『ストーリーの重要性』たいきさんの日記

たいきのレストランガイド

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 最近写真なしのレビューを非難するコメントを目にしました。
 たしかに写真の載っていないガイドブックはないですし、
 その写真を見ておいしそうだと思うこともしばしばです。
 
 しかし、その一方で写真次第でたいしたことがない料理も
 おいしそうに見えたり、
 手が込んでいるだけの料理がやたらと高評価を集めたりもします。

 最近読んだ本に「ハイコンセプト」があります。
 これはアメリカの著名なビジネス戦略の本で、
 あの大前研一氏が翻訳の筆をとられています。

 これは、今後ビジネスの方向性をどちらに見出してゆくべきか
 の指南本で、要するにこれからどういったものが流行るのか
 を分析し、予測しているわけです。

 その中に、デザイン性を高めること、付加価値を高めること
 があります。
 料理の世界では、一流のお店ではデザイン性は
 当然高めているわけです。
 その中での差別化となると、よりおいしいか、
 なんらかの特徴があるかが重要であり、
 その部分を伝えてゆけるのは写真ではなく、
 単なる言葉でもありません。

 ストーリーです。
 その料理を味わった本人が感じたことを
 己の経験と知識に基づいて、ストーリー仕立てで
 展開してゆくと読み手の心を揺さぶり、
 人はそこに付加価値を認めるわけです。

 とはいえ、私が食事時に写真を撮らないのは
 別な理由です。
 一番おいしい瞬間に食べたいという気持ちと、
 本当に美しいものなら心に残ってゆくものだと考えているからです。

 世界一の美女は映像では表現できないといいます。 
 正直な話、クレオパトラの肖像を見て、
 美しいとは私には思えません。
 
 そこにはその時々の流行や、洋の東西による
 好みの差があるからです。
 結局芸術も料理も好みの問題が大きいので、
 映像化するよりもおのおのの想像力に任せてこそ
 より素敵に成るとも思います。

 しかし、私は写真をとることが良くないとも思っていません。
 写真つきのレビューが良くないともまったく思いません。
 私は私の考えで、賛同してくださる方のために
 情報を発信しているだけです。
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