりゃそうだ、エルメでも、エヴァンでもないのだ。紛れも無く笠間である(失礼!!)。しかしながら、それでもなお、全体から迸る、「オイラ旨いぞ~」と言いたげな怨念的なアピールが心を揺さぶる。

Structure:
見たまんま。トップには贅沢なほどの量を誇る、笠間和栗の剥き身マロクリ・ストリング。その下、殆ど甘さを感じないホイップ・クリーム層を挟み、再度マロクリが。だが今度は、渋皮入りのこげ茶マロクリ。ベースは、もう和菓子と言って良い程に、枯れた感じのスポンジである。一切の技巧を無視したような、シンプル極まりない構成は潔い事この上無し。

Taste:
一口舐めれば誰でも分かろう。分からなきゃ栗がお嫌いなだけ。それほど説得力が暴発する和栗の素晴らしさ。ラム酒等の香りモノを一切排除した味わいは、剥き栗と渋皮栗、二種マロクリのコントラストが繊細にして鮮烈。中間のホイップ・クリームが両者を邪魔せぬ様に、ひたすら黒子に徹してる所など、涙が出そうになる。ベースのスポンジに至っては、もはや伝説の京菓子「松風」にも似た、枯れ切ったテクスチャー。これをスポンジだと言い切れる、このお店のセンスは非凡である。この一個、もはや和風モンブランなどと言う、陳腐な言葉では言い表せるものじゃない。断固として、これはマロクリそのものを味わう一試行であって、それを実現しているマスターは、有名パチシエでは無くとも、笠間からやって来た天才と言ってしまいたい。

Summary:
モン専門店起業構想・・・サーティーワン・アイスクリーム宜しく、栗産地毎のマロンクリームを店頭に並べ、お好きなベースにお好きなマロクリの組み合わせで、メイドbyオーダー提供するマロクリ専門店。仮想屋号は「ミニモン屋」だったのだ。開業資金をコツコツ貯め始めた矢先だったのに。起業三年目にして都内三店舗、ミニミニ年収三千万円の中期計画「トリプル・スリー」。黄緑色のランボルギーニを転がす、バラ色の余生プランよ!!あ~何処へ行く~(ToT)

Postscript:
実は、この日もう一個食べた、一日二十個限定の「春のモンブラン」も相当凄かった。こちらは一転して洋風。朝摘み女峰苺に相盛りされる、マロクリとマスカルポーネチーズクリームのコンビネーションは、未経験の味わい。こちらも痺れる程の旨さであった。マジでこのお店、天才的なセンスである。

  • 栗薫モンブラン
  • ルックスはきっぱりイケスイじゃないし・・・
  • 構成も特段凝って無いのだけれど・・・

もっと見る

6位

ラーメン二郎 新小金井街道店 (武蔵小金井、国分寺、一橋学園 / ラーメン、つけ麺)

2回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ~¥999 ~¥999

2018/05訪問 2018/05/11

ジロリアンへの道 第十五回 -またしてもの二郎名店閉店!?流石に凹みまっせ・・・-

コアジロリアンが集う、二郎の中の二郎。一旦閉店だが復活を待つ!!
何と!!マイ・ベスト・二郎として誉れ高き、あのコガジが閉店!?我が目、我が耳を疑ってみても、ネット上に次々アップされるコガジオヤジ自書のPOP画像は疑いも無い。泣きたいよ。そんな惜別閉店まであと16日の5月10日木曜日。仕事を終えて19:30現着で外並びが概ね40人。その後も列は伸び続け、振り返れば60人は優に超してるだろう。まあしょうがないコガジ閉店なんだもの。正に"the jiro of jiro"(二郎の中の二郎)が無くなるなんて。とかなんとか寂しさ混じりのブツブツ独り言並びも、背後霊期間を含み意外に早めの1時間弱で遂にラスト・コール。

【小ラーメン(しょうが、野菜)】780+50=830円
豚入りは売り切れ措置。まあ、こいつは長蛇の列が必至だからの豚温存策として予測済み。ジェダイ色(青磁風カラー)の小振り丼に程よくみっちり盛られた丼姿は、ちょっと独特の凝縮感があって誠に食欲をソソる。今夜は50円買い増し生姜盛りだから、野菜山の味わいも実にドライ。豚だって最後の最後まで妥協許さぬ二郎的にベストの仕上がりキープ。トロでもホロでもない、ガシ食感が絶妙に残った巻き上げウデで、これが食い納めかと思と(ToT)・・・

麺にしても(マイベスト二郎とする所以はやはりココにあるのだが)、もうケチの付けようがない打ちと茹で。ズルでもボキでもない。そりゃもう絶妙な食感の、かつ二郎的極み領域の味わい深い風味を両立した、この撚れの入った平打麺。やっぱりベスト二郎麺で異論なし。これが手繰り納めかと思うと(ToT)・・・

豚汁は相変わらずの流氷背脂な醤二郎。打てるもんなら打ってみい!!的なド真ん中ストレートさ。変わった事は一切しないブレぬコガジ豚汁。豚汁の中の豚汁に、う~ん完杯堪えきれず。これが啜り納めかと思うと(ToT)・・・

【まとめ】
コガジを手繰りいつも思った。さして特別な二郎じゃない。コピろうとすれば出来るはずなのに、どうしてこの味をフォローする若手二郎がいないのか?雲雀や野猿はリスペクトされるのに。そんなありそうでない唯一無二な二郎が消滅する。たかがラーメンっちゃラーメンなんだが、コアジロリアンとしては流石に凹みまっせ(ToT)・・・足を引き摺り気味に退店しようとして、例の引退宣言POPの僅かな、でも重大な変化に眼が留まった。その小さなガムテープに書かれて後貼りされた「一旦」の2文字。何と!!一旦閉店とな!?つまり跡継ぎが見つかったって事だ。多分、暫しの間を置いて後、コガジは復活する!!この味を受け継ぐ若者が現れたのなら、諸手を上げて応援する。是非、是非、是非にもチャレンジして欲しい。俺は待ってるぞ~!!
久しぶりの週末プライベート東京二日目。昨夜のオーストリア料理爆食で、実のところそれほど腹は減っちゃいないのだが、それでもやはり終日フリーだからこそ、何時もの出張じゃ行けぬお店を攻めたくなるのが食べロガーの悲しい性。24時間前にやって来たばかりの国分寺に、またしても都心からやって来る私はアホか?

2015年4月5日

日曜昼時の二郎ともなればキッチリ行列。東京の遥かに郊外、更に駅から最悪に近いアクセス性、おまけに今日は雨模様。なのに、どこからともなく湧いてくるひと、ヒト、人。皆さんお好きね~と思ったけれど、アンタに言われたないわい、お好きなのはどっちやねん!!と切り返されるのだろう、きっと。

【小ラーメン(全マシ)】730円
何と今日は豚入りがお休みで残念至極。客足読みで豚在庫の調整に掛かるって良くあるパタンだ。まあ、皆さんハッピーに喰うためには、ブタ・シェアリングも仕方あるまい。なので、豚マシ休みなら全マシしてみることに。流石にヤサイはデフォからグンと増えて相当な爆量に変身。ニンニクもかなりの刺激だし、何より背脂のブーストアップが半端じゃない。豚は相変わらずの脂差し込みまくりのガシホロ神豚。やはり完全に好みのタイプ。デフォ量で我慢はどうにも哀し過ぎる。一方、麺も絶好調。茹で前300g弱の真性ズル二郎は、二郎麺直球ド真ん中。トドメはマシた背脂がゴロゴロ流氷状態のの醤二郎豚汁。トゥルン、ズルルと背脂塊が口に流れ込んできつつも、豚汁本体のクッキリしたしょっぱさはやっぱり旨いなぁ。

ここの店主のご子息、人気二郎、野猿街道店2の若いイケメン店主殿ってのは良く知られた事。なるほど2杯の間には、枯れ感的なニュアンスの違いはあれど、基本的にはちゃんと相似性がある味わい。親子で似る二郎の味とは中々興味深いもんだ・・・とか考えながら、ふと厨房に目をやって気が付いた。(あれ、父ちゃん店主いないじゃん・・・)最近、営業中にしばしばお店を空けられると聞いてはいたが、だとすれば「必ず店主自ら麺上げする事」って二郎の掟に違ってるんじゃないのかしら・・・総帥の逆鱗に触れやしません?大丈夫!?って要らぬ心配ができるのも、ハッピー・フリー休日の余裕なんである。

2013年8月3日

昨夜遅く、実につまらぬ物を喰った後、何時ものビジホでふて寝した。で、朝起きたら風邪ひいてた。ならば二郎で風邪なんか吹っ飛ばそうと、体温38℃ほどの重い体を引き摺って、酷暑の国分寺までやって来た。それにしても、強烈な倦怠感。結局、駅前某スーパーのベンチで、ユンケル片手に堪らず寝崩れた。フト気が付けば、腕時計の分針は、優に二周目を過ぎている。怪訝そうに遠目で私を睨む警備員。ほっといてか!!さあ・・・行こか・・・ココからお店まで、酷暑30分行軍の辛かったこと。近年、稀に見る過酷なロード。アスファルトから立ち上る陽炎・・・冷や汗だらだら、もうぶっ倒れそうだ。

【小ラーメン豚入り(そのまま)】850円
カウンター越しにそっと受け取る丼は、キタ~~!!の超イケメン二郎。もやしにキャベツちょいとのケチり比率だが、デフォでも結構な威勢盛りにはキャッ♡豚なんかもう、二郎出涸らし豚の代表選手みたいなもんで、ホロい味わいと食感、その視覚的爆量さと共に、サイコ~の百点満点。ウキキ~ッ♡こうなると麺で外す訳が無かろう。太さと撚れ具合がもたらすワシワシ感、粉臭とかんすい臭のお下品コラボレーション。コイツも正に二郎麺ど真ん中の安定感!!コレをズズリに来たんだよね~。ニヤニヤし始めるのは、もはやジロリアンの証か。

と、ココまではかなり総本山ミタジの味わいに酷似してるのだけれど、最後のスープがシブかった。いや望外に私好みだったのだ。勿論、醤二郎の定石通り、クリア煮豚出汁にカネシ(FZ)醤油をドカンと効かせ、化調と脂でチョチョイのチョイ、のハズなんだが、妙にカネシの効きがマイルドなのか、ショッパーズ・スープに感じない。もしかして、汗かき過ぎたかな。とにかく、スカスカッと喉を過ぎて行くこのスープ。二郎系でスープの逝き行く様に哀愁を感じたのは、もしかしたら始めてかも。旨いわ~コイツ。

【まとめ】
素晴らしきかな二郎ワールド。もしやしたら総本山ミタジ以上の鋭さを供え持つ、醤二郎の代表格か!?麺も、汁も、豚も、迫力満点にして切れ味十分。ちょっと参りましたって感じの存在感。これに対する乳二郎系代表格であるヒバジやサクジなんかの、豚骨多め乳二郎の方が旨いとされるのも、なまじ分からんでもないけれど、それでもやはり、お主かなり旨いな~。ワシ、風邪なんか、どっかへ吹っ飛んでしまったわい。いや、マジでこの後一気に風邪は抜けて行った(^w^)

  • 小ラーメン(しょうが、野菜)
  • このミッチリ盛りが二郎的に最高フォトジェニック
  • 豚も二郎中、最も好みな仕上がり

もっと見る

7位

日和庵 (下関 / フレンチ、レストラン)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2013/08訪問 2014/06/04

食べログレビュアーズ関門海峡対決・下関編 -創作フレンチでガチンコ対決しちゃる!!-

食べログレビュアーズ関門海峡対決・・・関門海峡を挟んで暗躍する食べロガー集団、北九組と山口組。各々の自慢料理をチャカ代わりに、一戦合間見えようという、仁義なき抗争企画。食べログ史上、あまり前例が無いのじゃなかろうか。たぶん。血で血を洗う抗争じゃなくて、皿で皿を洗うフレンチ対決。その後編、「下関編」の幕が切って落とされる!!

参考資料
1. 関門海峡対決の企画趣旨はコチラ
2. 前編「門司編」のレビューはコチラ
3. 後編「下関編」の企画経緯はコチラ

2013年8月24日

【シェフのおまかせコース(ワンドリンク付き)】\6500(税・サ込み)

【乾杯の為のワンドリンク】
ミニミニの一推し:
レジー・ブルー ビオと言う、無農薬ノンアルコール・スパークリング・ワイン。アルコールを抜いてはあるが、調整された風味は、ほぼワインそのもの。味わい濃く、後味も嫌味が無い。葡萄ジュースと簡単に片付けられない、ワインの様な不思議な清涼飲料。

【フランス産カナールのスモークとラタトウイユ・三瀬鳥の昆布締めとザーサイのタルタル】
シェフのこだわり:
ブルターニュ産の雌鴨。脂身が少なく柔らかい雌鴨を1日半かけてゆっくりスモーク。更に2日間、じっくり寝かせて旨みを凝縮させています。佐賀の三瀬鳥。こだわりの塩①「クリスタル岩塩」で漬け込み、さらに北海道の羅臼昆布で1日かけて締めて仕上げた、手間と時間をたっぷりかけた一皿です。

ミニミニの一推し:
岩塩で塩漬された三瀬鳥の昆布〆。ザーサイの僅かなアクセントが効くが、これは完全に和の味わい。鶏肉をこんな風に食べた経験が無い。その絶妙な塩味と昆布の旨みに唸ってしまう。

【仙崎産太刀魚のマリネと完熟トマトのゼリー寄せ】
シェフのこだわり:
地元仙崎漁港から水揚げされた太刀魚は、鮮度が抜群!しめさばと同じ、和の調理法で作ったマリネと、地元下関のブランド「垢田のトマト」の完熟ゼリーと合わせた、地産地消にこだわった、爽やかなオードブルです。

ミニミニの一推し:
またまた初の味わい。〆太刀魚なんて、普通食べた事なんてなかろう。その鯖よりもグッとスッキリした味わいと、仄かな酸味が残るトマトゼリーのコンビネーションは、まるでデザートの様な爽やかさ。

【樺太マスの低温調理・きのことトマトのディクセルを乗せて】
シェフのこだわり:
「オホーツクサーモン」とも言われる樺太マスは、夏が旬。こだわりの塩②「皇帝塩」で40分マリネしたものを、「低温調理法」でゆっくりミディアムウエルの状態まで火を入れ、旨みをしっかり閉じ込めています。地元の契約農家から直送のキャベツで作ったムースは、フランスの星「☆☆」レストラン「オアシス」のシェフから直伝の一品を日和庵風にアレンジしています。

ミニミニの一推し:
キャベツのムースが絶品。その豊かなキャベツの風味は、低温グリルド・サーモンと相乗して、素材の旨みを爆発させる。

【季節の野菜の冷たいスープとコンソメゼリー】
ミニミニの一推し:
下関産の素晴らしい香りの冷製南瓜スープに浮かぶコンソメ煮凝り。プツプツ、チュルチュルと口の中で踊る、塩味の強いコンソメゼリーが、南瓜の甘さを一層惹き立てる。食感が秀逸。

【仙崎産イトヨリ鯛とポアローとジャガイモのロティ・トリュフ風味のマッシュポテトと黒オリーブのクーリー】
シェフのこだわり:
イトヨリ鯛も、水揚げは地元の仙崎漁港から。ジャガイモとトリュフを食感の違う2種類の付け合せにアレンジ。イトヨリの上にはポアローねぎとも合わせてバリッと香ばしく。下にはトリュフの風味を生かしたマッシュポテトに。魚介をじっくり煮込んで作ったブイヤベースをピューレにしてソースとして合わせました。すべての食材のバランスとハーモニーをお楽しみ頂きたいお皿です。

ミニミニの一推し:
アッサリした鯛のグリルをコアに、ジャガイモ、チーズ、牛蒡、ねぎと素材の味わいが入り乱れる賑やかさ。ソコに絡むオリーブとブイヤベースのソースは、だからして結構コユ系。濃厚ブイヤベースの相当重い魚介濃縮風味が、キッチリ全体を〆ている。食感も千変万化的な賑やかさで、とても面白い皿。

【本日のグラニテ】
ミニミニの一推し:
バジルのシャーベットに白ワインのグラニテ。この箸休め的プチ・デザートには関心しきり。その味わいは、え~っ!?と口を突いて出てしまう意外性。それでいて、こんな小品でも相当旨い。この小品に感心してるウチに、ココまでの舌が見事にリセットできる。次に来る、王道ど真ん中の肉皿を新鮮に味わうには、必定のタイミングと言えるリセッター。

【宮崎牛とフォアグラのソテー・オニオンとシェリービネガー風味のソース】
シェフのこだわり:
宮崎牛のランプ肉。ランプは柔らかさはフィレ肉に劣らず、旨みはフィレ肉以上!知る人ぞ知る、いいとこ取りの部位です。特に火入れの加減にこだわるのが肉料理。遠火の強火でゆっくり焼き上げ、4~5分寝かして仕上げます。フォアグラは鮮度に敏感でデリケートな食材のため、直線まで冷蔵状態で一気にソテーして仕上げます。付け合せのかぼちゃは、地元「垢田のトマト」の生産者の中でもピカイチ☆!で有名な「川村さん」の作った「坊ちゃんかぼちゃ」です。

ミニミニの一推し:
確かにランプ肉の、少しヒネた旨みも特徴だが、やはりハンガリー産の新鮮フォアグラソテーだろう。敢えてソースは何も絡ませず、フォアグラだけで楽しみたい。蕩ける食感と、臭みの無いストレートな風味は絶品。

【ズコットとルバーブのソルベ・ヌガーとコンフィを添えて】
シェフのこだわり:
ルバーブはシベリア原産の野菜。ヨーロッパではポピュラーですが日本ではあまり使われていません。青梅のような風味が個性的な今が旬の食材です。日和庵では毎年この時期から、スイーツやソースに活躍します。特に関門・九州地区では使っているお店をあまり見かけない食材です。この機会にぜひ、ルバーブのシャーベットをご堪能下さい。

ミニミニの一推し:
コース全体のクオリティーや料金からして、デザートがパワフル。と言うか、デザートまで一切手抜きをしない。肉皿が終わった時点で、手もみしながらワクワク、デザートを待つ。そんな感じのハイレベルデザート。スイーツもシュウイツ(洒落か~!?)。

【バケット】
ミニミニの一推し:
かなりバリンバリン皮の正調フレンチ流手強いバケット。そりゃあ、皮硬いよ。アゴも何気に疲れる。でも、これが本流ってもの。

【カフェまたは紅茶】
ミニミニの一推し:
日和庵オリジナルブレンド珈琲。そう言ってしまうと見も蓋も無いが、酸味も苦味も薄くて、クセが無く飲みやすい。決して凝ってはいないが、ちゃんと淹れたって意図が伝わるから、不満は一切無し。

【まとめ】
フランス料理で感じる素材の味わいなんて、たかが知れてるんじゃないの!?なんて、本気で考えていた、完全フレンチド素人のミニミニ。私は思いっきり真摯に反省せねばならない。ココの料理の、怒涛の様に波状攻撃してくる素材の味わい。思わず、仙崎沖で遊泳する鯛や太刀魚、はたまた樺太沖の寒海で回遊する鮭を想像してしまったとは、ちとオーバーか。ほぼ全ての皿の味わいの、内に向かって凝縮して行くような濃密感。あるいは、全ての皿の立ち居地すら感じ取れる、コース料理としての起承転結の明確さ。とりわけ、この値段のコースとしては、望外に素晴らしいと言わざるを得ない、スイーツの仕上げはどうだ。事前試食二回を合わせると、二ヶ月の間に都合三回、ココのコースを喰った訳で、その点からも、ココの実力は間違いないと断言する。

【下関編当日までの経緯】
2013年7月7日
・下関編企画委員会による試食オフ
・日和庵殿との第一回打合せ

2013年8月10日
・ミニミニによる下関編本番メニュー試食
・日和庵殿との第二回打合せ

2013年8月19日
日和庵殿との最終打合せ

【関門海峡対決の成績】
結果発表は日記にて。←コラ~、勿体ぶんな~(- -#)

  • テーブルセッティング
  • 左側セッティング
  • 右側セッティング

もっと見る

8位

鳥番長 上野昭和通り店 (御徒町、上野御徒町、仲御徒町 / 焼き鳥、鳥料理、居酒屋)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2013/12訪問 2016/04/06

2013年食べログ忘年会③ -鶏!!- 【再々々訪】

2013年12月26日

2013年食べログ忘年会のラストは、関東マイレビュさんとの鶏祭り。しかし、何で山口在住のあっしが幹事なん!?あ~、きっと私がヒマだからね、ぴょん吉師匠。総勢六名のミニ忘年会だけれど、私が仕切るからには、女性二名は免除として男共は、鳥の丸焼き一人一羽縛りじゃ!!思い切り喰うのじゃ!!遠赤観覧車ロースターの中でグルグル回ってる鶏ちゃんは、ぜ~んぶ我々のもんじゃ!!何と言うシアワセ(^w^)

結局、喰うものは何時も同じ。丸焼き、混ぜご飯、ハチミツアイス。どうであろうと、この三品は外せないのだ。ココを教えて下さったぴょん吉師匠は別格として、他の皆さんはどう思われたろうか。私的には、これほど鶏肉を無心になってかぶりまくれる皿はそうはお目に掛かれないと思う。最近では塩すら付けずに、白焼きされた鶏肉に、ただただ喰い付く。味なんて付けなくっても、鶏肉の味がちゃんとするのだ。湯気を上げる、アチチなささ身の旨い事ったら。肉を喰う快感を思い出させてくれる、素晴らしいお店。

好きな喰い物を、タベトモの皆さんと囲む楽しさ。いささか男メシ過ぎるので、二名の女性タベトモさんは面喰らったかも。ちょっと申し訳なかったかしら。ごめんなさい。でもやはり、この鶏肉を両手掴みでひたすら喰う快感には抗えまへんな~。皆さん、お付き合いありがとうございましたm(- -)m

2013年10月15日

先日、近所の二郎インスパを成敗後、二回戦だ~と意気揚々ここトリバンにやって来た途端、過食性貧血でヘロヘロ状態。挙句、あろう事かトリバンで休憩だけして帰っちゃった痛恨の夜。今夜は詫びの想いも込めて、身を粉にして喰らう所存だ。と、思いつつお店に到着してみれば、今夜は何と私の誕生会なんだって(@。@)取りあえず、避けては通れない【鳥丸焼き】、通称「丸ちゃん」を一羽ずつオーダーしたら、焼き上がるまでの四十分間を、【軟から兄弟】(やげん軟骨と膝軟骨のから揚げミックス)、【自家製ポテトサラダ】と、黒ウーロンで継ぐ。誕生会って何十年ぶりだろう・・・

いよいよ待ってましたの丸ちゃん登場!!今夜は始めて自分で解体に挑戦して見た。のだが、結果はNG。お店の方にやって貰った方がずっとイイ。理由は簡単、素人がやると遅い。遅いと冷める。冷めると味が落ちる。当たり前田のクラッカー。とりわけ勿体無いのがささみだ。速攻でさばいて貰ったら、先ずは一番最初にささみ。未だ湯気をもうもう上げてるのに、アッチッチとかぶりつくのに限る。その時の、水気が滴り落ちそうなジューシーで素直な旨みのささみは、コレが実に旨いのだ。だが今夜は、素人がオロオロやってるうちに冷めてしまった。あ~勿体無い。

そもそも身を粉にして喰らう覚悟だったのに追い討ち。誕生会だから奢りだって聞かされれば、箸も進むわ、胃は更にインフレーション。丸ちゃん成敗後の残り脂汁を利用した何時もの【鳥脂汁混ぜご飯】を、キッチリ完食してもまだまだ止まらない。追加で【鳥骨太つけ麺】をズルズル。濃厚鶏骨つけ汁(多分モミジぶち込み)もメチャ旨い。このつけ麺でお店できるんじゃないの?これで相当、胃がマックス。〆は毎度の【ハチミツがけバニラアイス】でフィニッシュ。大満足のご馳走様。毎度毎度旨い鳥をホントにありがとう。

好きなお店で突然の誕生会。あ~ビックリのウレシサ。何時も世話焼いてくれて感謝です。大将m(- -)m

2013年7月29日

また来てしまった鳥番長。タベトモぴょん吉さんに、「行くか!?」って訊かれたら、もうパブロフのワンワン状態。約二ヶ月の間が空いて再訪。結果、益々ファンになってしまった。ココは、旨い、安い、気風イイ。もう三拍子揃った名店もイイところ。今回は若干の画像追加とサクッと軽めレビューで。

何が無くとも、先ずは【鳥丸焼き】、通称「丸ちゃん♡」。今日はぴょんさんと一羽ずつ。この二羽揃った愛らしさったらどうよ!!しかも、男前店長御自ら解体下さる好機。てか、次回は自分で解体させて欲しいなぁ。それで、CSIミニミニの検視レビューって事で。しかし・・・喰っても、喰っても何故か減らない(- -;)なんで~??ちょっと~ぴょんさん、自分が食べれないからって、目を離してる隙にオレの皿に鶏肉移すの止めてくれません!?お陰で胃袋は鶏肉でパンパン。コレがホントのチキチキパンパン(←古過ぎ)。こりゃ明日の夜まで喰わんで済むな~。ホンマに旨い、たったの\1980(税抜き)!!

今日の初皿は丸ちゃん♡恥辱後のお約束、〆の【鳥油混ぜご飯】。丸ちゃん♡を平らげると、銀皿の上には垂れ落ちた鳥油が残る訳で、僅かばかりのタマネギを散らした白飯を、この鳥油で合えただけのもの。トップには青ネギがパラパラ。この鳥油混ぜご飯の旨い事ったら!!ぴょん吉さんは、「そんな旨いか!?」と怪訝な眼差しだが、旨いったら旨い!!文句あっか!?ぴょん吉さんが頼んだ【鳥骨塩ラーメン】も、その鳥骨スープは濃厚コクだらけマジ仕上がりもイイとこ。てかぴょんさん、二口、三口ばっか手繰っただけで、丼をオレに丸投げすんの止めてくれません!?も~あかん。これ以上喰えへん。チキチキバンバン猛レースな夜じゃ~(ToT)

喰った後で、「ありがとう」って心から思えるお店はそうそう無いもの。ココは数少ないその一店。ただブロイラーを焼いただけ。垂れ落ちた鳥油で白飯炒めただけ。それでも極旨料理ってできるんだよなぁ。

作り手と食べ手の意思共鳴は、料理の味を飛躍的に跳ね上げる。

それが摂理だ。以上。

2013年5月27日

恒例、東京夜のミニオフ会。私は故あって二次会からの合流。メンバーは何時ものP兄貴、N同志に、初対面、豚大魔神のN先輩。「二次会で鳥の丸焼きなんて、そりゃあちょっとオカシイんじゃないの!?」、と突っ込まれそうな、鶏ちゃんオンリー、ハードコア二次会の模様を、強烈グロ画像満載で報告!!

実は二次会合流2時間前に、既にそこそこガッツリと食べちゃった私、今から鶏一羽喰いってのは、カロコン中とは思えぬ無謀な所業だが、食べロジストたるもの、ココまで来て「カロリ~がぁ・・・」なんてクヨってる場合じゃないのだ。喰うときは喰う!!身を粉にして喰う!!喰い越しの金は残さん!!のだ。ちょっと違うか!?

私はそもそも鶏が大好き。これまで何度か書いたけれど、魚より牛、牛より豚、豚より鶏が好き。思い返せば昨年、通算300レビューのマイルストン・レビューでは、ケンタ鶏ちゃんの合体検証実験を行った。合体と解体。これはやはり一対であって、エンジニアの端くれたる者、あくまで両方試してみないと気が済まぬのである。

【鳥丸焼き】\1980
焼き上がるまでに、かれこれ40分は待っただろうか。目の前にやって来た鶏ちゃんは、首チョンパされてもなお、踊り出しそうな日焼けヌードでオチャメに銀皿に横たわる。バックから眺めると、アソコには臓物を抜き去った巨大な穴が!!げ~ちょいグロ(^ ^;)、思わずソコに拳を突っ込んで、天空に突き上げたくなる衝動は、俺はヘンタイ・エンジニアか!?フィスト・チキン。

もう、わ~わ~興奮撮影の後、それを待っててくれてたお店ネエちゃんは、いきなりデカイ裁ち挟みを鶏ちゃんに突き立てる。そっからの解体作業の早いの何の。ちょっと~、解体は俺がやりたかったのに(T T)・・・見る間にバラバラになって行く哀れな鶏ちゃん。一方、嬉しいのは、ネエちゃん、手際よく解体しながら、せせり、ささみ、ぼんじりなど、要所々々をキチンと説明してくれる。検視解剖的、解体ショー。

かくして、あっと言う間に解体されて元の銀皿に水平展開される鶏ちゃん。その様相は、もう完全に男の喰いモノ。エログロナンセンス丸出しのその皿姿に、思わずウットリするミニミニ。「いただきま~す!!」、元より素焼きなので味付けは一切無し。少しパリパリしつつも弾力の残ったし皮と、火が通っただけの色白汁だく肉は、香ばしくもアッサリ。薄味に飽きてきたら、付属の塩なり、柚子胡椒なり、焼鳥甘辛ダレを、チョビリとつけてパクリ。両手もカメラも鶏油でヌタヌタにしながらシャブリ尽くすこの料理、隅から隅まで鶏オンリーの素晴らしい皿である。だから一人で一羽喰いなんて、何て事無いのであった。軟骨までガリゴリやって、後に残るは鶏ちゃんの残骸。嗚呼!!大満足のごちそ~さま(^w^)

【まとめ】
コレは原色の料理。ただ焼いただけの鶏ちゃんはシンプルの極み。だからこそ、とてもイイ。しかも大層安い。そこでふと気が付いた。ケンタ鶏ちゃん一羽を組み立てるには、各部位合計9ピースが必要で、総額\2000前後。ケンタは衣が付いてるし、そう考えると、合体させても解体しても、鶏ちゃんはどの道、一羽分\2000前後なのだ。質量保存の法則。違った、鶏ちゃん保存の法則。素晴らしき庶民の喰い物である。

  • 一年おちかれのぱんかい!!(2013年12月26日)
  • 六人分五羽の丸焼き中(2013年12月26日)
  • いやん♡焼けました(2016年12月26日)

もっと見る

9位

ローマ軒&ローマ酒場 八重洲店 (日本橋、東京、三越前 / 居酒屋、パスタ)

3回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.0
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2017/10訪問 2017/11/25

アイム・ア・ケチャラー 第四十七回 ー東京ロメスパ勢と互角?それ以上かも・・・ー

屈指の麺煽り。自称焼きスパに嘘偽りなし!!
東京都心のオキニ店の中じゃ、かなり上位のリピート数を誇る焼きスパのお店である。大阪ではちょっとだけ知られた一派なんだが、単身東京に乗り込んできたこの店舗は、B食的味レベル高さの割りには知名度が低いのは何故だ?以前の店長さんと茹で置きスパについて話した時、ウチは焼きスパ、ロメスパ(路面スパ)とは言わないの。なんて、妙に関西拘りがあったような・・・そのニュアンスがもしかして邪魔してる?私にはそんなのどっちでもイイんだが。旨ければ。

【塩バジル(べらぼ~)】550+400=950円
デフォルト価格プラス400円でほぼ倍量になるところがミソ。とは言っても、仕上がり量でたかだか850gオーバーなので、私的にはあくまでランチ量。夜メシだったらこれじゃチョイ足りない。豚、しそ葉、小松菜、椎茸、玉葱、トマトを具材に、バジルと塩で味付けされて、中々アッサリ、サッパリで爽やかな一皿、それでいてローマ軒の十八番のシッカリ火入れされた焼き麺の逆デンテ(麺面サバサバ、麺芯モッチリの逆アルデンテ状態のこと)も相変わらずで、あくまでB級な趣だけれど、このラシサは関東ロメスパ店よりも・・・旨いんだよなぁ。

【まとめ】
この手の非イタリアン・スパゲッチの中では、相変わらずかなり気の入った調理。このお店の美点はソコじゃなかろうか。素材の良さと言うよりも煽りのひつこさ。あるいは時間を許す限りの火入れ。実は素材よりもソッチの方が大事だと思ってる。で、この気合煽りを試したければ昼時はNG。回転させるため、流石に煽りが弱めになる。14時以降、バータイムが始まる17時迄にアタックされたし。
何度目かは失念したが、とにかく久しぶり。今回もアイム・ア・ケチャラーと言いつつも、既に全100回の修行を経て解脱後の再訪なので、脱ケチャップメニューを心おきなく楽しみたい。のだが、八重洲の昼時店内は、ロメスパファンのオッサンぎゅうぎゅう状態。とても落ち着いて喰えたもんじゃないのが玉に瑕。ま、自分も大概オッサンなのだが・・・

【ミートカルボ(べらぼ~)】1050円
そもそもロメスパ(路麺スパゲッチの略、立ち食いスパゲッチ的な意味合い)のメッカは関東であるのだが、このお店は大阪発祥。なのでロメスパ店と言うにはお店としてもちょっと抵抗があるらしく、訊けば自称、焼スパなのだと。ま、私にとってはどうでも良くて、茹で置き極太麺を予め強火鉄鍋でガンガン炙ってから、初めて具材と合わせるという所作はやはりロメスパなんである。この事前煽りってのが極めて肝で、この手順により茹で置き麺の表面だけ水分が飛ぶから麺面はカサカサ、麺芯はモッチリのまま。これを、アルデンテの真逆であるので逆デンテと言う。誰が言ったか知らないが。私的には何処まで逆デンテに持って行くかがロメスパの良否を左右するポイントの一つだと思っている。

さて今回の皿。メニューにはミート・クリームチーズ味で、具材はミートソース、ベーコン、牛乳、卵、チーズ、小松菜、椎茸、玉葱とクレジットされる。べらぼ~ってのはこのお店の最大盛りの呼称で、茹で上がり麺量で850g。なので今回のメニューだと、具材やソース込みの仕上がり両は推定1.2kgほどだろう。この量自体は、某ムチャクチャ・ロメスパ店の星人盛り2.4kgの半分でしかないが、一般人にはここら辺りが関の山量。そもそもカルボナーラにミート掛けなので、この麺量でも結構なパワフルさではある。喰い始めれば、ミートソースだがカルボナーラだか味不明の超B級ワールドで、嫌でも胃袋に喝が入る。前半喰いでミートソースが果てた後は、かなり緩めの楽勝カルボナーラが残る。ま、残ると言っても、それでもなお普通盛り以上のボリュームだが。とにかく一皿で2度旨い。しかもお腹はパツパツ。絵に書いた様な1000パツ皿(千円でお腹一杯の意)は極めて優等生な庶民の味方。

【まとめ】
それにしてもだ。時間と腕力を要する逆デンテ技を、このクソ忙しい昼時でも辛うじて維持する努力は買いだ。今や、大阪から単身乗り込んで来られた店主殿はお店から姿を消し、若い店員殿が店を切り盛りしてるようだが、それでも麺煽りの作法は一応標準化されて受け継がれている。惜しむらくは昼時の混雑故、麺の焼き入れにムラがあるところ。なのでお勧めは昼時を外した14時以降。落ち着いて煽ったローマ軒らしい焼き麺が味わえるから。
【はじめに】
今回は相当キッツイです。夏バテ気味、あるいはアッサリ草食系の方は、読まれてる途中で、もしかしたら気持ち悪くなるかも知れません。ちょっとヒツコ過ぎる爆ナポ三連荘、酷暑の真っ只中だっちゅうのに、暑っ苦しくて誠に相済みませんm(- -)m

【大阪モンの意地は八重洲で炸裂する!!】
このお店、実はアイム・ア・ケチャラー第三十一回、八重洲「ハラペコ」の後に居抜きで入った焼きスパ屋。特記すべきはその出自。本店は大阪天神橋なのである。ここでチェックしとかなきゃイケナイ「焼きスパ」なる定義。大阪ビトは決して「ロメスパ」とは言わぬのだ。あくまで「焼きスパ」であって、これはある種、大阪食文化の意地であろう。茹で置き極太麺を炒める、そのフォーマット自体は、ロメスパと何ら変わらないのである。

料金体系は実にシンプル。どの炒めも共通で、「並」は総量400gがワンコイン\500、次が「大盛」で総量600gの\700、最後の「べらぼ~」が総量850gの\880。後はトッピング次第で追加料金となる。しかしよくもまぁ大阪から、今をトキメク東京ロメスパ界に単身殴り込んで来たものだ。見上げたチャレンジ・スピリット。大阪から単身赴任して来たと思しき、関西訛りの大将の、焼きスパに対する想いはこうだ。

大将:東京モンは麺の茹で置きやいうて、酷いトコは前の日から茹でて置いてるんですわ。あれじゃダメなんよ。麺ふやけて腰砕けになってまうんですわ。うちトコは、茹でたら必ず二時間以内に炒めるんです。茹で置きいうんは、フライパンで炒めれる迄、麺表面の水気を飛ばすいう事。ダラダラ何時までも置いててもアカンのですわ。

ミニミニ:オッチャンすごいなぁ、こりゃ~俄然楽しなってきよったで~(^w^)

2013年5月28日

【焼きナポリタン(べらぼ〜)】\880 画像①~⑤
総量850g。なので、ほぼグラム\100の、スーパーCPナポである。茹でて二時間内に炒めると言う極太麺は、なるほどの説得力。少し注意して味わうならば、東京爆盛系ロメスパの平均的な麺質に比して、表面にハリがあって、しかもツルツルしている。シュビン♪ツリン♪、とフォークに絡みたがる麺質は、中々素晴らしい。一方、ケチャは若干少なめ、なんで~!?と食後に問えば、麺の量が多くて飽きちゃうとイケナイから、並や大盛より少し少な目に、だと。ちょっと待って~な!!オレにそんな小細工しやんといて!!ケチャラー・ミニミニの辞書に、ケチャに飽きるなんて言葉は無いのよ。具材は、エビ、小松菜、椎茸、玉ねぎと、コレはロメスパ老舗、有楽町「ジャポネ」と完全に被ってる。海老のおかげでアッサリしてて、ケチャ麺をたらふく飲み込むには、誠に好ましい具材アンサンブル。これだけ上質な出来だと、850gなんて全然多くない。サラリと完食でお代わりほすい。味☆4.0

2013年5月31日

【焼きナポリタン(べらぼ〜、ケチャ増し、ミートソース掛け)】\980 画像⑥~⑩
三日前の焼きナポに、心を鷲掴みされたミニミニ。ケチャ中毒患者の駆け込み寺に、またもフラフラと引き寄せられて・・・今日の一皿は推定総量1kg。だって850gのべらぼ~の上に、ドップリミートソース掛けだもの。遂にグラム\100を割り込んだ、ウルトラCPナポだ。前回の素ヴァージョンでは、しなくても良いケチャ・カットをされちゃったので、今日はケチャ・マシ。そのガッツリ濃い味の味わいもさることながら、ミートソースでドロンと強烈に粘る麺質は、こりゃあ相当の破壊力。天晴れ大阪モン!!並み居る東京ロメスパを、たった二発(二食)で殴り倒してTKO。サクッと完食して、まだ食べたい。コイツ魔人か!?味☆4.5

2013年6月25日

【焼きナポリタン(べらぼ〜、ケチャ増し、カレーソース掛け)】\980 画像⑪~⑮
まだまだ続くケチャ地獄。とうとうカレーソース掛け。も~わやくちゃな世界・・・今日の一皿も推定総量1kg。ウルトラCPナポの上にドップリ掛かるのは、スパイシー・キーマ風のカレーソース。その粘度は、前回のミートソースに比して一層ドロリン系。従い、張りのある極太麺に絡め時の、フォークに絡み付く迫力は、それこそ超絶B級で、もはや言葉も無し。ケチャ&カレーの味が醸し出す、極限的ヒツコさも天晴れと唸るのみである。コレを喰って、初めて感じる溜息交じりの恍惚満足感。しかしまぁ、何処まで食べ手を喜ばすのだろう。アンタエライ。エラ過ぎる!!味☆5.0

【まとめ】
コレは邪道だろう!?まあ、百歩譲ってナポにミートはアリにしても、ナポにカレーはあるまいて。そう思われる方が大勢なのは分かってる。それでもなお、断固として、コレまでのナポで最高☆を付けたい。ナポ&カレー。頭では邪道と分かってても、踏み越えてはイケナイ不倫の世界は、誠に効し難い、甘美な魔力に満ち満ちている。暫定でベスト・オブ・マイ・ロメスパとしたい。

  • 塩バジル(べらぼ~)
  • バジル風味のアッサリ仕上げ
  • 今日はフォークでグルグルトルネード

もっと見る

10位

鶴屋吉信 (今出川 / 甘味処、和菓子、どら焼き)

1回

  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2013/03訪問 2014/09/01

いけめんスイーツ大作戦 第三十七回 -ザ・トップ・オブ・マンジュウ-

ウチの会社、創立記念日には全従業員に紅白饅頭を配布する。これほど怖い話は無い。正に「まんじゅうこわい」である。いや、決して毒饅頭じゃあないのだが、安月給で働かせてる割には、恩賜される饅頭は超ブランド品ってのが怖いだけである。

2013年3月2日

京菓子界に燦然と輝く至高の屋号、鶴屋吉信。この京菓匠がこさえる慶弔用の薯蕷饅頭は、ある意味日本饅頭群の頂点にあると思っている私には、高評価しちゃうのは必定なのだ。確かに、たかが饅頭にして一個税込み\525って値段は、旨くて当然と思われるやも知れないが、コレより高価な洋菓子は、そこいら中にゴロゴロしているのだ。なので甘モノ全般を俯瞰するなら、その極上の饅頭度からして至極妥当な値付なのである。

【薯蕷饅頭 紅白二個入】\1050
Appearance:
今回は慶事饅頭なので、プロットは崩して紅白ニコイチでレビュー。包装フィルムから剥き出した饅頭は、そのふくよかで、柔らかい質感を伴う、得も言われぬ丸みが素敵だ。ツンムリした薯蕷皮の張りも、並みの饅頭じゃああり得ない。仄かに生成った微妙な白、赤色3号で消え入りそうに染められた紅、どちらもニコイチにした時に、相乗的にお互いを引き立てあう。和菓子はホンマに美しい。何時までもボケ~っと眺めていたい。

Structure:
薯蕷皮の厚みは厚すぎず、薄過ぎずのベストな厚み。その皮で手亡餡(白)と小豆餡(黒)が仲良くも、これまたベストバランスで包まれる。極めて無変哲な構成ではあるが、そもそも饅頭に妙なトリックは不要なのだ。これが和の美と心得たい。しかして、その絶妙なバランス、重量感は、永年の歴史を経ることで練り上げられた、饅頭の黄金比率であろう。

Taste:
つくね芋(京都製薯蕷饅頭で常用される長芋)を含む米粉でこさえられる皮は、そのしっとり、ふんわり、もっちりした質感で、そこいらの薯蕷饅頭の追随を許さぬ、圧倒的な上質さ。包含される白餡と黒餡も、下品にならぬギリギリまで十分に練られたネットリ感。甘味だって濃過ぎず、薄過ぎずのドンピシャ具合である。食感、風味、甘味共に、私が知る限りの二十余年間、微動だにしない抜群の安定感。これが京菓子の歴史を背負うと言う事なのだろう。恐れ入る限り。

Summary:
その、包装材さえも含めた京菓子としての品位と迫力。これ以上無いような繊細さを迸らせる外観と、手にした時のズシリとした密度感の対比。いざ食んでみれば、その濃密な柔らかさと、絶妙な味わい。もう完璧じゃないか!!と思わせる素晴らしいバランス感は、これぞザ・トップ・オブ・マンジュウだと言いたい。創立記念のタダ饅頭が故の、過剰評価では断じて無いと思うんだけどなぁ・・・

  • 2013年饅頭の旅(これ解って下されば、相当嬉しい)
  • 日本饅頭界、最強の紅白コンビ
  • 天下御免のブランド裏紙

もっと見る

ページの先頭へ